我の相棒がバッドエンドを迎えるわけがない   作:もよぶ

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第五話

修学旅行当日、材木座は駅にて比企谷を探す。

 

「はちまーん」

「なんか用か?」

 

「いやぁ、あの戸部殿の依頼の件だがな、何か決まったら教えてくれると言ってたであろう、何か決まったりしたのか?」

 

「何も決まってねぇよ、まぁ考えながらってところだ。3日目自由行動だからやるとしたらその時だな」

「3日目って貴殿は奉仕部で回るとか言っておったのでは?、あの二人も八幡との時間を楽しみたいと言っておったであろう」

 

「ん?俺は確かに奉仕部で回るとは言ったが、雪ノ下と由比ヶ浜が俺との時間を楽しみにしているってどこ情報よ?お前マジでいってんの?」

比企谷はいぶかしげな目線を材木座へ向ける

 

「い、いやほら、あの我も協力したいなーと言いに行ったときみんなで我を拒絶したであろう...だから...」

 

「は?まあ確かに同行は遠慮したいとは思ったが、誰も拒絶なんてしてないし俺と一緒に行くのが楽しみだからなんて言ってないぞ?」

 

しまったと思う材木座に比企谷はさらに質問しようとしたがちょうどその時

「あーいたいた!材木座君!なにやってるのよ!」

神崎が人混みを掻き分けやってくる

「んもーウチのクラスの集合場所はあっちだよ!みんな心配してたんだから!」

 

「え?材木座、この人誰?」

突然のことに驚く比企谷

「フフフ、聞いて驚け八幡よ!我はとうとうリア充の仲間になったのだ!この方は我のグループの一員でな!神崎殿と言うのだ!」

「えーっと、八幡君?あれ、もしかして君が噂の比企谷八幡?」

その台詞にまたかという顔をする比企谷

「あーんじゃぁな材木座、また連絡するわ」

と言って踵を返そうとするが

「君って材木座君の相棒なんでしょ?この間材木座君が君に関する悪い噂は誤解だって力説してたよ!いいなー友情だね!」

 

その台詞に比企谷はピクリと足を止め材木座を睨み付ける

「材木座、おまえ余計なこといってんじゃねぇよ」

「いや、だって皆が八幡のこと悪く言ってるのには我慢できなくて...」

「だってじゃねぇよ、俺がこういうの嫌いだってしってんだろ」

比企谷が材木座へ食って掛かっているところに神崎がさらに

 

「そして雪ノ下さんと由比ヶ浜さんの秘密の想い人!ウチのクラスじゃ常識だよ!あ!でも他のクラスには内緒にしてるから安心してね!すごいね!学校一位二位を争うような美女二人と秘密裏に仲良しになっているなんて!」

と目をキラキラさせる

 

「ちょっちょっと神崎殿、我はそこまで言っておらぬだろう」

「お、おい材木座、いったいなんの話を...?」

妙な話になっているのでうろたえる比企谷

 

「ふふふ、材木座君から聞いたあとウチのクラスのメンバーで情報収集したらなんと三人は何かというと一緒にいるってことがわかったんだ!しかも三人とも仲良しなんて奇跡じゃない!大丈夫!ウチのクラスはみんな比企谷君の味方だから!でも私としては雪ノ下さん派かな?じゃ、材木座君いこう!」

 

唖然としている比企谷を残し神崎は材木座を2-Cの集合場所まで押していく、材木座は一応どこまで知っているのか聞いてみる

「神崎殿はどこまで知っておるのだ?」

「うちの部活にJ組の人がいてね、雪ノ下さんの話聞いたんだけど、比企谷君と文化祭の時レシーバーでみんなが聞いてるのに二人で話をするのに夢中になったり一緒に文化祭を回ってたとかでJ組の女子の間でも噂になっててみんなで問い詰めたんだって!そしたら顔を真っ赤にして『なんであの人の事を言わないといけないのかしらって』いつものクールな感じじゃなくなってものすごく慌てた感じ立ったんだって!なんスッゴクかわいくない?私もめっちゃ応援したくなってさ!」

 

「由比ヶ浜殿のことは?」

「由比ヶ浜さんはちょっと露骨すぎかな?多分あとちょっと押せば比企谷くんも落ちちゃうかも、それに由比ヶ浜さんは友達一杯いるからきっと応援してくれる人も沢山いるでしょ?だから私は雪ノ下さんを応援するんだ」

 

新幹線内では材木座がゲームが得意ということを成田が広めたため、ゲーム大会が行われていた。

「ぬっはっは弱い弱すぎるぞ!これで30人抜きだ!」

「きゃー材木座さんステキー」

「成田殿、男に言われても全く嬉しくないのだが」

成田のグループが材木座のことを宣伝したため他のクラスから腕に覚えがある男達が続々と終結し、材木座のいる車両はさながらゲーム大会の会場のような様相を呈していたのだ、無論女子はあまりのむさ苦しさにいなくなってしまった。

 

「うーんしかしこんなことしていていいのだろうか?」

「ほれ材木座、次の挑戦者だ」

矢継ぎ早に対戦相手が来る上にゲームの種類も数種類あるが次々と撃破していく材木座、そのうち新幹線は京都についてしまった。

 

京都初日はクラス単位で回る、材木座は比企谷達が心配ではあったが、クラス単位で動いているためそのまま観光することにした。

ちなみにゲーム大会とコミュニケーションスキルの向上により今までほとんど話したことがないクラスの男子達と今更ながら打ち解け、材木座と成田を中心にクラスが移動するという比企谷達が見たら見間違えかと思ってしまう状況になっていた。

 

ホテルにつき据え置き機を持ってきた人がいたため、またもやゲーム大会となるが材木座は強すぎるという理由で逆にあまり対戦をさせてもらえなくなっていた。

「むふぅ、我の相手がいなくなってしまったではないか」

「材木座が強すぎるのがいけねぇんだよ」

「ヌッフッフ敗北を知りたいものだ」

 

依頼の件の進展が気になったこともあり

「では八幡のとこに顔を出してくるかのう、我しばらく離脱するなり!」

「いってら~」

ウノを片手に比企谷のところへ行くことにした。

 

「はっちまーん、ウノしようぜ!」

「うわ、お前自分のクラスはいいのかよ」

ごく自然にするりと戸塚と話をしていた比企谷のとなりに座る材木座

「それが聞いてよはちえもーん、新幹線に乗っているときにちょっとゲームで連勝しちゃったらみんな相手にしてくれなくなっちゃったんだよー」

 

「材木座君ってゲーム上手いの?ちょっとってどのくらい?」

戸塚が興味深そうに聞いてくる

「30、いや最終的には40連勝だな、各ゲーパズルゲー対戦できるのは何でもだな!あのままだったら100連勝も容易かったであろう、もっともその頃には京都を通り越して九州についていただろうがな!」

 

「...アホか、いったい何しに新幹線に乗ったんだよ、まあそんなに強くては追い出されるな、勝負する前から勝敗が分かるなんざやる気がでねぇ、だからウノもやめようぜ、どうせお前が勝つんだから」

 

「この手のカードゲームはそうでもないのでな!だからやろうぜ!」

といいながら懐から出したウノをシャッフルし始める。

「罰ゲームは外に買い出しにいくで良いな?」

「おい勝手に決めるな...」

「僕は構わないからやろうよ!」

戸塚が乗り気なので比企谷しぶしぶ同意する。

 

ウノをしつつ依頼の状況を比企谷へ聞いてみる。

どうやら今のところ海老名と戸部をなるべくくっつけるように行動させる程度しかしていない様だった。

思考も読んだが

『あーめんどくせぇ、明日の予定も葉山達と一緒だしな、由比ヶ浜はいつも以上にくっついてくるし朝の材木座のグループの女子が言っていたこともあって意識しちゃって勘違いしちゃいそうで困る。まったく一緒にいるだけで噂になっちまうんだから』

 

「そのまま勘違いすればいいのに」

ついボソッと独り言を言ってしまう。

 

材木座は明日の予定を聞く他に葉山達の依頼をなんとか帳消しに出来ないか働きかけるつもりだった。

比企谷は由比ヶ浜雪ノ下も絡んでいるため簡単に諦めさせることはできないだろうからせめて依頼そのものををなくせないかと思っていたのだ。

 

その為メガネを使って思考を読み勝負をコントロールしばれないように比企谷を負かして、買い出しに行かせることとなる。

 

買い出しにいかせている最中に戸塚に明日の予定について詳しく聞くことにした。結果材木座達も大体同じような所を回るようなのでちょっと変更して後からついていく形にでもしようかと思い、今度は葉山達の方へ

 

「葉山殿、ちょっとよろしいかな?」

「君は...材木座君だったかな?なにか用かい?」

 

「実は...」

告白サポート依頼を自分も手伝うことになっていると言うことを伝える。

「あ、ああそうか君も手伝ってくれるんだね、よろしく頼むよ...」

口では感謝の言葉が出ているが思考を読むと真逆で

『くっ、彼も告白の手伝いか、これ以上増えられると本当に困る、戸部に告白を諦めてほしいのに』

 

「やはり八幡には話しておらぬのか...一体どうするつもりなのだ...」

頭を抱える材木座

 

「ん?材木座君?どうしたんだい?」

「あ、ああ、うむ葉山殿は戸部殿の告白をどうやって成功させるつもりなのだ?」

「...それは比企谷達に色々とお願いしていてね」

 

「なあ葉山殿、お主のグループの問題を何故八幡にやらせてるのだ?お主らで解決するべきだろう?」

「...そうだな...」

「お主が本当はどうしたいかちゃんと八幡に相談したのか?」

その言葉に葉山はギクッとなる

「んー?ザイモクザくんそれどういう意味よ?」

横で聞いていた戸部が割り込んでくる

 

「いやなに、八幡に聞いたが葉山殿とはあまり話をしていないとのことでな」

「そういえばそうだべ!隼人!ヒキタニくんと打ち合わせ必要でしょー」

戸部は相変わらずだ。

 

「葉山殿、この依頼我なりに考えたのだがお主はグループ内の皆とちゃんと話し合うべきなのでは」

「君は一体何を...」

いつものスマイルフェイスではなく睨み付けるような目で材木座を見る葉山

 

材木座は葉山の思考を読もうとしたところ突然部屋の扉が開く、開けたのは成田のグループの河内だった。

「材木座!ここにいたのか!ようやく見つけた!比企谷の所って言ってたからF組の連中に聞き回ったのになんで誰も知らないんだよ!おかしいだろうが!」

「それより一体どうされたのだ?ただならぬことのようだが?」

 

「新幹線のゲーム勝負でボコボコに負かしたB組とD組の連中が他のクラスの奴ら引き連れて殴り込みにやって来やがったんだよ!また勝負しろってよ!今ウチのクラスの腕が立つ奴が相手してるけど、正直持たない、頼む!早く来てくれ!」

 

「いや、我は今...「いいから早く来い!」」

「材木座君ってすごいんだ!」

戸塚からの尊敬の眼差しと

「君のクラスの一大事なんだろ?早くいってあげなよ」

と葉山に言われてしまい無理やり引っ張っていかれることとなる

 

材木座が部屋に戻ると成田達とAからJ組の男子十数名がにらみあっていた。

部屋は定員オーバーで猛烈に暑苦しい状態になっている。

 

「けぷこんけぷこん、皆の衆待たせたな!」

材木座は自分に向けられる視線に臆することなくテレビの前に行きどかっと座り宣言する。

「我は剣豪将軍材木座義輝なるぞ!諸君!小便は済ませたか? 神様にお祈りは?部屋の隅でガタガタ震えて命乞いする心の準備はOK?」

 

「大口叩きやがって、うざってぇやつだな、ぜってぇボロボロにしてやるからな覚悟しろ」

殴り込みに来た一人が言ったが、材木座は冷静に返す。

「よろしい、ならば戦争だ」

 

結果から言うと、材木座の八面六臂の活躍でC組の大勝利を納める。

「く~疲れました。これにて完結です」

ヘトヘトになった材木座はそのまま横になる。

 

真っ先に負けたJ組の男子が買い出し要員として出ていってたので、皆でゴロゴロしながら帰りを待っていた。

因みに修学旅行で皆が密集していることもあり、材木座が学年中の強者を倒したゲームマスターとして噂が一気に広まることになった。

 

しばらくすると買い出し要員が帰ってきたが様子がおかしい

「クソ!雪ノ下さんが男子と一緒に散歩してやがった!何かすげぇ親しそうだった!あいつたしかヒキタニだかヒキガヤとか言う奴だったと思うんだが、なんでよりによってあんな外道みたいな奴となんだ!」

ものすごく悔しそうにしているJ組の男子

 

「あーそれな雪ノ下さんと由比ヶ浜さんは比企谷に惚れてるんだと、あと比企谷は学年に流れてる噂のような奴じゃないとよ、なあ材木座?」

「ちょっちょっと成田殿!それは内緒って言ったであろう!」

 

「由比ヶ浜さんと雪ノ下さんが惚れてるってどういうことよ?」

一気に部屋がざわつく

 

「もういいだろ、見ちゃった奴も出てきたんだしこの際全部ゲロれ、それに今いっとかねぇと永遠におまえの相棒は誤解されっぱなしだぞ、俺も詳しいこと知りたいしよ、早く話せ」

成田から話すように急かされる

 

「んもうC組だけの話って言ったであろう...致し方ないな、では皆の者、本人達には絶対に言わぬように、我が知ってる範囲で...」

材木座は比企谷が由比ヶ浜の犬をかばって事故に遭ったことから自分の稚拙なラノベをちゃんと読んでくれたこと、戸塚の依頼に起きたこと、文化祭、体育祭、柔道部の一件等を話した。

川崎の件は大事になりそうだし、ウェディングドレスを着た雪ノ下、由比ヶ浜と撮影したまで話すと嫉妬に狂った男子達に比企谷がボコボコにされかねないのでそれは黙っておくことにした。

 

「マジかよ由比ヶ浜さんの犬を庇って事故に遭ったのかよ!それは惚れるわ...ダメだ勝てる未来が見えない」

 

「葉山とのテニス対決は俺も見てたけど、それって葉山の方から吹っ掛けてきたってことか?しかも三浦さんってテニスめっちゃ強いのに圧倒的不利な状態で逆転勝利、雪ノ下さんの前で返り討ちにしたってそりゃ惚れるわ」

 

「俺文実だったけど、裏でそんなことがあったんだな、人が少なくなって大変になったんだが、比企谷と雪ノ下さんがそんなに頑張ってたなんて、あいつはひんしゅく買うようなことばかりしてるように見えて計算ずくだったのか?ってか噂と全然違うじゃねぇか、結局相模の奴は最後まで迷惑かけてばかりじゃねぇの」

 

「あの変な騎馬戦っておまえのアイディアだったの?でも先輩の思い出作りのために自軍を勝たせようとするなんて泣けるな、一言俺たちに相談してくれれば失格になんてならなかったのによ」

 

「ってか材木座、中途半端にかいた小説よく読ませる気になったな...大体おまえ書いてるのってあれだろ?おまえがいつも読んでるラノベみたいなのだろ?異世界転生とかなんとかって奴、あんなもん雪ノ下さんに読ませるんじゃねぇよ...」

 

「そ、それがちゃんと読んで一から十まで駄目だしをしてくれてな」

 

「雪ノ下さんっていい人だな...」

 

「材木座、おまえ話盛ってるんじゃねぇの?比企谷色々やりすぎだろ」

「嘘は言っておらぬ、そもそもあやつは表に出ることを嫌うのだ、それあやつは強くて優しいがゆえに漬け込まれることも多い、文化祭の話も相模殿が自分に都合のいいように真実を切り取って噂を流したのであろうが八幡はそれを訂正することをしない。奴にとっては自分を信じてくれる身内だけで十分なのであろう」

 

「とんだダークヒーローだな、そんな奴がほんとにいるんだな...」

 

材木座が色々語ったため、材木座のゲームマスターの噂と同じぐらいの勢いで比企谷の悪い噂は払拭されることになる。

逆に男気があるということで比企谷の株は急上昇することになった。

 

「勝負が終わったらもっかい葉山殿の所にいくつもりだったがこれではもう無理だな」

材木座は比企谷のことやゲームの攻略方法を次々と聞いてくる男子達を前にそう思うのだった。

 

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