我の相棒がバッドエンドを迎えるわけがない   作:もよぶ

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第九話

雪ノ下と由比ヶ浜が比企谷に思いの丈を伝える、その内容は単に惚れた腫れたというものではなく、真剣であり二人がいかに比企谷のことを想っているかが良くわかる内容だった。

しかし比企谷の口から発せられた言葉はそれを覆すものだった

 

「すまん、二人とも、やっぱりどちらかを選ぶなんてできない」

 

その言葉にさすがの材木座もブチ切れた

「貴様いい加減にしろ!二人が勇気を出した告白を無意味なものにする気か!」

比企谷がどんなことを考えていたのか思考を読むべきだったかもしれないが、材木座は冷静さを失い比企谷の方へ向かう。

しかし後ろから迫っていた成田から突き飛ばされる

 

「おい!比企谷!てめぇどういうつもりだ!あんなに真剣に好きだって言ってくれてるんだぞ!答えるのが筋ってもんだろうが!てめぇのことを材木座から色々聞いて尊敬してたんだが幻滅したぞ!」

成田は比企谷の胸ぐらをつかんで怒鳴り散らす。

 

「選べるわけないだろ!俺にとっては三人一緒にいる奉仕部の時間が好きなんだ!俺が片方を選んだ時点でそれは崩れてしまうのはわかるだろ!俺の一言であの時間も雪ノ下と由比ヶ浜の友情も壊れてしまう、俺は二人とも同じぐらい好きなんだ!二人が仲良くしているところも好きなんだ!失いたくないんだ!ボッチで勘違い野郎の俺にこんな時どうすればいいかわかるわけないだろう!」

比企谷は悲痛な叫び声を上げる

 

「てめぇ何様のつもりだ!あの二人がお前に選んでくれと言っているんだ!逃げずに答えるのが男ってもんだろうが!」

成田はさらに激怒する

「じゃあ教えてくれよ!全部失わないやり方を!...といってもこんなこと言った時点でもうおしまいだよな、美少女二人の真剣な告白を無下にした時点でおれは最低なクズ野郎だ...ほら殴れよ、みんなの憧れをおれは振っちまったんだぜ」

比企谷は諦めたような顔をして成田を見つめる

 

「どうしてこうなっちゃうのかな...あたしたちが本当の気持ちを言ったのが良くなかったのかな...」

由比ヶ浜は泣きそうな顔をしており、雪ノ下は悲痛な面持ちで比企谷を見ていた。

 

「クソっ!どうしてこうなってしまうのだ。これでは嘘告白が起きた時と大して変わらんではないか!結末はどうやっても変えられないってシュタインズゲート的な何かかよ!世界線は変えられないのか?」

材木座は頭を抱える、こうなってしまうと思考を読んでどうこうできるレベルではない

「なんとかしないと、なんとか...ううむ、奴はひねくれすぎている、ひねくれた奴にはひねくれた回答を...」

と無茶な解決策を思いつく、だがこれしかない、材木座は雪ノ下へ話しかける

「雪ノ下殿、八幡は大変ひねくれておる」

「こんな時になにかしら?あなたどういうつもり?」

 

いつもよりも強烈な視線で睨みつけられる、大変怖いがここで引くことは出来ない

「だ、だから奴はお主ら二人が好きだと言っておっただろう?お主らの友情も壊したくないと」

「聞いていたわ、だからなに?」

 

「だ、だからであるな、奴の望みをかなえるならば、一般常識からかけ離れたひねくれた回答でないと」

雪ノ下の顔が猛烈に怖いのでうまくしゃべることができない

「お、お主ら良く考えてみよ、明らかにおかしいが解決するやり方があるであろう」

雪ノ下は気が付いたようだ

「でも、それは...」

 

「雪ノ下殿、全てを手に入れるか、すべてを失うか、どうされる?」

 

それを聞いて雪ノ下は決心したように比企谷に向かう

「比企谷くん、あなたの先ほどの言葉に嘘はないのよね?」

「ああ」

「…そう…由比ヶ浜さん耳を貸してもらえるかしら?」

雪ノ下は由比ヶ浜へ何事がささやいている、由比ヶ浜は大変驚いた顔をしているが

 

「えええ!そんな...でも、ゆきのんがそれでいいなら...あたしもいいよ」

由比ヶ浜も決心した顔になり二人で比企谷の前に立つ

ただならぬ雰囲気に成田は比企谷の胸ぐらから手を放し離れる

 

「比企谷くんあなたの気持ちはわかったわ」

 

「なんだよ、もういいだろ、俺は今日からボッチに戻る、邪魔すんな」

 

「比企谷くん」

「ヒッキー」

 

「「よろしくお願いします。」」

 

「は?」

「え?」

「え?」

「え?」

「え?」

「え?」

「え?」

「え?」

 

その場にいた全員の頭に疑問符と疑問が口に出てしまう状態となる。

 

「あなたは私たち二人とも好きだと、選べないと、それは両方を取るということね、さすがひねくれた回答を言わせたら全国一位ね二股谷くん」

 

「いや、俺はそんなつも「さすが八幡、我らにできないことをさらっとやってのけるとはな!そこにシビれる!あこがれるゥ!これで貴様の伝説にさらに拍が付いたのう!」」

比企谷が何か言おうとしたのを無理やり制する

 

「え?何それ?女の方から二股公認宣言ってなんだよそれ?もしかしてさっきまでのは演技かよ、女の方から言わせて全部を手に入れるつもりだったのお前?」

成田がドン引きしたような顔になる

 

「いや、だからちが「さすが八幡であるな!我らもその術中にはまってしまってたのだ!男の方から二股宣言は外道の極みだが女子の方からこういわれては我らも認めるしかあるまい!」」

 

「おいマジかよ、あいつ策士すぎんだろ」

「くそう、どっちか選んだらもう片方に告白するつもりだったのに」

「ありえねぇ、こんなの嘘だろ」

「マテよ、今までの話からいうとあいつだったらあり得るんじゃないか?」

 

成田についてきた男どもは悔しさのあまり泣きそうになっている、中には叫びだすのもいた。

「さぁさぁ我らはホテルに戻ろうではないか、あの三人まだ話したいことがあるようだからのう」

 

「おい、材木座ちょっ「ええ、申し訳ないけど三人だけにしていただけないかしら?」」

比企谷がまたなにか言おうとしているのを雪ノ下が制する

 

「うむ、では皆の衆ホテルにもどろうぞ!」

そういうと材木座は皆を無理やり押していき帰ることにした

「ちょっとま「中二!またねー」」

また何か言おうとしている比企谷を今度は由比ヶ浜が制してぶんぶんと手を振る

 

「八幡!、自分に素直になるのだぞ~!」

材木座はそう比企谷へ向かって叫ぶ、比企谷は猛烈に何かを言いたそうだったが両方の腕を二人に拘束されて竹林の奥へと連れていかれてしまった。

 

ホテルに戻った成田達のおかげで比企谷の話はあっという間に広まってしまい大規模な残念会が開かれることになった

学年内はおろか学校内では知らぬものは無い雪ノ下、由比ヶ浜である、密かに想っていた者は数知れず、比企谷許すまじと殴り込みをかけようかというものもいたし諦めきれないのもいた。

 

「でもよ、二股なんていずれは絶対無理がくるぜ、そんときには俺たちにもチャンスがあるんじゃないのか?」

一人がそう言うとそうだそうだと賛同する者が出る

「付き合っているのを知っていて告白したら今付き合ってる男と別れるからOKもらったなんて話も聞いたことがあるぜ?だから雪ノ下さんや由比ヶ浜さんにもアタックし続ければもしかしたらチャンスがあるかも」

 

若干希望を取り戻した男たちだったが材木座はやれやれといった表情で

「お主ら我が話した文化祭の裏話覚えておるか?」

「なんだ材木座突然、お前に聞いた話って委員長が逃げ出して比企谷が自分を悪者にして連れ戻したって奴だろ?」

 

「そうだ、その時に雪ノ下殿、由比ヶ浜殿達は八幡の時間稼ぎの為にステージに立ったのだ、我も委員長殿の探索を手伝っていたので途中からしか見てはおらぬが皆熱狂しておったな?故にあの時に演奏された曲と歌詞の内容知らぬものはおらんだろう、我のようなものでも知っているぐらいだからな」

 

「材木座、何が言いたいんだ?」

 

「ふん、わからぬようなら教えてやる、あの歌は誰の為に、あの歌詞の内容は誰に伝えたくて歌われたものなのか、ということだ、ここまで言ってわからぬような輩はこの中にはおるまい、まったく我のような者でも嫉妬してしまうぞ、八幡と雪ノ下殿と由比ヶ浜殿は欲しい物を手に入れてしまったのだ、それを踏まえてまだ自分にチャンスはあると思うならそれでよかろう」

 

それを聞いて一同はお通夜状態になってしまった。」

しかしそれでもと諦めきれていない者はもうほとんどいなかった、比企谷の活躍を聞き今まで誤解していたと恥じ入る者が大多数であり皆こうなるのは仕方ないと涙したと言う。

 

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