今、酒場にいる全ての人が俺たちの動向を見守っていた。
そこには正座をしている俺と、笑顔だが目が笑っていないクリス。聖女とも女神とも呼ばれる彼女は鋼鉄のメイスを構えて、何というか黒いオーラを纏っている。
「で、何か申し開きは?」
「決闘を挑まれたので頑張って勝ちました。褒めてよクリス様」
「カズマさんは既に一度死んでるので、天界規定によりリザレクションでも蘇ることができませんがよろしいですか?」
「ごめんなさい調子乗りました」
笑顔でメイスを構えるクリスに対し、俺はレベルアップした事で上がった俊敏をフル活用した高速の土下座を繰り出す。おお、と乾いた声がそこら中から聞こえた。
それをクリスが冷たい目線で一瞥すると、一気に酒場が静かになる。『アクセル一の女神様』と言う渾名が『アクセル一の魔王様』に変わる日も近いのではなかろうか。
「い、いや、悪気は無いんだって、本当に!流石に正攻法で高レベルのクルセイダーに勝てる訳ないし、唯一誇れる幸運を上手く使った作戦を立ててさ!」
「それで?」
「……転げて慌てる大人の女を見てたら途中から楽しくなっちゃって……」
「なるほど、自ら命を絶つとは潔いですね」
「命を!?」
ヤバい、冗談に聞こえない!!今のクリスの目にはやると言ったらやる
「……た、助けてダスト!お前は見てたろ!?悪いのは俺じゃない!あの白スーツの自業自得だっての!」
「いやー……流石にアレは擁護できないというか何というか……すまん死ぬなら1人で死んでくれ」
「この裏切りもんがあだだだだだだ!!!ごめんなさいもうしませんだから離していたい痛い痛いちぎれる千切れる腕取れる!!」
クリスが無言で肩の関節をねじりあげる。クリスは筋力ステータスも桁外れなので死ぬほど痛い。マジでちぎれそうだ。
「ダストさんにも後で話がありますからね?」
「いやいや!?俺は止めたっての!」
ダストにもそれほど理不尽では無い怒りが飛ぶ。
「分かってますか?私まで憲兵さんから取り調べを受けたんですよ?その時したくもないのにカズマさんを擁護しなければならない私の気持ちがわかりますか?ん?どうなんですかカズマさん?」
「いやだって!だってしょうがなくね!?相手は上級職のクルセイダーだぞ!俺は冒険者で!しかもレベル差なんて5倍以上あんだぜ!?そりゃ卑怯な手も使わなきゃ勝てねぇだろ!」
「アレは卑怯な手ではなく卑猥な手と言うんですよ。もうしませんか?もうしませんよねカズマさん聞いてんですか?反省の色が見えないですよこの性犯罪者が」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいだから離して痛い痛い痛い痛い痛い助けてぎゃあああああああ!!!」
「叫びたいのはこっちも同じなんですよもおおおおおおおおおおおお!!!!」
クリスは渾身の怒号を解き放った後、ようやく腕を離してくれた。
「痛ぇ……婦女暴行とかよりこっちの方が問題じゃね?本気で千切れるかと思ったぞ……」
「私は胃が痛いですよ!ああもうどうすれば……!それもこれも全部カズマさんのせいですからね!?」
「いやだから悪かったって!」
頭を抱えているクリス。周りの冒険者を見ると、何だかんだ全員こっちの方をチラチラ見ていた。チラ見するくらいなら黙ってんじゃねぇよ……
すると、割と近い席に座っているゆんゆんを見つけた。その横には……
「ヒィッ!」
「ちょ、怯えないで!大丈夫ですよ!その……えっと……わ、わた、わたたた……」
「怯えてなんかない!怯えてなんかないぞ!この私が怯えるわけがあるか!」
……俺を怯えた目で見ている白スーツがゆんゆんにしがみ付きながら喚いていた。
「いやその状態で言われても説得力が無いぞ。ゆんゆんにしがみついて腰が抜けてるじゃねーか」
「ひいっ!こっちに来るな!」
「ほらぁ!彼女トラウマになってるじゃないですか!」
「いやだってこいつがふっかけてきたから……」
「そ、その……私にはクレアって名前が……」
「わ、私が、その、わたたたた……」
「ゆんゆんはいつまでやってんだよ!」
「「ひいっ!ごめんなさい!」」
「ああもう!クレアさんとゆんゆんさんが怯えるからカズマさんは喋らないで下さい!」
クリスはそう言うと、白スーツのケアに向かう。すると今までしがみつかれていたゆんゆんが残念そうな顔をした。
「あ……私の場所が……」
「大丈夫ですよ、クレアさん。怯えないで。貴女は強い、そうでしょう?安心して。私が居ますからね」
「あ……それ、私のセリフ……」
当然ながら真性ぼっちのゆんゆんに怯える人を宥め導くスキルなどありはしない。一瞬で居場所を奪われたゆんゆんは酷くしょんぼりしていた。
「お前がいつまでも吃ってるからだろ……ゆんゆんは俺の味方だよな?あっちから挑んできたんだから自業自得だと思うよな?俺たち友達だよな?友達は助け合うものだからな?」
「ええっ!?……そ、そうですよね!友達ですもんね!」
「な?だよな?俺たち親友だからさ、上手いことクリスに取り入って仲介役を……」
「カズマさん本当ブレませんね!?」
チッ……チョロいゆんゆんを取り込んで優位に立とうとしたのに……
「うぅ……ありがとうございますシスターさん……貴女はまるで世を照らす聖女様のようだ……」
「私はクリスと言います。カズマさんに何かされたらいつでも私に言ってくださいね。ガツンと言ってやりますから!」
「……………………えっ」
急にクリスに抱かれて安心していた白スーツ、もといクレアが呆然とした顔に変わる。
「で、では女神と呼ばれているクリスさんと言うのは……」
「え、私ですけど……ちょっと恥ずかしいですけどね、あはは……」
クリスがそう言うと、クレアは残念そうに俯いた。
「……あの、私を助けてくれたあの人ではないのですか……」
「は?お前はクリスを探していたんじゃ……
「ちょっとー!どーいう事よ!今日はこの私が来る日だってのに何で誰も迎えに来ないの!?」
急に、ギルドの入り口の方から大声で叫ぶ女性の声が聞こえた。思わず振り返ると、青い色の長髪とヒラヒラとした弁天様の衣のようなものを付けた女性がこっちに向かってくる。
「どうもおかしいと思ったら、騒ぎを起こしてんのはあんた達ね?見たことない顔だけど……顔……えっ」
すると、青髪の女はクリスを見て固まる。クリスはその女性を見て呆然とし、クレアもその女性を見て固まった。
「ああああああああああああああっ!!」
「ええええええええええええええええええええええええええええ!?」
「あーーーーーーーーーーーーっ!?」
そして3人が同時に驚きの声を上げた……またややこしそうな奴が……
クレアと青髮の女はともかく、この世界に来てからまだ一ヶ月ちょいのクリスがそれほど驚くって一体誰なんだよ……
「はああっ⁉︎この世界の女神様ァ⁉︎」
「そうよ!私は女神アクア!アクシズ教団が崇める女神アクアその人なの!みんな聞いたわよね⁉︎私は女神なのよ‼︎」
「「「「っていう設定らしいんだよ」」」」
「何でよーーー⁉︎」
ばんばんとテーブルを叩く女神アクアは非常にみっともなく、どう間違っても女神などという高尚なものには見えない。まるで大きな子供のようだ。
「何であんた達はいっつもそうなの!?いいかげん信じなさいよ!私の宴会芸を見て女神女神って囃し立てるのは嘘だったの!?」
「嘘っていうか……なぁ」
「俺に振るなよ……うん、『私は女神!』って言う奴に宴会芸見せられても……ほら、な?」
「要は酒の勢いだよ」
「酷くない!?私の扱いが雑すぎるんですけど!私は本物の女神なんですけど!」
いやどんなに宴会芸が凄くても水の神とはならんだろうよ……百歩譲って芸人の神が関の山だって。
「なぁクリス。アレって本当に女神なのか?」
「……はい、私の先輩のアクアさんです……」
そう言うクリスはアクアとやらから目を逸らし続けている。確かにアレは見るに堪えないが……
「て言うか!どーしてエリスがここにいんのよ!あんたもうこの世界の担当じゃ……」
「わー!わー!な、何を言ってるんですか先輩!?地元ならまだしもこんな歳になってまでまだそんなことを言ってるんですか⁉︎
……ちょ、ちょっと向こうの方でお話が……」
(あ、そう言ってごまかすんだ)
ちなみにその間、クレアは女神アクアの振る舞いに終始茫然としていた。昔助けてもらったって言う女神がこんなんだと知ったら、ショックなんだろうなぁ。
「言わなくても良いわ上げ底エリス!あんたが何をしようが、この世界はもう私のものよ!いくら国教で信仰されてたり、挙句ちょーしこいてお金の通貨になったりしてるからって私の世界は渡さないわよ!」
「ほんとに!本当にやめてください!良いから付いてきてください!」
「ちょ、離しなさい!」
「あと皆さんには聞かれたくない話なので!盗み聞きとかはやめてくださいね!?それからカズマさん達はこっちに!クレアさんも!」
「えぇ……」
「わ、わかりました……」
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「ぶっ!あはははは!ちょ、ちょーウケるんですけど!後輩に裏切られて?転生特典で連れてこられた?……プークスクス!いっっっつもぶりっ子してるからそうなるのよ!ザマァ無いわね!あーっはっはっは!」
クリスから話を聞き、女神アクアは爆笑した。腹を抱えて下品に後輩をこき下ろすそれは、もうお手本のような煽り方で……どう間違っても女神のすることでは無い。
「それはもう良いんですよ!それなりに楽しくやってますし!と言うか先輩は何でその姿で当たり前のように降臨してるんですか⁉︎普通変装したりしません⁉︎」
「はぁ?何言ってんのあんた?この私の美しい姿を見せなきゃ、アクシズ教団の子達が残念がるじゃ無いの。それに、新しく信徒を増やさないといけないしね。忌々しくも、まだ最大派閥はあんたのエリス教なんだし?」
「あ、あの……ちょっとよろしいですか?」
クリス達が女神トークを繰り広げる中、クレアが女神アクアに話しかける。
「はぁ?誰よあんた。悪いけどこっちは忙しいの。もうすぐ決着をつけるから、あっちの方で待っててくれる?」
「……私の事を覚えていないのは仕方ありません。もう1年も前の話になりますし……ですが、これだけは言わせてください」
その真剣な雰囲気に、クリスもゆんゆんもクレアの言葉に耳を傾ける。
「……助けていただいて、ありがとうございました。おかげで当時ナイトだった私もクルセイダーにもなり、無事に冒険者生活を送っています。この一言を言うために、親の反対を押し切ってずっと旅を続けてきたんです」
「……1年前……ああ!分かったわ!つまり貴女はあの頃私が助けた子って訳ね!」
女神アクアも思い出したようで、納得がいったとばかりに頷く。そして、クレアに手を差し伸べてこう言った。すっごいドヤ顔かまして。
「どう?私の神聖さと美しさは感じてもらえたかしら?その様子だと大丈夫そうね。
汝、私を崇めるアクシズ教団に入ってくれますか?」
「え、えっと……流石にアクシズ教団に入ると、その、世間の目とかもありますので……」
「何でよーーーっ!?今完全に私を信仰する流れだったじゃない!助けた命返しなさいよ!」
「え、えぇ……」
……どうやら女神アクアはその昔、下心満載でクレアを助けたらしい。何でこんなのが女神やってるんだ……?クリスで培われた俺の女神への憧れを返せよ……
「なあゆんゆん、何でクレアはアクシズ教団とやらに入るのを拒むんだ?形だけなら別に宗教くらい変えてやっても良いじゃないか?」
「……いえ、その……アクシズ教徒は頭のおかしい人が多く、関わり合いにならないのが身の為だというのが一般的で……かくいう私もアクシズ教徒だけには関わるなと教えられて育てられましたし」
「……ものすごく理不尽なことを言ってる気がするが、目の前のこの駄女神を信仰してるとなると納得してしまう俺がいる……」
ま、まぁ……一応人助けをしているわけだからそこまで悪いわけじゃないんだろうが……それでも女神のすることではない気がする。
「アクア先輩!大丈夫ですよ!その立派な行いを続けていればいつか入ってくれる人がいますって!」
「ぐっ……そうよ!こうして私に感謝している人がいるわけだし、あの子の言ってた事に間違いは無いわ!」
……あの子?
「……あの子とは?」
「そう、これは私が下界に降りて自ら布教活動を行い始めてから大体3ヶ月ちょいの頃の話なんだけど……」
『ぐっ……中々信者が集まらないわね……』
あの頃の私は、この辺りで布教活動に勤しんでいたのだけど、この私自らが話しかけているにも拘らず中々信徒になってくれる人はいなかったわ。
『挙句、私が女神アクアだって言ったら頭のおかしい人扱いされるし……どうなってんのよこの街は……いっそ私の力で水の都に変えて……』
『……あの、すみません……どうか、どうかご飯を……』
『え?』
そしたらね、ショートカットの黒髪で赤い眼をした女の子、つまりは紅魔族の女の子ね?その子が話しかけて来たのよ。
『もう3日も何も食べていないのです……何か困ったことがあれば手伝いますから、どうかご飯を……』
『ふむふむ……分かったわ!すみませーん!」
そうしてその子にご飯を恵んであげたのよ。勿論、美味しそうに食べて私に感謝していたわ。信徒になるかって聞いたら、『あ、信徒ですね。なりますなります。ハイなりましたー。これで良いですか?』ってな具合で敬虔なアクシズ教徒になってくれたわ。
その後話してたら仲良くなってね。その子にアクシズ教徒を増やすにはどうしたら良いかって聞いたのよ。
『え、アクシズ教……ま、マジですか……
いや、良いでしょう!ご飯を恵んでもらった恩がありますし、私が良い案を考えて差し上げましょう!これでも私は紅魔族随一のアークウィザード、知力には自信があります!』
何と紅魔族で1番のアークウィザードっていうじゃない‼︎これに乗らない手はないわ、私は喜んで彼女に作戦を考えてもらったのよ。
『んー……あ!思い付きました!アクアはアークプリーストなのだったら、街の周辺に出没するアンデッドを退治して回ってはどうでしょう?それならみんなから尊敬され、信徒大量獲得間違いなし!』
『あんた最高よ!完璧な作戦ね!』
『ふっふっふ、そうでしょうそうでしょう!』
そこから彼女は有り余る知力を振るい、作戦を練ってくれたの。
『でもそんなに都合よくアンデッドが暴れてくれるわけでもありませんし……そうです!アクア自ら墓場からアンデッドを追い出し、襲われた人を助ける!
いやでもこれは流石に倫理的に……』
『なるほど!襲われてる人を助けた方が評価もうなぎのぼりって訳ね!そうしましょう!』
『えっ……………………ま、まぁ隠れてたらバレませんよね……』
『なら助けるのもギリギリがいいわね!殺される寸前で私がアンデッドをやっつけて、更に回復魔法をかけてあげるの!どう?ナイスアイデアじゃない?』
『うわぁ…………えっと、良いと思いますよ?』
『ふふっ、これで完璧よ!貴女も流石はアークウィザードね!その名に違わぬ知力と発想力!ありがとう、貴女に女神アクアの祝福のあらんことを!』
『……流石アークウィザード……その名に違わぬ……ふふふ……
いや!このままではダメです!もっともっとこの最強のアークウィザードたる私が知恵を授けて差し上げましょう!』
『やったぁ!』
「……とまぁこんな事があって、それから名前を名乗らず去った方がクールでかっこいいとか、それじゃあ名前がわかんないから彼女に『流石女神アクア様です!最高!アクシズの星!』って横で言ってもらってアピールするとかやってたのよ、1ヶ月ちょい。多分その時に……」
「わああああーーーっ!!!!」
駄女神アクアの口から衝撃の事実を聞き、クレアは走り去ってしまった。踏んだり蹴ったりすぎるだろ……流石に不憫になってきたぞ。
「紅魔族随一のアークウィザードって……もしかして……」
「ん?そういえばゆんゆんもなんちゃら族だったな。知り合いか?ゆんゆん」
「なんちゃら族!?
えっと、多分……私の1番の友達兼ライバルのめぐみんだと思います……確かにめぐみんならそのくらいやりかねないですし」
「……お、おう。それは……アレだな、良い友達だな」
そのくらいって……相当頭のおかしい作戦だと思うんだが。いくら思いついても本当に実行するか?普通。女神アクアも大概だが、その友達ってのも絶対に関わり合いになりたくない。
「アレ?何であの子走ってったの?トイレでも我慢してたのかしら」
「……先輩、それを本気で言ってるのでしたら、流石の私も擁護できないです……」
「何で!?ただ昔話をしてあげただけなんですけど!尊い神話も同然なんですけど!」
「駄女神や……駄女神がおる……」
本当、何でこんなんが女神やってるんだ……
「……そんで?どうなったんだよ」
次の日、酒場でダストが呑気に聞いてくる。お前仮にも当事者だろうに……
「そのままアクアとやらが『エリス!近日中にアクシズ教が国教になるわ!そうなったら覚えてなさい!』って捨てゼリフを吐いて宴会の中に消えていったよ。あいつ何もんなんだ?」
「俺が聞きてぇよ……と言うか、あのクリス様の先輩で、アークプリーストだったんだなあの人……いつも月初めになると酒場で宴会芸をやってるから芸人だと思ってた……」
「そうなのか……女神ってのは?」
「いっつも、自分は女神アクアだー、って言ってるから、みんな温かく見守ってるよ」
「……」
どうやら誰も信用してはいないらしい……本当に何であんなんが女神なんだよ……
因みに、本物の女神だというわけにもいかないので、ダストには『アクアはクリスの地元の先輩の、自分を女神アクアだと言い張るアクシズ教徒のシスターで、昔からエリス教徒のシスターであるクリスを女神エリス役にして突っかかっていた』と説明してある。この説明で納得されるあたり、あいつの駄女神感が窺える。
「それにしても災難だったな、カズマ」
「そうだよ!テメェクリスに俺を売りやがって……」
「いや、だって俺は止めたのにお前が……」
「クリスさん!私、漸く分かりました!私は貴女を求めて旅をしてきたのです!」
「……え?」
声がした方を見ると、クリスとゆんゆんがクレアに詰め寄られている。一体何があったんだ……?
「ですから、どうか私をパーティに入れてください!これでも高レベルのクルセイダーです!絶対にお役に立ってみせます!」
「で、ですから私たちのパーティにはカズマさんが……」
「承知の上です!ええ承知の上ですとも‼︎」
……どうやらクレアは、アクアに幻滅してクリスに目を付けたらしい……てか、え?
「マジでお前俺らのパーティに入んの?」
「ヒィイッ!サ、サトウカズマ……」
俺が声をかけるとクレアは驚きのあまりコケそうになった。そんなに俺がトラウマか……いや気持ちは分かるけどさ……
「ほら、だからやめた方が……私ならいつでも相談に乗りますから……」
「……い、いえ!これは私の為でもあるんです!サトウカズマ!私はお前なんかに負けてないからな!今に見てろ!」
「あ゛?」
「ひいっ!ごめんなさい!……じゃなくて!私はお前を克服する!覚えておけ!」
そんな小物の代表みたいな捨てゼリフを吐いてクレアは走り去っていった。さっきも若干震えてたし、俺が怖かったのだろう……
アレ、何だろこの気持ち……なんか心がふわっとなるような……
「……ハハッ」
「うわぁ……うわぁ……」
「おい、文句があるなら直接言えや」
「いくら巷で噂のクズマさんでもそれは……もはやチンピラどころじゃねぇって……」
「……カズマさん、もしクレアさんに何かするようであれば……」
「もうセクハラはしないって!」
……多分な!
やっぱりアクアがナンバーワン!(エリス様に挿げ替えた奴並感)