陽だまりシリーズ:小日向未来<外伝>   作:ヨザリイコイ

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この闇未来さんは、ショッカーの本来の運用プランに基づいた仕様だったりします。ですからとんでもない兵器を満載しています。


闇未来さんのお仕事

 大西洋の離れ小島にあるアメリカの軍事施設。そこに私は弾道飛行で向かっている。そこで改造人間の研究が行われているらしい。早急にこいつを叩いておかないと、またジェーニャのような子が生まれてしまう。

「ギアがブースターを出せるなんて知らなかったよ。これさえあれば、研究所に奇襲をかけられるし、それに…」

 クリスのようにミサイルを両肩に取り出して、基地目掛けて発射する。

「一々、正面突破しないで済むしね」

 ミサイルが格納庫と管制塔に直撃したのを確認して、脚のスラスターを吹かせながら減速しつつ、両手の扇から光線を発射し、滑走路を中心に地面をボコボコにする。ワラワラと出てきた兵隊がこちらを狙って打ってきたのを、私もアームドギアと腰のバルカンで応戦する。

「お前らに構ってる暇はないんだ!そこを退けぇ!」

 

 

 

 

 

 

 57秒後、倒れ伏した兵隊の山を踏み分けて、施設内に突入した。

 施設内はS.O.N.G.本部に似た作りになっている。でも規模はこちらの方が大きめだ。

「生命反応探知開始…」

 バイザーに生命反応を探らせていると、生き物ではない大きな物が、近づいてくる。こいつは……、へぇ。

「ここにしまってあったとはねぇ……、そりゃ弦十郎さんが知らないのも無理ないわ…」

 後ろに下がると右の曲がり角から腕が槍になっている怪獣がでてきた。確かゴライアスとか言ったかな。何せ5年前の事だからあまり覚えてない。あっちの響を何とかすることに専念してたから、そんなに闘ってたわけじゃないし。

「まぁ、ちょっとは楽しませてよ」

 

 

 

 

 

 

「あーあ。拍子抜けだ。こいつがこんなにも弱かったとはねぇ」

 5分も掛からず、私に手足を切り取られて、蜂の巣にされたゴライアスは爆散した。何だ、単なる張子の虎か。こんな物に手古摺らされてたとは……。

「そういや、こいつは完全聖遺物なんだっけ。ごめんなさいね、価値に傷つけちゃってさ」

 こうも粉々にされちゃ、どうしようもあるまい。割れた焼物みたいにさ。

「おい、とっとと投降しろ。今ならS.O.N.G.に拘束されるだけで済むぞ」

 一応、言っておかないと後が面倒だから言っておく。これでいちゃもんつけられちゃ、堪らないからね。

 すると壁からガスを噴き出してきた。Anti-LiNKERか。そんなものが通用すると思われているとは、舐められたもんだ。しかも匂いからして、別のガスも混ぜてるな。ショッカー製のガスに比べりゃ、大したことないけど。

「通気口確保」

 壁を殴りつけて穴を開け、ガスを外に漏らす。臭くてかなわないから。

「しかしまぁ、ふざけた事してくれる…。いいよ。そっちがその気なら、こっちにも考えがある」

 密室に立て籠もっているのなら、一網打尽に出来るものがあるんでね。

 

 

 

 

 

 

 建物のダクトを見つけて、そこに入る。私が通れるくらいの幅はあった。そこを伝いつつ、バイザーの示す研究者の居場所へと向かう。

「いたいた…、どうやら被験者はいないみたいだな…」

 目視で確認をしてから、私は催涙ガス入りのボンベを取り出し、通気口から流し込んだ。ジャーマンガスとかもあるけど、錬金術師ではないただの人間であるこいつらには、別に使う必要はない。それにショッカーの研究者みたく、無辜の人もいるかもしれんし。

「せいぜい、苦しみなぁ」

 

 

 

 

 

 クラッシャーをつけて、ガスが充満している部屋に降り立つ。倒れ伏した研究者の背中に手を当て、記憶を探る。全員、クロだ。

「何だよ。全員が全員クロか。それじゃあ、さよならだ」

 腕を飛蝗型に変えて、2人ほど残して、そこに居た研究者に突き立てる。

 ぐしゃりと嫌な感触が手に残るが、もう慣れた。怪人退治の時に、しょっちゅうこんな感覚がしたものだから。

「さてと……、さっさと捕まっている人たちを解放して帰ろっと…。熱いシャワー浴びて、キンキンに冷えたビールを飲んで、ゆっくりと休みたいし」

 

 

 

 

 

「何だって。君達は昔、マリアさんと一緒に居た人達なの?」

 数カ所に閉じ込められていた被験者の人達を救い出してから、事情を聞くと、その昔、FISの孤児院に居た人らしい。戦闘訓練は受けていたし、所在も大体わかっていることから、ここに連れてこられたんだとか…。しかも10人くらい、帰ってこなかった人がいるみたい。

「遅かったか…。取り敢えず、外に出よう。S.O.N.G.の応援は呼び寄せてあるから」

 鏡を取り出して周囲を守らせつつ、外への道を行く。途中、妨害もあったが、難なく蹴散らした。

 

 

 

 

 

 

 外に出てまもなく、S.O.N.G.の輸送機が来て、そこに被験者の人達を乗せた。それを護衛しながら、バルバドスのグラントレー・アダムス国際空港に向かい、そこに待機していたチャーター機に乗り、日本に帰った。

「やれやれ、これで数百人のジェーニャを助けられた…。これに懲りて、改造人間を作ろうとする動きが減ればいいが…、無理かもしれないね…。世の中には、恐ろしけりゃ恐ろしい程、人が欲しがるものもあるからさ…」

 帰り着いてから空港のホテルでシャワーを浴びながら、そんなことを呟く。人の欲望っていうのはどんどん膨れ上がるものだから、私のしていることも焼け石に水なのかもしれない。

「でも今となっては、これしか方法がない。嫌なもんだね…」

 おかげで全身、返り血で真っ赤だ。まぁ、自分でもわからないくらい改造人間に手をかけてきた私だ。今更、震えてなんていられない。

「しかしナスターシャ教授もお気の毒に…。親心が仇となりましたねぇ…」

 レセプターチルドレンの人達は、日本に保護された。ただ今後は、別の国に移住することになりそうだとか。

「なまじ戦闘訓練を受けさせたばかりに、利用されてしまう子が出たんじゃ、完全に行動が裏目に出たようなものだ…。まぁ、私も同じようなものかもしれないけど…」

 シャワーのお湯が、心なしか冷たく感じた。

 

 

 




この時、FIS組は別次元に向かっていて、居なかったらしいです。良かった良かった。
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