陽だまりシリーズ:小日向未来<外伝>   作:ヨザリイコイ

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闇未来さんが誰かに似ているとのことなので、そのそっくりさんと役者さんが同じ人である切歌ちゃんをあてがいました。


闇未来さんと切歌ちゃん

「しゅ、宿題が驚きの白さデース!」

 はわわわ……、不味いデス。夏休みの時みたいにならないように、少しずつやっていたけど、3日目から全く手付かずだった所為で、宿題が全く終わってないデス。

「ど、どうするデス⁈調は任務で明日までいないデスし、クリス先輩は友達と旅行に行くとか言ってたデス。響さんは論外デスし……」

 響さんも今頃、こうなっている筈デス。きっと未来さんの所に……、そうだ! 未来さんが居るじゃないデスか! 響さんの宿題を見てる筈だから申し訳ないデスけど、背に腹はかえられないデス。

 

 

 

 

 

 

 荷物をまとめて、未来さんのマンションに直行したデス。チャイムを鳴らすと、のっそりと未来さんが出てきたデス。何故かダークスーツを着ているデス……。これから任務なんデスかね? 本部に行く時は、大抵この格好デスし。

「はーい。あら、切歌ちゃん……。珍しいね、どうしたの……」

 いつか神獣鏡を纏って大暴れしていた時と同じ目で私を見てるデス。おまけに白目が真っ黒になっているから、余計におっかないんデスよね。

「え、えと。宿題を手伝ってもらおうと……」

「宿題? いいよ。昨日で響の分は終わらせたから。良いタイミングで来たね」

 お、終わらせてたんデスか……。こっちの心配が杞憂に終わったみたいで良かったデス。

「さ、さ。早く上がって」

「お邪魔するデス」

 そういえば、未来さんの家は初めて来たデス。ちょっとワクワクしてきたデス。

 

 

 

 

 

 座卓と座椅子と小さなテレビとほとんど空の戸棚だけがある殺風景な部屋に通されたデス。

「サッパリしたお部屋デスね……。リディアンの寮やクリス先輩のマンションとは、正反対デス……」

「家具にお金かける気にならないんだ。生きていくにはこれで十分」

 無欲な人デス。少し見習いたいデスね。私は毎回お小遣いを使い果たして、調に借りたこともあるデスから。

「じゃあお給料とかは、どうしてるんデスか?」

「バイク代と酒代とタバコ代と水代、あと家賃光熱費。以上」

「そ、それだけにしか使ってないデスか⁈」

「そうだよ。他に何かあるかな」

 いやいやいや、普通あるデス! 

「ふ、服とか買いに行かないんデスか⁈あと、ご飯はどうしてるデス⁈」

「服なんかスーツ数着とライダースーツとほとんど着ない普段着が2,3着あるからそれでいいし……。それに、ご飯は食べないから、水でも飲んでりゃ生きていけるし……。あ、偶にコーヒー豆は買うかな」

 二の句が継げなかったデース。まさか仙人みたいな生活しているとは……。

 

 

 

 

 

 

「切歌ちゃん。ここの所の公式はね、これこれこのようになっているの。やってごらん」

「はいデス……。おっ、答えが出たデス」

 物理化学の難しいところで突っかかていると、横からアドバイスが来たデス。有り難いデス。

「未来さん、理系科目得意なんデスね」

「昔はそれほどでもなかったけど……、必要になってね。覚えたんだ」

「何か必要な事でも?」

「自力で身体を修理しなくちゃいけないことがあるんだよ」

「そ、そうなんデスか? サイボーグって色々と大変なんデスね。アニメだと修理してくれる博士とかいるデスが」

「漫画の世界じゃ、そうだろうね。でも現実はそうはいかないんだよ。そういう博士が隣に居るとは、限らないからね。だから必死で覚えたんだ」

「ははぁ。確かに世の中、それ程上手くできてるわけないデスからね……」

 役には立ちそうにないけど、勉強になったデス。

 

 

 

 

 

 

「あ、終わらせたデス」

「お疲れ様」

 時計が朝の5時を指した頃、漸く全部片付いたデス。

「ね、眠いデス……」

 座椅子にもたれかかったまま、寝そうになったデス。

「風邪ひくよ。ベッドで横になって」

 未来さんが軽いものを持ち上げるように、私をひょいと持ち上げてベッドに連れてってくれたデス。

「そ、そんな……、悪いデスよ。未来さんも寝てないデスし」

「いいの、いいの。私は硬いところで寝るのは、慣れてるから。さあさあ寝た寝た」

 促されるまま、ベッドでぐっすり眠ったデス。

 

 

 

 

 

 

 

「ほえ? ここは何処デス」

 目が醒めると、乳母車みたいなものに乗せられてたデス。横から聴こえるバイクの排気音から察するに、サイドカーみたいデス。

「あら、切歌ちゃん。おはよう。今から朝ご飯食べに行こうよ。頑張ったご褒美。近くの安ホテルの朝食バイキングだけど……」

 有り難いデス。調が帰るのは昼過ぎになるみたいデスから。

「うん。昨日、響と行ったけど、料理の種類は豊富だったよ。お金の心配はしなくてもいいよ。奢るから」

「ほ、ホントデスか?」

「大丈夫だよ。もち合わせは十分あるから。いっぱい食べて、元気出して」

「ありがとうデース!」

 

 

 

 

 

「食べた食べた……、満足デース。ご馳走さまデシた」

「なんのなんの」

 バイキング形式なのでいっぱい食べたデス。中々、美味しいところだったデス。今度お金が貯まったら、調と一緒に行きたいデスね。

「このまま駅まで送って行こうか?」

「そうデスねぇ、あ。未来さんの家に忘れ物していたみたいデス」

「じゃあ、一旦戻ろうか」

 

 

 

 

 

 

 鍵を借りて未来さんの部屋に入り、忘れ物を探していたとき、妙な扉を見つけたデス。漫画で出てくる秘密の扉みたいな。

 どうしても気になったので、未来さんには悪いデスがこっそり開けてみたデス。するとそこには……。

 大量の響さんの写真と響さんを映したモニター、それに未来さんがラテンアメリカで見つかった時に一緒に居た女の子の写真が大量に貼り付けてあったデス。

「み、見てはいけないものを見てしまったデース……」

 こ、この事は黙っておかないと……。

 すーっと扉を閉めて、背後を振り返るとにゃーっと笑った未来さんが立っていたデス。アタシを左手でしっかりと掴み、怪物化させた右腕を振り上げているデス。

「デース! ご、ごめんなさいデス! 部屋の中のことは、誰にも話さないデスから、許してほしいデ……」

「みーたーなー!」

「デェェェス!」

 右腕がアタシに振り下ろされてきたデス。お、終わったデス。宿題もアタシの命も……。

 

 

 

 

 

 チュンチュンという雀の鳴き声に目が覚めたデス。なんだか妙に頭が痛いデス。

「あ、やっと起きた。昨日、私の部屋で転んで頭を打って気絶してたから心配したんだよ」

「そ、そうだったデスか?」

 何だか他にも何かあった気がするのデスが、思い出したら未来さんに殺されてしまう気がするデース。

「調ちゃんが心配してたから、バイクで送ってあげるよ。直ぐに準備してね」

「はいデス」

「ああそれとね、今度は忘れ物しないようにね……」

 何でもない言葉の筈なのに、何だか背筋がゾーッとしたデス。




皆さんも闇未来さんの家に行くことがあっても、不用意に部屋の扉を開けないようにしてください。
因みに切歌ちゃんが来る前に来ていた響もこの部屋を発見したらしいです。ただ響の場合は、部屋に引きずりこまれてから気絶させられたらしいです。
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