「紅蓮兄さーん。ちょっとこれ見てくれるかー?」
「紅蓮くーん!これとこの組み合わせなんだけどねー」
「紅蓮さん。組手お願いします」
「ちょっとまて!3人いっぺんに来られても開いてできねーよ。とりあえず家に帰ってからな」
畑仕事終わりの帰りに年下の女の子3人に見つかりまとわりつかれてしまった。
豫洲にある小さな村に立ち寄った俺を快く迎え入れてくれた村人たち。
この村に来て早4ケ月。置いてもらっているお礼に村人の仕事を手伝っていたら皆に気に入られてしまい、グダグダと4ケ月も住み着いてしまった。
村人が用意してくれた家に着き、荷物をおろし3人の相手をすることに。
「真桜、こことここの歯車がかみ合ってないぞ。こっちのやつを少し削ってみな」
「ホンマか!ならすぐに削ってみるわ!」
この関西弁をしゃべり、胸の発育が良い女の子は李典。真名は真桜。
「この組み合わせもいいな。あとこれも組み合わせると沙和に似合うと思う」
「わー!この組み合わせ、バッチリなのー!」
服のコーディネートを相談してきたそばかすがチャームポイントの女の子は于禁。真名は沙和。
「おまたせ凪。じゃあやろっか」
「はい!お願いします!」
目つきが鋭く、銀髪の長髪を後ろで三つ編みにしている真面目そうな女の子は楽進。真名は凪。
村の子供たちの中でも特にこの3人は俺にすごく懐いてくれている。
「よし、今日はこのくらいにしよう」
「ふー……はい。ありがとうございました」
日が暮れてきたためキリのいい所で組手を終え
「お前らー、もう日が暮れてきたから帰れよー」
と3人に帰るよう促すが
「えぇーいややー。ウチ泊まってくー」
「沙和も!沙和もー!」
と真桜と沙和が駄々をこね始めたので
「お前らなぁ……凪、こいつらの親を呼んで……あれ?凪?」
今まで横にいた凪がいない。どこ行ったのかと思いキョロキョロと周りを見渡すが姿が見えないが、かまどがある所の窓から煙が出ている。
もしかしてと思いすぐさま家の中へ入り、台所を確認すると
「あ、紅蓮さん。今日の晩御飯は麻婆豆腐と炒飯と青椒肉絲ですよ」
とエプロン姿の凪の姿があった。
「あの……凪?もしかしてお前も……?」
「はい。でも、ちゃんと両親に言ってあるので大丈夫です」
その言葉を聞いた俺が口をあんぐりと開けて固まっていると
「ウチもちゃんと両親に言ってあるで」
「私もお父さんとお母さんに言ってきたのー」
最初から仕組まれてたのね……
その後、凪が作った晩御飯を食べたあと、布団を2枚並べて左から真桜、沙和、俺、凪の順で川の字になって一緒に寝た。
一晩中3人が俺の腕を腕枕にしていたせいで朝起きた時には両手はしびれていて数刻は使い物にならなかった。
そんなこんなで2ケ月たったある日
「今までお世話になりました」
ぺこりと村長を始め村人たちに頭を下げる。
「別にもっと居てくれても良かったのにのぉー。誰かを嫁にもらってこの村に骨をうずめても良かったんじゃよ?」
え、村長さんそんなこと考えてたの?だからあんなに善くしてくれてたのか!
そんなしたたかな村長さんにおののいていると
「紅蓮兄ちゃん……」
と呼ぶ真桜と横にいる沙和と凪の姿が
「もう行っちゃうの……?」
と今にも泣きだしそうな沙和。真桜と凪は声こそ出してないが涙を流してた。
「……真桜、沙和、凪」
3人の頭を順番になでていき
「大丈夫。また会える。その時はどんと甘えて来い」
「「「うん!」」」
と元気よく返事をしてくれた。その後、他の子供たちや大人たちに挨拶をし、村を後にした