幼馴染は赤髪ポニテっ娘   作:ノブやん

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第九話 義妹とペットが出来る

 水鏡女学院を後にして2ヶ月。各村々や街にたちよって食料を調達し、山賊や盗賊をほふりながら北上していた。

 ある日、街道から少し離れた林の前で野宿をするために簡易的な竃を作り、鍋の中に食材とカレー粉(襄陽の街で材料を揃えて作った。高かった…)を入れ火をおこし、煮ていたが、

 

「おや?匂いにつられて寄ってきたか?賊か何か知らないが出てきたらどうだ?」

 

 後ろの気配に声をかけるとガサガサと音を立てて出てきた。

 

「あの……」

 

「ん?」

 

 賊だと思っていた所に少女の声が聞こえたので振り向くと、1人の少女と1匹のセントバーナードだった。

 

「あの……もしよろしければ、少しばかり頂けないでしょうか?」

 

 よく見るとボロボロになった服に何日もロクに食べていなかったのか少し頬こけた顔をしていた。まったく、嫌な世の中だぜ。

 

「あの……」

 

「ほら、こっちに来て食べな。そっちの犬も食え」

 

「え……あ、ありがとうございますなのです!」

 

「ワン!」

 

 少女と犬を近くに座らせ、まず胃がビックリしないように少量のスープをゆっくりと飲ませ、その次にお椀に具をたっぷり入れたものを渡した。

 疲労度、緊張感Maxだったのだろう、食べ終わった後に少女と犬はすぐに寝てしまったので、2人?(1人と1匹)をゴザの上へと運び、毛布(もどき)をかけたあと、焚き火に枝を追加し寝ずの番をするのであった。

 

 朝になり、竈に火を入れて鍋に具材を入れコトコトと煮込んでいたら少女と1匹が目を覚ました。

 

「おはよ」

 

「あ……おはようございますなのです」

 

 起きた少女と犬に朝飯の入ったお椀(中身は雑炊)を渡す。

 警戒しながら受け取ったが、食欲には勝てなかったのか食べ始めた。それを見た俺の腹も「飯寄越せ!」と鳴き始めたので食べることに。

 朝食を食べ終わった後、超簡易的な更衣室を造り、人肌くらいの温度に温めたお湯を桶に入れたものと体を拭く為の手ぬぐいを渡し、体の汚れを落とすように言い、少女を更衣室に押し込んだ。

いきなりのことに戸惑いながらも更衣室の中で汚れを落として新しい服に着替えた少女(着替えも押し込んだ時に渡しておいた。流石に下着の替えは持っていなかったが)

 

 少女が出てきた後に俺も中に入り汚れを落とした。ちなみに、下にすのこを置き、すのこの上に立ち、気で大気中の水分を集めた水の塊をシャワーの様にして頭からかぶった。

 シャワーを浴びて更衣室(仮)から出ると少女が鍋をかき混ぜていた。

 

「あ……ゴメンなさいなのです……勝手に……」

 

「いや、お昼の準備をしてくれてたんだろ?ありがとな」

 

 少女の頭をポンポンしてお礼を言う。

 鍋の中を見ると野菜とお肉が入れられていたので、米、粟、キビを入れて、雑炊風に。

 

「すまんな。朝と同じで」

 

「い、いえ!これだけ食べれるのに文句なんて無いのです!」

 

「ワン!ワン!」

 

 まあ確かに。これだけのものが食べれること自体すごいわなこの時代。

しばらくしたら雑炊が出来たのでお昼に。

お昼を食べている時にふと気が付いた。まだ自己紹介してねーじゃんって。

 

「そう言えばまだ名乗ってなかったな。俺は李炎。字は紅水だ」

 

「ね、ねねは陳宮。字は公台なのですぞ。こっちは張々と言うのです」

 

「陳宮と張々はどうして林の中から出てきたんだ?親はいないのか?」

 

「―――ッ!」

 

 あ、もしかして聞いちゃいかんやつだったか?

 

「あーすまん。言いたくないなら言わんでもいいよ」

 

「あ、いえ、大丈夫なのです」

 

 あまり思い出したくないと思うのにこれまでの経緯を話してくれた。

 孤児みなしごだった陳宮。生れ育った村を言いがかり(寝泊まりしていた水車小屋が陳宮の不始末で火事になったこと。しかし本当は水車の設備不良により歯車同士の摩擦によって火が付いた)により追い出され、愛犬の張々と一緒に各地を転々としながらお金を稼いでいたが、とうとう仕事が無くなり食糧を求めて林の中を彷徨っていたら、食事の匂いにひかれてやってきた所、俺と出会ったとのことだった。

 

「そう言うことだったのか。……なあこの先行く当てはあるか?」

 

「い、いえ……ないです……」

 

 まあ、アテがあればそこにまっしぐらに行くわなぁ。

うーん。流れでここまで世話焼いちゃったからこのまま別れて野垂れ死にされるのも気分悪いしなぁ。……よし!

 

「なら、俺と一緒に来るか?」

 

「……え?」

 

「一人旅をして2ヶ月。故郷に帰るための一人旅も飽きてきてな、一緒に旅してくれると助かるんだが」

 

「えっ、えっ?いいのですか?」

 

「もちろん」

 

「あの……何も返せないですよ?」

 

「なら妹になるか?」

 

「い……妹?」

 

いきなり一緒に旅しない?と言われたと思ったら、次は妹になるか?なんてこと聞かれたから大混乱になってるだろうな(苦笑)

 

「妹になれば家族になるな。家族なら迷惑もかけることや、助けることも当たり前だよな?それに妹なら兄に迷惑をかけることは義務だ!」

 

「迷惑をかけることが義務なのですか?」

 

「ああ、義務だ」(個人的感想です)

 

 かなりの暴論だが、まあ、可愛い少女を見捨てることが出来ないって事なんだよな(苦笑)

 

「で、どうする?」

 

「い、妹になるです……」

 

「お前もそれでいいか?」

 

犬にも許可を求めると

 

「ワン!」

 

と肯定してくれたので

 

「ならこれから頼むな。我が妹……えーっと……」

 

「音々音。ねねと呼ぶです」

 

「ねねか。良い真名だな。俺は紅蓮だ。好きに呼べ」

 

「はい!これからよろしくです兄上!」

 

 兄上……そんな風に呼ばれたことなかったから新鮮だなぁ!

 

「ああ、これからもよろしく。ねね。張々」

 

こうしてかなりの急展開だったが俺に義妹が出来た。

 

 

 




かなり強引にねねを義妹に!

妹は兄に迷惑をかけるのが義務!

意味不理論ですね(^_^;)

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