チラシの裏の日記   作:とうや

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モーガンタウンには商店、教育施設、駅、飛行場と様々な施設が揃っている。
ここに来れば大体の物が揃うのは言うまでもない事実だが、
最終戦争の後である今は大体の物がジャンクになり果てている。

とはいえ、それを再生して新しく何かに作り直す事が出来ればジャンクはそのまま資源へと見方が変わる。
最終戦争のきっかけが資源の争奪戦であったことを考えれば皮肉なものだ。

しかし、監督官はあの敵だらけの高校や大学でよくログをのこす余裕があったな。

とある日のチラシの裏の日記


7:モーガンタウン探索

モーガンタウンにやってきた。

ここにやってきた理由は3つ。

第一に監督官のログ探し、次にレスポンダーのキャンプとなってる飛行場に顔を出すこと。

最後にママドルスの食品加工工場で物漁りをする事だ。

 

先ず最初にタッチしたのは監督官のログ探しだ。

これは目的地が分っていたので焦る必要はない、モーガンタウン高校とVault-Teck大学だ。

後、恐らくだがレスポンダーの施設にもあるのではないかと踏んでいる。

監督官が短期間で驚くほどあちこち探索しているのは既に理解している。

そして、当のレスポンダーだが恐らく既に壊滅している可能性が高い事も想像がつく。

 

何せ、それなりにあちこちと歩き回ったが、生きている人間で遭遇したのは元Vault76の住人だけだ。

スコーチとフェラルグールは除外する、アレを生きた人間扱いはしない、ただの害獣だ。

どっちも脳味噌イカレてるからな、仕方ない。

 

見かけたら駆除する以外の選択肢が無い。

 

まぁ、最初の頃はともかく今では突っ込んでくる敵はカウンターでコンバットナイフで一撃、離れた敵はライフルで頭から消し飛ばしているぐらいだ、実に慣れたもんだと思う。

 

高校を探索して思ったのは、間違いなう一時期はここが避難所として使われていただろうことだ。

ただし、有益な情報があるかと言えば特にない。

強いて言うならプラスチックごみが多いのでプラスチックが欲しければここに来ると丁度いいことぐらいか。

次に探索したのはVault-Tec大学だ。

ここも間違いなく避難所として使われたはずなのだが……最終的にここの監督官らしきものが住民に襲われ壊滅下と思われることが見て取れた。

フェラルグールばかり多くジャンクはあまり欲しいものが無かった。

 

「ウチの監督官様はこんな場所で本当に良くログをのこす気になったもんだな」

 

かく言う自分もメモ書き程度はしているが……まぁ、他にも来た奴がいるのだろうかフェラルやスコーチの死体も多かったく、残りも少なかったので殲滅できたが故の余裕だ。

 

「ステルスボーイは姿を隠すだけで臭いや足音は消せないし、独特な揺らぎが見えるんだよなぁ」

 

監督官の実力という謎が深まった気がするが、其処は置いておいて次はレスポンダーの足跡を……とも思ったが、一度この地にCAMPを設営する事にした。

まだ時間はある仕組みたてにも慣れたのでそこそこ大きめの小屋を建てよう。

 

まず大事なのは床というか地面の基礎作りだ。

これがしっかりしていないと組み立て後にあっさり崩れかねない。

その次に支柱、壁や天井を作る際にこれの有る無しで完全に違うし、増築改築の際にも差が出てくる。

最後に壁と天井を作る。

 

当然ながら扉の作り忘れとか言うミスは犯さない。

 

更に今回は天井の一区画は空けてあるそこに階段を通してさらに部屋を作っていけば2階も作れる、という訳だ。

先ず1階は工作台や調合台等を設置し、武器や防具の整備や薬品調合が出来る様にする。

2階はベッドや簡易の机と椅子を用意し更に調理台も用意して生活の為の部屋だ。

念の為に周囲にはタレットを幾つか設置し、ここまですればしばらくの拠点として使えるだろう。

 

「思わず予定外の二階も作っちまったな……まぁ生活部屋と工作部屋は分けた方が良いから問題なし、としておくか。

 それよりも頑張り過ぎてもう体が疲れた…トシとしか思えねぇなぁ」

 

調理台で沸騰させたお湯と布切れで手早く体を清め、年老いたくはないもんだなと愚痴りながらベッドに潜るとCAMPが生成してくれた掛布団は存外に心地よく、ベッドもふかふかしており実に寝心地が良かった。

 

翌日、モーガンタウンの探索に行ったが正直ロックされた扉が多く、その殆どが特殊な鍵でもかかってるのか手が出せなかった。

更に悪い事は重なるもので、この町はフェラルグールの巣窟だった。

ひっきりなしに敵に襲われるうえに成果は薄い、そう考えれば後の判断は早い、レスポンダーの拠点の空港に足を向けた。

 

しかし空港も空港で今度は大量のスコーチの巣窟だった。

こちらは色々と有用そうな情報や物資もありそうなので諦めるわけにもいかないだろう。

 

そんな気持ちを抱いた俺の前に存在したのはレスポンダーのトレーニングという名の虚しい施設回りだ。

本来であれば新人の顔見せという意味のある行為だったのだろうが、現在この場にいるのは全てスコーチだ。

途中、医療研究をしている場所を見つけて重要情報を得たり、それを見つけた監督官のログも見つけたがあるのは死体かスコーチだけだった。

正直なところ、かなりうんざりしたが、情報に関しては非常に有益だった。

何せスコーチ化を防ぐ為の情報だ……正確にはその研究をしている、という段階だが。

その情報だけでも値千金だろう。

そう思っていたら外から大きな雄たけびが聞こえた。

 

「なんだ?初めて聞く雄たけびだが…」

 

警戒しつつ物陰から外を見上げるとそこには例えるのなら超巨大な蝙蝠の化け物、或いはシンプルに悪魔とでも言ってしまえるような存在が空を舞っていた。

奴は鱗粉の様なものをまき散らしながら飛び続けている。

 

「…!?」

 

スコーチ化の研究に関する事で触れられていた化け物スコーチビースト、空を飛ぶその姿は書き記されたものその物だろう。

だが俺が危機感を抱いたのはそこではない、スコーチ病だ。

周囲を見渡し、大したものは何も見当たらず、しかしバンダナが見えたので無いよりはマシとマスク代わりに口元を覆う。

スコーチ病のキャリアーはスコーチビースト、という記述もあったが、あれだけ盛大に鱗粉を撒いているのだからあながち間違いではないのだろう。

奴と真っ向から戦うのならT61型のパワーアーマーをフルセットで用意してオプションも盛大につけて、武器はミニガンがガトリングレーザーでもなければ無理だろう。

あるいはそれ以上の装備か対空戦闘装備があれば話は早いのだろうが…。

 

無い物強請りをしても仕方がない、次は…。

 

「スコーチ病の対策研究、その成果を確認するべきか」

 

今回の一件で俺自身もまた感染している可能性がある。

まだ、こんな場所で死ぬつもりはない。

 

「まだ何も為せていないんだ、せいぜい足掻いてその内スコーチビーストも狩って見せようじゃないか」

 

勝つ為の道筋が見えないわけじゃない。

それにあんなものを放っておいたら人の安心して住める場所がなくなりかねない。

あれを狩るのもまた俺の仕事だ。

そう決意し、俺はスコーチビーストの去った空港を後にした。

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