炭化した木々に延々と燃え続ける炎と上がり続ける煙、そして降り積もる灰。
一言で言えば下手をしなくても重篤な病にかかりかねない劣悪な環境だ。
なにがしかの用事が無い限り、この辺りに近づくのは賢い選択とは言えない。
だが、あえて俺がこの積灰の山を進む理由はひとつ、ガラハン鉱業のお手製パワーアーマーを得るつもりだからだ。
現物が無くても、最悪設計図はあるのではないかと思っている。
その辺りの情報確認のために侵入したホーンライトインダストリアルのビルに侵入した。
情報はやっぱりと言うか予想通りと言うかあったのだが、改めて戦前の企業はやっぱクソばかりだなと確信した。
コスト削減は良いが、過剰な自動化で暴徒を増やすような真似しやがって。
やってる事も腹黒い事の多い事多い事、製品自体は良いものがあるだけになお後ろ暗い面が際立つ。
ガラハンは良い企業だったんだなぁ…たぶん。
陸軍も入ってみれば割と良い所だったし、Vault-techの建造スタッフなんかも監督官が上司だったお陰なのか勤務はスケジュールには厳しいが無理のない範囲だったし勤め先には恵まれていたのかもしれんな。
元Vault76の住人の残したチラシの裏の日記より
チラシの裏に書き綴った日記を見返した後、机の上に置き溜息一つつく。
この灰の降り積もる積灰の山では常にパワーアーマーを着込んでいたので、いい加減に休める場所が欲しくてガラハン鉱業本社にほど近い場所でCAMPを展開し拠点を設営し、一服つける場所を用意した。
勿論、屋根と壁は当然でベッドやキッチン、浄水付汲み上げポンプもある立派な奴だ。
警報代わりのタレットもそれなりの数を用意したので、暫くは安全だろう。
流石に空気清浄機までは作れないが、壁と屋根のお陰で大分マシな環境になっているといえる。
「ふむ、このお茶もまぁ割とイけるな」
煤の花こと夕顔を乾燥させて茶葉にしたものだったが、割とおいしく飲めて満足している。
まぁ、水分が取れるってだけで十分うれしいのだけれど、味や香りがあればなお良いものだ。
目的地のガラハン鉱業本社は入り口前の駐車場の時点で警備用ロボットが彷徨いている突入に躊躇いを感じる警戒ぶりだ。
装備が貧弱なまま挑めば蜂の巣にされて終わりだろう。
なので廃品をかき集めてそこから重火器を作り、弾を用意し、防具を用意し、グレネードも十分用意した。
食料に関しては拾い集めた保存食がたっぷりあるので問題ないし、そうでなくてもかき集めた肉や野菜で調理したものを食べたりとしているので余裕はある。
それに攻略の糸口は実の所十分ある。
駐車場には車が十分に止まっている、『やや不安定な核ジェネレーター』搭載型の車が何台もだ。
そしてそれらは手榴弾一つで容易に弾け飛ぶのだ。
だがそれより怖いのはやはりスコーチビーストだ。
大爆発を起こせば奴らが気づいて此方に来る可能性も否定はできない。
好き放題飛べる相手というのはやはり手強いし早くて狙いづらい。
建物などを盾にして戦えばある程度被害は抑えられたが、鱗粉撒きや放射能衝撃波なんかはどこの大怪獣だと言わざるを得ない。
ウチの爺さんが語っていた怪獣王って映画の主役よりはマシだろうけどな。
話がそれた、スコーチビーストが来た場合はさっさとガラハン鉱業本社に侵入すればいい。
あの巨体だからもしも入り込んでくれば最大の利点である機動性は失われるだろう。
そうすれば弾を当てるのも楽になる。
次に、そもそもの話だがここにステルスボーイmk3がある。
いわゆる『切り札』の一つだ。
何時拾ったかは忘れたが、効果時間が1分以上あるので潜入する分には十分だろう。
「ぽちっとな」
ステルスボーイを起動させるとなんだか妙に不安な気持ちになるんだが、なんなんだろうな、これは。
そうして潜入した社内だが、中はロボットとモールマイナーのドンパチ真っ最中だった。入口の脇で置物になって待つこと数分。
銃声が遠くなったのでこの近辺の戦闘は落ち着いたのだろう。
そう思い進むと死体とスクラップの山が転がっていた。
当然ながら漁りながら進む、平然と漁るという選択が出てくるようになった辺り、自分ももう大分思考がおかしくなっているような気もするが、其処は気にしないことにした。
先ず、重役の部屋へと進んでみると豪勢な?デスクの上にガラハン氏宅のカードキー、他にも部屋中漁ると他多少のジャンクと武器と弾薬、薬などがあった。
「武器に関しては手持ちの奴の方が質が良いな、後で解体するか」
この頃は武器作成の腕も上がったのか下手な拾得品よりもハンドメイドの武器の方が質も良くまた状態も普通に作られた物より頑丈に作れるので拾い物をそのまま使う、という事はほぼなくなっていた。
袋に詰めるだけ詰めて先へ進む。
当然そうするとモールマイナーやロボットが居たが両方撃つ。
強行で進んだだけあってパワーアーマーの装甲も見る影もない屑鉄状態でかろうじて頭部と胴体は原形を保っているが、ここで壊れたら廃棄するべきだろう。
地下の工房に入るとパワーアーマーの設計図は直ぐに手に入った。
「ふむ……部品は足りそうだしこの場で作ってみるか」
ブラックチタンがギリギリだが、拾ったジャンクを潰せばどうにかなるとわかり、早速作業を開始し、作り終われば直ぐにフレームに取り付ける。
「ふぅん、結構ゴツくて格好いいじゃないか」
大昔の漫画のヒーローロボットを思い出すが、あっちはもう少しスリムだったかな?
それにからりーんぐは設計に忠実にしたせいで銃器っぽい黄色と黒系が目立つ警戒色とでも言えば良いのか、とにかくそんな感じだ、だがそこが良い。
早速フュージョンコアを差し込んで乗り込むと、俺は一つ困ったことに気づいた。
「いかんな、予備も無いのに残りENが20%未満か」
何処かで拾うか、或いは発電所にでも行けば入手可能だろうか?
これが今後付き合いの長くなるだろう相棒ともいえる|エクスカーベーション≪掘削機≫型パワーアーマーの完成だ。
「軍用よりも扱いやすいかもしれんな。少なくとも着心地は悪くない動きも遜色はない……装甲は若干薄いが今までの屑鉄と比べればマシか」
元々軍用から民間用に再開発された経緯があり、その使用用途も鉱山などでの事故からの生存性向上を狙った物であり、ガスや熱などにも強くまた放射性物質に対する耐性もパワーアーマーとして当然ながらある。
戦闘用では無いのでそっち方面の優秀さは他に譲るだろうが、トルクは強いので重機として考えればかなり優秀の一言だ。
流石は敵対してたホーンライトが手放しでほめただけはある。
レイダーパワーアーマーは雑に鉄板を重ねてただけとも言えるから装甲は厚くても重量がネックだった。
それにあっちは拡張性もないしそもそも設計図も持って無いので新規作成は困難だし修理も大変だった。
その反面、この掘削機級はご丁寧に設計図が手に入ったし改良点もお陰で判る。
なによりこっちの方が拡張性があってモジュールの設計図は恐らく大本のT-45と共通して使えそうだ。
ガラハンの技術者、かなり優秀だったんだな。
「相変わらずナックル系の武器は使えんか、まぁ当然だが」
そもそも、パワーアーマーの素手が既に武器として優秀だ。
だから、その素手を補うのは電気や熱を用いたものが良いのだろうか?
フレームにダメージがいきそうだからやめておくべきか。
「さて……次はどうすっかねぇ?」
遅くなりましたがFo76のある意味目玉パワーアーマー、エクスカーベーションの登場です。
作者はこれが好きで普段使いしてます。
Wastelanders編の要望確認です。
-
読みたい
-
読みたくない
-
それより将軍(ry
-
お前のフォトニック(ry
-
人は過ちを繰り返す(将軍並感