チラシの裏の日記   作:とうや

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レスポンダー、BOSと語るとどうしても次に語るべきは恐らくフリーステイツとなるだろう。
フリーステイツ、要するに合衆国製に反感を抱く人間たちだ。
今はともかくとして戦前では州=国と言って良いほど合衆国の国土は大きい。
それ故か、或いは別の思惑からか合衆国から脱したいと考える層はある程度存在した。
こういうのが居たから内ゲバもあるし『共産主義者を利用して』等と甘い考えで外患を招き入れてしまう愚か者達が後を絶たなかった。
実際、そういった話は何度か聞いてうんざりしていた。
政府も政府で労働者を追い込むロボットを頼った自動化なんて考えていたのだから政府に反感を持つのは、まぁ分からないでもないのだが…。

彼らの方でも多少は何か情報を持っているだろう。
BOSの足跡を追えばスコーチビーストの巣に挑む事になる可能性は十分にある。
現時点で挑んでも弾薬も使い果たしたばかりで碌な事にならないだろう事は間違いない。
その為、情報と物資を求めて過去にフリーステイツの根城があったらしい東の森林地帯に足を延ばす事にした。

元Vault76の住人の日記


12:遺された物

 沼地地帯に向かう際、俺はワトガを経由したルートは選ばなかった。

それもこれも、極度に自動化が推進されたワトガはロボットで溢れているのだが、そのロボットが暴走して人間を襲っているという情報をBOSが残していたからだ。

もしもこの中に純軍事向けのアサルトロンやセントリーボットが複数いたら普通に死ぬ。

連携とられても死ぬ。

アサルトロンは格闘能力も高いが、その目玉は頭部からのレーザー照射攻撃だ。

PA着てても装甲が熔けて死ぬ、間違いない。

更にセントリーボットはそもそも軽快に動き回るガトリング砲だ。

アッパーバージョンでは小型のロケットランチャーだかグレネードだかを積んでいると言う噂も聞く。

そんなのと遭遇したら幾らPAでも意味がない。

そして現時点では弾薬も底をついているので無茶が出来ない、そういう訳で大きく迂回する事を選んだ。

 

「途中でモノンガー発電所を機能回復してコアを補充できたのはよかった……。

内部のミュータント共を殲滅するのには苦労したけど」

 

それはそれとしてやってきた沼地地帯はうっそうと生い茂る樹木と良く分からん謎の赤い蔓、そして足を取られそうな沼がやはり印象的だ。

さてフリーステイツの活動調査だが結論から言うとやはり彼等も滅んでいた。

だが、彼らの遺した設備は未完成だったがその有用性は恐るべきものがある。

未完成故に完成させ、機能を有効にするためにあちらこちらと歩き回させられ、序に

 

「スコーチ探知機、完成させる為の苦労はあちらこちらと歩き回されてとんでもなかったが、有用性は抜群だな。

もしも彼らがレスポンダーやBOSと協力出来ていたら、再生の日まで生き残るのは十分目があったんじゃなかろうか?」

 

そう考えると余計な猜疑心を煽りに煽ったであろうレイダーには苦い物を感じる。

彼らの様な野蛮な人間がいるから猜疑心は強くなり、組織毎の連携を阻んだのだろうとも思える。

彼らの爪痕は残虐その物で、正直に言えばローズも出来る事ならば破壊した方が良かったぐらいだが、破壊しなかったのは俺の感傷が招いた甘さだろう。

そしてその代償はきっと受ける事になるだろう。

 

さて、そんな事はさておきフリーステイツの遺産だがこれは技術的な物で有用なものは他にもある。

RADシールドというRAD-Xの強化版みたいな薬だ。

一つ使ってみたが、これを使うだけでフェラルとの戦闘が随分と楽になった……RADアウェイを使うタイムロスが減っただけで痛い物は痛かったが。

 

とは言え、物資の補給が潤沢化と言えば少し微妙だ。

弾薬は十分だが、スティムパックの量が若干…いや、多分足りないな。

だが、これ以上時間をかけても仕方ない。

 

ワトガ南のクランベリー湿原に突撃していったBOS隊員の……なんといったか、そいつの足跡を追いかけるのが良いだろう。

恐らく、スコーチの巣のような場所になっているだろうが、戦闘は最小限で済むようにステルスボーイも用意してある。

きっと大丈夫だ。

 

 

全然大丈夫に思えない。

 

 

ちょぉおっとスコーチビースト湧きすぎじゃないですかねぇ!?

 

「…!!……!!!」

 

遠くでガトリングやミサイルやレーザーをぶっぱする音が聞こえる。

どうやらワトガ周辺はロボット共と、それ以外はミュータントすらも交戦しているようだ。

なんだか、それ以外にもPA着た人間やVaultスーツ着た人間が暴れまわってた気がするが、見間違いだろうか?

正直に言うと心臓に悪い。

PipBoyが受け取るBOSの発信機の反応を更新しながら進むと、段々とスコーチの密度が高くなってくる。

天然の塹壕ともいうべき地面の割れ目が無ければ、途中で引き返す事になったであろうことは想像に難くない。

 

何とか進んだ先で天然の洞窟……ではなく、何者かが掘った恐らくなにかの鉱脈と思われる場所に出た。

人の手が十二分に入った場所だ。

内部もスコーチが蔓延っていたが、それでも人の手が入っていて一部は明確に施設化もされていた。

 

「これは……BOSのマークか、ここまで来て力尽きた人間がそれなりにいるようだな」

 

更に進んでいくと俺はようやく探し求めていた人間の遺体を見つけた。

BOSのダガーディ、彼女は記憶が確かならアパラチア出身の精鋭部隊の隊員だったはずだ。

そして、俺自身も彼女を知っていた。

 

「……リジー中尉、できれば生きてまた会いたかったんだがな。

T-51B型じゃ整備するのも一苦労だったろうに……アンタとアンタの部下は間違いなく英雄だった。

BOSの奴らが生きていたら、アンタの最期は俺が報告しておくよ」

 

エリザベス・ダガーディ中尉が率いるダガーディズ・サンダースは俺の所属した整備小隊が世話したことのある部隊だ。

性能の優秀さで後継機のT-60以上であるT-51系列は防御能力も機動性も最高傑作だと言われている。

だが、その反面で整備性の劣悪さはガチで整備員泣かせで整備の間に合わせでT-60にして、その後T-51に戻したという話も聞いたことがある。

T-51B型となると更に整備性は悪くなっているがその分性能は良い筈だ。

だからこそ、彼女たちはタッチダウン(スコーチ拠点強襲)作戦を決行しスコーチ化した大型アボミネーション全てを道連れに相打ちとなったのだろう。

彼女らの検診が僅かなりと時間を作りレスポンダーはスコーチ病の抗体作成、フリーステイツはスコーチ探知機やスコーチビーストルアーの開発が出来たのだろう。

……やっぱりレイダーは滅んで当然だったんだろうな、何も貢献してないし。

 

まぁ兎に角スコーチに大打撃を与えたのは間違いないだろうが、現実としてまだスコーチは蔓延している。

この辺りの情報を得るためにはリジー中尉の遺した情報をもう少し探す必要があるだろう。

 

俺は彼女の荷物を漁り、IDを回収すると再びディファイアンス砦に向かった。




なお、帰りはファストトラベルでスコーチはガン無視で逃げました。

Wastelanders編の要望確認です。

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