チラシの裏の日記   作:とうや

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みんな大好きヌカ・コーラ。
勿論俺も大好きだ。

戦前は勿論、今でも見つけたらキッチリ確保しているし、態々冷蔵庫も確保して自分のキャンプで冷やして飲んでいる。
ヌカコーラが欲しいけど手に入らない?
なら、工場に行けばいい。
そこで工場設備を動かして作ってしまえば何も問題はない、敵が多い事だけが大問題だが。

お前もいく時は銃と弾薬はきっちり用意しろよ。
フェラル達もヌカコーラが大好きみたいだからな。

==ヌカ・コーラ大好きなVault76第一世代の警備主任との会話より


3:どんな名前を付けるかでセンスが分かる

ザ・ウェイワードとのやり取りを終えた後の俺は、先ず最初にファウンデーションに向かった。

それというのも犯罪者集団と取引する抵抗感があったからというのが大きい。

とは言えどちらに話を持って行ったとしても俺には『信頼』と『実績』が不足していた。

信頼と実績が足りないのならば、どちらも得られるように力を入れれば良い。

 

そういう訳で俺は向かった先のファウンデーションではリーダーの言葉に従い、彼らの医者を探してスコーチに襲われて壊滅して逃げ回っていた所を救助。

スコーチ病に対する認識をしてもらい、それに対する手段がある事を伝えてリーダーの説得を依頼した。

翻ってクレーターを拠点とするレイダー達は先ず直接向かったが碌な交渉材料も無かったので門前払い。

やはり仕方なく世界の頂上にてローズの協力を取り付ける事に成功した。

その為に某社の廃屋でホロテープを探したり、趣味の悪い髑髏のトロフィーを探してきたりとしたわけだ。

 

「結局ローズの依頼が一番面倒くさかった件について」

「やはりそうなりましたか。

とは言え予防接種の件はどちらも認識してくれたようで何よりです」

 

嬉しそうに言う監督官はしかし直ぐに態度を真面目なものに切り替える。

 

「ワクチンに関してですが、少量であれば何時かの病院に連れて行けばよかったのですがしかしあの辺りは未だにスコーチ、フェラル、スーパーミュータントと入り混じっている激戦区です。

それに一人ずつポッドに入って治療するというのは掛かる時間を考慮すれば出来れば控えたい所…、そういう訳で『大量生産に向いた場所』を探しそこでワクチンとなる物を用意する事にしました」

 

監督官が経緯を振り返るように説明する。

そう言えば、微妙にレザーアーマーに傷跡が増えているような?

 

「この地図で南東の川沿いにあるヌカコーラの工場、ここが現在も稼働可能な状態である事は調査できました。

しかし、残念ながら施設の稼働を行うとその分大きな音がしてしまいますし、中は実の所フェラルが大量に潜んでいる為危険な場所です」

「つまり、フェラルを相当しつつ工場を稼働させ、ワクチンを生産する?」

「そうなります。私とあなたで制圧が出来次第、整備と警備の為の人員を派遣する予定です」

 

監督官がそう口にした所で、少し気になる事があった。

 

「最初から複数人を投入できないのか?」

「……非常に残念な事なのですが、それは難しいと言わざるを得ません。

警備と言っても基本的にはタレットのメンテナンス要員と緊急時の此方への連絡が精々で本格的に戦うには実力が足りない状況なのです」

「……そういえば、探索に人員を派遣していると言っていたが、それに関わる感じで?」

「はい、ワシントンDCやボストンのCIT等確認すべき場所はそれなり以上にあります。

嘗ての噂ではラスベガスでは富豪が体格戦争に備え大量の迎撃施設を用意していたという話もありましたので、彼方も生き残りはいるでしょう。

特に確認したいのはワシントンDCのVault-Tech本社です、あそこを調査できればもしかすれば生きている別のVaultの情報や他の重要施設の情報を得られる可能性があります。

確実に難を逃れたと思われるブラウン博士にはどうにかして協力を得られればとも思いますが……話が脇道にそれましたね。

兎に角、現時点では直接戦力としての人材が枯渇しているので私達が動く必要があります」

 

監督官ができうる限りの事をしているという事を理解しつつ、人材不足の深刻さは頭を抱える状況の様だ。

スコーチやフェラルを筆頭に多くのアボミネーションという25年前には想像もしなかった化け物共が居なければ恐らくVault76の居住者だけでも十分人では足りていた可能性がある。

勿論、勢力争いに巻き込まれる可能性は十分ある。

 

「まぁ、将来の為の備えはしますが……備えるだけ備えたら後はガキ共に任せる事になりますわな。

精々産めよ増やせよ地に満ちよとやって行って欲しいもんですわ」

「その通りではあるのですが、もう少し言葉は選んでほしくもありますね」

 

監督官が苦笑気味に言う。

 

「はっはっは、そいつぁ今後の課題といたしましょう」

 

互いにライフルを撃っていたり、スレッジハンマーで殴り飛ばしたりしてなければ和やかなんだがねぇ。

 

「周辺の掃除はこのぐらいですかね、後は内部になりますが?」

「内部もそれなりの数を前回の調査で確認しています。

ですがそれ以上に注意するべきはウェンディゴというフェラルの亜種の様な手足がヒョロ長い敵です。

俊敏な身のこなしと怪力は装備を整えていても脅威であることに違いはありません」

「奴ですか……開けた場所ならともかく、室内だとどうなるかわかりませんな。

とはいえ、俺がパワーアーマーを着ていれば囮として前に立つには十分でしょう、監督官はうまい事を狙撃して頂ければよいかと」

 

俺はエクスカベーターの装甲をカンカンと叩くと監督官は納得して頷く。

 

「私は基本的にPAは使わないでここまで来ましたが、やはり重装甲というのはこういう時頼りになりますね」

「まぁ、逆を言えばPA無しでは生き残れない場所ばかり行っていたという事にもなりますが……デスクローなんかの凶悪な奴を相手にする時なんかはPAを着ていても怖いと思ってしまいますがね」

「わかる気がします、迫力がありますからね……恐竜が今も実在すればあんな感じなのでしょうか?」

「かもしれませんなぁ!」

 

途中で柄の折れたハンマーは投げ捨て、ワトガで貰ったスーパースレッジでフェラルの頭を砕く。

 

「パワーアーマーのお陰もあるのでしょうが、Vaultに居た頃よりももしかして腕力が付きましたか?」

「かもしれませんな、整備をやってた時の習性なのか、武器や建物の補修に仕えそうなものはついため込んでしまいます。

あぁ、そこのクリップボードも持っていきましょう。

なんだかんだでバネやギアの類はよく使いますからな」

「……その割には薬や食料も抱えているのですね?」

「一度外に出ると何日も戻りません。

基本は日持ちする既製品がメインで運が良ければ拾った肉を焼いて食ったりしてますな。

そんな生活をしていれば自然とVaultで暮らして居た頃よりも力も付くし何やら頭の回転もよくなった気が…?」

 

そんな会話をしながらもフェラルを倒し続ける。

途中で電源設備を発見するも、流石に経年劣化していたせいかショートしたり断線していたりしたので、手持ちのジャンクから使えそうなものを引っ張り出して修理を行う。

25年の経験の影響もあるがジャンクを修理材料にする手際はここ最近の物だな、生活の知恵というかサバイバルの知恵というか…。

 

「流石にこの手の作業は慣れたものですね、見事な手際です」

「25年、これで食ってきましたからね、良し、起動した」

 

電源が動き始めると、今度は音に反応してフェラルが襲い掛かってくる。

 

「おかしいですね、前に来た時よりも多いような?」

「PA着ててよかった、腕の感覚が大分馬鹿になってきてるから素手で握ってたら今頃マメが出来た上に破けてたな」

 

破壊される訳にもいかないのでその場で迎撃し、途絶えた所で次のフレーバーラボに移動する。

そこでフレーバーの代わりに抗体を流し込むのだ。

そして監督官の案内に従い、何故か俺はバイオメトリックスキャナの中に入っていた。

 

「あの……なんで入る必要が?」

「この装置であなたの血液を始めとした遺伝子データから抗体を採取し、其処からワクチンが生成できます。

なんでこんな装置がコーラ工場にあるのかは私も不思議ですが、今回においては実に好都合です。

装置の操作やワクチン生成手順の都合もありますので私の方で機械を操作します。

あなたはその中で少々休んでいてください。

しかし、これであなたがヌカコーラの細心のフレーバーという事に……?

考えるのはやめておきましょう」

「……」

 

微妙な沈黙が出来てしまったので、黙々と抗体の製造に取り掛かる。

この辺りは軍で何故か衛生兵のまねごともやらされた経験が生きた。

……整備兵だったはずなのに思い返せば俺、色々とやらされていた気もするな、あの頃は必死過ぎてそんな認識はなかったが。

 

 

次に端末から製造プロセスを開始する必要があり、別室に移動した。

「対象は……『病気で死ぬのが嫌なもの!』で、製品名は……俺の血が入ったヌカコーラだろ?

とはいえ、そんなの意識したら誰も飲めないな、スコーチ病の予防だからヌカコーラスコーチ…はダメだな、逆の意味になりそうだ。

シンプルにヌカコーラワクチンで良いか」

 

最後に製造ラインを起動すれば…という所でウェンディゴが襲い掛かってきた。

だが、あえて言うが力不足だ。

 

「一人ならば時間はかかったが二人掛かりで苦労するわけないだろう?」

「確かにその通りですね、私も近接戦闘ならば苦しいですが援護射撃に徹していたので随分と余裕を持てました」

 

そんな話をしながら、監督官がぽちっとラインの稼働スイッチを押すとほんの数秒でヌカコーラワクチンが出てきた。

 

 

「試しに一本飲んでみましょうか」

「そうですな、ワクチン要素を抜けばヌカコーラであることは確かですし」

 

ゴク!ゴク!と音を立てて飲むのはもはや様式美だった。

 

「味は普通のヌカコーラよりも少し薬品っぽいですね、しかし十分普通に飲める方です」

「確かにこれなら十分だ」

 

その後の段取りとして、事前に話してあった通り監督官がVault76元居住者の人員を派遣し、ここの運営を行う。

監督官自身は指揮官としてサットンに残る。

俺はクレーターとファウンデーションにワクチンを運ぶ。

そして運んだ先で俺が言った言葉は何故か歴史に残った。

 

 

「おいしく飲める薬があっても良いじゃないか!」

 

 

これ以降、何故かアパラチアの予防接種の薬はヌカコーラワクチンと同じ様に作られることが増えた。

これが理由でヌカコーラ工場とVault76元居住者はレイダー、ファウンデーションの両勢力とそれなりにうまくやっていける様になったとかならなかったとか。




前回と同じく割と駆け足で話を進めました。
実際ファストトラベル使いまくったというのもあります。

基本PC版(ベセスダ.net版)で遊んでいるのですがPS4でもFo76を購入しました、安くなっていたので。
理由としては『名前に日本語が使用可能だから』です。
そんな理由で?と思われそうだけど、地味に大事です。
PAフレームの名前がつけれるんで、インベントリやコンテナ格納時に判別しやすいので!

地味に英語で名前つけるのも面倒なんで購入を踏み切りました。
これでクロスプラットフォームに対応してくれればなおよろしいのですが。
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