とある1位の高校生活   作:XY

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第3話です。
この話からヒロインが登場します。


第3話 入学

一方通行(アクセラレータ)が朝起きると、机の上に弁当が置かれていた。

一瞬ラストオーダーが作ったのかとも思ったのだが、すぐに彼女の身長ではそもそも届かないという結論に至った。

 

「じゃあ誰がァ・・・」

 

と包みを取ると手紙が一つ入っていた。黄泉川愛穂(よみかわあいほ)からである。

 

「元気にしてるじゃん?黄泉川お姉さんの特別弁当じゃんよ。残したら許さないじゃんよ。それじゃ学校頑張れ!!」

 

という内容だった。

ここで一つ問題が解決した。がまた新たな謎が浮上した。そもそもこれは誰が一体どうやって持って来たかである。

黄泉川や芳川(よしかわ)はこの場所を知っているので出来ない事はないが、いちいち学園都市から出てここに持ってくるにはあまりにも遠すぎる。

となると考えられるのは、空間移動系の能力者であるのだが一方通行の記憶が正しければ、知り合いにいるのは一人しかいない。

 

「まさかなァ・・・」

 

そう考えながら弁当と一緒に置かれていたご飯とおかずで朝食を済ませる。

 

「いい匂いって一方通行だけズルい!ってミサカはミサカは怒りを表わにしてみる」

「お前が起きてこなかった所為だろうがァ」

 

ぶつぶつ言いながらラストオーダーも朝食を食べ始める。

しばらくして一方通行が

 

「そンじゃもう行くからァ」

「昼は冷蔵庫に入ってるヤツ食っとけェ」

「もう学校行っちゃうの?ってミサカはミサカは少し寂しそうに聞いてみる」

 

なんやかんやいっても学園都市にいた時はいつも一緒にいたので、改めて離れるとなると少々寂しいものが彼女にもあるのかもしれない。

 

「仕方ねェだろ、初日は色々あるらしいンだよ」

「まァ出来るンだったらこのままサボりてェンだがな」

 

というと

 

「それはダメ!愛穂から見張るように言われてる!ってミサカはミサカは自分の使命を全うしてみる」

(こいつは行って欲しいのか、欲しくないのかどっちなンだよ・・・)

 

なんてことを思いつつ、一方通行は家を出る。

 

「俺が帰って来るまで出かけンじゃねェぞ」

「はーい、ってミサカはミサカは返答してみる」

ガシャン

 

 

一方通行が家を出たあとしばらくしてから、ラストオーダーも

 

「よーし!一方通行の監視開始!ってミサカはミサカは自分のミッションを始めてみる」

 

実に楽しそうである。こうしてラストオーダーも家を飛び出していった。

 

 

ところ変わって通学路。

慣れないカッターシャツと学生ズボンでぎこちない歩きをしながら一方通行は学校を目指す。

 

「にしてもよォ」

 

一方通行の予想した通り、彼を見ている学生達が見える。

ある者は彼をその白い髪と赤い色の目を見て気味悪そうにし、またある者は「何だあいつ」と面白いもの見るような目をしている。

 

「糞がァ」

 

今にもブチ切れそうな彼であったが、深呼吸をしその感情を抑える。

しばらく歩くと学校の門の前に着いた。

すると彼を待っていたであろう思われる人が近寄ってきた。

 

「君が9月から入学する転校生かな?」

「あァ」

「私はここの校長の奈落田勝富(ならくだかつとみ)。これからよろしく」

 

校長に案内され学校内を進む。ここでも一方通行を見る目は普通とは違っていた。

 

しばらく連れられて歩くと応接室という所に着いた。

 

「それじゃ紹介の時になったら呼ぶから、それまでここで待機しててね」

 

一方通行は考えた。紹介という事は何かしら言わなければならないと。

「学園都市に7人しかいない超能力者(レベル5)です!これからよろしく!」なんて言えば、登校初日から頭のおかしい奴という烙印を押されてしまう。

 

「まァ素直に「これからよろしくお願いします」でいいかァ」

 

一方通行があれこれ考えていると

 

「出番だよ」

 

と言われ、始業式が行われている体育館へ連れられた。

 

 

始業式というのは毎学期の授業を行う為の式で、そういうのにはお決まりの『校長先生の話』というのがある。多くの人はこの話を体験し、そしてその度にうんざりしてきた。大抵話が長いからである。

今回もその長い話を聞かせれるのか、と思う生徒もいたと思われるが今回は『一方通行の自己紹介』の時間が設けられ、その時間を作る為に校長先生は昨年の半分くらいになったのだ。

 

「これから教室に戻ってHR(ホームルーム)をしてもらうが、その前に転校生の紹介をする」

 

一方通行は今ステージの裏にいる。学園都市序列第1位の彼もこれほど大勢の前で話した事はない所為か、どことなく緊張しているように見える。

 

「それではどうぞ!」

 

その言葉と共にステージに出る一方通行。

その瞬間体育館はざわめいた。男子生徒は可愛い女の子を女子生徒はカッコいい男の子を期待しただろうが、実際はそうではない。確かに『男』という点では彼女らの予想とあってはいるが、彼をカッコいいと思うのにはかなり個人差があるだろう。

 

(くだらねェ)

 

そう思いながら、見下すように生徒を見回す一方通行。すると、その中に彼を一心に見つめる女子生徒がいた。彼も見覚えがるようで

 

(あいつはあの時の・・・)

 

そう考えていると、先生から

 

「それじゃ簡単に自己紹介してもらっていいかな?」

 

そう言われ所謂テンプレの自己紹介で

 

「一方・・・」

 

危うく学園都市で通ってる名を言いかけたが、すぐに

 

鈴科百夜(すずしなびゃくや)です。これからァよろしくお願いします」

 

と言い直した。

やらされた感満載の拍手が起きた。そうして始業式は終わり生徒は各々の教室へ帰っていった。

 

 

一方通行も担任に連れられ教室へ向かって歩いていた。

 

「ここが君のクラスになる2年B組だよ。よく覚えておくように」

 

かなり態度の良い先生で一方通行を見てもそのような目はしなかった。いや、表面はそうでも内面も同じとは限らない。彼には第5位のような能力(ちから)はないので、担任の心までは分からなかった。

 

「さっきも体育館であったように転校生の鈴科百夜くんだ」

「うちのクラスに入る事になったのでみんな仲良くしてやってくれ」

(仲良くねェ・・・)

 

表面はそうでも内面は真っ黒の人間など、一方通行は学園都市で嫌というほど体験した。

彼はこの時は仲良くするつもりはなかった。

 

「席は星川の後ろが空いているな、そこに座ってくれないかな?」

 

そう言われ席に進み、そして席に座る。

それから担任が

 

「それじゃまずは宿題の回収をするぞ」

 

生徒達の「えぇー!」という声や「やばい!」などといった声を聞き流しながら一方通行は外を見ていた。すると

 

「ねぇ」

 

その声の元に一方通行が振り向くと、見覚えのある顔があった。

 

「君、この前私を助けてくれた子だよね?」

 

そう言われ、記憶を遡るとあの時の事を思い出し

 

「あァ。あン時の」

「あの時は私自己紹介出来てなかったよね。私星川雪乃(ほしかわゆきの)っていうの、宜しくね!」

 

彼女は他の生徒違い、臆することなく話している。

彼女は続けて

 

「まさか同じ学校の同じクラスに転校してくるなんて思わなかったよ」

 

一方通行は違和感を感じていた。今までこれだけ親しく話しかけてきた人は黄泉川や芳川、ラストオーダーぐらいだった。しかしそれとはまた違ったものを感じていた。

突然の違和感でつい調子が狂い

 

「こちらこそ・・・よろしく」

 

といつもの口調ではなくなってしまった。こんなところを黄泉川達やグループの面々に見られでもしたら間違いなく笑われ者である。

 

「なんぜよー!あのしゃべり方!」

「傑作ね」

「皆さん笑ったら失礼・・・ぷッ!」

「ミサカも聞きたい!ってミサカはミサカは要求してみる」

 

こんな愉快は会話を繰り広げているのは、ラストオーダーと金髪で派手な格好をしている土御門元春(つちみかどもとはる)、桃色の布で胸を隠しただけの上半身にブレザーを引っかけた格好をしている 結標淡希(むすじめあわき)、この場にいる中では一番マシな格好をしていると思われるが、実はその格好こそが借り物である海原光貴(うなばらみつき)(本名はエツァリ)のグループの面々である。

 

冷静に考えれば、ラストオーダー1人で監視するというのは無理な話である。今のご時世こんな小さい子がいたら、どこかの青髪のロリコンのような危険な奴が連れ去りかねない。まあもっと危険なのは連れ去った人間の安否なのであるが。

そういう時のために彼らがいるのだが、正確には土御門がどこからか情報を入手し面白がって着いてきたわけなのだが。

 

そんなことは露知らず一方通行は会話をしていた。

キンコンカンコンー

学校のチャイムがなった。どうやら今日は午前で終了のようだ。

 

「それじゃ今日はここまで。出してない人は明日ちゃんと持ってこいよ」

「はーい!」

 

一方通行も帰り支度を始める。

 

「また明日ね」

「あぁ」

 

相変わらずぎこちないしゃべりである。

 

 

「あン時の違和感は何だったンだァ?」

 

そう考えを巡らせながら自宅を目指し歩く一方通行。しかし、そんな彼の前に制服を着た大柄の男3人が立ち塞がる。

 

(転校生お決まりのパターンかァ?)

 

彼の転校の噂は良くも悪くも広まってたようで、3人の男は

 

「お前が噂の転校生だな、ちょっとツラかせや」

 

一刻も早く自宅に帰りたかった一方通行は軽く舌打ちする。その舌打ちはどうやら聞こえてたようで

 

「テメェ今舌打ちしやがったな!ナメやがって!!」

 

男が一方通行に襲いかかるが、彼は顔色一つ変えず反射をONにする。その瞬間、男の体は後ろに大きく吹き飛んだ。あまりの出来事に残りの2人は目を丸くするが、すぐに一方通行を睨みつけ

 

「テメェ何しやがった!?」

 

一方通行は「別にィ」と一言。

彼のそのすかした態度が気に入らなかったのか、今度は伸縮性のある棒を取り出し襲いかかる。

 

(今度は道具かよォ、面白味のねェ連中だァ)

 

力強く振り下ろされたその棒はそれと同等の力で大きく吹き飛んだ。そして無防備になった体に蹴りを入れる。

そして一言。

 

「三下がァ!」

 

ベクトル操作で強化されたその蹴りは、大柄の男を軽く吹き飛ばす程の威力だった。

堂々と能力を使ってしまった訳だが、彼の中で「緊急時にはいいだろ」と勝手に結論付けた。

仲間2人をやられビクビクしている男を軽く睨みつけると再び自宅を目指し歩き始めた。

 

「初日から派手にやらかすにゃー」

「まあでもこうなる事ぐらい目に見えてたでしょ」

「大きな問題にならないといいんですがね」

 

そう心配しながら彼らは

 

「そんじゃ俺達も帰るから、お前の早く帰るぜよ」

「気をつけてね」

「お気を付けて」

「はーい!ってミサカはミサカは返答してみる」

 

初日から派手にやらかす一方通行を心配しながら彼らも各々の場所へと帰って行った。

 

 

 




第3話も読んで頂きありがとうございます!
今回の話はちょっと長くなってしまったと思うんですがどうでしょうか?

この小説のコンセプトとして、ちょっと暇な時に読めるというのがあるので、個人的には各話2000字前後で書いていこうと思うのですが、それについて活動報告でアンケートしようと思うので暇な時に書いて頂けると幸いです。

あと一方通行の偽名はAcqua様から頂きました。
誤字脱字や批評、その他何かありましたらご連絡下さい。
それでは4話で会いましょう!
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