「時代に消された戦士達」 機動戦士Zガンダム外伝 作:ずん侍
宇宙世紀0080年1月1日15時00分:月面都市グラナダにて、地球連邦政府とジオン共和国政府の間に終戦協定が締結される。
戦争は終わった…そしてジオン公国は終わりを告げジオン共和国と名を変え続いていくが、その実は連邦による傀儡政権に違いなかった。
こうして世界は連邦の時代となっていく…
薄暗く広い空間、大きなジオンの刺繍の入れられた垂れ幕が掛けられている
「ジオン公国はジオン共和国となり名実上は続いている。だがそれは連邦の犬に成り下がった愚物である!今の政権は何が変わったというのだ!独立したと謳ってはいるが現政権は連邦の支配下に置かれ下に見られ続けている。何も悲願は達成されていない!!例え戦争が終わったとしても我々の求めたものは何一つ得られていないのだ!!」
「おおお!」
男の訴えに群衆は興奮し叫ぶ
「ジオンを導いたギレン・ザビは独立という悲願を忘れ支配をより大きな支配によって覆そうとした。だが支配は安定など出来ずまた悲しき戦争を繰り返すだけである!本当の独立とは連邦の手から離れジオンの自立にある!」
「おおおお!!」
「だがその為には力がいる。その為、ここにレジスタンス軍を設立する!!!」
一年戦争に敗北したジオン公国軍は負けを認め捕虜となる者、自殺する者、そして再戦を求めて期を待つもの…その者達は自分達を導く者と居場所を求めていた…
0082 ナミス・ガーランド大佐率いるムサイ艦がサイド1付近を航行中、放棄された13バンチコロニーを発見、改修すれば使用出来ることを確認。
そしてそこに拠点を置く事を決める
そこから繋がりのある残党軍を誘い着々と人員を集めていった
そして宇宙世紀0084 ナミス・ガーランド大佐はジオン公国の名のもとにレジスタンス軍を設立
0085 コロニーの改修やMSの製造に使う資源不足からデブリ帯の残骸を集め再利用する計画を立てる
そして2ヶ月後 隠密性、作業効率、航続距離、レーダー性能、製造コストをクリアしたオッゴワーカーが開発された
「目標地点到着まで推定5分…」
「大規模レーダーのシステム準備を開始」
「本艦とのレーダー情報の共有を開始」
「…システムの起動を確認、使用出来ます」
「共有完了、レーダーマップを正面に投影準備完了。」
「間もなく目標地点に到達。レドームオープン」
機体の両側からレドームが開かれる
「大規模レーダー起動…稼働に問題なし」
「投影します」
正面に3Dモデルが投影される
「これがデブリ帯か…」
そこには1面破壊されたコロニーやMS、艦隊の残骸で埋め尽くされている…
その中にはコロニーの重力を作り出す装置が半永久的に稼働しているらしくその引力で引き寄せられているそうだ…そしてその中に俺達はいる
「今回は状況把握が任務だ。めぼしいものがあれば拾ってくるように言われているがそう多くは持てん、捜索とレーダーマッピングが出来たら帰るぞ」
「了解」
「これは、…」
強力な放射性物質の反応をいくつも検知している…
それは熱核融合炉の反応であった。熱核融合炉はMSのコア、エンジンである。
「此方ラディ中尉、熱核融合炉と思われる反応を多数検知」
「宝の山だな…出来る分は回収してくれ。」
「了解。出来る限り回収だとさ、積めるのは2.3個だな」
「ああ、早く帰って飲みに連れてってくださいよ中尉」
「しゃあねーな」
アームを動かし目の前にある残骸の中から探し出す。
「お、あった」
クレーンゲームのアームのような要領で掴み取りハッチを開き中に入れる。
そして次の反応へ向かおうと視界を回転させ…
「なんじゃありゃ…」
目の前には巨大な何かの残骸があった
「戦艦…ですかね」
「ああ、多分な…」
よくよく見てみるとちょうど前半分が消失した戦艦である事が伺えた
「あの奥ですかね」
「そうみたいだな…」
「3つありますね、どうしますか」
「 …」
連邦の熱核融合炉を持ち帰り解析できれば我々の技術の進歩に繋がるやもしれん…それにこんな巨大な戦艦データベースになかったはず。新型戦艦に積まれているのなら…もしかしたら…
「行くぞ」
「…はい」
このオッゴには作業用にはレーザーカッターも装備されているため意外にもサクサクと半壊した船の中を進んで行く
「道が開けましたね」
「ここは…カタパルトへの移動通路か?」
開けたまぁまぁの大きさを持つ通路にでる。直線状である事から移動に使われるものに違い無いだろう。
そしてその通路を進むこと数分
「これは、…ハンガールームか」
MSが20機は収容出来るであろう空間だった
だが残念ながらMSがぎっしりという訳ではなく2機が補給を受けていたのか機器に接続されたまま半壊している
このハンガールームに有るのは2機、…あと一機が見当たらない
あと一機が見当たらんな…あの奥か?…
反応のあった方を見ると人ひとり入れる位の扉が見える
「俺が行ってくる。中は頼むぞ」
「わ、分かりました。お気を付けて」
「ああ」
拳銃とサブマシンガンを手に外へ出る
ナイトスコープのお陰で視界はハッキリしているが1人で宇宙空間に居ることに恐怖を感じない訳では無い
何一つ自分以外生きるもののいない世界…
腕に取り付けられたマップを見るともう少しで反応があったポイントに着く
30,25,20,15,10,
目の前に開けた空間が見え、入ると目の前には…作りかけのMS。そしてその頭部は…
「ガンダム…」
v字のアンテナに2つの眼、恐怖の対象であった白い悪魔
「そうか、これを輸送してたのか…」
これは流石に持ち帰れんな、記録を残そうとカメラ機能で写真を撮ろうと拡大表示をすると、
ん?…あれは…作業用の大型PCが目に入る
写真だけひとまず撮り終えるとそのPCに近づいて行く
何か書いてある…擦って汚れを取ると
last message という文字と端末のメモリーがテープで止められていた
これで何か連邦の情報が掴めるかもしれない、という気持ちとその一方で個人的な内容に対する興味があった。
それを手に取りバックパックに入れる
もう帰ろう、酸素残量も半分を切った。
帰り道はマップのお陰でスムーズに帰ることが出来た
暗証番号を入力しオッゴの中に入る
「中尉お疲れ様です」
「ああ、やはりスーツだけで出るのは気が落ち着かんな」
「そうですね、中尉が無事で何よりです。」
「早く艦に戻って報告がしたい、急ぎでマッピングを終わらせるぞ」
「了解です」
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