「時代に消された戦士達」 機動戦士Zガンダム外伝   作:ずん侍

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ステン・ガルス

レジスタンス軍の「新型量産機開発計画」によって開発された次期主力量産機候補とされているMS


「時代に消された戦士達」第4話 「初陣」機動戦士Zガンダム

Truth3 MS開発研究所 ハンガールーム

 

 

「こりゃぁ…データが届いたが…機体の名前はまだ決まってなかったみたいだな」

 

「まぁ頭部と左上半身しか装甲が無くて殆どフレームですからね」

 

「あ、でも機体番号は判明したぞMSZ-005だな 」

 

「そういえばこの機体のシュミレーター解析で判明したんですが驚く程可動範囲が広いんです。こんなにいるのかってぐらい…後よく分からないカラクリも…ほら見て下さいよ」

 

「…この動き方はまさか、可変機か」

 

「可変機ですか?」

 

「可変機ってのはな大体は飛行形態に変形出来るMSの事を言うんだ。アナハイム社が研究してるって噂はあったが…本当に作ってるとは」

 

「それじゃあ我々もその可変機を作れるようになるのですね!」

 

「それはちと難しいな、我々の可変機の知識は0だ。流石に作ることは難しいだろう…この機体もほぼ装甲は造られてない開発段階だ。可変機能は無くすことになるだろうよ」

 

「なんか勿体ない気もしますね…」

 

「まぁな、だがこのフレームはすごいぞ新設計の関節機構にマグネットコーティング、それに高出力ジェネレーター。可変機能は無くとも量産機では出せない超高スペックだ…この機体は強くなるぞー」

 

「ですね、おやっさんが作ればきっと連邦の計画より強くなりますよ」

 

「へっ、あたりめーだ」

その男は今日も玩具で遊ぶ子供の様に機械を弄るのであった

 

そして月日は緊張状態のまま流れていく

 

宇宙世紀0085 12月25日 クリスマス

 

突然の報せだった

 

「総帥、同盟組織であるカルボナリより救援要請が来ておりますが…」

 

「相手は」

 

「ティターンズと思われます。場所はサイド4、敵機数は不明です」

 

「…」

近いな、そこが突破されれば此方に来るやもしれん…

 

「5機試作機が出来ているはずだな」

 

「左様にございます」

 

「それを出せ、実戦テストだ。パイロットはテスト時の者を乗せよ」

 

「承知致しました」

 

…吉と出るか凶と出るか…さぁどちらか…

 

 

「ラディ中尉、出撃命令です」

 

「は?出撃?何で」

 

「ええ、出撃です。何でってそりゃステン・ガレスに決まってるでは無いですか」

 

「ちょっと待てあれは試験機だよなそれを実戦で…」

 

「まぁまぁ、取り敢えずパイロットスーツに着替えて

、ハンガーまで来てください!総帥から勅命ですからね!」

 

「…了解」

ハンガールームの中は作業のしやすいように無重力の空間になっている

 

オイルや金属の熱せられた臭いが立ち込める中壁を蹴りながら進んでいくと黒色に塗装されたそれが胸部のコックピットを開いて待っていた

 

「中尉ご苦労様です」

 

「ああ、ありがとうアルベルト」

シートに座っていると知人の整備士が顔を出す

差し出されたボトルを受け取りながら機体の状態をチェックする

 

「機体の整備はお前に合わせてバッチリしといたぜ」

 

「そうみたいだな、うわぁこの推力設定リミッター守ってんのか」

 

「ああ、守ってるとも俺は熟練の整備士だぜ。ギリギリまで調整する技術があるのさ」

 

「…ほんとお前ってやつは……褒めてねぇからな」

何故か誇らしげにしている目の前のアフロ毛に呟く

 

「なんか言ったか?」

 

「いいや、何でもないさ」

 

「ならいいんだけどよ」

 

「ステン1、2、3、4、5号機のパイロットに通達。5分後に強襲輸送艦にてサイド1宙域に輸送を開始します。各自準備を行ってください」

 

「武装と補給物資はもうあっちに積んであるからこいつごと連れてくみたいだ」

 

「了解」

 

「生きて帰ってこいよ」

 

「俺を誰だと思ってんだ、じゃあな」

 

「ははっ、分かってるよ」

 

コックピットハッチを閉じる、一瞬の静寂と闇に包まれるが直ぐに機械の作動音が響き目の前のディスプレイにZIONの文字とマークが現れ全体が見渡せるようになる

鹵獲したガンダムタイプから全周囲モニター、所謂リニアシートの技術を取り入れ大急ぎで試作型を開発したのだ。本当に技術者の方々には頭が上がらない。

 

グン、という感覚と共にハンガーから運び出され強襲輸送艦に運び込まれる

 

「予想到着時刻は10:23 30分後です」

30分かいくら強襲輸送艦でも30分でつく所で戦闘が起これば見逃せないわな

 

 

「ステルスフィールド展開準備を始めよ」

 

「ミノフスキー粒子圧縮開始、充填まで30カウント」

 

「展開システム作動開始」

 

「8、7、6、5、4、3、2、1充填完了」

 

「展開!」

 

白く光る粒子の粉が広がっていき球体を形作る

 

そして…輸送艦と共に消えていく

 

いや、詳しくいえば見えなくなっていくの方が正しいだろうか。肉眼でも、レンズ越しでも、レーダー上でも消えていた

 

「中尉、よろしいですか?」

 

「なんだルーデンス少尉」

 

「中尉とてもお強いのになんで中尉なんです?大尉でもおかしくないのに」

 

「おい、ルーデンス…」

 

「いいよ、強いって思ってくれてるんだ。失礼な事なんてないさ。そうだね…あるとすれば生身での任務が多いからかな」

 

「生身の任務…」

 

「余り公言出来ないのが多いかな、銃火器を使う…そっち系の…ね」

 

「なるほど…何か不遇な気もしますね」

 

「まぁ私は歩兵戦も訓練してきたからな」

 

「ああ、だからあんな動きが出来るんですね」

 

「あんな動き?」

 

「なんて言うんですかね…ライフルを持っている時とか、格闘戦でも何かMSというかは生身の人間の様な動きをされているので」

「自分ではわからんが…そうなのだな」

感覚的な物なのだろうか…もし正式に部下を持ったら動きを教えてあげようか…

 

サイド4 周辺宙域

 

ジオンのレリーフの入った機体が朱色の機体に追い詰められていた

 

「あいつ、何て推力なんだ」

 

「各機じゃ無理だ!囲め、囲んで叩くんだ!」

 

「隊長!囲もうにもあいつ速すぎます!」

 

「殺らなきゃ殺られるんだ!何としてでも…」

角の生えた機体が光に貫かれる

 

「隊長!!」

隊長が殺られたってことは次は俺が指揮官か

 

「くそ!持ち堪えろ!後もう少しで救援が来るんだ!」

 

「「了解!」」

 

だが機体性能の差はどうしようもなく残酷である…

次々と轟音と共に機体が爆散していく

「マルバが!マルバが殺られた!」

 

「止まるな!死ぬぞ!」

まるでこれは虐殺じゃないか…

 

 

「おい、あれ…」

 

見ると増援だった、但し敵勢力の…

終わった…これで仲間の元へ帰れるのか…

 

「おい、あいつらまさかあの方向は!」

部下の1人が声を上げる

 

見てみると敵機が向かう方向は自分たちの方ではなく、母艦へ向かっていた

 

「母艦を守れ!」

 

「でも、俺らもこいつらで手一杯なんですよ!」

 

…どうする、どうすれば

 

 

「目標ポイントに到着、ハッチオープン。1~5番機出撃許可」

 

「了解、1番機ラディ・アーデルス出るぞ」

 

スラスターを全開に吹かし一気に加速する

 

間に合えよ、着いたら全滅してるとか目覚めが悪過ぎだ

 

あれは…味方の母艦か、ならあそこで狙ってるのは

 

急ぎライフルを連発から単発に切り替え、時間が無いので感覚で照準を合わせて引き金を引く

 

発射された熱量の矢は敵のライフルを撃ち抜き誘爆させる

 

手元のライフルのエネルギーが暴走を始め腕ごと吹き飛ばす。そして撃ったものを探し出した

 

「MS用の奴は光学迷彩が無いってそういや言ってたな…」

 

モノアイと目が合った

 

「各機散開して各個撃破せよ!」

 

「「了解!」」

 

アサルトライフルを単発から連発に切り替え敵を見定め加速し距離を詰める。

 

よし連発の射程に入った、確か今持ってる弾倉は4つだし…敵の数がわからんから指切り3連射だな

 

戸惑う敵機を前にモノアイごと頭部を撃ち抜く

 

その姿をみた敵パイロットが激昴しバズーカを連射しながら突撃してくるも避けられる物は弾頭の雨をすり抜け危険と思ったものは撃ち抜き向かい打つ

 

まさかこの中を突っ込んで来るとは思いもしなかったのか動揺を見せ、動きが止まる。その瞬間をこの男が逃す訳もなく試し斬りとばかりにわざわざ近付かれ斬り伏せられる

 

やっぱり中々使えるなこのビームサーベル…

 

しかし…パイロットとしての力がないな。完全に機体の性能に任せている。まだ新設の機関だからか…

 

「中尉あっさりとヘッドショットか…それにあの中を突っ切るなんて…」

 

さて、大分片付いてきたか…推進剤には余裕があるし敵の母艦見つけられるかな

 

 

 

「1番機、続いて4番機もロスト…3、2、6番機ロスト…」

 

「艦長、どう致しましょう…」

 

「撤退だ、速やかにこの宙域より撤退せよ!」

 

「「了解」」

 

「艦を180°回頭させよ!」

 

 

流石にここまでこれば見つかる物なんじゃ…今まで戦艦とタイマンを張ったことは無いからな…

 

遠くの方に白色の人工物が回転しているのが見える

 

居た!気分が高まり一気に巡航速度から踏み込む

グンッという反動でシートに押さえ付けられるがそんな事は気にならなかった

 

 

「高熱源体急速接近!速度は我が軍のマラサイと同等かそれ以上!」

 

「そんな機体を残党軍が保有している筈が…」

 

「対空防衛を開け!近付けさせるな!」

 

船体の各所からミサイルやビームが飛来する

 

このIフィールド…副砲ぐらいなら2分は持つ筈

 

躱せるものは躱し、ミサイルは撃ちおとしビームはIフィールドで受け止め砲撃の嵐を掻い潜る。撃ち落としたミサイルの爆風で塗装は剥がれ、消しきれないビームで所々が溶ける

 

だが…俺の勝ちだ

嵐の先には無防備なブリッジが待っていた

 

「抗ってやろうじゃねえか、時代の支配者に」

 

肩にストックを当てグリップとフォアグリップを握りしめ斉射する

 

ガラスが溶け、船体には無数の穴が空き見るも無残な姿となる

 

撃沈はさせないでおこう…改修して使えるかもしれんしな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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