吉影 side
やっと学校が終わったか...しかし香山め、くだらん事ですぐに怒り始める...どの世界でも女というものはわからんな。
ふむ、つい最近切ったばかりだというのに爪が伸びるのが早い...「彼女」はすでに出来ているのだが...やはり「性」は抑える事が出来ないな...この前は一般人を殺ってしまい、目立ってしまったからな...やはりここは、ヴィランとやらを使うべきだな...さて、ああいう社会不適合者はわたしの読みでは裏路地や人の通りの少ない所にいるのが常識だと思うのだが...
「吉影君!こんな所で何してるの?ここの辺りって最近ヴィランが出るって有名なんだよ!危ないから早く出ようよ!」
何!?こんな時に何故お前が出てくる!香山睡!
グッ!クソ!これではキラークィーンは使えない!
「おいおい、嬢ちゃん達?こんな所まで何しに来たんだい?しかもこんな時間に...ママ達にここら辺はコワーイお兄さんが出るから近寄っちゃいけない、って言われなかったのかい〜?」
な!?こんな時に限ってヴィランまで!普段ならこんなやつはキラークィーンですぐに殺す事は出来る...!しかし、今はマズい!香山がいる!どうにかして香山を何処かに逃がさなければ...!
「吉影君...どうしよ、私まだ上手く個性使えないし、そもそも使っちゃいけないから何も出来ないよ...」
クソッ...仕方ない、あまりこのような事はしたくないのだが...
「...香山、お前はあいつのいる反対側から逃げろ...あいつは僕がなんとかする」
「なんとかってどうするのよ!個性...使えないんだよ!」
「耐えるだけなら出来るさ...何も君にただ逃げてほしいわけじゃない...君は逃げた後、すぐに近くのヒーローを呼んでくれ...。」
「...それまでは私があいつを抑える...」
「...わかった...!すぐに呼んでくるから無茶しちゃダメだよ!」
そう言って香山は走っていった...ここまでは計算通りか、あとは...
「おいおいおいおい!何逃してくれてんの?あ〜あ、せっかくお前をやった後で楽しんでやろうと思ってたのによぉ〜、はぁ〜仕方ねぇ、お前を今からサンドバックにしてやるから、そこ、動くんじゃねぇぞ」
勿論、私がこんな男の言うことを素直に聞く必要はない...後は、キラークィーンで触れて終わりだ...!
「おっと、変な動きをするなよぉ、こんな裏路地にいるような奴が1人で行動すると思ってんのか?」
なに!?
ドゴッッッッッ!!
グハッッ!クソ!やられた、まだいたのか!
「ギャハハハ!こいつまんまと引っかかりやがった!こんな血塗れになってよぉ!こいつを片したら逃げた女を追うとしよぉぜ!後は...お楽しみダァ!」
なんだと?私を片付ける...と、今あの男はそう言ったのか?この...この私を...?
「君達、ちょっと待ちたまえ、まだ勝負はついていない...」
「はぁ?お前何言ってんの〜?そんな今にも倒れそうなほどふらふらでヨォ?」
「私の名前は吉良吉影、年齢は15、彼女はいない...」
「は?」
「最近の日課は学校終わりにジムでトレーニングをし、遅くとも夜7:00には帰宅する、帰宅して家族と話しながら夕食をすませ、風呂に入る...風呂から上がったらストレッチをして、夜10:00には床につく、最低でも毎日9時間以上睡眠をとるようにしている、寝る前に温かいミルクを飲み、体をほぐしてから床に着くとほとんど朝まで熟睡さ...赤ん坊のように疲労やストレスを残さず朝、目を覚ませるんだ...」
「お、お前、何言ってんだ...?どう考えても今はそんな事話してる場合じゃないだろ...」
「いいから聞け、私は常に心の平穏を願って生きている人間だと言うことを説明しているのだよ。勝ち負けにこだわったり、頭を抱えるようなトラブルとか、夜も眠れないといった敵を作らない、というのが、私の学校や社会に対する姿勢であり、それが自分の幸福だという事を知っている...もっとも...戦ったとしても誰にも負けんがね...」
「ま、負けないだと!?そんな虚勢よく張れたな!自分の状況を見てから言うんだな!」
「良い事を教えてやろう、私の『個性』についてだ...」
「こ、『個性』?」
「私の個性は一般では「サイコキネシス」と言われる類のものだが...それは違う、私の個性はどうやら私にしか見えないようでね...それを使って物を動かすと一見しただけでは「サイコキネシス」だと勘違いする...」
「だ、だったらなんだって言うんだよ!」
「そう焦るんじゃぁない、私にしか見えないもう1人の私...私はこれに『キラークィーン』と名前をつけた...キラークィーンの能力は...」
「の、能力は...?」
「....触れた物を爆弾に変える能力!そう、なんでもだ、例えばそこら辺にある石でも、コンクリートでも、人間でも爆弾に変える事が出来る!...そう、人間でも...な」
「な!?そんなふざけた個性があってたまるか!ハッタリだ!やっちまえ!」
「もう遅い...言っただろ、私のキラークィーンは私以外には見えないと...キラークィーンは既にお前達に触れている...!キラークィーン!!第1の爆弾!!」
バゴォォォォォォン゛!!
「な、なんで俺たち生きてるんだ...?」
「この1回で終わらせても良かったんだが...1つ...聞きたいことがあったのを思い出した...君、他に仲間はいるかい?それを教えてくれないか?」
「た、助けて...!」
「ダメダメダメダメ、君達は死ななければならないんだ、私の能力を知る者は生かしておけないよ...この吉良吉影の正体を知る者は誰一人いてはいけないんだよ、少し辺りを探せばわかるものだが君達本人から聞きたいのだよ...」
「お、俺らは、他に仲間なんていねぇ!元は1人だけだったのが、似たようなのがいたから組んだだけなんだ...!本当だ!しんじてくれ!」
「ふむ、では仕方ない...」
「君達を始末させてもらう...」
「な、なんで!ちゃんと本当の事を教えたじゃないkボガァァン゛!
「だから、言ったじゃないか...私の正体を知る者は誰一人として生かしておけないと...」
クッ...少し、血を流しすぎたか...!意識が...保てん!マズい!ここで気絶するしかないのか...!
「あ!いた!吉影君!大丈夫!?」
意識を失う前にあのうるさい女の声が聞こえた気がした...
フ、冗談だろ...まさかこの吉良吉影が、こいつが怪我をしなくて良かったと安心したのか...?まさか、あの女以外にそんな奴がいるはずがない...そうだ、こいつがいなくなると私の平穏な生活が乱されるからだ...そう...に...ちが...い...ない...
吉影side out
今回は、私が1番好きな自己紹介の部分を入れてみました!
吉影君の一人称の切り替え、気づいてくださいましたか?
そして、私の独断ですが、やはり吉良は浩作の時も入れておかないと...と思い、勝手に川尻しのぶの立ち位置に香山睡を置かせていただきました...申し訳ありません...!
それでも良いという方、どうぞ次回をお楽しみにしてください!
次回は睡sideを書きたいと思っています!
では、また次回でお会いしましょう!