前世の記憶を思い出したと思ったら火拳のエースと顔がそっくりさん 作:ポポビッチ磯野
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これからもエクトルのことをよろしくお願いします(`•∀•´)✧
(20181215)加筆修正いたしました〜
昨日のエクトルは変だった。
いつも通りなら煽りに殴りにというじゃれあいになる喧嘩も、なんだか元気がないと言うか、エースと軽く言い合っただけで終わった。
だから晩御飯の後気になって追いかけた、もちろん気配は消してね。
甲板に出ていけば1人になっている、手元を見ればずっと刀の鯉口を切って戻していた。
平時なら深く被った帽子の上からでも視線の先が読めたのに、今は何処に向いているかもわからない。
ぞっとしたよ、その時になって気がついたんだ。
僅かに殺気を滲ませているって
こんなこと初めてだった。
ボクとエクトルは歳も近いからすぐに仲良くなった、遠慮もいらないし2人でよくイタズラした。
イゾウの髪型をツインテールにしたり、サッチのリーゼントをカブトムシにしたり
ビスタの花剣をバラじゃなくてチューリップにしたりと、とにかく色々やった。
1番ドキドキしたのは親父に化粧をしたイタズラだった、そのあとも親父が構わず普通に過ごすもんだから揃って『親父!?!!』って焦ったら、似合ってるか?と笑われて。
隊長から殴られるわ、みんなからはデコピン1600本ノックにされてしまった(流石に後半の仲間は手加減はしてくれたけど)
追い打ちにとナース達からはいいセンスねと褒められたのは完全に余談だ。
エースが来る前もよく笑って船を駆け回った。
ボクらに向かってくる命知らずな奴らをコテンパンに返り討ちにして
勝手に先陣をきったお仕置きにラクヨウの鉄球で簀巻きに、ブレインハムとジョズが人間キャッチボールをしたおかげで吐きかけた。
今思い出しても普段の姿や戦場で多少緊張はあっても、ここまで底の見えない友の姿に言い様のない不安を抱いた。
一体その殺意は誰に向けられた物なのか、ボクは怖くて聞けなかった。
(...エースなら、何か知ってるかもしれない)
そう思うとボクは静かにこの場を後にした。
今思えば、これはただの始まりだったのだと
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今日は誰も近寄らせなかった———————いや、近寄れなかったが正しいか。
ついにこのイラつきも頂点に来ていた。
気がついたエースがお前は1日ここにいろ!と部屋に閉じこめてきたくらいだ、よっぽどひどい顔つきだったのか、全くアイツも心配性だな。
ある島で手に入れた宝の地図、今日はその宝島にいる
地図を手に入れたのがサッチだった為、4番隊のメンツが島を探索して、俺は部屋で待機していた。
宝が悪魔の実という保証はどこにも無い
そうかもしれないし違うかもしれないが、時期的にみて間違いはないと断言出来る。
正直な所俺も探しに行きたかった、『悪魔の実は見つけた奴が食う』それがウチのルールだからだ
しかし、それで手に入れた俺がサッチの代わりに死んでしまったら?
それでは意味が無い。
だからこそ手に入れるまで流れに身を任せているわけだ、が殺気立って仕方がない。
表面上はなんとか保っているし、気がついてる奴らもエースを除けば、あ。
昨日ハルタの気配があったっけな、ハルタだと思ったら別にいいかって気にしてなかったけど気が付いたら居なくなってて、何だったんだろうな。
そう考えるとそれ以外いないんじゃないかと思う。
親父はわからねぇ、俺が話さない限りどうこう言うつもりも無いのだろう
聞かれなきゃ答えないなんて、そんな子供みたいな事はしない
俺が決め、ここにいる
それだけだ。
「4番隊が戻った!」
「宝はなんだったって?」
「なんでも悪魔の実シリーズだってよ!」
「そりゃすげぇ!誰か図鑑持ってきてくれ!!」
出来れば聞きたくなかったその事実を、しばらく眠っていない頭で聞き流した。
そして同時にこのイラつきから解放されると笑みを深めた。
ああ悪い顔じゃなきゃいいな、ついみんなの笑い方が移って海賊らしくなってしまう。
よろしい、ならば
なあ
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静かに這い寄った、撫でるような殺気に本能が危険信号を出した
トドメだとサッチに振り被った武器を奴が防いだ、手元で得物がくるりと回るとそのまま振り下ろされた刃に浅く切りつけられた。
斬りつけた本人は得物に手応えがなかったことに舌打ちをすると、ゆらりと俺を、嵐の中で合うはずも無い双眸がこちらを見ている。
「...ッエクトル隊長」
なんとか絞り出した名前に焦りを隠せない
(ここでこいつが邪魔に入るのかッ!!)
こいつは俺に対して距離を置いていた、この船にきた時から隊長になってからも、態度が軟化することはなかった。
周りの奴らはお前が汚ぇからだと笑っていたし、俺もそうだと思ったがどうやら違うらしいと、わかったのはエースが入ってきてからだ。
たまに動物的な勘が鋭い奴がいる
俺の中に燻る野心を嘘を見透かしてくる厄介で面倒なタイプだ。
しかもこいつは若いし頭も切れる、何故こんな
まだまだ伸びしろのある男だし、実力は認めている、だからこそ“今”この瞬間一番会いたくはなかった相手だ
この状況で
仁義を通すこの船で自分の部下の不始末は隊長が付けなくちゃならねェだろうからよ。
「サッチ、まだ生きてるか?」
「...っぉう、よ」
ヒラヒラと片手をなんとか挙げる死に損ないに顔が歪む、本当に嫌なタイミングで邪魔しやがった。
流石は幼い頃から覇気を使いこなしていただけはある、大方違和感に目を覚ましたんだろ
嗚呼、ここで始末できれば良いものを時間切れだ、
この場は俺の勝ちだ
「...ゼハハ!ひと足遅かったなエクトル隊長よォ!おめェも始末してぇが引き際は弁えねぇとなあ」
ニヤリと笑みを深める、嵐で視界は良くない、しかしお互いに目をそらすことはなく。
風に煽られながらいつもは鬱陶しいほど長い襟に隠れている口元が見えた。
船の上で見たことがない、楽しそうで、凶悪な笑みだった。
「...“
「っ!?」
隠し持っていた小太刀に抜いていた太刀から、覇気を纏い五つに重なった斬撃が繰り出される。
「ギャア!!て、テメェ!!?」
何故こんなことをとも聞く様子はなく、初手から全力と言ってもいい攻撃に、間一髪で回避し急所を外させる。
いや思えば、奴を助けた時も容赦がなかったかと焦りはありながら、なんとか思考する。
しかし反撃の前に相手はもう次の攻撃に構えていた。
「“
大きな波に船体が揺られる、甲板にあった積荷が転がって俺は咄嗟に縄に掴まって、奴はサッチを助けに行っていた。
もう一度強い波がやってきて、弾みで崩れた積荷が2人に襲いかかった
それを見て、この隙を逃す訳にはいかないと体勢を立て直し、
死に損ないを庇いながら、挟まれ身動きの取れない奴に言い放つ。
「あばよォ!!」
「っ!」
迷いなく船から飛び下りた
この日のために全て準備してきたのだ、あんな若造に狂わされてたまるか
それに受けたダメージも軽いものじゃねェ、さっさと奴らと合流しねェと
「これで1つ目の目的は果たされたァ...!
助けられた命、守れなかった悪魔の実
知らされた真実、追うは双璧の一人
またひとつ歯車がかみ合って
またひとつ歪んだ音を立てる
守り手は、どう動くのだろうか。
長らくお待たせしました〜!ポポビッチ磯野でーす!
最新刊ワノ国みんな着物でええですなァ!回想で彼が出てきて当たり前ですが死にかけましたよね。しんどい。
あとイムさまって...ビビちゃんと何か関わりが、みたいなこと言ってたからイムホテップとか?と思ってたんですけど、神様でもある仏って事でイムにしたのかなァってずっと悩んでる(:3[_____]答えは出ない
さてあっという間に年末で仕事も詰め込まれてきましたね...
気温がなかなか安定しませんが、皆様体調管理にはいっそう気をつけて下さいませ!
今回は視点が3人です
最初は隊長友だちのハルタくん、捏造で同時期に隊長になったので仲良しで隊長になるまでは一緒にイタズラしてます。スリル満点ですよね。
親父に対する尊敬度が高めなので迂闊に口を開かせることが出来ない病気なんだけど、だからと言って黒ひげのクズさというかゲスさが私では表現しきれなくて...
こう綺麗な部分しか書けないの悔しいですわァ!!!(ダァン)
気を取り直して、次から新章です。
彼がいることで何が起き、失い守られるのか活躍が楽しみですね(活躍するとは言ってない)
まあ、ちょっと悩んでるんですよね、この先
書きながらエクトルが勝手に動いてくので...うーんって感じです、最悪活動報告でアンケとかとるかも...?
らくがきしました。双子の日常
※自分絵注意※
【挿絵表示】
ではまた次のお話でo,+:。☆.*・+。
ポポビッチ磯野