前世の記憶を思い出したと思ったら火拳のエースと顔がそっくりさん 作:ポポビッチ磯野
おっかねぇ...気がついたら4000文字だよ...
あと話数が17だってよ.....おっかねぇ...よく続いてるもんだァ
ーーー前半の海・終着シャボンディ諸島
太陽に反射され浮かぶシャボン玉に反射して、華やかで柔らかな雰囲気が幻想的な景色
しかし、いつの世も眩しい光の裏にあるのは、竦んでしまうような暗い闇だと。
ここは13
くそムカつく天竜人からなんとか一芝居うって住民を回避させ
医者に診察してもらい金を渡したら、あの時いた男も金を出してくれた。
名前を聞かれたので『アナクス』と答える
英雄エクトルとその奥さんとの間の子で、自国と敵側と呼び方が違うのが変わってるが、俺は自国の呼び名を使わせてもらう事にした。
テレシアは流石に女王の名前だから男には合わないと除外し、エクトルと関わりがありながら、身内の名前っていうと1番に浮かんだのはやっぱり息子さんの名前だった。
男とはそこで別れる、どうやら倒れたやつを家まで運んでやるらしい。
なんだ、あの時噛み付いてきたからやな奴かと思ったけどいい人じゃん、よろしくな!と背中を叩くと力がつぇえよ!と叫ばれた
すまん。
さてシャクヤクさんことシャッキーさんはいるかな?とでかでかと“ぼったくりバー”と書かれた店に入る。
「いらっしゃ...?あら、もしかして」
「邪魔しますシャッキーさん、今は『アナクス』なんで」
「そうアナクスちゃんね、ちょっと待っててこの坊やたちから法外な値段でぼったくってる所だから」
「あ、ゆっくりでいいんで」
手に持っていたほぼ瀕死の男達に待っててね、と声をかけながらえげつない音がなる。
そういえば
簡単で申し訳ないがお土産だ。
エースに世話になった人には土産のひとつでも持ってくもんだぜ!と結構なドヤ顔で教えられた時は知っていてもおおそうか!としか言えないだろ。
めちゃくちゃワンコだったんだよ、ワンコ系男子
まあ教えられてからはエースとも買い物に出てたし結果オーライってな。
バタンと扉が閉める音がして終わったかなと視線を上げるとシャッキーさんは飲み物を用意するから、と言われこのまま座って待つことにする。
そうして飲み物を受け取って、落ち着くと、お土産を渡した
「安物で悪いけど、よかったらレイさんと飲んでくれ、こっちはシャッキーさんに」
花束は芍薬を中心にアストランチア、リョウブ、スモークグラスで固めつつ、外に広がると紫色になっていくように華やかにしてもらった。
「素敵な花束まで、ありがとう流石はアナクスちゃんね、早速飾らせてもらうわ」
「あ、なら俺がやっとくよ力がいるし」
「そう?助かるわ花瓶はだしておくから」
そうそう花束の茎って固まって縛り上げてあるからか、結構力いるんだよこれ。
ざっくり斜めに切り落とし新しい面を出して水の吸収を促す、花瓶は用意してくれたのに挿すとカウンターに飾る。
うん、花屋さんいいセンスだったな。
「ところで、アナクスちゃんが
「鉄の掟を、未遂ですけど破った奴が出ちまって、うちの隊の奴が飛び出して、俺は犯人も含めて管理不足ってことでそいつを回収しに」
「そう、
ふふふと微笑む姿にやっぱり何十年も前に前線を退いた人とは思えないなと感嘆した。
「ははバレてら、最近は落ち着いてたんだけどなあ
親父にも言われてたろうし、何より元クルー達は肌で感じてたろう。
「俺としてはその重荷を全部引き受けてやりたいんだが、今は半分って所か」
「いいじゃない、何事もバランスよくよ。————じゃあ情報が欲しいのよね?簡単な
「ありがとうございます」
「いいのよ大事な“弟”くんの為ですものお安い御用よ」
上手いことアイツを捕まえられたら、シャッキーさんにもお礼しないとな。
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「あら、おかえりなさい今日は早かったのね」
「変わった若者がいると聞いてね、巻き込まれると厄介だからな...おや?この酒は」
いつもと変わらない店内に美しい花と一升瓶。誰か来ていたのだろう。
「少し前に、エクトルちゃんが来てたわ」
なるほどと笑みを深める
大方聞き及んだ“変わった若者”とは彼のことだろう。
彼らが1度2人で来た時は驚いたものだ、私が海賊王の右腕だと知っていて訪ねてきたのだから。
そっくりな顔がふたつ。
1人は目をキラキラさせながら興奮しているようで、もう1人は視線を彷徨わせ不安そうにしていた。
正反対の表情に面食らったのはこちらだった。
『初めまして俺は白ひげ海賊団2番隊隊長!マルドリード・エクトル、んでこっちが』
『......同じく2番隊隊長、ポートガス・D・エースだ』
手配書で見るよりこちらの方が揃って幼く見える、不落の素顔は初めてみたと言ってもいい
後から名乗った彼の名前を思いながら、確かに同じ顔であるなら隠して置く方がいいだろう。
『なぁ!”ゴール・D・ロジャー”の話を聞かせてくれ!』
『ほう...!若い者がその名を知っているのは珍しいな、何処で聞いた』
少しだけ威圧も含めて問いかけるも何事も無かったようにとなりのエースという男を指さした。
『“弟”からさ、俺は兄貴だから弟がそう言うなら信じてやるって、な』
『オイこらエクトル、誰が兄貴だァ?あの時書類手伝ったのは誰だと思ってやがる、お前は弟だ・ろ・う・が』
『この間ぶっ倒れて眠って部屋まで運んだのは俺だぜ?俺が兄貴だ』
『やるか?』
『あ?やってやろうじゃねぇか』
遠くでなったゴングに、店が無事だといいが。
どったんばったんとじゃれ合う双子に、下らない口喧嘩は見習いだったあの二人に似ているなと懐かしさに頬を緩める。
シャッキーも2人の殴り合いが本気ではないのに気が付いていたのだろう
『つかそもそもお前が来たいって言ったんだろ、お前冥王だぞレアリティなら星五!!もっと愛想よくしとけ』
『気楽なもんだなおめェは緊張しろよ!つーかなんだよ星五って』
『そこは気にすんな、でレイさん聞かせてくれよ!俺たちそれが目的で来たんだ!』
打てば響く心地の良いやり取りと土産という酒もあるのだ、ここで話さないのも野暮だろう。
『そうだな...どこから話そうか』
『初めから!』『はじめっからだろ!』
示し合わせた訳でもないのに揃う答え、まさに双子だなと。
出会った時のことを思い出しながら、土産の酒を呷る、いい味だ。
(あれで本当に血が繋がっていないのだから、世界とは、まだまだ広いな)
その日はたくさんの冒険話を聞かせた
最初から興奮していたエクトルに、段々と冒険心が刺激されたのか目をキラキラさせていたエース。
そうして夜もふけて、片割れから話があるともう1人はすっかり寝ており、聞かせたくない話なのかと言えば、苦笑しながら是と答え
彼はいつもの様に帽子を被ると店の外へ出た
『アンタならわかってると思うが、エースは...息子だ』
ポートガスと言う名前を知っていた、あの時船にいたものなら少なからずひっかかる名前だろう。
『もちろんだとも、並ぶとわかるさ君たちは似通っているがやはり違う』
本当にそっくりではあるのだがふとした時に違いがある、目敏くみていなければ気が付かないほどの違いだ。
それにアイツはせいぜいひとりの女性しか愛すことは出来んだろう
長年付き合ってきたんだそれくらいわかるさ
だからこそこの男は————ゴール・D・ロジャーの息子ではないと断言出来る。
『しかし、何故わざわざそれを背負う?君には関係ないことだろう』
それが聞きたかった、同じ顔とはいえ今までのように隠して過ごしていけばいいだけの話
わざわざ彼にもしかしたら異母兄弟かもしれないと嘘をつく必要などない。
目の前の彼はそれくらいわかるはずだ。
『俺は未来を知ってる』
ほうと興味を持つ、恐らく彼というものをわかりやすくした答えがそこにあると
『アンタが
『——————エースが死ぬんだ、泣いて笑って、愛してくれてありがとうって、』
『俺はエースにちゃんと生きて、生きて、生ききってそう言って欲しい。俺はガキの頃その未来をみて、エースと同じ顔だって知った、それで俺がいればあいつを独りにさせないで済むんじゃないかって』
そうか君は、
『知っていて何もしない程俺は器用な人間じゃないし、それに俺はもう十分よくしてもらった、だからアイツに長生きして欲しい、...もしもの時は、頼んます』
これから先の事件で、
それが俺の生まれた意味だと疑いも無く当たり前だと告げるさまに、ニューゲートの奴は何をしているのだと、久方ぶりに怒りというものを抱く
こんなにも仲が良く、お互いを頼りにしているというのになぜそうなってしまうのか。
片方はもう片方を生かすために自分が犠牲になるといい。
もう片方はたとえ世界から恨まれようとも守るために立ち向かうという。
『君はそれでいいのか?』
残された者達のことを何も考えず、自分が満足して死んでいく
『まあ駄目なんでしょうけど...俺は家族がバラバラで終わる未来を望んでない、でも、もしも生き残ったら、』
未来を考えているのだろう思案したあと、急に吹き出して笑い出す。
嗚呼、笑い方も奴に似てる
やっとツボが落ち着いたのか大人しくなるとと心から嬉しそうに微笑んだ。
『きっと一番最初に、エースが怒ってくれるんだろうなぁ』
その顔を見て自分では止めることは出来ないのだな、と悟ってしまう
だからどうかその未来が現実になるように、それは怖いなと、返した。
「“黒ひげ”か....」
2人が追いかけている元クルー
裏切ったという男に言いようのない胸騒ぎを抱いた。
エクトルはそれ以外の未来について話さなかった、忘れてしまったのか話す気がなかったのかはわからない。
本当ならば未来とは不確定なものだ
この流れが彼の言う未来なら、きっと彼は対策をねってあるハズだ。
「...何も、無ければいいが」
カラン、と空になったグラスの氷が応えた。
どちゃ真冬で震えてます、ポポビッチ磯野です。
シャボンディ諸島後編!
結局エクトルも都合がありますのでレイリーさんとは会えませんでしたが、回想でおはなさせました。
あとあまりにも長く、え?もしかしてシャボンディ諸島中編?って考えましたが、まとめ()きりました。
いえ相変わらずグダってるんですけどね???
今のところ未来について知っているのはレイリーさんとエースもぼんやり気がついてるかなって感じです。
親父は別にそんなの気にしない人だしね。
さて次はどこかな〜また考えなくちゃね(´◠ω◠`)
みなさんも年末にむけて体調管理はしっかりとしてくだせぇ!
最近この話書く時は作業用BGMに“One day”ながしててしんどみ5000倍っていう自殺行為してる。しんどい。
それではまた次のお話で、おやすみなさーい!!o,+:。☆.*・+。
ポポビッチ磯野