前世の記憶を思い出したと思ったら火拳のエースと顔がそっくりさん   作:ポポビッチ磯野

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焼けたかな

それとも焦がしてしまっただろうか


視点が変わります、オリ主→サッチ→マルコ
その日のうちに書ききれなかったのでちょっと最後だらけてる気がする


おせんべい

 

 

拝啓

 

天国にいる村のみんな、母さん、ラグダさんへ

 

俺たちはいま1番近い大きな島に向かっています

何故か1人部屋で隔離されてたのですがどうやら俺が1番重症だったようです。

たぶん覇気の使いすぎ?だと思う

 

マルコさんとお話したあとに時間を見計らって4番隊の人がご飯を持ってきてくれました。

とても美味しかったです!

これから2日ほど海上での生活で色々お手伝いもしたいと思います

それではまた

 

敬具

 

 

 

まだ朝日は登ってない時間帯

軽く体を伸ばす、安静にしてろってずっと寝ていたからすこしだけダルい気がする、日課の筋トレもサボったからなあ。

「さてと」

 

そう今から船内を探検するつもりだ!

だってあの白ひげ海賊団の船モビーディック号だぞ!ファン心が抑えられないだろ!

 

それにうろついちゃ行けないとは言われてないし昨日来てくれた4番隊の人にもそれとなーく聞いたら

 

『気分を晴らすのにも篭ってちゃ良くないと思うから、個人的な部屋と船長室とかに行かなければ大丈夫だと思うよ!』との事で...

これはもう!!行けってことですよね!!!!

 

いざ、いざ!!!

 

 

船内は広く部屋も沢山ある流石は多くのクルーを抱える海賊船、ダメだワクワクが止まらないこんなの楽しすぎるだろ

 

あ、第一クルー発見!

 

「おはようこざいます!」

ぺこりと会釈をしながら走り抜けるもちろん足音は最小限だ、きっと見回りとかで昼夜逆転して昼間眠ってるクルーがいるはず

「お、おう...?」

「...誰だあのガキ」

 

テンション上がるぞー!!!

深入りはしない探検をしつつすれ違ったクルーの人達には挨拶をしながら、ふと見覚えのあるカラーリングが横目を通り過ぎた。

この時の俺はあの白ひげ海賊団の船に乗っていること、全快したハイテンションだったことを全力で言い訳にする(白目)

 

「マルコさーん!」

自分が出せる最大速度で駆け寄って抱きつくも微動だにしない辺りさすがだ、ラグダさんだったら勢いのまま倒れてるんだが。

 

「おはようございますっ!」

「ああ、おはようよく眠れたかよい?」

俺の表情筋はゆるっゆるでだらしがない、しかし興奮は抑えられないのでなかなか戻ってくれないぞ!くそ!

 

「はい!ご飯も母さんの次くらいに美味しかったです!」

「...っだっはっは!そうか母ちゃんの次か!なら重畳だな!!」

マルコさんの隣に立つ人物、白いコック服にスカーフとリーゼントの髪型の男性が豪快に笑う。もしかして持ってきてくれた4番隊の人と同じ隊とか、かな

 

ん?待てよ、じゃあ今マルコさん仕事中なのでは?

 

 

 

oh......やっちまったあああああぁぁぁ...!!!

 

元社会人、元空気の読める日本人としてはあるまじき行動、というか部屋出てから恥ずかしいことばっかりしているのではありませんかね

 

あれだ俺今から切腹する?介錯はビスタさんがいいなぁ綺麗に散らせてくれそうだしなんて現実逃避をしながら、顔がどんどん熱くなっていくのがわかる。

 

思わずマルコさんに隠れるも、あ!仕事中じゃんと思い出してぱっと離れるが2人の表情をみるにまだ顔は赤いのだろう。

失態だ...恥ずかしい...お嫁に行けない…うんとりあえず謝ろう、邪魔したのは事実だ。

 

「お仕事中に、すみませんでした...」

「いや、もう連絡事項は伝え終わってるから気にすんなよい」

「おうよ、そういや自己紹介がまだだったな俺は4番隊隊長のサッチだ。この船の厨房をまかされてる、昨日お前さんが食った飯も俺らが作ったもんだぜ」

 

 

ーーーーこの人がサッチさん。

 

 

そう人生の目標(救済計画)の中にサッチさんを助けるというのがある。

極端な話サッチさんがヤミヤミの実を手に入れなければ、サッチさんは殺されず黒ひげはーー独立すると思うけど、彼に黒ひげを追う口実を作らせない作戦だ

この作戦大前提に海賊の仲間に入らなきゃいけないんだけど、まあそれくらいは安いものだろう。

 

あと最悪俺が悪魔の実を喰う、白ひげは寿命だろうけどそれでもあの力が曲者なのは確か、なら俺が食えば殺されない限りヤミヤミの実が黒ひげの手に渡ることは無いって寸法だ。

 

差し出された手をしっかりと握る、この人の温もりを忘れてはダメだ。

 

心の隅でラグダさんの最後が、サッチさんと重なる、冷たくなっていくその姿

 

「...俺はマルドリード・エクトルです、すみません失礼なことを言ってしまって」

「いつの時代もお袋の味ってのには適わねぇもんだ気にしないでくれ...、まあこの2日間でそれを超えてやるけどな、ハッハッハ!!」

 

大きな手が頭を撫でるまるでラグダさんみたいに乱暴だから、痛くてつい泣きそうになった。

 

 

この恐れも、哀しみも、決意もどうかこの人たちに悟られませんように。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「覇気使いの子ども、ねぇ」

空いた時間にマルコのやつに呼び出されたと思えば、昨日保護した住民で“覇気使い”の子どもについてだった

 

 

3種類あるとされる覇気は後半の海こと新世界では必要不可欠な戦闘技術だ。

 

それ発現させ使いこなすには血のにじむ様な努力と鍛錬が必要だと聞く、元々全ての人間に備わっているとも聞くがそれは定かではない。

何せ覇気という存在を知らない者も多く、陸で暮らしているような一般人はほんとんどが知らないままその一生を終える。

 

なのにその子どもは聞けば15歳で、村の男達にも引けを取らない強さがあり、今回の襲ってきた海賊を見つけたのも同じ子どもだと言う。

 

極めつけはこの船にも影響を及ぼした、覇王色の覇気を放ったという事

流石に距離や甲板に出ていなかったのが良かったのか、うちの隊の者は意識を持っていかれるなんて事はなかったが聞けば甲板に出ていた奴らは何人か気絶したらしい。

怖いねぇ王の素質ってのは...

 

「そうだよい、動きも早かったアレなら前半の海でも十分通用するだろうねい」

「ほうマルコにそこまで言わしめるたァ大したもんだな!」

 

この男は自分にも仲間にも厳しく、クルー全員の兄貴のような男だ

面倒みもいいし頼れるがこうも手放しで褒めることは余りない、例え前半の海ではという前置きがあってもだ。

 

飯を持って行ったウチのもんが様子を見てたらしいが美味そうに完食してたらしいし、俺もいっちょ挨拶に行くか

 

「マルコさーん!」

跳ねるような速さでその声は近付いてくる

ゆるりと揺れる黒髪勢いはそのままマルコの脇腹に飛びついたモノ。

子どもと言うには大きく大人には届かないそんな曖昧な年代。

 

そう言えば目を覚まして初めて話したのはマルコだったか、知った顔なら誰も知り合いのいないこの船で飛びついてしまうのも納得がいく。

 

目をキラキラさせてこれでもかと嬉しそうな表情はなんだか動物的で、そうだ犬みたいだった。

(もしかしてたった一度の会話でマルコの面倒みの良さを感じとったか?)

 

思わず吹き出しそうなのを堪えながら二人の会話を黙って聞く、マルコも目を合わせてやるあたり優しいねぇ

 

「おはようございます!」

「ああ、おはようよく眠れたかよい?」

 

「はい!ご飯も母さんの次くらいに美味しかったです!」

「...っだっはっは!そうか母ちゃんの次か!なら重畳だな!!」

美味そうに食ってたとは聞いたが母ちゃんの次に美味かったとなれば上出来だろう、なら昼飯は腕によりをかけて作ってやるか。

 

恐らくマルコが見えたから飛びついてきたのだろう俺と目が合うと、子どもは石のように固まってから思わず抱きついた事に冷静になったのか、顔をタコみたいに真っ赤にさせる

 

「お仕事中に、すみませんでした...」

「いや、もう連絡事項は伝え終わってるから気にすんなよい」

 

簡単な話だったしすぐに終わったのもあるが、当事者に聞かれなくてよかったと思ってるのは俺だけじゃないはずだ

 

「そういや自己紹介がまだだったな、俺は4番隊隊長のサッチだ。この船の厨房をまかされてる、昨日お前さんが食った飯も俺らが作ったもんだぜ!」

 

握手の為に手を差し出す、すると子どもは表情こそ変えなかったがその瞳は驚きが浮かんでいる

気を取り直したのかすぐに握り返された手は僅かに震えていた、外傷もほぼ完治していると聞いていたし後遺症ではないはずだ。

きっとこの震えは本人も気がついていないのだろう。

 

「...俺はマルドリード・エクトルです、すみません失礼なことを言ってしまって」

 

どうやら作った本人が目の前にいるのにも関わらずあんな事を言ってしまったのを気にかけているようだった。

気にしなくても良いのによ、そうだなならこうするか

 

「いつの時代もお袋の味ってのには適わねぇもんだ気にしないでくれ...、まあこの2日間でそれを超えてやるけどな、ハッハッハ!!」

 

頭を撫でてやるちっと力加減を間違えたかもしれないがまあいいだろ、その泣きそうな顔も誤魔化せるだろうしな

 

泣きたきゃ泣けばいいのによ、大人にならざるを得ない子どもは難儀だねェ

 

痛いと言っているようだがそれは無視して撫でまくるといい加減にしろよい!!とマルコから手刀を貰う事となった

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「じゃあ俺まだ探検するんで!」

サッチの奴に乱暴に撫でられたのが痛かったのだろう赤くなった目に、そうやって理由をつけて見なかった事にする。

 

「あんまりうろちょろして、他の奴らの邪魔にならないようにするんだよい」

注意をすれば元気よく返事が返ってきて、駆け出した背中を見送る

 

注意として釘を刺しとけばある程度大丈夫だろう

それに覇気でも使えば俺たちがそれとなく監視しているのも勘づけるだろうしな

 

震えていた手には思い当たる事があった、父親がわからず母親が亡くなってからはラグダと言う男が、エクトルの親代わりだったらしい。

豪快で村では1番の腕っ節をもち、親子喧嘩のようなコントも毎日のようにしていて、村の人たちはまるで本当の親子のようだと話す。

 

最後まで抵抗し生き残った村人からラグダという男の最後を聞いた

その時側にいて手を握っていたのはエクトルだったという、襲ってきた海賊に頭を踏み潰されたと

 

エクトルは海賊に楽にしてやった良かったな!と言われ海賊たちは笑って俺は怒りと悔しさが頭を占めて、睨むことしか出来なくて。

 

そしたらゆっくりとあの子が武器をもって立ち上がって、すぐあとに凄い力を身に受け、気が付いたら治療されてたと証言した。

 

(親代わりの死で、覇気を覚醒させるなんてよい)

 

覇王色の覇気がもう少し早く目覚めていればもしかしたらラグダという男は助かったかもしれない、可能性の話だが。

覇気を発現させて使いこなせる様になるまでは並大抵の努力では難しい。

 

たとえ直前に覚醒したとしても使いこなせなければ結局意味は無いだろう。

 

もしかすれば傷を増やすだけかもしれない、だからこそあの子が覇王色の覇気を使い意識が飛んでいた時の事はまだ話していないのだ。

 

それにと、どうもアレは空元気のように感じる、まだ自覚してないのかそれとも諦めているのかはわからない。

目というのは口ほどにものを言う様で、手を差し出す時、瞳には恐れと悲しみが映っていた、当然だろう。

 

むしろ普通ならば立ち直るに時間のかかる光景を目にしたにも関わらず、あんなにも感情豊かなのが逆に不気味でもあった。

「なあアイツ大丈夫だよな」

事情も知っているからだろうやはり違和感を感じたようだ

 

「さあねェ、それはあいつの問題だ深入りして余計に、なんて事はしたくねぇよい」

 

クルーならば話は別だ、悩んでるなら聞いてやればいいし一緒に考えてだってやれる

しかしアレはこの船にたまたま保護している子どもの1人であって民間人。

 

中途半端に首を突っ込むのは無責任で自己満足的な行動だろう

 

「...もしかしたらもう受け入れたのかもな」

「...かもねぃ」

 

思い出すのは真っ直ぐで澄みきった双眸

 

「まあ俺たちに出来んのは見守る事だけだよい」

「おう、じゃあ俺は仕込みに戻るぜ」

 

 

全くあと2日とはいえ厄介なお客さんだよい、とため息と一緒に吐き出した。

 

 

 





次回は引き続きゆうらり船旅2日間をお送りしますと、思いましたが飛ばします(´◠ω◠`)
代わりにモブクルーの視点で番外編にしますね!すまねぇ...すまねぇ...
なので次は、ここで働かせて下さい!!!(スライディング土下座)になるかと思います(´◠ω◠`)はい
真面目にグダってしまったのでちまちま修正するかも.....!




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誤字報告もあればよろしくお願いします(:3[_____]

ポポビッチ磯野

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