前世の記憶を思い出したと思ったら火拳のエースと顔がそっくりさん   作:ポポビッチ磯野

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ぱ。





けんけん

 

 

 

 

「おおーい島が見えたぞー!」

甲板の掃除をしていたら上の方から声が掛かるどうやら目的地の島が見えたらしい

 

それを聞きつけて船に乗っている村の人たちに荷物をまとめるように連絡が行く、もちろん俺にもだけど。

 

 

この2日間、あっという間だった。

 

 

サッチさんが俺の好物を作ってくれたり

簡単な雑用とか甲板の掃除を手伝ったり

飲み会に巻き込まれそうになったのを社会人スキルで乗り越えたり

適当に木の棒で素振りしていたら、剣に覚えのあるクルーや隊長が指導してくれたりと、有意義な時間を過ごさせてもらった。

 

しかしあの問いかけを誤魔化したのが良くなったのか、度々視線を感じるし俺のそばには少なくとも3人ほど常にいた気がする。

与えられた1人部屋から出ていこうとした時もこのままでいいと言われて、正直見られていることがこんなにストレスになるとは思わなかった。

 

村にいた頃はのんびりスローライフだったんだなあとしみじみ感じながら掃除用具を片付ける

 

荷物はもう既にまとめてある、けどその前にあの人にあの台詞を言わなくちゃいけない、緊張で少し表情が固いかもな。

 

 

あ、と目的の人を見つけるとすぐに駆け寄った

 

「マルコさん」

 

2日間で特にお世話になった人だ、俺の性格的に最後の挨拶に来るのことはわかっていたのだろう、応えるように軽く手を振ってくれる

 

「準備はいいのかよい」

「はい、昨日のうちに済ませてあるので、忘れ物もありません」

「そうか」

 

潮風に吹かれながら心地の良い沈黙がこの場を満たす

 

 

言え、俺、一言だろ!!

 

あの名台詞をここで言わねばならぬ。

 

なぜならこの広い海でこの人たちに出会える確率なんて外道が計らってくれない限り無きに等しいんだ、ここで言わなきゃサッチさんにも彼にも介入できなくなる。

大きく息を吸って吐いた、真っ直ぐマルコさんを捉えて

 

 

「ーーーここで、働かせて下さい」

 

ほんの僅かにマルコさんが目を見開いたのを見逃さなかった。

 

「おめぇさんは、その意味をちゃんと理解して言ってるんだろな?」

「はい」

 

彼を助ける為に白ひげ海賊団に入るっていうのは、生涯をかけた計画の大きな一歩だ。

でもそれだけじゃない俺がこの数日でこの人たちに恩を返したいって思った、だから海賊になる。

 

世の正義とも言える海軍ではなく、悪とされる海賊を選ぶ。

マルコさんが驚いているのはきっと村を襲ったのが海賊なのに奴らと同じ海賊になる事についてだろう。

 

それはそれだろ、だって俺達の村を襲ったのも救ってくれたのも同じ海賊だ。

でも同じ海賊だと一括りにするにはこの人たちはいい人ーーーーいい海賊なんだ。

 

それは前世から知っている

あんなにたくさんの人がたった一人の海賊について行こうなんて思えるんだから。

 

「...実は母さんに1度だけ父親について聞いたことがあったんです、でもうまく躱されてその時教えてくれたのは俺に腹違いの兄弟がいるって事だけ」

 

父親について聞いたことがあるのは本当だ、でもその時の母さんの表情をみたら二度と聞けなくなった、だからどんな人物かは結局分からずじまい、ごめん母さん口実に使わせて。

真実味のある話を作る時は事実と嘘を混ぜるといいと聞いたことがあった、だから今日のこの日のために何度も考えたんだ。

 

「思わずどうしてわかるのかって聞いたら女の勘しか言わなくて結局余計に謎が増えただけでしたけど。...俺には両親がいません親代わりだった人も亡くなりました、だから俺はたった一人の家族を探したいんだ!!お願いしますマルコさん!!!」

 

 

 

彼にも言うであろう、この世で1番罪深い嘘を口にする、心が重くなったように感じた。

 

 

「俺を、白ひげ海賊団に入れてください!!」

 

 

頭を下げる、もう後戻りはできない。

長い沈黙、海鳥の鳴き声がやけに響いて俺の鼓動すら聞こえくる

 

「...俺は反対、いや反対したんだよいおめぇさんはまだガキだし...でも親父は好きにしろしか言わねぇし、ほかの隊の奴らも反対しねぇし、でよォ...はああー」

 

あれ、もしかして俺物凄く迷惑をかけてるんじゃ...いや待てその前にクルーに聞いて回ってたってどういうことだ!?!

 

内心焦っている俺には気がついていないのか、マルコさんはガシガシ頭の後ろをかいて、眉間にはシワがよっている。

こんな姿を見たのは紙面を含めても初めてかもしれない。

 

「ーーーいいんだな?海賊になっちまう以上、命を狙い狙われる生活になる、自分を守るために人を殺すことだってあるよい、それを耐えられんのかい?」

 

鋭い瞳で、最終確認だと言わんばかりに問い詰められる。

 

でもそれじゃ怯まない。

 

耐えられるさ、俺はもう覚悟なんてとっくに決めてるんだから。

 

「...わかった決意は固いみたいだねい、ならもう言うことはねぇよい、だがなんか悩み事があったら俺でも誰でもいい相談すること。俺たちは“家族”になるんだからよい」

 

ふわりと優しく俺の頭を撫でるマルコさんは確かにラグダさんやサッチさんとは違う、みんなのお兄さんみたいだった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

「いいのか親父、アイツはうちに入るつもりだよい」

 

相変わらず慎重なやつだな、まあ仕方ねェ他の息子共があんな奴らばっかじゃあ、立場もあって自然と慎重にならざるを得ないだろうよ。

 

「好きにしろ、俺ァそんなガキが何抱えてんのか分からねぇが、他の奴らのは反対してねェんだろ」

確認すれば歯切れ悪くも是と帰ってくる、話はしめェだと言えばため息でも呑み込んだのかシワだけ増やして、わかったと部屋を出ていった。

 

短ぇ付き合いじゃないからなこれ以上は無駄だと気がついたんだろう、グラララ...!

 

 

それにもう1つ理由はある、何処と無くあの男に似ているのだーーーーー海賊王ゴール・D・ロジャーに。

 

歯を見せて笑うと特に、思わずあの野郎じゃないのは分かってるのに懐かしさすら感じた。

 

父親がわからないと聞い定かではない、しかし可能性も捨てきれないのが現状だ

 

アレとて海賊王だ、世界級の犯罪者だなんだ言われるが俺らからすればただの破天荒な野郎だ。

何処かで誰かを愛していてもなんも不思議じゃねェだろう。

 

それにアイツの息子であろうと無かろうと、これから俺の息子にもなる、なら親として当然の義務は果たすさ。

 

 

揺らめく月明かりに酒瓶を呷りながらゆるりと口角を上げた。

 

 

 

 

 





けんぱけんぱ!あれ楽しいですよね
そろそろタイトルネタ切れなんですけど!??(キレ)まあ私悪いんですけどね!!ええはい!

前回がすこし長かった反動で今回は少し短めです。
やっと白ひげ海賊団に入れました!
随分あっさり入れてしまったのでそこはまあ、皆さまの素敵な想像力で色々と付け足してくだせぇ...
最初書いてる頃は1度断られてから親父に遭遇するって話だったんですけどね、いつのまにかこうなりました(´◠ω◠`)急募:国語力

オリ主に面影を感じたらいいな〜と思ってるんですけど同時にバレるとまずいので、帽子買わなきゃなあと思ってます。


ゆうらり船旅2日間はモブ視点&番外編の予定、すまねぇまだ書いてません。最近どうも日付超えるとすごい眠くて、仕事終わってから書き上げて寝落ち、朝投稿みたいになりそうです、今も半分くらい寝てあとがき書いてます()

そうそうお気に入りが100人越え!!大変嬉しゅうございます!。゚(゚^ω^゚)゚。
これからもじわっと進めていきますのでよろしくお願いします〜!

あと感想・評価お気軽にどうぞ、励みになります(:3[_____]
それではまた次のお話で会いましょう.☆.。.:*・°

ポポビッチ磯野

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