「じー......」
「じーデス......」
「切ちゃん、やっぱり最近マリアの様子がおかしい。」
「確かにそうデス。この間翼さんとお出かけしてからずっと上の空デス。」
「「これは............恋ッ!!!!」」
「何故そこで恋ッ!?」
「うわぁ!つ、翼さんデスか。びっくりしたデスよ。」
「あぁ、すまない。なに、私もここ数日マリアの様子がおかしいのを気にかけていたのだ。」
「何か知っているようですけど、いったい何があったんですか?」
「それについてだが、場所を移そうか。」
街中の喫茶店へと足を運ぶ。昔ではきっと珍しい組み合わせ、とでも思うのだろうが、今ではもうそんなことはないことに時の流れの速さを3人とも感じていた。
カラン、カラン、と軽快な鐘の音と共に入店する。席につき翼は紅茶を、調はブラックコーヒーを、そして切歌はミルクティーを注文する。ほどなくしてそれらが運ばれると暖かな香りが鼻をくすぐる。
「美味しいデス!」
「うん。良い香り。」
「そうだろう?私のお気に入りなんだ。」
「それでは、本題に入ろうか。実はな......」
先日の出来事を翼は説明する。マリアが急に走り出したかと思えばセレナを見たなどと言いだしたこと。本人曰く、もし生きていれば、というIFの姿としてあまりにもそれらしい、本物と見紛うほどの存在だったこと。そのどれもが信じられないが、マリアがそのような嘘を言うはずもなく、この様子から本当に見たのだろうということを。
「「セ、セレナを見たんです(デス)か!?」」
一瞬、店内が静まり返る。顔を赤らめながらそそくさとカップに口をつけながらも二人は思考を巡らせる。何故セレナなのか、ただ他人の空似なのか。
「それにしても珍しいですね。マリアがこれほど影響されるなんて。」
「そうデス。たとえセレナのそっくりさんがいたとしても、いつものマリアならこうはならないデスよ。」
「ああ、そこが本当に不思議でならない。それとも、妹のことに気を奪われるくらいには平和になったと楽観するべきか......」
prrrrr......prrrrr......
「司令からだな。はい、翼です。」
「おう、出かけているところすまないが至急本部に来てくれ。緊急ブリーフィングを始める。」
「何かあったのですか?」
「細かいことは本部で話す。それでは、申し訳ないがよろしく頼む。」
「了解しました。」
「何の電話だったんですか?」
「ああ、至急本部に来て欲しいと連絡を受けた。緊急ブリーフィングをするらしい。」
「何を話すんデスかね?」
「それも向こうに行ってからだそうだ。とにかく長居はしていられない。急いで向かおう。」
「「はい(デス)!」」
-S.O.N.G.本部-
「皆、緊急招集をかけてすまない。しかし、放ってはおけない事態が発生した。」
「何があったんですか?師匠。」
「では説明しよう。その前に......藤尭!」
「はい。皆さん、この画像を見てください。」
そう言って藤尭が見せた画像は何処かの工場らしき、いや工場“だった”場所が映されていた。ところどころ壁が黒ずみ、ぽっかりと歪な穴が空いている。そして画像のあちこちに五芒星のような黒ずみがある。
「なあおっさん、この星型の黒いのってもしかして......」
「ああ、クリス君の言う通り、これは人間の死体だ。」
「