「ふぅ~~♪やっぱりトレーニングの後のシャワーは最高デスね!」
「うん。疲れが吹き飛ぶ......。」
「こら、切歌、はしたないでしょう!」
「あ...アハハ...ついついやってしまうデスよ。」
「でも、シャワー浴びた後そのまま扇風機にあたるの気持ちいいよね~!」
「こら、響もっ!」
「ひどいよ未来~。」
「(こいつはなんでシャワールームにいるんだ!?)」
「それにしても、なかなか慣れてきたな、戦術特化ノイズへの対策は。」
装者たちはトレーニングを終え、雑談に耽っていた。戦術特化ノイズに対抗すべく様々な戦闘技術や兵法を学び、実践に活かすためのトレーニングを続ける日々。各々の特性を生かしたフォーメーションも出来上がりつつあった。
-S.O.N.G.司令室-
「皆、トレーニングご苦労だった。だいぶ慣れてきたと見える。疲れているところ申し訳ないが、このままブリーフィングに移る。」
「先日、アメリカのとある研究所で科学者が逮捕されたニュースはみなさんご存知かと思います。この研究所というのが、F.I.S.のものであるということが判明しました。」
「それから、この研究所の下請けとして様々な実験が行われていたところが以前皆さんに見ていただいた襲撃後の工場や緊急出動して頂いた研究施設ということも分かりました。」
「ということは、あそこはクローン技術の研究をしていたのね......。」
「ハイ、そうなります。そして、戦術特化ノイズもクローン技術によって生み出された可能性が浮上しました。」
「太古の人類が作り出したノイズ......。それをまた人類が科学の力で一から作り出せるようになるとは......。」
暗い表情を浮かべる面々。かつてフロンティア事変でバビロニアの宝物庫を閉じることができたというのに、これでは骨折り損である。それらの原因として深く関わっていたマリア・クリスは特に悔しさを浮かべていた。
そしてマリアの脳裏にまたあの少女の姿がよぎる。戦術特化ノイズの出現でしばらく忘れていたが、「F.I.S.」「クローン技術」「日本も関わっている」これらの事実がマリアの心によからぬ期待をさせてしまう。
-マリア・カデンツァヴナ・イヴ宅-
「なぁ、マリア。」
「ん...何?翼。」
「暁と月読からも聞いた。最近ずっと様子が変じゃないかと。ノイズが出てから落ち着いてきたが、先ほどからまた不安そうな顔をしてばかりだ。まだ、気になるのか?先日のあの子のことが。」
「調や切歌にまで心配かけちゃうなんて、まだまだね......。」
「ええ、そうよ。どうしても忘れられなくて、しかもクローン技術の話を聞いてからやけに現実味を帯びちゃって、ずっと頭の中に残るの、あの子の姿が。」
「そうか、忘れろとは言えない。でも、戦闘中だけは気にかけない努力を頼む。お前を失っては皆も、私も困るからな。共に真相を暴こうではないか。たとえ良くない結果だったとしても腑に落ちることは間違いない。」
「ありがとう、翼。少し、楽になったわ。」
「ほら、もう無理をしている。仕方ない、今日は泊まらせてもらおう。」
マリアは微笑みを浮かべる翼の優しさに、ついつい甘えてしまった。情けないと思いながらも、今は彼女に付き合ってもらうことにした。