時をかける女王   作:リバサ昇竜

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消えた王女 中編

 

 

 

この時代は魔族と人間との間に確執あるようだ

魔族の殆どは人間を憎んでいるらしく、逆に人間はなるべく魔族には近づかないと言う

そんな話を聞いてすぐに私は魔族の方に拐われ薄暗い洞窟の奥にいた

そこは割と広い空間になっていて私は

周囲には、沢山の魔族が集まり円を描く様に私の周りを囲んでいる

何故かわからないが、拘束される事もなくただ用意された椅子に座らされている

その椅子はとても座り心地が良く、一見すると玉座の様に

周りの魔族はとても興奮している様子で連れて来られた際はよくわからないが雄叫びをあげている者もいた

最初は、生贄の儀式でもするのかと思い戦闘の準備をしていた

正直なところ、魔法を使えば脱出は難しくないと思う

どうやら平和な時代だけあり私達の時代の魔物達に比べるとレベル差はかなりある様だ

しかし、今の私は座らされてから特に何もせずただ呆然としている

理由は周りの魔族が全員が跪いて私に平伏しているからだ

そして、皆が口々に私に

「魔王様!魔王様!我らの魔王!」

「魔王様!我らをどうか導きください!!」

「400年の時を経て魔王様が復活なされた!魔王様の生まれ変わりが誕生なされた!」

 

え?魔王の生まれ変わり?何を言っているの?

もしかして私の事を言っているのだろうか?

しかし、状況と周りの言葉を合わせて考えてみると、私は魔王の生まれ変わりだと勘違いされているみたいの様だった

どうしようか、この状況?

私が思案にくれていると、一際大きな魔族が私に近づくと頭を下げてくる

「ヘケランと申します。先ずは、謝罪させていただます。無理矢理に連れてきてしまい申し訳ありませんでした。」

「え?いえ‥‥‥‥理由を伺っても良いですか?」

何故か謝られ、びっくりしたが私は一番聞きたかった事を聞いてみる

なんとなく予想はつくが

 

「もしかしたらまだ自身でお気付きではないかもしれませんが、貴女様はかの魔王様の生まれ変わりなのでございます。」

 

やはりか‥‥‥

どうやら、予想通り私は魔族の方々の勘違いで連れて来られた事に間違いない様だ

そもそも、私はこの時代の、いや400年前から考えても遥か過去の人間だ

私が魔王と言う存在の生まれ変わりと言うのは時間の流れ的にもあり得ないだろう

意思の疎通も出来るようだし、私は誤解を解く事にする

 

「‥‥申し訳ございませんが、貴方方は勘違いなされています。私は魔王という方の生まれ変わりではありません。」

「‥‥そう仰られるのも無理はないでしょう。しかし、我々にはわかるのです。その瞳の色、青い髪、それに何よりただの人間にはあり得ないほどの魔力。まさに先祖が残した文献通りです!性別こそ違えど、間違いありませぬ。魔王様の銅像とも心なしか面影が‥‥」

 

さて、どうしたものだろう

完全に私が魔王の生まれ変わりだと信じている

偶然にも、私と魔王と言う者には共通点があるみたいの様だが、今の状況では迷惑以外の何者でもない

この調子なら何を言っても勘違いだと伝わらないかもしれない

早くお母様とボッシュ様の家に行きたいのだけれど‥‥

あ、‥‥‥‥忘れていた!

もしかしたらこの状況はまずいのでは‥‥

お母様の計画には、私がまだ必要だろう

計画の一部と言ってもいいかもしれない

そんな私を目の前で拐っていったのだ

絶対に、取り戻し、報復しに来るするだろう

場合によってはこの場に居る魔族を皆殺しにしてもおかしくない

そのくらいお母様は計画を大事になさっている

狂気とも呼べるほどに‥‥

私としては計画の事などではなく素直に心配して駆けつけてくれたら嬉しいのだけれど‥‥

いや、今は魔族達の心配が先だろう

例え無理矢理連れて来られたとしても何も危害を加えられていないので皆殺しにでもなったら可哀想だ

うん、帰らせて貰おう

 

「あの!申し訳ございませんが、私は帰らなければなりませんので。」

私は、そう言って急いで立ち上がる

「そ、そんな、魔王様。我々はこの日を心待ちにして来たのです。もしかしたら、直ぐに記憶や力が戻るかもしれませぬ。もう暫し我らの元にいてください!」

 

「「魔王様!」」

「「我らに魔王様の力を!」」

「「人間どもに復讐を」」

余程、この時代では魔族達には不満があるのだろうか?

周りからは、色々な思いや願いが聞こえてくる

勘違いとはいえ、ここに居る魔族達は本当に心から私を魔王の生まれ変わりだと信じて願っているのだろう

時間があれば、ゆっくり人間と魔族の解決策を一緒に考えてあげたい気持ちもあるが

今は、時間がない

 

「すみませんが、道をあけてください。本当に申し訳ありませんが、時間がないのです。道をあけて頂けない場合は無理矢理にでも通らせていただきますよ。」

私は、ヘケランと名乗っていた魔族と周りの魔族達にそう宣言してから魔力を解放する

これは簡単に言えば威嚇行為だ

私の魔力がわかるものが居るみたいなのでこの方が早いだろう

少し悪い気もするが、それでも退いてくれないなら仕方ない

私も無理矢理に連れて来られたのだ、多少は‥‥

 

ごめんなさい‥‥でも、お母様にやられるよりはマシだろうと思いますので‥‥

心の中で謝ってから、私はさらに魔力を高めていく

私の周りに魔力が風となって渦巻いている

 

「す、素晴らしい!この力は!やはり、貴女は魔王様の生まれ変わりだ!」

 

「「「魔王様万歳!魔王万歳!!」」」

 

駄目だ‥‥逆効果だったようだ‥‥

余計に、ヒートアップしていく魔族達に私は覚悟を決めようとした時だった

 

「ヘケラン様!ヘケラン様はおりますか!?」

 

名前を叫びながら洞窟の出入り口からこの場所に何やら慌てた兵士の様な格好をした魔族が駆け込んでくる

辺りは、突然の事に少しずつ静かになっていく

その魔族は私達に近づくと

「た、大変です!この洞窟に鍛冶屋のジジイともう一人変な人間が入ってきてここに向かって来ています!仲間たちが足止めしていますが、もう持ちそうにありません!」

なるほど、時間切れだ‥‥

 

「なんだと?あの鍛冶屋が?」

「はい、鍛冶屋もそうなのですが、もう一人が、」

魔族達が状況を確認しようと、話し合っている

だが、もう私の耳には入ってこなかった

 

ああ、まずい‥‥‥

どうやらお母様達はもうすぐ、ここに来るようだ

多少は、弁解してあげようと思うがお母様が聞き入れてくれるとは思えない

今から魔法で全員昏睡させてしまった方がいいのだろうか?

と少し物騒な事を考えていたら

バーーンッ!!

と、出入り口の方から魔力の炸裂する音が鳴る

同時に数体の魔族が吹き飛ばされながら中に入ってきた

 

私は、さっきとは別の意味で覚悟を決めて魔族達の幸運を祈るのだった

 

 





説明が上手くなりたいです‥‥



タイトル間違えてたので直しました
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