時をかける女王   作:リバサ昇竜

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伝わりやすく書くのは本当に難しいですね


幕間 女王と宿屋

 

 

クロノさんがマールさんを追ってゲートに入って行った後ルッカさん?は素早くペンダントを回収し広場から出て行き、お父様と思われる方も直ぐに後を追っていく

私はその様子を何も言わずにただ眺めている事しか出来なかった

テレポッドと呼ばれていた装置は今は止まっていて静かになっている

装置の中央には、時空の歪みが発生したままになっていて魔力を使えば私にもゲートを開く事ができるだろう

 

 

「さて、ここにおっても仕方あるまい。移動するぞ。」

「‥‥追わなくてよろしいのですか?もしかしたら私達の時代に通じているかもしれませんよ?」

「うむ。わらわも一刻も早く元の時代に帰りたいが行先がわからぬ以上は先んじた彼らが戻るのを暫し待つ方が得策であろう。」

「‥‥戻ってくるでしょうか?」

「わからぬ。しかし、あの青年なら‥‥と、思わせる瞳をしておったな。ともあれ、先ずは食事と宿の確保をしておくのも悪くあるまい?彼らが戻らぬ様ならばこの時代で情報や装備を整え、改めてゲートの先へ向かう事としよう。」

「はい‥‥。」

正直意外だった

直ぐに後を追うと言い出すものだと思っていた

お母様の考えている事が本当に私はわからない‥‥

 

 

 

 

 

 

 

そして私とお母様は今、千年祭の会場近くにある宿の一室に居る

私達はお金を持っていなかったが

お母様が近くにいた人から近くにある宿の場所を聞きだした後

宿の主人と交渉し、身につけていた指輪と交換に10日間の宿泊と夕食の確保が出来たと言う

右も左もわからない場所で物怖じせずに行動できるお母様には素直に尊敬してしまう

私達が泊まる部屋は、テーブルが一つとベッドが二つある簡素な部屋で私は魔法の研究所にあった仮眠室を思い出した

 

「はぁ‥‥‥‥」

ベッドに腰掛けて、長い息を吐く

今横になったら直ぐに寝てしまいそうだ

見知らぬ森で目を覚ましてからそんなに時間は経っていないが、本当に今日は色々な事があって凄く疲れてしまっていた

お母様は部屋に着いて直ぐに備え付けられている一人用のお風呂へ向かった

私は何をするでもなくぼんやりとお母様が戻ってくるのを待っている

 

ジャキ‥‥それにクロノさん達も‥‥

 

タイムゲートに飲まれた可愛い弟‥‥

いつも、優しくしてくれた賢者さま達‥‥

見知らぬ土地で親身にしてくれた人達‥‥

時空に空いた穴は全て飲み込んでしまった

 

「うぅ‥‥、」

涙が出てくる‥‥だが、泣いても仕方がないとわかっているが、涙は中々止まってくれない

お母様が湯のみから戻ってこない事を願いつつ私は無理矢理目元を擦り心を落ち着けるようにつとめた

 

 

「サラよ、湯浴みに行ってくるが良い。」

暫くしてから戻ってきたお母様は女王の装飾を全て外して簡素なローブの様なものを羽織っている

私達の持ち物でない事からこの宿の備え付けだろう

私は中々見れない姿に固まってしまう

「‥‥‥‥‥‥。」

お化粧も外されたお母様は‥‥‥綺麗だ

ラヴォスエネルギーの影響なのか、信じられないくらいに若く美しい姿を保っている

とても二児の母には見えないだろう

それに、私達の容姿は自分でも似ていると思うので初対面の人には良く姉妹と間違えられる

私が成長したらお母様の様に美しくなれるだろうか‥‥

私がお母様に目を奪われていたら

「‥‥サラ?」

と、怪訝そうな目で声を掛けられてしまった

 

「は、はい。直ぐに行ってまいります。」

考えていた事を悟られたくない私は素早く準備しお風呂場の方へ向かう

お母様とすれ違う時に

「サラ、目が赤いな‥‥泣いておったのか?」

「い、いえ、私は」

「‥‥明日からまた忙しくなるだろう。ゆっくりと疲れを癒すのだぞ。」

「あ、ありがとうございます。行ってきます。」

お母様に優しい言葉をかけていただき嬉しくなった私はほんの少し軽い足取りでお風呂場へ向かっていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何やら見たことのある部屋でお母様が三人の老人と話をしている

ここは‥‥王宮の謁見の間だ

何故こんなところに?それにあれは、三賢者様?

 

ああ、なるほどこれは夢か‥‥

私達は今未来の宿屋で休んでいたはずだ

お母様と賢者様達の話し合いはかなり熱を帯びている

一体何を、話しているのだろうか?

 

「それでは、サラ様がどうなってしまうかわからないのですよ!?危険すぎます!」

「そうです!わしも反対です!‥‥そんな危険を犯さずとも我々には既に理想郷と呼べる大地と選ばれた民がおります!」

 

お母様は何かを反対されているのに少しだけ楽しそうに賢者達を見ていた

「フ‥‥そなたらはあくまで反対と申すか?」

「わしらは、断固反対します。‥‥サラ様にその様な危険な事をさせるわけには行きませぬ。」

「クックッ、そうか。そなたらの言い分も、しかと理解したよ。だが、駄目じゃ!これは、もうわらわが決めた事よ!そなたらは従うほかないのだ!」

「「‥‥‥‥。」」

三賢者は押し黙り女王の言葉を聞いていたが

「く‥‥‥‥」「クク‥‥」「フ‥‥‥‥」

「「ワーハッハッハッ」」

同時に笑い出した

「クク、貴女は本当に変りませぬな‥‥いつまでもワガママでお転婆なお姫様のままじゃ。」

「本当に困ったものだわい。なんでも一度言い出したら聞かぬののう。」

「当たり前じゃ、わらわこそがこの国の女王なるぞ?」

話し合いは、少し和やかになり

少しづつこの光景が遠ざかっていく

きっとこの後もお母様が何かの計画を押し通してしまうだろう

本当にお母様らしい話し合いだ

困っている賢者達の顔が容易に想像出来てしまい少し笑えてくる

 

しかし、これは我ながら変な夢を見るものだ

きっと朝は寝起きが悪いかしらね、フフ‥

 

 

 




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