キン肉マン~ウルフマンが王位争奪戦の助っ人にやってきました~ 作:やきたまご
現在、キン肉星の王位の座をかけた争奪戦が繰り広げられているところである。
第一回戦、キン肉マンチームVSマリポーサチームは、キン肉マンチームは圧倒的不利な状況ながらも、キン肉マン、ミート君の頑張りにより先鋒、次鋒、中堅を倒していった。しかし、中堅ミキサー大帝を倒したところでミート君が倒れた。
「ミート――――――っ!!」
キン肉マンが叫んだ。ミートが辛くも勝利をあげたものの、倒れたからだ。
「おいチビメガネよ、寝かせはしないぜ~」
重い巨体を揺らしてキング・ザ・100トンがリングインした。
「やめろ! ミートは闘える状況ではない!」
「待って下さい王子!」
ミートがよろよろとしながらも立ち上がってきた。
「僕はまだ十分に恩を返していませんよ……あなたがバラバラになった僕を救うために、命をかけてくれたじゃないですか!!」
「ミート……」
ミート、キン肉マンはかつてバッファローマン率いる7人の悪魔超人達との闘いを思い出した。キン肉マン自身が命をかけてミートを救ったからこそ、ミートの強い思いが分かった。
「今度は僕が王子のために命をかける番ですよ……」
「待ちなミートよ!」
どこからか男のものと思われる大きな声が聞こえてきた。キン肉マンチームの入場口から一人の男の姿が見えた。
「俺も同じ時に、ミートや贅肉マンのために命をかけたが、今のお前のように結果が出せてねえんだよ! ちょうどあの時のお前のように無残にバラバラになっちまったんだ!」
入場口からやってきた男の姿がはっきりとなり、キン肉マンやミートが驚いた。
「お、お前は!?」
精悍な顔、立派なまわし姿、まげを結えた髪型、その男はウルフマンだった。
「今度こそ、お前達のために勝利をあげてやるぜ!!」
実況も驚きのテンションで解説をしていく。
『会場に突然現れたのはなんと超人横綱ウルフマンだ――――――っ!!』
ウルフマンがミートのもとにかけよった。
「ミート、よく頑張ったな」
「ウルフマンさん、なぜあなたがここに!?」
「そうだウルフマン、お前は確か脚の怪我で」
ウルフマンがキン肉マンをにらみつけた。
「聞いたぜキン肉マン、俺のいる部屋まで来たのに、脚の怪我を心配して誘わなかったんだってな!」
王位争奪戦が始まる前にキン肉マンはミートと共に、ウルフマンのいる相撲部屋を尋ねた。しかし、取り合ったコヨーテマン親方がウルフマンの脚の怪我の話を聞き、ウルフマン本人に会う前に部屋を去ったのだ。
「そ、それは……」
「怪我人ふぜいじゃあ戦力外とでも言いてえのか?」
ウルフマンの怒りのボルテージがますますあがっている。
「け、決してそんな事は……」
「だったら、俺を信頼しろってんだ!! こちとらてめえの勝利を信じて、二回も命をかけたんだ!! 今更命を賭す事にびびるかってんだ!!」
ウルフマンはかつて、7人の悪魔超人との闘いでスプリングマン相手に戦死し、そして悪魔騎士との闘いでも、キン肉マンの命を蘇らせるために、自身の命を代償にして、キン肉マンを蘇らせた。ウルフマンはその事を言い、キン肉マンもその事は分かっていた。
「途中参加大いに歓迎だ」
その言葉を発したのはマリポーサだった。
「はなっからハンデマッチで闘おう等と思ってはいなかった。出来れば平等の条件で闘いたかったのだ」
「おおマリポーサちゃん! 太っ腹じゃのう!!」
キン肉マンがギャグモードになった。
「手負いの超人でも少しはハンデの差が縮まるだろう」
「なんだとこのやろ~!!」
ウルフマンがマリポーサの発言に腹を立てた。
「横綱よ、このキング・ザ・100トン様が直々にお前の相手をしてやろう」
「ほう、そこのマスク野郎よりもお前の方がやりごたえがありそうだな!」
ウルフマンとキング・ザ・100トンの試合が正式に決まろ、同時にウルフマンのキン肉マンチーム入りが確定した。
「やい、ふんどし野郎! もし負けたらそのまげを私が全部切ってやるぞ!!」
「じゃあ俺が勝ったら、お前のパンツの中の可愛いのを出して貰おうか!!」
「おう! 望むところじゃわい!!」
このやり取りにより、キン肉マンチームの士気が上がった。
カーン
『さあ、ウルフマンが挑むのはキング・ザ・100トン!! 超人横綱としてこの重量級の相手にどう闘うのか見所であります!!』
「うおおおお!!」
ウルフマンがキング・ザ・100トンに先制攻撃の張り手をしかけた。
ガギィン
キング・ザ・100トンのボディの硬さで、張り手をしたウルフマンの掌から出血が見られる。
「ぐお!」
「そんなぺちぺち攻撃では、私の頑丈な体に傷一つ与える事はできんぞ!」
キング・ザ・100トンがウルフマンにラリアットをかました。しかし、ウルフマンは頭を下げて回避し、逆にキング・ザ・100トンと組み合った。
『ウルフマン! 得意の体勢に持ち込みました! ここからどう反撃に出るか!!』
「お前は超人横綱と大層な異名を持っているようだな。その異名、このキング・ザ・100トンがいただいてやろう!!」
キング・ザ・100トンがウルフマンをリングロープまで追い詰めるように、組み合った状態で押していった。
『キング・ザ・100トン! ウルフマンのお株を奪うがぶり寄りだ!!』
「こんな攻め、とめてやらぁ!!」
ウルフマンがキング・ザ・100トンの勢いをとめようと全身に力を入れた。その時、ウルフマンは左脚に強い痛みを感じた。
「ぐわぁ!!」
ウルフマンが苦痛の表情を浮かべる。ウルフマンの左脚には包帯が巻かれているが、その包帯には血がにじんでいる。
「俺の100トンボディを受け止めるには、その体では負担がでかいようだな」
ウルフマンがリングロープまで追い込まれた。そのタイミングでマリポーサが曲がったダンベルのプラカードをあげた。
『あ――――――っ! キング・ザ・100トンの体が変形していった! ダンベルとして変化し、ウルフマンの首に巻き付いた!! さらにリングロープを利用し、ウルフマンの体を曲げていくぞ!!』
もちろんそうはさせまいとウルフマンもダンベルとなったキング・ザ・100トンを持ち上げる。しかし、安定しない体勢かつ、予想宇以上の重さもあって、せいぜい首に引っかからない程度がやっとのところであった。
「ウルフマン! もういい! 私の王位よりもお前の命の方が大事じだ!!」
「キン肉マン、また俺が死ぬとでも思ってんのか? なめた口聞いてんじゃねえぞ!!」
心配するキン肉マンとは反対に、ウルフマンは激高した。
「お前が絶体絶命の危機を乗り越えるところをこちとら腹が立つほど見せられてんだよ! 同じ日本超人のライバルである俺がそれを出来ないってのはなぁ!!」
ウルフマンがダンベルの持つ部分に力を入れた。ウルフマンのたくましい腕に太い血管がいくつも浮く。
『あ――――――っ! ウルフマンの怪力によりキング・ザ・100トンのダンベルの柄が強引に引き延ばされていく!!』
ダンベルから汗が出始めた。
「マ、マリポーサ様、このままでは私の体が破壊されてしまいます!」
マリポーサがキング・ザ・100トンのピンチを察し、新たなプラカードをあげた。
『キング・ザ・100トン! またも変身し始めた!』
その変形により、キング・ザ・100トンはらせんの形状となり、ウルフマンの体に巻き付いた。
キン肉マンとミートがその光景を見て焦った。
「い、いかん! この体勢は!!」
マリポーサが掲げたプラカードには、コイルバネが描かれていた。かつて、スプリングマンに惨殺された時のウルフマンの光景がまたも蘇った。
逃れられない死の渦!!