キン肉マン~ウルフマンが王位争奪戦の助っ人にやってきました~ 作:やきたまご
ジェシーメイビアの勝利にキン肉マンチームに活気が生まれた。
「すごいぞメイビア! 私が闘ったときよりもかなり強くなったんじゃないか!」
ジェシーメイビアが突然片膝をついた。
「どうしたメイビア!」
「相手が予想以上に強かった。次も私がいこうと思っていたが、ダメージがかなりあって厳しい。あのBUKIボーイという男、無名ながらかなりの強者だ。今度奴と会う機会があれば、もしかしたらキン肉マンしか倒せない強さになっているかもしれない」
「メイビアにそこまで言わせるとは……」
一方、フェニックスチームでは
「ふん、期待してチームに入れてやったのに、役たたずめ」
フェニックスがBUKIボーイを酷評した。
「あの様子では決勝では使い物にならんな。プリズマン、負け犬の始末をよろしく頼む」
フェニックスチームのミステリアスパートナーの一人が羽織っていた黒装束を脱いだ。全身がプリズムでできた男があらわれた。
「おまかせくださいフェニックス様、太陽よ、我に力を与えたまえ!」
プリズマンと呼ばれる男に光が集中した。
「レインボーシャワー!!」
七色の光がリングで倒れているBUKIボーイに放たれた。
「がああああ!!!」
BUKIボーイが苦しみ、その身体から徐々に肉がなくなっていく。
『あ――――――っ!! BUKIボーイが骨になってしまった――――――っ!!』
会場の皆、そしてキン肉マンチームも驚く。
「な、なんて恐ろしい技だ! 超人一人をいとも簡単に骸にしてしまうとは!」
「フェニックスめ許せない! あれだけの男を簡単に葬るとは!!」
ジェシーメイビアが怒る。
「待って下さい! この闘いはまだ準決勝! メイビアさんの力は決勝でも必要です! ですから、怒りを抑えて僕たちに後を託して下さい!!」
ミートがメイビアを説得し、怒りをしずめた。
「王子、ウルフマンさん、ペンタゴンさんはまだ一回戦のダメージが残っています。なのでここは僕が次鋒として出ます!」
「無茶だミート! お前もダメージが残っている! それにお前は本来闘いを専門とする超人ではない!」
キン肉マンがミートを止めようとする。
「キン肉マン、ミートくんの漢気を分かってやれ」
ペンタゴンがキン肉マンの肩に手をのせて説得する。
「そうとも! 俺同様、ミートもお前に命を預けてるんだ!」
ウルフマンも説得に加わり、キン肉マンは渋々承諾した。そして、ミートが次鋒として出る事が決定となった。ミートがリングに向かうと、冷たい風がふいてきた。
カッキン カッキン
「えっ!?」
ミートの足下だけが凍り付いていた。
「う、動けない! このままではリングにあがれない!」
フェニックスチームがそんな姿のミートを嘲笑した。
「はははは、あのチビメガネはどうやら怖くてリングにあがれないようだぜ!」
その言葉にスグルがきれた。
「なんじゃと! お前らがどうせ汚いインチキ使ってミートの脚を凍らせたんだろ!」
「キン肉マンよ、確かに俺は手段のために目的は選ばないところはある。しかし、今のミートに起こっている異変に関しては我々は一切関与していない!」
「嘘をつくな!」
「キン肉マン、フェニックスは本当の事を言っているようだぜ! 仮にあの言葉が嘘だとしても、まずはミートの異常をなんとかするのが優先じゃないか?」
ウルフマンがキン肉マンを落ち着かせようとする。
「くそ! 一体誰がこんなことを」
カキン カキン カキン
何者かが、キン肉マンチームに近づく足音が聞こえる。その姿が段々と明らかになってきた。
「もし宇治金時をおごってくれるのであれば、今すぐキン肉マンチームへの加入を決意しよう」
「お、お前は!?」
キン肉マンチームの前に現れた人物は、全身が氷で出来ており、大柄な身長の超人であった。かつて、宇宙野武士討伐のため、闘った男の一人、クリスタルマンであった。
会場が変わり、ゼブラチームとソルジャーチームが闘う舞台では異変が起きていた。
『どうしたことでしょう! 両チーム大将のソルジャーとゼブラしかおりません!』
キン肉マンソルジャーが最初に口を開く。
「ゼブラよ、数日前、四人ほどメンバーを引き連れていたはずだが、今日はお前一人、どういうことだ?」
「この私一人で十分だと言う事さ。真の強者には仲間はいらぬ。それにお前も一人じゃないか」
「ここ数日、ゼブラチームの偵察を俺なりにさせてもらったが、俺一人で十分だと判断した。だから今日は一人だ」
「馬鹿な奴め、仲間を素直に集めれば良かったものの」
「ゼブラよ、いや、お前は何者だ?」
「何を言い出すんだ急に?」
「上手くゼブラに化けてはいるが、俺の目はごまかせない。俺のカンだが、お前はキン肉族の血を受け継ぐ者、そう見ているが」
キン肉マンゼブラは感心の態度をとる。
「ほう、なかなか鋭いようだな。しかし、俺にも俺の都合がある。簡単に正体をばらすわけにはいかんな。それに、お前も本当のソルジャーではないだろう? そしてその正体は俺同様忌まわしきキン肉族の血を受け継ぐ者ではないのか?」
「俺の正体の察しはある程度ついているということか……しかし、俺もそう簡単に正体をばらすわけにはいかないのさ」
ゼブラとソルジャーの意味深な会話に、観客がざわつく。そして、それをモニター越しで見ているキン肉真弓も、何か思い当たるようなそぶりを見せる。
「もしや、あの二人、わしのよく知っている人物かもしれない……」
カーン
『さぁ、こちらではいきなりの大将戦! はじめからクライマックスだ――――――っ!! まずは両者がっちり組み合った!!』
キン肉マンゼブラの組み付き方に、キン肉マンソルジャーは何かに気付いた。
「びくともしない岩のごときフォーム、そして相手の実力を測るような組み方、お前は完璧超人だな!!」
キン肉マンソルジャーの指摘にキン肉マンゼブラが不敵な笑みをうかべる。
「ふふふふ、俺を完璧超人と見抜くとは流石だな! それよりも驚いたぞ。こうやって組み合うだけで、お前の並外れた実力がよく分かる。恐らく実力だけでいえば、お前が一番王位継承者に近いであろう!」
「褒めてもらえて光栄だぜ!」
ガキッ
『キン肉マンソルジャー! キン肉マンゼブラの組み付きを外した!!』
「ほう、いかなる強豪といえど外せなかった審判のロックアップを外すとは、ますます興味深い」
「どうやら気付いてないようだな。お前の身体を見てみろ!」
「身体だと、!?」
キン肉マンゼブラの胸板部分が傷つき、傷ついた部分からゼブラボディとは全く違う身体が見えた。
「そのゼブラに似せたオーバーボディ、俺の手で一気に剥がしてやろうか?」
キン肉マンゼブラが高笑いを始めた。
「はっはっは!! 面白い! お前は実に面白い男だ! お前に敬意を表し、俺の正体を明かしてやろうじゃないか!!」
バリ バリ ビキ ビキ
キン肉マンゼブラのボディにヒビが入り、そして新たな姿が現れた。その姿を見て、キン肉真弓が酷く驚いた。
「あ、あのお方は――――――っ!?」
観客からも反応があった。
「なんだあいつ! まるでフェニックスのタイプ違いみたいなやつだぞ!」
キン肉マンソルジャーもその容姿を見て驚く。
「キン肉マンソルジャーよ、教えてやろう、俺は完璧超人の中で完肉という異名を名乗っている。名前はネメシス。かつての名はキン肉サダハル!! キン肉族の歴史の闇に葬られた男だ――――――っ!!」
キン肉マン史上最大のドリームマッチ実現!!