幼馴染との高校生活は退屈しない   作:夜助

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夜助です!

今回からは過去編に入ります!

シリアス多め?なのかな?よくわかんないです笑

あ、あと今回蘭は出ません!ごめんなさい!

それでは14話どうぞ!



優しく手を差し伸べてくれたのは…

10年前、耀汰がまだ幼稚園に行っていた時期、当時両親共々仕事が忙しく家に帰ってくるのはいつも遅い時間だった。

 

家に帰っても仕事ばかりで耀汰と梨央との時間は少なくなっていった。6歳の耀汰はそれが悲しかった………

 

〜10年前〜

 

「お父さん、お父さん!見て見て!今日ね、幼稚園で家族の絵を描いたんだ!先生にも褒められたんだよ!」

 

この日、幼稚園で描いた家族の絵を父親に見せた。時計は深夜0時、幼稚園児には遅い時間だったがこの絵を見せて褒めて欲しかった耀汰は眠たいのを我慢して父親の帰りを待っていたのだ。母親は今日は出張で来週まで帰ってこない。だからせめて父親だけには…と。

 

「……そうか、もう遅いから寝なさい…」

 

「お父さん?見てよ…一生懸命描いたんだよ?蘭ちゃんも悔しそうな顔してたんだよ…?」

 

「寝なさいと言っているのが聞こえないのか!」

 

「ひぃっ……!」

 

「いつまで起きているんだ!こっちは疲れているんだ…絵も今は見せないでくれ…」

 

しかし待っていたのは褒められることではなく父親の罵声だった。あまり怒ることのない父親が怒鳴ったことに驚きと悲壮感が交差させた。

 

「う…うう…」

 

ガチャ

 

目に溜まった涙を服の袖で拭き、父親の書斎を出て自分の部屋に帰った。

 

「……すまない…本当にごめんな…耀汰…」

 

そう呟く父親の声は耀汰に届くことはなかった。

 

部屋に戻るとそこには姉である梨央が耀汰のベッドで本を読んでいた。

 

「…お姉ちゃん何読んでるの?」

 

「ん〜?銀河鉄道の夜だよ〜読む?」

 

「ん〜ん…僕まだ漢字読めないからいいや、それにその本難しそうだし」

 

梨央が読んでいたのは宮沢賢治が書いた銀河鉄道の夜、小学3年生が読むような本ではないと思う。

 

「……耀汰?泣いてるの?どうしたの?」

 

「…なんでもないよ…」

 

「……もしかしてお父さんに何か言われた?」

 

「……お父さんに今日描いた絵を褒めてほしくて見せに行ったら早く寝なさいって怒られちゃた…絵も今は見せるなって…でも僕が悪いんだよ…お父さんの気持ちも知らないでこんな時間まで起きてた僕が…」グス

 

「……!!…耀汰、こっちにおいで…?」

 

梨央はこの時父親にものすごく腹がたった。仕事が忙しくて疲れているのは分かる。子どもがこんな時間まで起きていて早く寝ろという気持ちも分かる。たが息子が一生懸命描いた絵を見せるなと怒鳴るのはひどいと思う。

 

「…うん…」グス

 

「お姉ちゃんに絵を見せてくれない?」

 

せめて姉である自分が耀汰の味方でありたい、そう思った梨央は耀汰に絵を見せることを要求した。

 

「…うん…これだよ」

 

そう言って耀汰は梨央に家族の笑顔が目立つ絵を見せてくれた。

 

「へぇ、耀汰は絵が上手だね!みんな上手に描けてる!」

 

「ほんと…!?」

 

「うん!お姉ちゃん絵が苦手だから耀汰が羨ましいなあ。この子がお姉ちゃん?」

 

「そうだよ!これが僕でこっちがお父さんでこっちがお母さん!お父さんが一番上手に描けたんだよ!」

 

無邪気に笑う耀汰を見て梨央も自然と笑顔になる。

 

「そっかぁ、ねえ耀汰、この絵お姉ちゃんの部屋に飾ってもいい?」

 

「うん!いいよ!」

 

「ありがとう!さあ、良い子はもう寝ようね?」ギュッ

 

梨央は耀汰を優しく抱きしめてそう言った。

 

「うん…眠くなってきちゃった…」

 

「耀汰が寝るまで横にいてあげるね…おやすみ、耀汰…」

 

「うん…おやすみなさい…お姉ちゃん…」

 

疲れたのか耀汰はすぐに眠ってしまった。おそらく明日は起きるのが遅いだろう、最悪明日は土曜日だ、ゆっくり寝かしてといてもいいかもしれない。梨央はそう思いながら耀汰に毛布を掛け直してあげた。

 

梨央は耀汰の部屋の電気を消し、自分の部屋に戻るのかと思いきや父親の書斎の前にいた。

 

コンコン

 

「……パパ?…梨央だけど今いい?ていうか入るね」

 

ガチャ

 

父親の返事より先にドアを開け、父親の目の前まで大股で歩いた。

 

「梨央?どうした…こんな夜遅くに」

 

「どうしたじゃないよ!なんで耀汰にひどいことを言ったの!」

 

「……!どうしてそれを……」

 

「私が耀汰の部屋にいたら耀汰が目に涙溜めながら部屋に戻ってきたから理由を聞いたの…そしたらお父さんに絵を見せるなって言われたって…」

 

梨央は父親が耀汰に怒ったことを謝って欲しかった。まだ6歳の子どもに対しての言動じゃなかったことを分かってほしかった。

 

「ねえ?なんでそんなこと言ったの?確かに仕事で疲れてるのは分かるよ?遅くまで起きてた耀汰も悪いよ?まあ私もだけどさ…だけど耀汰はただパパに褒めて欲しかったんだよ?」

 

梨央はそう言うと耀汰が描いた家族の絵を父親に見せた。

 

「……これを見て…耀汰この絵一生懸命描いたんだって。パパが一番上手に描けたんだって…耀汰は…耀汰は本当はパパに褒めて欲しかったんだよ?どうしてそれが分からないの?」

 

そういう梨央の目には涙が溢れていた。耀汰への思いが溢れているからこそである。

 

「……!分かってる…耀汰には本当に悪いことをしてしまったと思っているんだ。大事な息子に…まだ6歳の子どもにあんな態度を…俺は父親失格だな…本当にすまない」

 

父親の目にも涙が溜まっていた。どうやら梨央の気持ちは伝わったようだ。

 

「謝る相手が違うよ?私に謝ってもどうしようもないよ、耀汰にちゃんと謝ってね?明日は仕事あるの?」

 

「いや、明日は休みにしてもらう。こんな状態じゃ仕事もまともに出来ないからな」

 

「じゃあ明日謝りなよ、今日はもう寝てるからさ」

 

「ああ、そうするよ…梨央にも迷惑かけたな…いいお姉ちゃんだ」

 

「当たり前だよ!大好きな弟の為ならなんだってするよ!」

 

「はは!そうかそうか!おっともうこんな時間か、梨央も遅いからもう寝なさい」

 

「うん!おやすみパパ!」

 

梨央はスッキリした気持ちで階段を登りもう一度耀汰の部屋のドアを開けた。

 

「よかったね…もう悲しい思いはさせないよ、お姉ちゃんが絶対守ってあげからね」

 

小さい声で呟き、そっとドアを閉めた。自分の部屋に戻り布団に入る。

 

「よかった…悪い方向に行かなくて…パパもちゃんと謝ってくれるそうだし、ママも忙しそうだけど今でも耀汰のこと溺愛してるから大丈夫だね…これで一安心だなあ…」

 

梨央は安心してそのまま意識を落とした。……しかし梨央の安心はあっという間にかき消されてしまった。

 

〜次の日の朝〜

 

梨央はいつもより遅めに起きた。時刻は10時リビングに行くとまだ誰も起きていなかった。

 

「やっぱり耀汰はまだ寝てるかな、でもそろそろ起こさないと!」

 

梨央はリビングを出て階段を登り耀汰の部屋の前に立った。

 

「耀汰〜そろそろ起きなよ〜」

 

しかし反応がない…いつもなら梨央の声が聞こえたらすぐ起きるのに、反応が無いのは初めてだ。

 

「……耀汰?」

 

ガチャ

 

梨央はゆっくりドアを開け耀汰の眠っているベッドに目を向けた。

 

「……え…?」

 

しかし、そこに耀汰の姿は無くあるのは1枚の置き手紙のようなもの。

 

紙には覚えたばかりのひらがなで……

 

『ぼくがいないほうがおとうさんもあんしんするみたいだからばいばい』

 

「……あのおバカ!!」

 

それはあまりには残酷な文章だった……

 

 




最後まで読んでくれてありがとうございます!

お姉ちゃんの言動小学3年生とは思えないですよね(笑)

でも天才なんで多分大丈夫だと(笑)

感想&高評価くれた方ありがとうございます!とても励みになります!これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします!

ではまた!
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