桜が咲いたら、雪が……   作:何故か外れる音

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プロローグのようなモノ

 2079年 4月24日

 

 この日が何の日かと言われれば、元の世界を知っている者であれば知っている日だろう。

 そうそれは、お兄様こと司波達也が生まれた日。

 

 そして、この世界では異物が混じった日。

 

 本来なら存在しないはずの彼女は達也より一足先に生まれ落ちた。

 達也が先天的な魔法演算領域を「分解」と「再生」に占有され、普通の魔法師としての才能を持たないのに対し、彼女は魔法演算領域を持たなかった。

 即ち、魔法師としての才がなかった。

 正確には持ってはいるが、確認することが出来なかったと言うのが正しいのだが、彼らはそれを見分けることが出来なかった。

 

 他に挙げるとするならば、彼女の魔法演算領域が確認されなかったことにより、二人が生まれた日から11ヶ月後に司波深雪が生まれたことか。

 もし仮に、彼女に魔法演算領域が確認され、深雪と同じだけの能力を秘めていたならば、最悪、深雪が生まれてくることは無くなっていただろう。

 最悪の場合、彼女は深雪のロールプレイを行う羽目になっていたのだ。

「さすがはお兄様です」ではなく「さすがは達也ね」と違いは生まれることにはなっただろうが。

 

 年が経つにつれ、達也と彼女の間に外見的違いが見受けられるようになった。

 それが性の違いによる外見的特徴であれば何ということもなかったのだが、変化は髪色や目に現れたのである。

 達也が黒髪青目であるのに対し、彼女は白髪赤目へと変じた。

 突然変異と言えばそれまでなのだが、いくら何でも、遺伝的に目にしいたけが現れることはない。

 俗にいう、しいたけ目のことである。

 原因はそれとなく予想でき遺伝情報を調べたが、何の問題もなかった。

 そのため、魔法演算領域に何かあるのでは、と深夜とその妹で現四葉家当主、四葉真夜は考えるようになった。

 

 それから二人が六歳の時、状況が変わる出来事が起こった。

 

 魔法師でなければ四葉家の人間として居ることはできない。

 

 この事から、二人の生みの親である司波深夜は達也と彼女に人工魔法演算領域を植え付ける精神改造手術を行うことに決めた。

 達也の事情があり、彼女は実験的にこの精神改造手術を受けることになったのだが、深夜の精神構造干渉魔法で彼女に干渉できなかった。

 先の事とこの事から、彼女には魔法による干渉を無効化する能力が備わっていると、深夜と真夜は考え、それだけに留まらず深夜と真夜の二人は、達也と同様に彼女の先天的な魔法演算領域がその力に占有されていると判断した。

 早計と言えばそうなのだが魔法で干渉し得ない以上、似たケース、即ち達也の状態と同じと考えるのは至極当然と言えるだろう。

 

 手術を終えた後、達也は「兄妹愛」という情動を除き「強い情動」をすべて失い、彼女は真夜に引き取られることが決まった。

 2062年の事件の事もあり、四葉の血を引く彼女は四葉家に軟禁されることが決定された。

 ただ、四葉家の人間として存在できるわけではなく、その力の関係で四葉家の離れに軟禁されることとなった。

 

 しかしこの決定は、6歳以降の彼女は彼女にとって望ましい環境を手にすることができたと言え、その生活は15の夏まで続くこととなった。

 

 

 これは司波達也の双子の姉として、俗にいう神様転生(TS)を果たした彼、いや、彼女と言うべきか。

 そんな彼女、司波深桜(みお)という異物が混ざることによって色々とおかしくなった世界のお話である。

 

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