はい、ごめんなさい。
投稿がスーパー遅れました。
次もいつになるか分からない上に、今回も物語の展開的には全然進んでません。
それでもいいという方は楽しんでいただければ幸いです。
吉良が気を失ったその頃
モニタールームにいるオールマイト含む1-Aの生徒のほぼ全員が、その全員の予想を裏切る絶望的な状況下からの吉良の逆転勝利に驚嘆していた。
「ま、マジかよ!アイツ勝ちやがった。」
「な、なんでドアが爆発したんだ!?いきなり轟が吹っ飛ばされたぞ!」
「さっきからビックリしてばっかだよ!吉良君が酷い足の怪我をした時から轟君がやられちゃうところの最後まで全部!」
モニタールームにいる各々が騒ぎ始める中で冷静にモニター越しに氷漬けにされて気を失っている吉良を見つめている。
いや見極めていると言った方が正しいであろう目でオールマイトは吉良を見ていた。
吉良少年
たしかにヒーローになる以上の心構えとして、我々ヒーローには命をかけてでも守るべき時がある
そこを考慮すれば、訓練序盤の怪我は百歩譲って致し方ないとしよう。
だがそれは、まだ君が考えることではないんだ。
我々がこれから一人のヒーローとしての役目を、次の世代へ受け継がれるようにしなければならない。それが私が雄英に来た目的の一つでもあるのだ。
今、無茶をして君が危険な事をする必要はないのだ。
不満もあるだろうがそこは教師として注意をさせてもらうよ。
吉良少年。
だがひとつだけ私には分からないことがあるんだ。
君が戦っている時に一瞬だけ見せた目はドス黒く根深い闇のようなものを感じたんだ。だがそれはほんの一瞬だけで私の見間違いかもしれない。
だが、私の直感では君は
だが確証があるわけではないんだ。
まだ分からない。
だが今はまだ、君がヒーローを目指すこの学び舎の生徒の一人であるという事を信じよう。
これ以上生徒である吉良吉影の疑念を考えてもしょうがないと考えたオールマイトは吉良のその個性に注目した。
あれが吉良少年の個性のもう一つの能力。
驚異的な力を持つ亜人のような生物を自由自在に動かし、その亜人が触れた生物以外のモノを爆弾にして任意に起爆することができるという爆豪少年に似た能力を持つ個性。
今の個性社会でまだ分かってないことがたくさんあることは私も知っている。
だが君のその個性は専門の学者ではないが、私が無知なだけであればいいのだが特殊すぎやしないか?
人間が個性という様々な特殊能力を持つ進化を遂げたが、君のそれは私が考えるに個性とは別の人間の進化ではないのか?
思考の海に沈みつつも、今自分の考えていることは所詮憶測に過ぎないと思いオールマイトはそこで吉良吉影への考察を打ち切り、本日二人目の怪我人を保健室に移送させるための担架ロボットを呼んで、次の訓練のための準備に入った。
次の訓練場の準備と、未だに吉良と轟の戦いの興奮が冷めないのか騒がしいクラスの中で一人だけ呆然とするものがいたが、その時はまだ誰も気づかずにいた。
そして時間は流れ、オールマイトのヒーロー基礎学の訓練は終わり、日は沈み夕方になりつつあった。
その間、保健室に搬送された吉良はリカバリーガールの個性を使い、すぐさま治癒力を利用して足の怪我を見事に回復させていたが怪我による出血と戦闘時の疲労により、治療後しばらくの間は目を覚ますことはなかったが放課後、とっくに大半の生徒は帰る時刻になったときに吉良は目を覚ました。
「まさか、この私が入学数日でこんな目に会うとはな。これからの事を考えると周りのクラスメイトから質問責めにあうのは目に見えているし、全く私の求める穏やかで平穏な日々は暫くは訪れそうにないな。」
それに今回の訓練の件で、爆豪の後に自分で怪我をしたからオールマイト先生からは咎められるかもしれんな。
言い訳は…論外か。
言えば私の評価が低く見られ、問題視されて注目が集まってしまう。
しかも悪い意味でだ。
幸いにも今回の私の行動は、狂った
だがこれ以上目立つことは論外だな。だとすれば私に今できる最善の行動はしっかりと反省した態度を見せること。
そうすると今後の行動は慎重にならなくてはいけないということか。
ん?今の私はなぜ私はオールマイト先生に対してこんなにも慎重になっているんだ?
ふと湧いた疑問に自分の中に何かモヤモヤするような違和感を感じるも、カーテンの開く音で吉良は思考を中断される。
「おや、やっと起きたのかい。まずはグミをお食べ。」
そう言ってカーテンを開けた人物は注射器のような杖をつき白衣を着た妙齢の女性、リカバリーガールが、起き上がった吉良を見て容態は安定しているのが分かり、ホッとしたように話しかける。
だがすぐに顔を険しくするのを見て、吉良は早速来たかと身構える。
「ヒーロー基礎学の授業で二人も怪我人を出す
「はい、申し訳ありません。」
「これに懲りたら反省して無茶をするんじゃないよ。次にまた同じようなことがあったら許さないからね!」
「はい。以後、気をつけます。」
そう言って吉良は今回のリカバリーガールに反省しつつ、頭を下げる。
リカバリーガールもそんな吉良の反省した態度を見て、緑谷出久に引き続き吉良吉影と今わかっただけでも二人も怪我人が保健室に運ばれてきたことに、今年は例年以上に怪我人が多くなるかもしれないと内心溜息を吐く。
「それじゃあ私からはもう言うことは無いけど、アンタを治癒した時に体力を結構使ってるから今日はまっすぐ帰って必ず休むこと。オールマイト先生もクラスのみんなも心配してたからね。分かったかい!」
「はい、今日はすぐに帰ります。はい。」
そして吉良はリカバリーガールからの一通りの説教を聞いた後に、更なるリカバリーガールからの追加の説教があるとたまらないと考えた吉良はそそくさと保健室から出て行った。
教室に戻る途中、ふと何気なく外の景色を見てみると腕を吊った怪我をしたままの緑谷と爆豪の2人が話しているのを見かけた。
あの2人、何を話しているんだ?
ここからでは何を話しているかは全くわからんが、あの爆豪の様子からして何か2人にとっては大切なことでも話しているのかもしれないな。
ま、私には関係のないことだとは思うがな。
それよりも、こんなとこで時間を無駄にしてリカバリーガール先生に見つかったら面倒なことになる。
急いで帰らなくっちゃあな。
緑谷と爆豪の2人から、興味をなくした吉良は再び教室へと歩き始めた。
そして、さっさと帰ろうと吉良が教室の扉に手をかけて開くと
「あっ!吉良も来たかお疲れ。あと怪我の方は大丈夫だったか?」
と心配しつつも、労いの言葉を教室に入ってきた吉良に声を掛けた切島であったが、声を掛けられた吉良にとってはリカバリーガールの説教の後に続く不幸に内心でうんざりとしていた。
「ああ、見ての通り大丈夫だ。」
くっ、放課後だから誰も残ってはいないだろうと思っていたがまだ教室に残っていたのか。
しかも1人だけじゃなく他にも何人かいるようだな。
最初に声をかけた切島に反応して教室に残っていた他の面々も吉良に向けて、「怪我は大丈夫?」「訓練すごかったねー。」等の声をかけてくるが何人かの顔は一様に固い、吉良に対してどう声を掛ければいいのか分からずに困惑しているような感じであった。
もちろんこれは吉良の他の人間に対して全く興味がないと言わんばかりの雰囲気もあるが、それよりももっと重要な理由が吉良を困惑の視線で見るクラスメイトにはあった。
まだ入学してから日も浅いとはいえクラスの何人かが吉良に緊張してどう接していけばいいのかわからないのは、吉良が戦闘訓練の時に轟の足を凍らせられた時の脱出方法にあった。
凍った足の皮を引き剥がすという普通では考えられないような行動。
あの場ではクラス全員がこれから自らも行うヒーローとしての第一歩を踏み出すとあって気が高ぶっていたが、初めてのヒーロー基礎学の授業も終わり、放課後に今日の訓練の反省会ということでほんの少しの自己紹介を踏まえての各々の個性の紹介。
自分の持つ個性の長所を活かす戦いをするか、それとも短所を補えるような戦いをするか。
どうすればもっと自分の個性の力を引き出せるか?話しあいをしていった。
そして様々な者の意見が湯水のように出てくる中で、誰が言ったのかは今となっては分からないが遂にパンドラの箱が開かれる。
クラスメイトが流石に頭が冷静になってくると吉良の異常な行動に何人かは引いているものがいるのは当然のことであった。
いわゆるドン引きというものである。
クラスメイトがこんなことを吉良に対して思っているのを彼は、吉良本人にはまだ分からないことであった。
そんな現時点で孤立気味の本人はそれを面倒な人との関わりを持たなくて済むと喜ぶのか、それとも悪い意味で目立ってしまっていると嘆くのかは分からないが、そんな常軌を逸した行動をとる吉良になんの躊躇もなく声をかける切島という1人の生徒は吉良を困惑の目で見る他のクラスメイトにとっては勇者か、はたまた考えなしに突っ込む愚か者に見えたことだろう。
だがこの切島鋭児郎は勇敢な勇者でもなく、愚鈍な愚か者でもなかった。
ただの個性を持った人間であり、どこにでもいる普通の平凡なクラスメイトとして、周りの者が容易には近づけないこの男。
吉良吉影と友達になりたいと純粋にその一心で声をかけた。
ただの何処にでもいるような普通の学校の吉良のクラスメイトであった。
「いや、凄かったなぁお前!バトル漫画とかでもある最後の最後まで勝負の行方は分からないって言うけど、おめーのはまさにそれだったぜ!」
「あ、あぁーそうは言っても、ギリギリのところで勝てたってだけで保健室で起きてさっそく先生に怒られてしまったがな。」
「謙遜すんなって、あんな追い詰められて最後に勝つなんて誰でも出来ることじゃねぇぜ。少なくとも俺はお前のことスッゲー漢らしいって思ったぜ!」
くっ今日はなんていう日なのだ
午前中の座学は何も問題なく過ごせていたのに、午後の戦闘訓練から私に不運が舞い込んできた。
あのスカした男の言動にカッなってしまったときから目立ちすぎている。
教師からは、少なくともリカバリーガールからは悪い評価を与えられているし、他の教師からもどんな目で見られているか分からない。
そして、今の周りの好奇な視線
しばらくはこの視線に対処せねばならないとは
だが、少なくともこの学校にはいないだろうがこの私に対して不埒な行動をしようとする馬鹿は居なくなるわけだ。
その証拠に私の目の前にいる…名前は確か切島と言ったか?
この男の言動からは私に対して侮るような感じは感じ取れなかった。
この点については不幸中の幸いと受け止めても問題はないだろう。
あと、漢らしいって褒めているのか?私にはあまり嬉しくない言葉だな。
「あっ忘れてたぜ、俺名前は切島鋭児郎ってんだ。んでよぉ、吉良早速なんだがな今ここに残っているみんなと、今ちょっと外してるんだけど緑谷も一緒に今日やった訓練の反省会と親睦会も兼ねてマ○ク行こうと思うんだけど、吉良も一緒に行かねーか?」
まただ、また面倒ごとがやってきた。
全く入学してから数日でこんなことでは、この吉良吉影のこの先が思いやられる。
だが、これ以上面倒ごとには付き合うつもりはない。
「いや、悪いがリカバリーガール先生から今日はすぐに家に帰って休むようにと言われているんだ。私もそれを約束してしまって残念だが行くことはできないんだ。」
決まった
どうだ、これぞまさに最悪の時にチャンスを物にするということなのだ。
最後の最後にこの吉良吉影のピンチを救ってくれるチャンスが転がり込んだということなのだ。
「そっか、そういうことなら仕方ないな。じゃあ吉良また明日な。」
切島はそう言って、吉良に話しかける前まで話をしていた友達の所へと戻っていく。
そうして大義名分を得た吉良は堂々と荷物をまとめて、自分の家の帰路に着いた。
だが、この時の吉良はまだ知らなかった。
自分がどんなに平穏に生きようとしても、これからの運命は平穏とは程遠い全く逆の人生を歩むことになる。
次はどの辺りまで進められるかなぁ、というかもう一つの作品も進めないと殺される(汗)