なお、M16はヘリアンの護送で先に帰っていました。
「…えっと、君は?」
「私?私はね、UMP9!よろしくね、ガンヴォルト」
出会うやいなや家族発言をしてくれた…恐らく、戦術人形。
にこにこと笑みを絶やさずこちらを見ている。
「見た感じ普通の男の子だけど…ふーん」
「あ、あの…」
「あっ、気にしないでー?見てるだけだから」
周りをチョロチョロされている上にガン見。
気にするなと言われる方が無理である。
「あはは…は、どうしたんですか?」
スプリングフィールドとトカレフの表情は固い。
まるで、居てはいけないものを見るような。
「どうして、ここに?」
「んー?迎えに来たんだ!」
「迎え…ですか?」
「そう、私達の新しい家族の」
「え…そんな、まさか」
持たされていた携帯端末にコールが入る。
相手は…指揮官だ。
「…もしもし」
『GV…急で悪いんだが今日の雑務は全てキャンセルだ。至急作戦室に来てくれ』
「わかりました。すみません、スプリングフィールドさん、行かなきゃいけないみたいです」
「そう…また今度来てくださいね」
カフェを出て、作戦室に向かう。
…後ろをUMP9が付いてくる。
「どうして付いてくるの?」
「私も呼ばれてるからだよー」
「やっぱり、君も人形?」
「そうだよ。そっちは本当に人間なの?」
「うん」
無言になる。
…そのまま、作戦室に付いた。
「失礼します」
扉をノックして中に入る。
作戦室に居たのは指揮官と…三人の人形だった。
一人は、今にも寝そうに船を漕いでいる。
もう一人は、こちらを値踏みするように睨んでいる。
最後の一人は、アンニュイな笑みを浮かべてこちらを見ていた。
…睨んでいた人形が口を開いた。
「ナイン。どこ行ってたのよ」
「んー?噂のガンヴォルトに会いに行ってた」
「はー…勝手に動かないで。小隊長からも何か言ってよ」
「ナイン。今日は仕事できてるんだから。勝手に動かないで」
「はーい、45姉」
「それでは、本題に入ろう」
指揮官が口を開いた。
…表情は、重い。
「GV…君の配属先が決まった」
「…」
「上層部の判断でね…私にはどうすることも出来なかった」
「嫌ですね指揮官?まるでウチが酷い所みたいじゃないですか」
「んんぅ…間違ってないけどね」
「G11!」
「…GV。君の配属先、404小隊の方々だ」
改めて全員を見る。
銀の長い髪、目元の涙のような化粧をした人形。
「HK416よ。足を引っ張る様なら切り捨てるから」
眠そうに瞼をこする、小柄な人形。
「Gr G11…紹介終わったし寝て良い?」
にこにこと笑う二つ結びの人形。
「UMP9!ナインって呼んでね」
灰色の髪を片結びにし、どことなくナインに似ている人形。
彼女も右目に立て一線の傷が付いていた。
「小隊長のUMP45よ。仲良くやりましょう?」
「ガンヴォルト…GVって呼んでください」
「よろしくね、GV」
UMP45が微笑む。
依然、指揮官の表情は固い。
「彼女たちは今、鉄血のおかしな行動について調べてもらっている」
「おかしな行動、ですか」
「ああ。鉄血の主兵装は光学兵器なんだが…君が交戦した人形達は実弾武器を使用していた」
雷撃鱗で弾いていたことを思い出す。
…光学兵器が実用化出来る相手に、彼女たちは旧式の銃器で立ち向かっていたのか。
「そして、今回の襲撃…明らかに戦術的価値の無い基地に対する攻撃。不可解としか言いようが無い」
「それを私達にヘリアンが依頼してきたの。だから、当面の任務は調査になるわ」
指揮官の説明に、UMP45が補足する。
確かに、ガンヴォルトにとって各地を転々とするこの任務を受けた404小隊に所属するのは都合が良い。
「あとはその場その場で補給の為に基地に寄って少し戦線に参加する形になるわ」
「ちょっと大変だけど、頑張ろうねGV」
「ありがとう、ナイン」
指揮官に向き直る。
「守秘義務があって多くを語る事が出来なくて申し訳ないと思っている…だが、頑張ってくれ」
「お世話になりました」
「出発はなるべく早い方が良い。荷物をまとめきてくれ」
「はい、失礼しました」
作戦室から出る。
…これから、新しい戦いが始まる。
(オウカ…待ってて)
無事にエルフェルトを入手出来たけど、ノエルがまだ入手出来ない作者です。
平穏は二話も続かなかったのは申し訳ないけど、GVはやっぱり戦うしかないと思ってます。
ワーちゃん達の出番は一旦ここで終わり。