…………え、なんで黙ってるのかな。
あっ。
一行は指揮官クラスの人形が潜伏している地点を探す。
「大概廃墟に偽装されてるけど、そこには電力が通ってる筈だし何かしらの痕跡が残るのが常よ」
足跡、壁の傷、とにかく痕跡を探る。
人数も情報も無いのなら足で稼ぐしか無い。
遠くから銃声が聞こえる。
…どうやらグリフィンの方も開戦したようだ。
「…気になるの?GV」
並走するナインが聞いてくる。
…声音は無機質だった。
「何で気になるのかな?だってアイツらは顔も合わせたこと無いのに」
「そう、だけど」
「家族じゃないんだよ。気にしなくていいよ」
「ナイン、君は…」
つい出そうになった言葉を飲み込む。
この子達には血が流れている訳じゃない。
…どこまで行っても、家族はごっこなんだ。
ボクとは、違うんだ。
価値観の違いなんてよくある事だ。
けれど、相手はとても人に似ている。
どうしても、慣れないな…。
「ごめん、何でもない」
「?変なの」
ナインは飽きたのか、足を止めて周囲を捜索し始めた。
ボクも一旦立ち止まり、辺りに目を走らせた。
今、小隊は二手に別れて拠点の炙り出しをしている。
G11がたまたま見つけた
…この引きずった跡、と言うものが人間大の物を引きずった様に見えるのが、何か嫌な予感がする。
「45姉〜、こっちには何もないよー」
ナインが45と通信している間、ボクは警戒をする。
一見何も無い袋小路が目に付いた。
(…………電気が流れてる?)
肌を刺す、ピリピリとした感じ。
ボクの
「ナイン、こっち」
「GV?何か見つけたの?」
「この行き止まりなんだけど…ナインはどう思う?」
「え?うーん…ただの行き止まりにしか…あっ!」
戦術人形の記憶は劣化しない。
過去に体験したこと全てが彼女達の武器だ。
なら、専門家に判断を任せる方が確実だと。
「これ見て」
「…光学迷彩」
壁だと思われた場所にナインが手を突っ込んだ。
…手はそのまま突き抜けていく。
「GV!お手柄だよ!撫でてあげる♪」
「わっ、ちょっと、ナイン!?」
ナインが背伸びしてボクの髪を撫でに来る。
…頭を撫でられた事なんて久しく無かったから、抵抗できずにされるがままになっていた。
『GV?いちゃいちゃするのもそこそこにしてね』
「あっ、45姉!GV凄いよ!」
『本当ね、ナイン。二人共、私達も今からそっちに行くわ』
通信終わり。
三人がこっちに来るまでの間この場所を確保しなくちゃいけない。
「鉄血、いないね」
「わからない。その出入り口から来るのか、それともこっちに戻ってくる奴らに鉢合わせするのか」
ー永遠を欲しがる君と
何か、聞こえてきた。
ー永遠を行きたかった
ー思い出す記録開いては閉じ繰り返す
懐かしい、声、が。
「うた…45姉!歌だよ!」
『何ですって!?すぐに行くわ!迂闊な行動は…』
「ちょっと、GV!何処に行くの!?」
ー傷付いたとしても構わない
ー素顔のまま
ー熱くなる両の手に掴む星
ー冷やす涙乾いて
無意識に走り出していた。
ただ、声の、歌の聞こえる方へ。
ー時は今も進んでいる。
聞こえる。
聞こえた。
聞いてしまった。
何時までも彼を縛る言葉、呪い、祝詞。