え?微弱な電気を流すことで身体の疲れをほぐして快眠するって…電脳とかにダメージが入ったらどうするのさ。
ーーーーグリフィン前線基地。
脅威を排除し、スケアクロウの解析や補給、修復のために最寄りのグリフィン基地へ身を寄せることになった。
「それじゃあGV。私達は修復受けてくるから大人しく待っててね」
そう言われ、一人置いていかれてから30分が経とうとしていた。
「…何をすればいいんだろうか」
45達が気を遣って一人で考える時間を与えてくれたと解釈すべきか。
しかし、割当たれた部屋も分からず、司令室の前で途方に暮れている訳にも行かない。
カフェでもあれば良いんだけど。
「む、なんだ貴様。まだ居たのか」
司令室の扉が開き、中から大柄な男が出て来る。
ボクよりもふた周り以上体格差がある。
この前線基地の指揮官を任せられているらしい。
「すみません、道に迷ってしまって」
「フン…404が人間の小僧を囲うとはな…案内させる。待ってろ」
指揮官はボクを一瞥してどこかへ歩き去って行った。
ーーーー五分後。
「あ、あの!」
「?」
振り返る。
黒い長い髪をした女の子が息を切らせながら走ってきていた。
桜が散りばめられたタイツが印象的で…どこを見てるんだボクは。
「は、初めまして!一〇〇式機関短銃と申します!貴方の案内を承りました!」
何となく舌足らずな声。
それでいて大きな声を出すものだから少し驚いた。
やっぱり人形何だし喉の仕組みとか違うんだろうか。
「初めまして。ボクはガンヴォルト。ボクらに割り当てられた宿舎かカフェに案内して欲しいんだけど…」
「え、あ…その、ウチにはそういったものは無くて」
「あれ?そうなんだ…」
一瞬一〇〇式が暗い顔をしたように見えた。
無いのなら仕方ない。
宿舎に案内してもらおう。
「はい、宿舎はこっちです」
「ありがとう」
一〇〇式の後についていく。
気になるのは、すれ違う人形達が皆明るい顔をしていないこと。
(前の基地とは大違いだ)
目の前を歩く一〇〇式に表情は無い。
…ふと、左手に銀色に光るリングを嵌めている事に気付く。
「一〇〇式、それは」
「えっ、あ、あはは…指揮官が、何かの間違いで私にくれたんです」
「あの指揮官が?」
とてもそうは見えない、と言う言葉は飲み込む。
表情の無かった一〇〇式が、とても嬉しそうに…懐かしそうな顔をしていたから。
「はい…私も、その、指揮官の事をお慕いしていましたので…とても嬉しかったんです」
「…だから、指揮官の為に私は何だってします」
声のトーンが変わる。
驚いて一〇〇式の顔を見てしまう。
「指揮官の為に、鉄血もグリフィンも関係ありません…邪魔なものは全部撃ちます」
「…そう、なんだ」
「…そうすれば、またあの人も…あっ、すみません変な話なんてしてしまって。着きましたよ!」
気が付けば、404と書かれた扉の前に着く。
ボクたちに割り当てられた宿舎だ。
「それでは失礼します。また何かあれば呼んでくださいね」
そう言い残して、一〇〇式はあるき去っていった。
「…やりきれないな、何だか」
どこでも同じような話があり、どこにでも同じような悲劇が転がっている。
この基地も闇が深い。
一〇〇式ちゃんにお世話になった指揮官も多いかと思われますが、誓約してる方どれだけ居るんだろうか。