それは、電子の妖精の模造品として作られたのだろうか
「GV、ここに居たのね…って、またやってるの?」
この基地に来てから3日。
少しずつ作戦に加わったりしながら過ごしていた。
今ボクはと言うと、ダートリーダーの整備を行っていた。
416に言われるのも、もう数えていない。
「この銃は特別製だからね…換えが効かないからメンテナンスをしっかりしなきゃいけない」
「完璧な仕事の為に努力をする姿勢は評価してあげるわ」
「それはどうも」
最近、416のボクに対する態度が少し軟化してきたような気がする。
相変わらず辛口で厳しいけど。
「…私の顔に何かついてるの?」
「え?いや…ごめん、気に障った?」
「別に」
そのまま416は向いの机に腰掛け、同じように銃を整備し始めた。
…火薬を使って実弾を発射する機構は、実を言うとあまり見た事が無い。
少し興味をそそられてついじっくり見てしまった。
「…GV。デリカシーが無いんじゃないかしら」
「…えっ?」
「もしかして知らないのかしら。良い機会だし教えてあげるわ」
ちょっとした講義が始まった。
烙印システムと言って、義体と銃を刻印で結びつける事らしい。
…専門的な事はさっぱりわからないから、理解出来ているかは怪しい。
「つまり…その銃は416自身…って事で良いのかな」
「そうよ…まぁ、銃に興味があるって言うなら今回のは不問にするわ」
「あはは…ありがとう」
「二人とも、談笑してるとこ悪いけど移動よ。最低限の荷物だけ持って来て」
そこへ、UMP45が部屋に入ってくるなりそう言った。
「任務?」
「いいえ…行き先は16Labよ」
IOPは、この世界において自律人形生産においてトップクラスのシェアを獲得している企業らしい。
404小隊の面々、G&Kに所属している人形達は軒並みIOP製だという。
そこの中にある16Labと言う部署に用事があるらしい。
「来たわよ、ペルシカ」
UMP45が中に入る。
G11とUMP9は車両待機、今ここに居るのはボクと、UMP45、HK416の3人だ。
「うわぁ」
思わず変な声を上げたボクは悪くない。
研究者らしき人々が目の下に凄まじいクマをこしらえて所狭しと動き回っていた。
…全員、目だけが爛々と輝いているのを見て更に引くのだった。
「いらっしゃい」
置くから、寝ぼけ眼のねこみみ…耳!?を生やした一人の女性が出てきた。
「ペルシカ。紹介するわ…うちの新メンバーのガンヴォルトよ」
「君が?よろしく…私はペルシカリア」
えっ、紹介終わり?
何となく気まずい沈黙が降りた。
ペルシカさんは凄い形相でボクをずっと見ていた。
「…ガンヴォルト君、だった?今バリバリ出来る?」
「えっ…あー、まぁ、出来ますけど…ここの電子機器が全部駄目になると思います」
「そっか…残念。着いてきて」
ペルシカさんに、奥へ案内された。
申し訳程度の談話室に通され、来客用のソファに腰掛けた。
「コーヒー飲む?」
「要らないわ。それで、私達を呼んだって事は何かわかったのね?」
UMP45が切り出す。
以前の調査作戦の際に鹵獲したスケアクロウの頭部をここに送り、解析を依頼していた。
「それなんだけどね…あれ、バラバラになっちゃった」
「どういうこと?」
「うーん…なんて言えば良いかな。
…確かに、おかしな現象だ。
あの人形自体が継ぎ接ぎされてアンバランスなものだったとしても不自然すぎる…。
「一応残った電脳とかチップとか片っ端から調べたんだけど…」
1枚の板を取り出され、目の前に置かれた。
「コレだけが記録されていたわ」
「…中身は、何かしら?」
「歌…よ」
板…後で聞いたらフロッピーディスクと言う名前だったらしい…をペルシカさんが機械に差込んだ。
…歌が、流れてきた。
ボクがよく知る、あの歌声が。
「歌…ね。歌姫の模造品か何かかしらこれ」
「それにしたって悪趣味すぎない?」
「さぁ?もしかしたらその手のマニアとか居るかもしれないわよ?」
隣で416とUMP45が何かを話していたが…ボクは、ずっと歌を聴いていた。
亡き
(間違いない…この世界に、理屈はわからないけど…存在しているんだ)
2ヶ月以上も放置してしまいました。
…ガンヴォルト外伝も音沙汰無しですが更新します。
歌姫の模造品にしては、とてつもなく醜い案山子。
これが完成だとは思えない…が…。