【完結】蒼き雷霆の最前線   作:塊ロック

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戦場に舞い降りた蒼翼。
ガンヴォルトは己の気持ち…整理できない感情のまま、雷撃を放つ。

…戦場に、歌が響いていた。


存在しない理由

 

歌が、聞こえる。

とてもよく知る声で、それは歌っていた。

 

「…歌だ」

「何ですって?」

「聞こえる…ここを襲ってる連中は…この前のスケアクロウと同類だ…!」

 

ヘリから身を乗り出す。

…眼下に見える戦場は、既にあちこちで火の手が上がり、鉄血の人形達の侵入を許していた。

 

「総員傾注。今からリペリング降下による移動を敢行し、速やかに敵主力を叩くわ」

「45、またハイエンドが居るんじゃない?」

 

G11が口を出す。

…彼女がこうやって会話に参加するのを初めて聞いた気がする。

 

「そうね…でも、排除しなきゃ状況は変わらないわ…他に意見は?」

 

誰も発言しない事に頷き、ヘリのドアを開いた。

パイロットがこちらに声を張り上げる。

 

「降下が確認出来次第こちらは16Labに帰還する!」

「ありがとう!それじゃ、行くわよ!!」

 

次々と降下していく。

…正直、ボクはこの高さでも大丈夫なんだけどね。

律儀に降下し、速やかに遮蔽物に身を隠した。

 

降りてきている事は既にばれている。

ここからは速攻が重要だ。

 

「まず指揮系統を奪還するわ。あのいけ好かない指揮官の救出に行くわよ」

「了解!」

 

前衛にボクとUMP姉妹、後衛にHK416とG11のフォーメーションで進む。

途中で接敵した人形達を丁寧に処理し、道を急ぐ。

 

「うわぁ、施設内も結構侵入されてるね45姉」

「そうねナイン。所々でバリケードを建てて防衛戦をしてるみたいだけど」

 

物陰から廊下の先を見やる。

鉄血の集団とバリケード越しに打ち合っている戦術人形の一団が見えた。

 

「…UMP45、提案があるんだけど」

「何かしらGV。手短にね」

「あの部隊、動かせるようにしたら楽じゃない?」

「採用。じゃ、救援しましょうか。ナイン」

「私の任務を邪魔しないで!」

 

ナインが手のひらサイズの筒を取り出し…ピンを抜いた。

それを思いっきり振りかぶり、投げる。

…戦闘中の2つの部隊の真ん中に落ちて…。

 

「GV!目を瞑りなさいよ!!」

「え、わっ」

 

HK416に押し倒され、視界の端で閃光が見えた。

今の、閃光で機能を阻害する手榴弾だったのか…。

人形とは思えない柔らかさを感じつつ、慌てて謝る。

 

「ごめん、416」

「さっさと立つ!行くわよ!」

蒼き雷霆(アームドブルー)よ!」

 

ダートを3体の人形に撃ちこみ、雷撃鱗を展開する。

鉄血の人形は3体とも爆散する。

 

「立ったまま死ね!!」

 

その爆発を縫ってUMP45とナインが肉薄し発砲。

G11と416も負けじと射撃で制圧していく。

 

…グリフィンの人形部隊も状況を把握し、各々が射撃を開始していた。

このエリアの制圧も時間の問題か。

 

「…義理は果たしたわ!移動よ!」

 

すぐに戦闘エリアから離脱しに掛かる。

…味方にも、姿を見られないように。

 

 




ここから更に戦闘に介入しつつ、司令室を目指す。
…歌は、まだ聞こえていた。

…はい、およそ一ヶ月ぶりにこちらを更新しました。
どうにも息抜きの方が思いのほか反応が良くてこっちを続けるかどうか迷っていました。

完結まで、なんとか持って行きたいなぁ。

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