【完結】蒼き雷霆の最前線   作:塊ロック

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GVがちょっと情緒不安定過ぎたかもしれない…。
今回はGV癒やし回。
ナインに癒やされよ。


まるで逢引の様に

 

グリフィン本部が管轄している街だけあって、治安が良く外観も綺麗な場所だ。

 

そんな中をナインと一緒に歩いていた。

 

「でね、その時G11がね」

 

ナインは今までの作戦で面白かった事、楽しかった事をボクに聞かせてくれていた。

 

「そうなんだ。よく45が許したね」

「45姉はその時ね、」

「へぇ…」

 

ナインなりに気を遣ってくれているのだろうか。

…そう思うと、ボクも早く404に馴染んだ方が良いのだろうか。

 

「あ、GV見てコレ!」

「これは…ペンダント?」

 

露天のオジサンがボクたちを値踏みするように一瞥したが、すぐに視線を前に戻した。

 

「GVはいつもペンダントしてるから…私も何か買おうかな」

「これは、お守りなんだ…家族から貰った、大事な」

 

…かつて、シアンから貰ったペンダント。

凶弾に斃れたボクを救ってくれた、大切な御守。

 

「そうなんだ…あ、見てみて、猫!」

「可愛いね…買うの?」

「いくらなんだろう…」

 

オジサンが値札を指差してくれた。

…そう言えば、ボクのお給料ってどうなってるんだろう。

 

「これください!」

「毎度」

「GV、着けて着けてー」

「え、しょうがないなぁ…」

 

首を少し上げて待つナインの首にかけてあげる。

道行く人達が微笑ましそうにボク達を見て笑っている。

 

何となく、平穏を感じてしまう。

 

「…ねぇ、あの子の目…」

「何で治さないのかしら…」

 

そんな声を聞いてしまうまでは。

 

「…!」

「GV」

 

振り返ろうとして、ナインに手を掴まれた。

ナインは、笑っている。

 

「良いんだよ。GV」

「ナイン…」

「おじさん、ありがとう!ほら、行こうGV!時間は有限なんだよ?」

 

何時もと変わらない様子でナインが笑う。

 

「GVは、どこに行きたい?」

「え…」

 

その姿が、重なってしまった。

 

「…GV?どうしたの?大丈夫…?」

「なん、あれ…」

 

気が付くと、ボクは涙を流していた。

とても、とても大切な家族。

 

二度も守れなかった家族を思い出して。

 

「…よしよし」

 

そんなボクを、ナインは抱き締めて頭を撫でた。

 

「大丈夫だよ、GV。私達は、家族だ…家族は、GVを見捨てたりしないよ」

「…ありがとう、ナイン」

「うん。辛い事があったら言ってよ…私は、GVの味方だよ…416も、G11も、45姉も…だから、私達を頼って?」

「…ごめん」

「あはは、謝らないでよ。いこ、GV」

 

ナインに手を引かれて、再び歩き出した。

 

「ね、GV!この前新しくオープンしたお店があるんだ!」

 

この日は、ずっとナインはボクの手を握っていた。

 

 

 




次回は…416と絡ませようかな。
GVと404のメンバー一人ずつ絡ませて、五人で何かさせて。

そこから新しい仕事を。

ちょっとずつ、GVに幸せを。

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