416が出掛けると言っていたけれど、何を買うのだろうか。
「……一体どれだけ買うのさ」
「今回使ったりした資材とか配給の補給ね。まだまだあるから持ってもらうわよ」
「はいはい……」
既に両手には紙袋が2つ。
これ以上増えていくのだろうか。
「……あ"」
「?どうしたの416」
急に416が女の子が出しちゃいけない声を出して立ち止まった。
視線の先には……見覚えのあるおさげ。
「M16……」
「よう、416。久しぶりだな……おお?ガンヴォルトじゃないか!」
相変わらず獰猛な笑みをする人だ。
「そうか、無事だったか……今は、404預かりなのか」
「そうだよ。今は……416達に良くしてもらってる」
「ハハッ、そうなのか。よろしく頼むぜ416」
「……ふん」
416はそっぽを向く。
この二人は何か確執でもあるのだろうか。
「今日は買い物か?」
「そんな所。そっちは?」
「こっちも似たようなモンだ。そうだ、妹たちに会っていくか?」
「前に話していた?」
「ああ。お前さえ良ければ……」
「GV、行くわよ」
416が踵を返して歩いて行ってしまった。
……その様子にM16がため息を吐いた。
「すまんな、あいつはいつもああなんだ」
「……何かあったんですか?」
「昔、な……」
これ以上踏み込まない方が良いかもしれない。
「あいつを頼むぜ、ガンヴォルト。ああ見えてナイーブな奴なんだ」
「うん。ボクは、チームの一員だからね」
「……上手くやれてるみたいだな。安心したよ」
そう言うと彼女はボクの頭をぐしぐしと乱暴にかき乱す。
「やめてよ、M16」
「おっと、悪いな。何だかお前は弟みたいだからな」
「弟って……」
「私に弟が居たらこんな感じかもしれない、ってね」
「初めて言われたよ、そんな事」
「そうか?年の近い誰かに可愛がられてた事、無かったのか?」
そう言われて、ふとジーノとモニカの顔を思い浮かべてしまった。
フェザーを抜けた今、二人に会うことはもう……無い。
「……すまん」
「気にしないで。ボクが選んだ道だ」
「GV!いつまでそいつと油売ってるの!?行くわよ!!」
「あっ!わかったよ!……それじゃ、またね」
「……またな」
結局このあと、416の機嫌を取るために自腹を切ってアイスを奢ったのだった。
(結局、理由は聞けず終いか……)
誰にだって、触れてはならない過去はある筈だから。
「どうしたの?GV」
「何でもないよ……416、今日はこれで全部かな」
「そうね。GV、これがこの街よ……大体地理は把握できたかしら」
……わざわざ、買い出しと言う名目で連れ出してくれたのか。
「……うん、大丈夫。ありがとう」
早く吹っ切れて、皆の役に立たなきゃいけない。
ここまで良くしてくれる人が居るのだから。