辺り一面に広がる光景に、誰もが言葉を失う。
余りにも凄惨で……まるで、悪夢の様だ。
「……この先よ。正直、この先へは行きたくないけど」
45がそう言うが、覇気がない。
「注意して進みましょう。突然起き上がって襲ってくるかも」
「了解……」
鉄血人形の残骸の山を進む。
途中途中で警戒を怠らず、全員で陣形を組みながら進む。
ここまで氷は届いていなかったのか、濡れてはいない。
「妙だよ。こいつら、オイルすら零してない」
G11が呟く。
所々欠損しているが、その場所から出血している人形が少ない。
放置されてからそれなりの時間が経っている?
「まるで、材料にされたみたいね」
45が呟き……ハッとした顔をする。
「まさか、最近出現してる妙な鉄血って……こいつらから作られてた?」
なるほど、確かに……パーツがこれだけ揃っているなら不可能ではない。
ふと、視界の端で何かが光った。
「ん……?」
「どうしたの?GV」
「いや……何か光った様な気がして」
「まだセンサーが生きてる奴が居るのかも。警戒して」
センサー類の光……?
いや、どちらかと言うと反射の光だった様な。
「糸……これは!気を付けて!」
人形の残骸に糸が張り巡らされている!
屋外だと言うのに、そこら中に!
気が付かなかった……。
「うわぁ!?動いたよ!?」
G11が悲鳴を上げる。
鉄血人形の残骸が立ち上がり始めたのだ。
「ひっ……さっきからホント何なのよ!」
「一気に抜けるわよ!!」
ボク達も走る。
幸い、動きは鈍いのかすぐに引き離せた。
「このまま目の前の建物まで入るわよ!あそこが目的地……!」
「45姉!上!」
「何……!?」
「危ない!」
45の襟を掴んで引き寄せる。
上から、巨大な鉄塊が降ってきた。
「私とした事が……ごめんなさいGV、助かったわ」
「構えて。敵だ」
硬い音を発てながら、鉄塊が立ち上がる。
丸みを帯びたフォルムに、まるでとんがり帽子の様な頭部。
「こいつは……!」
「ロボット!?」
「後ろに誰か居るよ!?」
「いや、アレは操り人形だ!アイツは……
パペットワイヤーの能力者、
「………………」
やはり、テンジアンと同じ様に一言も発しない。
「アレを何とかしないと、先には進めそうにないわね……GV、対策は?」
「人形とのコンビネーションに注意して……なんとかアレを倒せれば、アスロックだけになる」
「オーケー。各員、狙いは人間の方よ!行くわよ!」
連載開始から一年経過しましたが未だに終わる気がしない……。