かつて、スメラギによる能力者一斉告発のトリガーとなった……ある少女に付けられた名前。
教会の奥、誰かが……奇跡的に無事を保っているステンドグラスに照らされて、蹲っていた。
否、祈っている。
この世界の、何へ捧げる祈りだろうか。
「……やはり、来たのですね」
頭に揺れるリボン。
この子を、ボクは知っている。
少女は立ち上がり、アメジストの様に煌めく瞳をボクに向ける。
「パンテーラ……!どうして生きている……!キミはあの時、」
「ええ、あの時間違いなく……貴方に殺された筈でした」
パンテーラ。
かつて、迫害された能力者達を束ね……能力者の為の世界を想像しようとした組織、『エデン』のリーダーだ。
幻影を生み出す
ここまでに対峙したテンジアンとアスロックは、彼女の力による幻影だった。
「じゃあ、どうして」
「あの時、私の中に存在したエネルギーが行き場を無くし爆発しました。私自身のうちから生じたものです……死んだ、私はあの時はそう自覚しました」
「………………」
先に突入した404の姿が見えない。
どこかに潜んでる……?
「そのエネルギーが奇跡的に別の世界の扉を開いた……そんな仮設も、あながち否定は出来ません」
「じゃあ、どうしてボクはここに居る……!」
「抑止力、なのかもしれませんね。私と言う異分子を始末する為に、この世界が探した答え」
「お前を倒せば、ボクは元の世界に帰れるってことか」
今までにないシンプルな結末だ。
「果たして、倒せるでしょうか」
パンテーラの背に、ホログラムの様な蝶の羽が広がる。
「!それは、シアンの……!」
「私の中に
パンテーラが、浮かび上がる。
ダートリーダーを握り締める。
「パンテーラ、お前は……この世界で何をするつもりだったんだ」
「エデンの再建を」
「ここには能力者はいない!一握りの人間と、人間らしい人形達が戦う世界だ!ボク達は必要ない!」
「やはり、貴方とは戦う運命にあるようですね。人形と言えば……先程入ってきた彼女達は、知り合いでしょうか」
「なっ……45達の事か!」
何ということだ。
既にパンテーラの手に堕ちていた?!
「彼女達には眠って貰いました。然るべき場を整え、賛同してもらう為に」
「45も、ナインも、G11も、416も!お前の理想になんて感化はされない!」
彼女達は皆、それぞれ戦う理由がある。
パンテーラの語るまやかしの愛なんて、最も必要が無いだろう。
ただ、全員生きている。
「私達の邪魔は、させない!」
「迸れ!
解けた魔法に、もう一度
次回、激闘・パンテーラ。
最終回まであと少し。