【完結】蒼き雷霆の最前線   作:塊ロック

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力を失ってもなお、苛烈な攻撃を仕掛けるパンテーラ。
その前に立ちはだかるのは、翼を失った一人の少年。

異世界で起こった悲劇の続きを、終わらせる。


決戦

放たれるカードを避ける。

以前対峙したパンテーラとの姿の差は大きい。

 

宝剣やミラーピースで変身した姿とは打って変わってそのまま蝶の羽を生やしたような姿だ。

 

「ハァッ!!」

「くっ……!」

 

投げられるカードを躱す。

パンテーラの攻撃は単純だ。

手にしたトランプのカードを投げる。

ただそれだけ。

 

だが、

 

「!」

 

カードの着弾点から緑のタワーが次々と生えてくる。

そこから飛び退り、パンテーラにダートを撃つ。

 

「くうっ……!?」

 

パンテーラに雷撃を浴びせ、次の行動に備える。

今度は水鉄砲があらぬ方向から飛んでくる。

 

水は駄目だ、当たってはいけない。

数々の第七波動(セブンス)を駆使する戦い方は以前となんの遜色もない。

戦いにくい。

 

「はぁ!!」

 

パンテーラが氷の剣を生み出しこちらに飛ばしてくる。

走り回りとにかく回避した。

先程から雷撃を浴びせ続けているのに、まるでダメージが無い。

何故……!?

 

 

 

 

―――――――――――

 

 

 

――きて

 

お―――――

 

――――い

 

――――――――――

 

 

お願い、目を覚まして。

 

 

「う、うう……」

 

あたまが、痛い。

強制的に意識をシャットダウンさせられたからだろうか。

 

「そうだ、GV……」

 

――彼は今、戦っているわ。

 

「誰……」

 

――私は、シアン。

 

「シア、ン……?GVの、家族?」

 

――そう、ね。GVは、私の、とても大事な人。

 

「知らせなきゃ……」

 

あれ、体がうまく動かない。

さっきのパンテーラとかいう奴にやられたからかな。

 

「うっ……頭痛い……」

「45姉……」

「ナイン、無事みたいね……立てる?」

「ごめん、体がうまく動かなくて」

「ちょっと待ってて。今見るわ」

 

――お願い、力を貸して。

 

「ごめん、私今動けなくて……」

「ナイン?誰と話してるの……?」

 

私にしか聞こえないのかな。

 

「416とG11は援護に向かったわ。けどあまり状況は良くない。GVの攻撃が効いてないみたいなの」

「いか、なきゃ……」

「応急処置しか出来ないから、大人しくしてなさい。すぐ戻るわ!」

「45姉……」

 

――私なら、なんとか貴女の身体も動かせるわ。

 

「本当に?……GVがピンチみたいなんだ……助けてあげて」

 

――ありがとう……名前、聞いてもいい?

 

「私は、UMP9」

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「GV!生きてる!?」

「416!良かった!生きてたんだね!」

「そこっ!」

「くっ……降雷吼!!」

 

416達へ向けられた攻撃を落雷で相殺する。

 

「援護するわ。存分にやって。行くわよG11」

「……やられたままじゃ寝てられないね」

 

二人が駆け出す。

ボクも走り出して、二人を抜き去り雷撃を放つ。

 

「たかが人形が増えた所で!」

「立ったまま死ね!」

「くっ……煙幕か!」

「45!ナインは!?」

「残してきたわ!後で回収に行くから、さっさと片付けるわよ!」

「了解!うわっ!?」

 

突風が吹き、煙幕が一瞬で吹き飛ばされた。

 

「面倒ね……GV以上に万能じゃない。これまで攻撃は?」

「ずっとしてた」

「何よ、全然ピンピンしてるじゃない」

「謡精の力かも。ボクだけじゃ貫けない」

「ピンチね」

「本当に」

 

さて、どうしたものか。

ボクの攻撃が全くと行って言いほど効いていない。

向こうの攻撃もカゲロウを貫けないのでボクにもダメージが無い。

お互いのエネルギーが切れるまで続くいたちごっこだ。

 

「私達が隙きを作るから、最大火力入れなさい!」

 

45が駆け出す。

 

最大火力、か。

アレを使うべきだろうか。

 

「人形が!」

 

迷ってる場合じゃない。

飛び出そうとした瞬間、声が聞こえた。

 

「駄目だよ、GV」

「ナイン……?」

 

振り返ると、UMP9がそこに立っていた。

動けなくて置いてきた筈じゃ。

 

「今の貴方じゃ、あの子には勝てない」

「判ってる。けど」

「でも、大丈夫。歌は、貴方の中にあるから」

「え……」

 

ナインの背中に、一対の翼が開く。

この翼、まるで、電子の謡精……。

 

「まさか」

「歌うよ、GV。負けないで」

 

 

――解けない心 溶かして二度と 離さない 貴方の手を

 

 

「う、お、おおおおおおお!!!」

 

 

間違いない。

彼女は、この歌は。

ボクの身体に流れる歌は。

 

「アンリミテッドボルト!!」

 

蒼い雷が音を立ててどんどんと漏れ出てくる。

 

 

「私の歌が、きっと貴方を守るから」

 

「迸れ!蒼き雷霆(アームドブルー)!偽りの歌を貫き滅ぼせ!!」

 

 




謡精、復活。
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