この世界の実情を知った彼が取る行動とは。
ーーーーグリフィンのとある基地。
「ここが、キミ達の」
あれから数人と合流し、飛行場と見られる場所からヘリに乗り移動した。
「ええ。私達の拠点…PMC、グリフィン&クルーガーよ」
「PMCか…確かに軍隊の様には感じられなかったけど」
個々人の使う武器の形状もバラバラ、よくある統制された衣服でもなかったのでてっきりレジスタンスか何かだと思っていた。
WA2000は、基地に併設された飛行場から移動する際に言った。
「悪いんだけど、貴方を取調室に連れて行かなきゃいけないの」
「まぁ、妥当な判断だとは思います」
「…冷めてるのね」
「馴れてます」
疑われるのも。
ボクはテロリストだったのだから。
「…助けて貰っておいて最低ね、私」
「組織なんですから。気にしないで良いですよ」
「本当に、子供とは思えないわね…貴方は」
子供、か。
当たり前だけど14歳という年齢はまだまだ子供であると世間では認識されている。
「私も、出来る限りの事はするから」
「ありがとうございます。それじゃあ」
連れてきてくれたWA2000にお礼を言う。
ドアの前に立っていた武装した男性に目配せをして、中に入る。
「…キミが、ガンヴォルトだな」
部屋の中は、窓の無い、中央に椅子と机があるだけの簡素な造りだった。
その部屋の中に、冷たい雰囲気を纏うモノクルを掛けた女性が立っていた。
「…はい」
「架け給え」
促されるままに座る。
机を挟んで向かい側に女性が座った。
「君は、我がグリフィンが戦闘行動を行ったていた地域に無断で侵入していた。それだけで独房行きの犯罪であることは知っているか?」
「いいえ」
「ほう?知らなかったとシラを切るか?」
眼光が鋭くなる。
…しかし、知らないものは知らないのだから答えろと言われても困る。
「本当に知りませんでした」
「そうか。ではあそこで何をしていた」
「それは…」
答えられない。
気が付けばあの場に居たからだ。
「答えられないか」
「…答えろ。貴様の目的は?鉄血か?それともただのガラクタ漁りか」
「わかりません」
埒が明かない。
この状況を打開するための情報を、ボクは何一つ持ってないのだから。
「あれだけの力を持っている人形だから、プロテクトが強固なのか…面倒だな」
…人形?
「しかし、未成年男子を外見モデルにした戦術人形か…珍しい」
「待ってください、人形ってどういう事ですか」
「貴様、新造の戦術人形ではないのか」
戦術人形…?
さっきWA2000を襲っていた奴らの事なのだろうか。
「違います、ボクは人間です」
「信じると思うか?放電する人間など」
困ったな…材料がなさ過ぎる。
「た、大変です!上級代行官!!」
「なんだ…」
慌てた様子で男性が駆け込んでくる。
「鉄血の奇襲です!何者かにこの基地の座標がリークされています!!」
「何だと…!?」
女性はボクを睨めつける。
「待ってください。ボクは無関係だ!」
「そいつを独房へぶち込め!」
「ハッ!」
ここで騒ぐのは得策ではない。
機会を待った方が良さそうだ。
「拳銃も没収だ…なんだこれは」
ダートリーダーも取られてしまった。
…参ったな。
一点ものだからなるべくなら壊さないで欲しいんだけど。
ボクは、そのまま連行された。
ガンヴォルト、独房行き。
勿論GVがリークする訳でもなく帰投経路からバレた訳だがそれはまたべつの話。
次回、迸る蒼き雷霆。