TS転生したら幼馴染が光の奴隷でした   作:生野の猫梅酒

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Chapter25 未だ、覚醒(めざ)めず/Not Awaking

 ──この世のありとあらゆる物事全て、努力すれば叶うと思うのは大間違いだろう。

 

 人よりも努力して、頑張って、汗水垂らして夢を追えば理想は実現するのか? いいや、否だ。それで本当に成功できる奴なんてほんの一握りにすぎず、たいていの努力など徒労という言葉一つで片付けられてしまう。

 成功した人間はすべからく努力している──そんな格言もあるらしいが、これも下らない世迷い事にすぎない。成功という結果を手に入れてない人間だって、やはり努力してない訳ではない。なのに、どうしようもなくこの世界とは残酷で、ほとんどの人間の結果は悲しいかな実らないのだ。

 前置きが長くなってしまったが、つまり()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ということだ。それですべてが罷り通る世界など、所詮は泡沫のごとき夢幻にすぎないのだから。修行すれば最後はどんな敵にも勝ててしまう、英雄譚の主人公とは違うのだ。現実はそう都合よくは出来てない。

 

 だから結論、努力なんて下らないのだ。

 報われる保証もないのに、正しい痛みをいつまでも我慢できる人間などいるはずがない。

 程ほどに頑張って、程ほどに手を抜いて、”本気”なんて出すだけ損だから普段体で。他者がどうなろうと知ったことはないから蹴落とし、自分が楽に生活できるようにだけは維持する。これが人としてもっとも賢い生き方であり、真面目に生きたところで甲斐がないのは疑いようもなく。

 

 故にこそ、邪竜はまだ目覚めない。

 討ち滅ぼすべき真の勇者がやって来るその時まで、ひたすらに宝の山を抱えて眠り続けているのだ。

 

 ◇

 

 フランクフルトの一角にある酒場で、オレとアルは運ばれたビールを片手に座っていた。

 新西暦初の酒に躊躇するオレを片目に、アルは何か場慣れした大人っぽい雰囲気すら漂わせてビールを呷った。さすがに飲む量は一口二口程度だが、存外仕草は堂に入っている。

 オレも負けじと客らしく振舞うために一口飲んでみたが……苦い。思わず渋い顔になったのをどうにか取り繕ったら、アルからもニヤッと笑われる始末だ。「どうせ子供舌だよ畜生」なんて目線で抗議しておいた。

 なんだか差を見せつけられてちょっと悔しいけれど、今はそれより重要なことがあるのを忘れてはならない。

 

「随分と若いな」

「ああ、もしかしたらオレらとそう年齢は変わらない……どころか、年下かも?」

「なんつーか、世も末って感じだわな」

 

 麻薬の密売人らしき赤髪の男を油断なく見張りつつ、ごく小さな声でアルと意見を交わし合う。

 仮にも違法組織の人間であるのなら、少なくとも相手は大人で間違いないと考えていた。それがどうにも若いというか、たぶんオレたちよりもまだ若い外見なことに動揺を禁じ得ない。

 この新西暦ではこんな若者ですら違法行為に手を染められてしまうのか。まあ帝国首都にスラムがあったり、この地は戦争の最前線にほど近い地域なのだから不可避といえばその通りではあるものの。底辺を這いずった者としてはやや悲しくなってしまう。

 

 犯罪の片棒を担ぐ生き方をしないでも、仰ぐべき光さえ見つけられれば堂々と陽の当たる道を歩むことも出来るのに。

 どうして自分から後ろ暗い生き方を選択してしまうのか。少なくともオレたちよりはまだ用意された道も多かっただろうに、あまりにも勿体ないと感じる。

 だけどこれはあくまでオレ個人の考えであり、人に押し付けられるようなものでもない。価値観なんて人それぞれなのはついさっき思い知らされたばかりなのだから、自分の答えが全てに通じる最適解とは思わないし思えない。

 

「オレたちとは違って選択肢もあったろうになぁー……ま、それも僻んでるようなもんか」

「少しくらい羨んだって大和(カミ)様の罰とやらはあたんねぇさ。それにあれだ、悪いことするような奴を羨んだってしょうもないだろ」

「どうであれ、偉いのは真面目で正道を行ける奴か。そりゃそうだな」

 

 生まれも育ちも関係なく、凄い奴は凄いし駄目な奴は徹底的に駄目である。

 その中で少しでも良い方を目指す人間もいれば、せっかくの立場や才覚を棒に振ってしまう人間もいるだけの話だ。そこについて考えたところで何が変わる訳でもない。

 などとビール片手にアルと話しているものだから、気分は酒場で管を巻いている大人な感じだ。もし機会があれば是非ともクリスも誘って三人で一緒に酒を飲んでみたいものである。まあクリスが飲酒を好むようには見えないが、まさか弱いこともないだろうし。ギルベルトを誘っても楽しそうだ。

 などと益体もないことを考えつつ、耳だけは例の青年へと注目させていたのだが──

 

「じゃあ取引成立……とする前にだ。ちっとばかし気になることがあるもんでな」

 

 不意打ち気味に立ち上がった赤髪の青年が、いきなり周囲を舐めるように見渡した。油断ない眼光がオレたちの方を見て、通りすぎ、また別のところへと投げられる。どうみても警戒している動きだ、まさかバレてしまったのか?

 青年の思わぬ仕草に反射的に身体が強張ってしまうが、平静を装って普通の客らしくビールに口を付ける。やっぱり苦いが気合で我慢だ。

 どうにか穏便に終わってくれるとありがたい──などと考えてはいたものの、生憎と大和(カミ)様は気紛れであるらしい。

 

 赤髪の青年はふとこちらに目を留めると、ツカツカと真っすぐ歩み寄ってきた。

 

「そこのお二人さん、ちょいと良いか?」

 

 剣呑な声音だ。近くの何人かが反射的にこちらへ振り向いた。

 誤魔化すことは、もう出来そうにない。

 

「……なにか俺たちに用ですかい?」

「いや、用って訳じゃねぇんだがな。その顔、見覚えがあるぞ」

 

 あくまで落ち着いた調子で答えたアルの顔を、青年は訝し気に眺めてくる。

 ついでオレの方も覗き込むように観察してくるものだから咄嗟に顔を逸らしてしまったのだが……どうやら、彼はその心当たりに行きついてしまったらしい。

 

「見た事ある面構えだと思ったら、お前たちは確かアドラー帝国の軍人だったか……ああ、話には聞いてるぜ、戦場で武勲を挙げた叩き上げの兵士だってな」

「……それはまた、どうもありがとうございます」

 

 ひとまず対外的な笑みを浮かべ、柔らかい態度で応対した。しかし疑念の眼差しは弱まらない。

 さらに周囲の客たちの視線がこちらへ集まってしまった。ひそひそと声を潜めたような会話も散見され、否が応でもオレたちがこの場での中心になっていると自覚させられる。

 どうにかして誤魔化しこの場を切り抜けるか? いや、もうそれも遅いだろう、軍人がいると知られた時点で警戒心は最高までなっているはずだ。だが力だけで切り抜けるにも今はオレたち二人だけ、ごり押しなんて真似は出来るはずもない。

 

「あの、まだなにか私たちに用でも?」

「軍人が酒を飲んでるなんざ珍しいと思ってな。ましてや有名人ならもっと良い店に行くかと思ったが」

「私たちだってたまには息抜きしたくなりますからね。ここは偶然見つけたのですが、中々良いところだと思いますよ」

「へぇ、そりゃ良かったな。ま、確かに人間息抜きは大事だ、いつだって本気で生きてちゃ疲れてしょうがねぇからな」

 

 大仰に手を広げ、肩を竦めるようなポーズをとる。表向きはこちらに共感しているような言い草であるが、その実小馬鹿にしているように感じてしまうのは気のせいでないだろう。彼はオレたちを下らない存在と言って憚っていないのである。

 ……なんだか、話しているだけで不快な男だ。何事にも本気で真面目に取り組む()()()()()()の姿勢をバカにされるのは我慢ならないところがある。もしアルがさりげなく抑えてくれなければ怒りのままに椅子から腰を浮かしていたかもしれない。

 

「で、つまりなんでしょうか? 用がないなら自分の席に戻ってもらえませんか?」

「おう、悪ぃ悪ぃ、別に用が無いってことでもねぇんだわ。つまりよ──」

 

 ヒュッ、と風を切って青年の手が動く。銀色の線が空を斬った。

 不意打ちに対して脳が理解するよりも先に身体が動いたのは普段の鍛錬の賜物だろうか。床を蹴って勢いよく立ち上がった衝撃で椅子が倒れ、けたたましい音が鳴る。だがそれ以上に、さっきまで首があった辺りを駆け抜けたナイフの一閃に驚かされた。

 静寂、店内の誰もが言葉を失い全ての動作が消える。

 そこから遅れること一拍、思い出したかのように店内に悲鳴が上がった。ほとんどの客が席から立ち上がってはオレたち三人から我先にと離れていく。まるで舞台の端役のように、オレたちを取り囲んでは遠巻きに見ているのだ。

 

「へぇ、やるじゃねぇか。女だてらに軍人をやってないってことか」

「当たり前だろ、お前みたいな奴にそう簡単に殺されてたまるかよ」

「ったく、出来るだけ穏便に行きたかったんだがなぁ……仕方ねぇか、こうなりゃ武力行使だ」

 

 バキバキと拳を鳴らしながらアルも立ち上がった。こうなればもう手段は選んでいられない。ひとまずこの赤髪の青年を取り押さえ、すぐにでもクリスたちを呼ばなければ。

 一触即発の空気が流れる。互いが互いの出方を窺ったのはほんの一瞬のことだった。

 まずは先手必勝、数で勝っているオレたちで速攻をかけてしまう。いくらこの青年が凶器を持ち、かつ手練れだとしても現役軍人たるオレたちに敵うなどとは思えない。

 対する青年は不自然なほどに冷静だった。その視線はオレたち二人ではなく、何故かアルだけに向けられている。まさかオレのことは眼中にないのか──そう訝しんだところを狙いすましたかのように、横合いからコップが飛んできた。

 

 咄嗟に右腕で弾き、そっちへと向き直った。

 

「な、なんだッ!?」

「はいはーい、酒場で喧嘩はご法度ですよ!」

「やるなら外でやってくれって話ね。それが嫌なら私たちが相手になるのでそのつもりで!」

「はぁ?」

 

 そこにいたのは、なんと金髪双子ウェイトレスのティナとティセである。どちらもモップを槍の様に構えてこちらへと向けている。どことなく場にそぐわない可愛らしい雰囲気であるが、どうにも侮れない風格のようなものを滲ませているのだ。

 今はそんな場合じゃない、なんて叫んでみても聞く耳持たずだ。既にアルの方は青年だけでなく、他にも紛れ込んでいたらしい()()()()()()()()()()()()と殴り合いに入っている。早くそっちの手助けに入るか、どうにかして持たされた爆竹を鳴らして外の二人へと連絡をしたいのだが──

 

「おっと!?」

「あ、すばしっこいですねー!」

「待て待てー!」 

 

 思った以上に勢いのある槍捌き、ならぬモップ捌きを見せつけられるとそうも言っていられない。咄嗟に落ちていたお盆を掴み、それでどうにかいなしていく。大丈夫だ、クリスの放つ神速の突きよりはまだまだ遅い。見切れない速さではなかった。

 ポコン、ポコンと間抜けな音を響かせながら一対二の戦いをどうにかいなして逃げていく。あまり時間はかけたくない。この双子が何者で、どうしてオレの妨害をしてくるかを考えるのは後回しである。今は一刻も早く仲間を呼びたいのだ。

 

「おいアル、そっち平気か!?」

「ま、なんとかな! つーかレーテは何やってんだ、メイド二人と遊んでないでさっさとこっち来てくれ!」

「んなこと言われてもな、意外とこの二人手練れなんだよ──」

 

 互いに別々の相手をしながら叫び合う。アルの方はオレよりもひどい一対三という状況だが、さすがに男性故の体格や筋力もあってか遅れは取っていない。ただ長引かせればじり貧だろうし、ここはどうにかして加勢したい。

 殴り合い、取っ組み合いの激しい音が耳に届く。壁の方に寄った客たちはまだ楽観視しているのか、それとも酔いが回ってこれも余興だと考えなおしたのか、呑気なことに観戦している始末だ。いったい何を考えているのやら。

 

「ったく、出来ればやりたくなかったんだけどな!」

 

 さすがにこんな事で膠着しても埒が明かない。仕方なくお盆をティナの方に投げてまずは足止め、その間に近くに転がっていた酒瓶の口の方を握り締めた。間髪入れずに突き出されたモップの穂先を酒瓶でいなし、空いた左手の手刀でモップを弾き落した。

 

「あっ!」

「やられた!」

「ったく、なんか気が抜けるなー……」

 

 やってることは麻薬売買の現場を直接抑えるという結構なことなのに、どうしてこうも緩い感じなのか。この奇妙な双子がいるだけで場の空気が弛緩してしまうからどうにもやり辛い。それともこれが二人の持ち味なのだろうか。

 ともあれ、片方は無力化したとなれば後はやりようもある。外に内部の異常を伝えるだけなら、むしろもう少し手っ取り早い手があるじゃないか。

 懐の爆竹を取り出し、それを高々と掲げて叫んでみる。

 

「爆弾がここにあるぞー! 早く逃げなきゃ全員一緒にお陀仏だぞー! それでも良いのかー!?」

 

 もちろんハッタリである。そんな派手に爆発してオレたちごと心中なんて起きるはずもないが、いかにもな円筒形の筒を見せられれば誰だって不安がるだろう。オレだってたぶんビビると思う。

 これがただの一般人なら言わずもがなである。呑気にオレたちの乱闘を眺めていた他の客たちもさすがに状況のまずさを悟ったのか、急いで出口の方へと走り出した。地下の酒場から階段を駆け上がり、地上へとワラワラ出ていく。狙い通りだ。

 

「これでクリスたちにも異常は分かる。いきなり出入口から客が押し寄せてくれば誰だって分かるだろ」

「お、考えたな、レーテ!」

 

 用心棒を殴り倒しながらアルが途切れ途切れに言う。さすがに疲れてはいるようだが、まだまだ元気そうだ。しかし赤髪の青年はまだ捕らえられておらず、もう一人の用心棒はまったく以って元気そうである。

 これで双子を除けば二対二か。さすがにタイマンでの戦いならそう簡単に負けはしないし、すぐにオレの知る最強の男がやって来る。問題は少しも存在しないだろう。  

 

「ったく、ここは良い隠れ蓑だと思ったんだがなぁ……こうなりゃ仕方ねぇか、撤退だ。この酒場も放棄するしかねぇ」

「撤退? そんなのオレたちが許すと思うか?」

「それが意外と簡単なんだよ。なぁ?」

 

 青年の目線がオレを飛び越え、さらにその後ろへと注がれた。待て、そこにいるのは確か──

 

「ここらが潮時ってことですねー」

「ウェイトレスも楽しかったけど背に腹は代えられませんもんね。という訳で、さようなら!」

 

 双子の弾んだ声が店内に響くと共に何かが床を転がった。それが手榴弾ではなくスモークグレネードの類だとすぐに理解した時にはもう遅く、一気に噴き出した白い煙幕(スモーク)に視界を奪われてしまう。とんだ隠し玉を出されたと言わざるを得ない。

 ハッキリとしない視界の中で下手に動くのは危険だ。とはいえ何もしない訳にもいかず、すぐに出口の方に走ってそちらの警戒にあたったのだが……クリスとギルベルトが突入し、煙幕が払われた時にはもう、床に伸びている用心棒の()()を除いて誰も残ってはいなかった。

 

 ◇

 

「く、はははッ。まったく助かったぜ、礼を言わせてくれよ」

「別に構いませんよ。それが私たちの仕事ですから」

「でもお礼をくれるってんならありがたくもらうよー?」

「悪いな、生憎と持ち合わせがねぇんだわ」

 

 青年の哄笑が路地裏に響く。それを冷めた目で見ているのは、金髪が似合うウェイトレスの二人だ。

 言うまでも無くティナとティセの双子と赤髪の青年の計三人である。彼らは見事にあの酒場から脱出を果たし、のうのうと難を逃れていたのだった。

 

「それにしても驚きましたよ。有事の際は隙を見て煙幕を投げろ、なんて前に言ってましたけど、いつの間にあんな隠し通路を用意してたなんて」

「見つけたのは偶然だったが、これは使えると思ってな。旧暦の遺物の中に作られた酒場だから、一見分かり辛い非常扉も案外とあるんだよ」

「なるほど、そういうことですか。でも意外ですね、そんな抜け目ない一面があったなんて」

 

 ティセの言葉はもっともだった。まるで世の中を舐め腐ったかのような態度と仕草からは程遠い周到で抜け目のない行動である。実のところ用心棒をわざと殴り倒して見捨てたのすら、逃げる際に邪魔になるという冷徹な損得勘定からだ。

 少なくともこれだけの事が出来る周到さと、あの場から逃げおおせる機転と脚の速さはあるのだ。もっと真面目に生きることだって十分に可能な能力はあるだろうに、どうしてこんな生き方をしているのか。

 

「決まってるだろ、その方が楽な生き方だからだよ」

 

 それとなく訊ねた双子に帰ってきたのは、当然だろうと言わんばかりの答えだった。

 

「確かに、本気で頑張ればこんな芸当だって可能だ。だけど考えてみろよ、毎回こんな手間をかけるような仕事でいったい誰が得できる? 頑張って用意したから報われる、救われる、そんな保証はどこにもない。なら俺は楽な方を取るね、そっちの方がよほど賢い生き方さ」

「それがあなたの生き方なんですか」

「なんだか勿体ない気がしますけど、それも人それぞれですものねー」

「言ってろ。俺の人生は俺だけのもんだ。叶うかも分からない理想に全て費やして燃え尽きるなんざ真っ平ごめんなもんでな」

 

 人生なんて一度きりであり、ならばこそ後悔をするような生き方なんて損なだけ。

 本当に賢い奴ならもっと手を抜いて生きるし、それでしっかり楽をするのだ。この青年はあくまでもそんな理論に基づいて動いているだけであり、いうなれば甘い蜜だけをどうにか啜って生きるために、ちょっとだけ本気を出している小悪党に過ぎない。

 

「んじゃ、俺はそろそろ行くとしようかね。すぐにこの隠し通路もバレるだろうから、あまり長居しても面倒だ」

「では、私たちもこの辺で」

「また縁があればお会いしましょう」

「おう、じゃあな」

 

 鷹揚に片手を挙げ、赤髪の青年はその場を去る。

 双子はその後姿をただ黙って見送り、そして同じく背中を向けたのだ。

 

「にしてもあの女……そんなに良いもんだと思ってるのかね、頑張って生きることがよ」

「それにしてもあの女性、いったい何者なのでしょうか」

「他の端末に接触できればもうちょっと詳細な情報も……でも思い違いだったら面倒ですしー……」 

 

 ──未だ、光の信奉者が彼らの道と交わることはない。

 

 その時まで、あと数年だ。




既に皆さまご存知のことかと思いますが、つい先日、本作の原作である『シルヴァリオヴェンデッタ』及び『シルヴァリオトリニティ』の製作元の会社であるグリーンウッドが解散となりました。
それに伴って新西暦サーガの三作目の発売も危ぶまれている現状ではありますが……ひとまず、私の二次創作へ懸ける熱意は少しも衰えてはおりません。むしろますます原作の良さを知ってもらうべく精進していく次第です。

つきましては読者の方には変わらず新西暦サーガ共々本作を応援していただければ、一作者・一ファンとして非常に光栄な話です。
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