戦場最強の二人が学校で生活するそうです~魔術と機械のエージェント~ 作:翠晶 秋
ルーンバスター!
ゴーレムをルーンで粉砕した。
「今、何を!?」
「何を…とは?」
「膨大なルーンを使ったのはわかったけど、風じゃ切りきざまれるし、火なら炎が見えるはず!あんなに早く粉砕するって、何をしたの!?」
レンナ先生が青ざめた顔でこちらに詰め寄ってくる。
別に重要な情報ではないので、俺はレンナ先生やクラスメイトにこのルーンの種明かしをすることにした。
目の前で体育座りをするクラスメイトと先生。
俺は借りたチョークを持ち、レンナ先生お手製の黒板に絵と説明文を書く。
「まず、俺が使った魔法だが、名前を【魔銃ルーンバスター】と名付けた。この
「銃?」
「そうだ。銃というのは本来鉄で作り、振動を減らして相手を遠距離攻撃する武器たが…」
腰元のホルスターから銃をとりだし、一度リロードしてみせる。
「このように、リロードには時間がかかるものだ。それで話を戻すが、今回はルーンで銃をつくって見た」
「ルーンで!?」
「そうだ。まずは風のルーン」
岩に緑のチョークで大きな丸を描く。
そして、その中に赤いチョークで小さい楕円を描いた。
「まずは風のルーンを手の中に作り、さらにその中で火のルーンから高温の炎を出す。熱した空気は風のルーンで逃さないように巡回させる」
そして黄色のチョークで弾丸のマークを緑の円のふちに1つ描いた。
「土のルーンで岩の弾丸をつくる」
次は青のチョークで赤い楕円の回りに点々をつける。
「氷や水のルーンで熱した空気を一気に冷やす。そうすれば…」
「
ノアが手を上げる。
「そうだ。それで
「待って。それじゃあ、あんな威力は出ないんじゃない?」
「確かにそうだ。だから、水蒸気爆発による爆発を風のルーンで全て岩に当てる。上手くいかなかったら岩にひびが入るがな」
そこで講義をやめる。
辺りを見渡すと、みんなが口をぽかんと開けていた。
やはり、そこまで面白くなかったか。
「俺の頭で考えられるのはこれくらいでな。悪かった、つまらない話で時間をとったな」
「ぜんぜん!ぜんぜんつまらなくなんてないよ!むしろすごいよ、ノイン君!」
「長年教師やってきたけど、こんなこと考える人は見たことなかったなぁ…」
「すっげえ!ノイン、すっげえ!」
「語彙力無くなってまスよ。でも、ほんとにすごい…」
「あぁ。盲点だったな。…これ、訓練した者が攻めれば国を落とせるぞ…?」
クラスメイトや先生から投げ掛けられる称賛の言葉。
いきなりのことに驚いていると、先生が俺に話しかけた。
「しっかし、まさか同時に五つもルーンを操るなんて。どんな脳の構造してるのさ、常人にはできないよ?」
「そうなのか?」
「そうそう。本来なら三つ同時に制御できて良いほうなんだよ?」
確かに、どっと疲れた気がする。
ルーンの制御を誤ったからこうなっているのだと考えていたが、脳が悲鳴を上げているのかも知れない。
「とりあえず、授業目的は達成でいいのだろう?俺は疲れてしまった」
「もちろんだよ。これからも、励んでもらいたいものだね」
「うおおお!負けねぇぞおおお!」
「僕だって!」
「あそこまでは行けないっスけどね!」
「良いものを見せて貰ったな」
「次はノアの番、です!」
誤算だったが、みんなの士気が上がったようで何よりだ。