戦場最強の二人が学校で生活するそうです~魔術と機械のエージェント~   作:翠晶 秋

10 / 35
校内対抗戦~ガチンコ勝負に硝煙を沿えて~
ルーンバスター!


 

ゴーレムをルーンで粉砕した。

 

「今、何を!?」

「何を…とは?」

「膨大なルーンを使ったのはわかったけど、風じゃ切りきざまれるし、火なら炎が見えるはず!あんなに早く粉砕するって、何をしたの!?」

 

レンナ先生が青ざめた顔でこちらに詰め寄ってくる。

別に重要な情報ではないので、俺はレンナ先生やクラスメイトにこのルーンの種明かしをすることにした。

目の前で体育座りをするクラスメイトと先生。

俺は借りたチョークを持ち、レンナ先生お手製の黒板に絵と説明文を書く。

 

「まず、俺が使った魔法だが、名前を【魔銃ルーンバスター】と名付けた。この()()がポイントだ」

「銃?」

「そうだ。銃というのは本来鉄で作り、振動を減らして相手を遠距離攻撃する武器たが…」

 

腰元のホルスターから銃をとりだし、一度リロードしてみせる。

 

「このように、リロードには時間がかかるものだ。それで話を戻すが、今回はルーンで銃をつくって見た」

「ルーンで!?」

「そうだ。まずは風のルーン」

 

岩に緑のチョークで大きな丸を描く。

そして、その中に赤いチョークで小さい楕円を描いた。

 

「まずは風のルーンを手の中に作り、さらにその中で火のルーンから高温の炎を出す。熱した空気は風のルーンで逃さないように巡回させる」

 

そして黄色のチョークで弾丸のマークを緑の円のふちに1つ描いた。

 

「土のルーンで岩の弾丸をつくる」

 

次は青のチョークで赤い楕円の回りに点々をつける。

 

「氷や水のルーンで熱した空気を一気に冷やす。そうすれば…」

水蒸気爆発(すいじょうきばくはつ)、です」

 

ノアが手を上げる。

 

「そうだ。それで(弾丸)が押され、前方に射出という寸法だ」

「待って。それじゃあ、あんな威力は出ないんじゃない?」

「確かにそうだ。だから、水蒸気爆発による爆発を風のルーンで全て岩に当てる。上手くいかなかったら岩にひびが入るがな」

 

そこで講義をやめる。

辺りを見渡すと、みんなが口をぽかんと開けていた。

やはり、そこまで面白くなかったか。

 

「俺の頭で考えられるのはこれくらいでな。悪かった、つまらない話で時間をとったな」

「ぜんぜん!ぜんぜんつまらなくなんてないよ!むしろすごいよ、ノイン君!」

「長年教師やってきたけど、こんなこと考える人は見たことなかったなぁ…」

「すっげえ!ノイン、すっげえ!」

「語彙力無くなってまスよ。でも、ほんとにすごい…」

「あぁ。盲点だったな。…これ、訓練した者が攻めれば国を落とせるぞ…?」

 

クラスメイトや先生から投げ掛けられる称賛の言葉。

いきなりのことに驚いていると、先生が俺に話しかけた。

 

「しっかし、まさか同時に五つもルーンを操るなんて。どんな脳の構造してるのさ、常人にはできないよ?」

「そうなのか?」

「そうそう。本来なら三つ同時に制御できて良いほうなんだよ?」

 

確かに、どっと疲れた気がする。

ルーンの制御を誤ったからこうなっているのだと考えていたが、脳が悲鳴を上げているのかも知れない。

 

「とりあえず、授業目的は達成でいいのだろう?俺は疲れてしまった」

「もちろんだよ。これからも、励んでもらいたいものだね」

「うおおお!負けねぇぞおおお!」

「僕だって!」

「あそこまでは行けないっスけどね!」

「良いものを見せて貰ったな」

「次はノアの番、です!」

 

誤算だったが、みんなの士気が上がったようで何よりだ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。