戦場最強の二人が学校で生活するそうです~魔術と機械のエージェント~ 作:翠晶 秋
「では、校内対抗戦で大将を勤めさせてもらうノインスだ」
時は経ち、実戦練習の授業。
俺達は運動場までやってきていた。
「今回、俺は【ルーン・バスター】を使えないが…」
「懸命な判断だと思うっス。あれ使ったら校内対抗戦どころじゃないっスよ」
「お前たちには、ルーンを用いた奥義を作ってもらおうと思っている」
「奥義!奥義ってあれだろ、今までのルーンマスターなら誰もが持っていた、あの!」
「そうだゼータ。校内対抗戦は五人でしか出ることができない。大将と副将は俺とノアで埋まっているから、残りの三人は今回の授業で決めさせてもらう。それでいいか、先生?」
「うん、いいよ。死傷がなければなんでも」
「わかった。ではまず、全員の得意なルーンから────」
そうして、短期間の特訓が始まった。
みんなそれぞれの得意なルーンを伸ばし、そしてその応用で苦手なルーンも強化した。
中には、自分だけのルーンを開花させたやつもいる。
その例がこれだ。
◇
「うーん…」
「どうかしたか、ゼータ?」
「んお、ノインか。いや、俺は火のルーンは得意なんだが氷のルーンが苦手でさ」
氷のルーンは火とは真逆。
見ればゼータの周りには火のルーンしかいない。
そうとう火のルーンに愛されているようだ。
「ふむ…では、火のルーンを使って氷を作ればいいのでは?」
「…は?何言ってんだ、お前?」
「これは俺が作ったルーンを集める腕輪なんだが…」
「いきなりすげえの出してきたな!?」
「レンナ先生は、ルーンにはいくつかの分岐があると言っていたな」
例えるなら、火は【炎】や【爆炎】に。
【炎】は火のルーンの威力を増したものに、【爆炎】はルーンを発動させると爆発が起こるという。
ルーンの得意分野を絞れば絞るほど、その得意分野に対するルーンの威力は増す。
「ゼータは火が得意なのだから、その火のルーンの分岐を使って氷を生み出せばいい」
「ちょ、ちょっと待てよ。だとしても、火の派生で氷が作れるルーンなんてあるのか?」
「現時点ではないな。だから、新しいのを作る」
「…はあ!?お前そんなこともできんの!?」
「人間、やれないことは無いんだぞ。生身ではやれずとも、それなりに工夫をして成し遂げてきた」
言いながら、周りに火のルーンを集め、そのルーンの
見えた。
氷を作れるものと言えば、これしかないだろう。
「ルーンを腕輪にセットした。あとは火のルーンからその腕輪を通してそのルーンに変わるから、それで練習するといい」
「おい待てよ。何をセットしたんだ?それを知らないと始まらねえ」
「ああ、すまない。【熱】のルーンだ」
「────ッ!!なるほど、ありがとな、ノイン!」
◇
ゼータは才能だけはある。
熱と言っただけで、その場に氷塊を作った。
種は簡単、ゼータは氷が苦手なだけなので、水のルーンは難なく集められる。
そして、水のルーンから【熱】を奪い取る。
それだけで、簡単に氷を扱う事が可能なのである。
その他みんなも自らの得意分野を発露させたのだが、結局はライカが辞退し、校内対抗戦に出るメンバーは決まった。
メンバー(俺も含める)は当日までルーンの研究を頑張り、着実に力を上げていった。
そして、当日が来た。