戦場最強の二人が学校で生活するそうです~魔術と機械のエージェント~ 作:翠晶 秋
次の試合はノア…のはずなのだが、あまりにも強すぎて相手が一方的にやられてしまったので、俺の試合も纏めて紹介しよう。
『ノアVSフェノック!戦闘、開始!』
「麗しい…僕は富豪の息子でね。負けてあげてもいいけど、その代わりにそのたおやかな手を僕の手に添えて───」
「長いです!一撃、必殺!」
「はびゃ~…」
………うむ。
これはひどい。
どうやら相手はノアに惚れているらしく、長ったらしい自己紹介の末に負けるから嫁に来いと言っていた。
まあ、長いセリフのせいでノアに思いきり蹴られてしまったが。
ちなみにだが、ノアが持ち込んだ武器はナックルに数々の刃が付いているいわゆるチャクラム、さらに下辺に剣が組み込まれているブレイド・チャクラムと呼ばれる物だ。
相手の錯乱を誘うために帯もついており、ノアが戦うとその容姿と相まって踊り子のようである。
『…………うぃ、ウィナー、ノア…?』
『そうですね、これは完全にフェノックさんが油断をしていたと言っていいでしょう』
『こんなときだけ真面目に解説しないでほしい』
次は、俺の試合なのだが…これに関しても、やってしまったと思っている。
『ノインスVSティリス、戦闘、開始!』
「俺から行かせてもらうぜ!くらえ!」
ティリスと呼ばれた男が、俺に向かって氷の塊を飛ばしてきた。
それも、【風】のルーンで弾速を速めて、だ。
彼には才能があるのだろう。
一見、脳細胞が弱めに見える彼だが、彼の作戦は経験と計算から裏付けされたものだった。
ティリスは、何も持ち込んでいない。
単純にルーンだけで戦おうという意思が見えた。
ので、【熱】のルーンで氷を全て水に変えたあと、【土】のルーンの分岐の【砂】のルーンで泥水を作り、【風】のルーンで泥水を飛ばしてティリスを泥まみれにしたのち、【氷】のルーンの派生、【凍】のルーンで氷像にした。
……ルーンを使って戦うのがはじめてなので、舞い上がってしまったのかも知れない。
俺の勝利アナウンスで我に帰って氷を溶かしたのは良いものの、これではブリーチ戦に使う作戦が一つ減ってしまった。
ちなみにだが、トーナメントであるこの校内対抗戦。
Sクラスの相手はAとBクラス、我らFクラスはCとEクラスとの戦いなので、Cよりも弱いEクラスは余裕であった。
むしろ、見所が無かったといっても過言ではない。
「やはり、Sクラスは勝っているか」
「当たり前っちゃ当たり前だな。と言うより、本当に俺たちが勝てるのか?」
「不安だよぉ…」
「大丈夫、です!」
「Sクラス、どんな人が出るんスかね…」
いずれにせよ、結局戦わなければいけないのだ。
イレギュラーでも起きない限り、俺たちならば勝てる。
そう、五人全員が一辺に戦うとか、そんなイレギュラーがない限り────
『え?なんです?あ、はい。今!学園長の気まぐれで、最後の試合は兵士3人、副将1人、大将1人の5人全員で一気にやることになりました!』
『学園長………頭おかし、あっ、ちょっと何するんですか先生方、せくはら、せくはらぁぁぁぁあああ…』
『妙な事を口走ろうとした妹が連行されて行きました』
最初の言葉によって、俺はその場に崩れ落ちていた。