戦場最強の二人が学校で生活するそうです~魔術と機械のエージェント~ 作:翠晶 秋
俺達が連れてこられたのは、大きな闘技場。
テストをするんじゃなかったのか?
そう思っていると、レンナ先生が口を開いた。
「ペーパーテストだと思ってて驚いた?今年のテストは実技なんだよ」
「口調が軽くなったな、先生」
「そりゃそうさ。あのカタブツ学長がいないからね」
緑色の髪を揺らし、クスクスと笑う先生。
…何か引っ掛かる。
テストが実技なのは納得したが、俺にはある疑問があった。
「先生、実技とは言ったが、誰と戦うんだ?相手がいないぞ」
「ふっふっふ…驚くがいい!!!君たちの相手は…こいつだ!」
そういってレンナ先生が手を地面に向けると、ずもも、と人形の土塊が出てきた。
ルーンゴーレム。
噂には聞いていたが、実物を見るのは初めてだ。
「なるほど、ルーンゴーレムならバランスのいい戦闘ができる。良い案だな」
「よぉしよし。んじゃあ、ノアちゃんからやってもらうよ?勝利条件は人間の死亡条件と同じ。どんな手を使ってもいいよ」
「わかりました、です」
「それじゃあノインス君、下がって」
レンナ先生と俺は闘技場からすみに下がり、闘技場にはノアとルーンゴーレムしかいない。
「じゃあ、ノインス君合図して。先生はゴーレムの操作で忙しいから」
俺は苦笑し、腰元から弾の入っていない愛銃を取りだし、空へ構える。
「それじゃあ行くぞ。…はじめ!」
パァン、と空砲が鳴り、ノアVSゴーレムの戦いが始まった。
まず、先手をかけたのはルーンゴーレム。
体の土を右腕に少し移動させ、威力の増したパンチを繰り出す。
ノアはいつも使っているような武器ではなく、ベルトに数本挿しているナイフを使うようだ。
パンチを避け、すれ違い様に腕を抉るノア。
場所が入れ替わったところで、次に仕掛けたのはノアだった。
ベルトのナイフを両手に四本ずつ、指の間に挟んだノアが繰り出したのは…。
「終わり、ですっ!」
そのまま突進をするだけ。
勢いを見るに、フェイントをかけようともしていない。
「なにそれ、そんなの…!」
レンナ先生はゴーレムを操作し、カウンターを出そうと試みる。
ノアに迫る土の腕。
と、その時。
ノアは跳んだ。
ゴーレムの首もと目掛けて。
腕にナイフを刺し、腕力で体を持ち上げ、空中で一回転。
そのまま、落下しながら勢いに任せてゴーレムの首を斬った。
「えっ」
隣から間抜けな声が聞こえる。
ノアがゴーレムの顎を蹴りあげれば、その首ははるか彼方へすっとんでいった。
「テスト、これで大丈夫、です?」
「えっ、あっ、ううん、うん。合格かな」
レンナ先生が狼狽しながらも答える。
さて、次は俺の番か。
「さぁ、レンナ先生。ゴーレムを出してくれ。一度それとは手合わせしてみたかった」
「わ、わかったよ。じゃあ、次の合図はノアちゃんね」
俺の目の前にゴーレムが現れる。
ノアに合図を送ると、ノアは手に白い旗を持ち…。
「よーい、はじめ!ですっ」
パァン
ゴーレムの首が砕けた。
俺の
横を見れば口をパクパクさせているレンナ先生。
「なんだ、もっと硬いのかと思った」
「非常識すぎるよぉ!」
レンナ先生は顔を赤くし、激昂した。