戦場最強の二人が学校で生活するそうです~魔術と機械のエージェント~ 作:翠晶 秋
レンナ先生お手製のゴーレムを粉砕したその後。
俺達は、学園の廊下を歩いていた。
「まったく…。確かに何をしても良いとは言ったけど、一撃ってぇ…。ノアちゃんもすごい技術持ってるしぃ…。合格なんだけど!」
「悪かった。どれぐらいの硬度があるのか試してみたくてな」
「機動力、すごい、です。機械は、あんな早く、ない、です」
試験は合格、まずはクラスに紹介をするそうだ。
制服や校内案内、授業は明日から始めるとの事。
「じゃ、まずは私がみんなに伝えるから、合図があったら入ってきて」
「わかった」
「わかりました、です」
俺達は廊下で待ち、先にレンナ先生が教室に入る。
しばらく待ち、『では、入ってきてー!』と声が聞こえたので扉を開けて教室に入る。
クラスは俺達を含めても少なく、7人程しかいない。
俺達の学年は2年として編入しているので、二階のクラスだ。
因みに3年まであるらしい。
端のクラスなのでまだちゃんとクラス全員そろっていないらしい…と、そんな事を考えている時間じゃなかった。
「初めましてだな。俺はノインス。機械大国から来た。よろしく頼む」
当たり障りのない自己紹介。
これでノアに繋ぐ。
「初めまして、です。ノア、と言います。ノインと、同じ、機械大国から、来ました。よろしく、お願いします」
ノアはやはりというかなんというか、俺の事をノインと呼ぶ。
「んじゃあ、クラスのみんなは順に自己紹介してってねぇ。じゃあ…ゼータ君からね!」
ゼータと呼ばれた灰色と白の入り交じった髪の男が、立ち上がって俺に拳を突き出してくる。
「俺はゼータ!将来の夢はルーンマスター!よろしくな、マイブラザー!」
そう言って突き出した拳をずいっと強調してくる。
とりあえずとこちらも拳を突き出せば、ゼータは満足したのかうんうんと頷きながら席に座った。
…頭が悪そうな印象を受ける。
「よかったスね、ゼータ!ゼータの冗談に合わせてくれる人が来てくれて!」
「冗談じゃねぇ、
ゼータの隣の席に座っているオレンジ髪のポニーテールの女がゼータをからかう。
その子は満足したのか立ち上がると、自己紹介を始めた。
「フィオナっス!!好きなことは町遊び!よろしくっス!」
そう言ってピースを作り出し、頬に当ててポーズをとるフィオナ。
ノアが同じポーズで返すと、撃たれたように胸を押さえながら席に座った。
…やはり頭が悪そうな印象を受ける。
「えと、ライカ。趣味はルーン研究…かな…?と、とにかく、よろしくね」
気弱そうな少年が立ち上がり、遠慮がちに自己紹介をする。
…ライカはまともそうだ。良かった。
「そして、私がセルカ。先生もこんななのでな、私がクラスをまとめている。よろしく頼む」
「こんなってどういうことっスか!ねぇ!ねぇ!」
「そうだぜ!俺はこのクラスに縛られるような器じゃねぇ!」
…こいつもまともな印象を…オイ待てセルカ、同志を見るような目をするな。
俺は嫌だぞ、このクラスをまとめあげるのは。
「よし、自己紹介は済んだね。今日の授業はおやすみ!みんな、ノインス君とノアちゃんをもみくちゃにしろー!」
「えっ、待て、先せ────」
「ハイハイ質問でーす!」
ピシィッ!!!!と効果音が付きそうなくらい、フィオナが手を上げる。
よくよく見れば、大人しそうな印象のライカやセルカの目も心なしか光っている。
…今日一日、離してはくれなさそうだ。