戦場最強の二人が学校で生活するそうです~魔術と機械のエージェント~ 作:翠晶 秋
クラスメイトに質問責めされた日の夜。
俺達は、生徒が宿泊している寮に来ていた。
「ここで、いいんだよな…」
「寮、です」
横を見ても同じ形の寮がずらりと並んでいるので、どれが宿泊する寮かわかりづらい。
地図を見て再確認したあと、ドアをノックする。
すると中から『はーい』という声が響き、やがてドアが開けられた。
「どちら様…ってノイン君!それとノアちゃんも!」
「夜分遅く、すまないな。本来なら明日の予定の学園案内を今日に回してもらったんだ」
扉の陰からひょっこりと顔を出したのはライカ。
水玉のパジャマを来ていて、一瞬女性かと見間違えた。
ちなみに、ライカが俺の事をノインと呼んでいるのは、ノアがそう呼ぶからじゃあそっちにしよう、ということでノインが正式に広まった。
…意味がわからない。
「案内を今日に?どうして?」
「いち早くルーンの授業を受けたい。聞けば、ルーンの授業は明日だそうじゃないか」
「ルーン、興味がある、です」
「そっか!ルーンって面白いよ!何もないところから火を出したり水を出したり…っていつまでも外でゴメン!さ、上がって上がって!」
慌てた様子のライカに通されたのは、寮のロビー。
品が高く、それでも控えめな装飾で飾られ、学生が使う寮とは思えなかった。
「ずいぶんと良い寮だな」
「最近はルーンの暴発が多くて魔物がたくさん出てるんだ。だからルーンの扱いに長けた人をたくさん作るために、ここまで待遇を良くしてくれるんだよ」
「なるほど、魔物か」
ルーン大国であるフォールンの周りには、ルーンが集まって発生した魔物と呼ばれる生命体が発生する。
ルーンを餌として良く好み、同じくルーンに適正のある人間も襲う対象であるようだ。
ちなみに我等が機械大国では古代文明の機械が人間を要らない物として排除しようと襲ってくる。
「ここは僕たちのクラスと…あと隣のクラスの人も宿泊してるよ。朝になったらまた自己紹介だね」
「…今度は質問責めにされたりしないよな?」
「………」
「なにか言え。不安になるだろう」
「これがノアちゃんの部屋の鍵、こっちがノイン君のだよ」
そういうことを言っているのではないのだが、ライカはこちらの話を完全に聞いていない。
「男子は二階、女子は三階に部屋があるから!じゃね!」
「オイ待て貴様…行ってしまったか」
「じゃあ、探索がてら、休憩する、です?」
「…ハァ。そうするか」
そうして俺はノアと寮の探索をし、夜中に起きてきたフィオナに驚かれるのだった。