戦場最強の二人が学校で生活するそうです~魔術と機械のエージェント~ 作:翠晶 秋
「今日はルーンについての授業をしまーす!」
学園に編入した翌日。
俺達は試験の時にも来た闘技場までやってきていた。
「うおおおおっ!待ってたぜぇぇぇ!」
「落ち着けゼータ。ノインとノアは初めてなんだぞ?」
ガッツポーズをとるゼータをセルカが止めている。
その隣ではライカが目をキラキラさせてレンナ先生の言葉を待っていた。
そういえば、ライカはルーンの研究が趣味だと言っていたな。
「そうそう。ノイン君とノアちゃんは初めてだから、みんなにはおさらいとして説明しよう!」
そういうと先生は地面に手をかざし、何かを引っ張るような動作をした。
すると、地面からずもも、と岩の板が浮き上がってきた。
「これがルーンの力。ルーンは主に四種類あって、火、水、風、土。でもそれだけじゃなくって、雷とか、氷とかのルーンもあるんだよ。ルーンは今も新しい物が発見されようとしている」
岩の黒板にチョークでルーンの種類を四つ書くレンナ先生。
ゼータ達はそんなことわかっているとばかりに、うんうんと頷いている。
「まずは、ルーンの見方から教えようか。今からルーンでゴーレムをゆっくり作るから、それを見て。ゴーレムや私に集中するんじゃなくて、景色全体を見るんだよ」
先生が目を閉じ、地面に手をかざす。
言われた通りに景色全体を見ていると、先生のかざした地面から、なにかが集まってきた。
小さく、色は黄土色。それでいて丸くて光っている。
そのなにか────おそらくルーンであろうそれは、先生の手に集まると一筋の光となって地面に突き刺さった。
レンナ先生がその空を掴むようにして腕を上へ引っ張っていくと、周りの土が光にくっつくように浮き、やがて一つの人形を作り出した。
「どお?ちゃんと見えた?」
「俺は見えた。黄土色だったな」
「ノアも、見えた、です」
「それはよかった。じゃあ、次はどんなふうに集まるのか見てみよっか。ゼータ、ちょっと良い?」
「うっす!やります!」
呼ばれたゼータは拳をとん、と合わせると地震満々に前に出る。
「みんなは下がってて。よしゼータ、あれをボコボコにしてまえ!」
「っしゃああああっ!!」
ゼータが咆哮すると同時に闘技場の松明から膨大な量の赤い光がゼータの右腕に集まり、その瞬間にゼータの腕は燃え上がった。
ゼータはそのまま手を突きだすと、腕の炎がゼータに先導されるようにゴーレムに向かっていく。
高熱にさらされたゴーレムはピシリとひびが入り、やがてがらがらと崩れた。
「しゃっす!終わりました!」
「おーおー、相変わらずすごい威力よねぇー。こんなふうに、ルーンは物からとるものなんだよ。火のルーンは燃える炎から。土のルーンは地面から、みたいに」
「ゼータの腕が燃えていたが、それは大丈夫なのか?」
「おうよ!ルーンを使って炎を出したりすると、そのルーンを使った人は耐性がつくんだぜ!」
なるほど、つまり火のルーンを使ったゼータには、そのルーンを使っている間だけ火に耐性ができたから無事、と言うわけか。
「まぁこんなものだよ。さぁ、ここからは実際にやってみよう!この学園は凄くてね、火も水も、ルーンが宿る物がたくさんあるんだ!新しいのが発見されたら、すぐに導入されるんだよ!」
「得意なルーンを深く研究できるのが良いところっスよ!」
「わからないところがあったら私か周りに聞いてごらん?今日の授業目的はゴーレムをルーンによる攻撃で破壊することだよ!解散!」
その言葉が放たれた途端、クラスメイトはどたどたと駆け出した─────