ハイスクールD×D忌避されし存在   作:ダーク・シリウス

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授業参観と三大勢力会談

授業参観当日―――。

 

学園に生徒の父母や兄弟姉妹等、彼等彼女等の従者であるメイドや執事達が来訪してきて対応が多忙に追われる。その中で一際に目立っているのが兵藤家と式森家の者達だ。びしっと着たスーツ姿だったり、派手な装束の出で立ちで高級車から出てくる。皆、思い思いの正装で授業参観の為に訪れている姿を視界に入れるとDの肩に大きな鳥、鷹が空から降りて来た。見覚えのある鷹を見ていたら、三人の男女が朗らかでDに近づいていた。

 

「D、久しぶり!」

 

「お久しぶり、D。元気にしてた?」

 

「本当に警備員として働いているんだなお前。くくっ、似合ってないな?」

 

アップにまとめた髪が特徴の女性と砂色の色合いが強いブロンドを一本に束ねた端整な顔立ちをした赤い双眸の美女、ガタイのいい茶髪のヤンキーが肩に白い二股の猫を乗せてDと接触した。

 

「・・・・・夏梅、ネコザメ、ヴァレリー。どうして」

 

「久々にDの顏でも見に行こうかって話になってさ。鮫島も都合がよかったから誘ったのよ」

 

鳥がそういう女性の腕に止まり、九桜が足元の影から飛び出してDの肩に乗って登場した。

 

「であれば好都合であるな。今日はアザゼルが何やら会議をするらしくヴァーリを呼び出す予定じゃ」

 

「わぉ! なんて偶然なのかしら。あの子の顏も見ましょうよ鮫島」

 

「おーいいぜ。久々にルシドラの顔を拝んでやるよ。あとネコザメじゃねぇから」

 

「ふふ、楽しみ。それにしても人が多いけれど今日は何かあるの?」

 

ヴァレリーの指摘に九桜が、授業参観だと告げる。

 

「ああ、だから正装の姿をした人達が多いわけね」

 

「つーか、そんな時に俺等がいてもいいのかよ」

 

「・・・・・一緒なら」

 

「Dの働く姿を見ながら話すのも楽しそうだわ」

 

あ、確かに。と同感する夏梅。

 

「・・・・・ネコザメ」

 

「だからネコザメじゃねって。なんだD」

 

「・・・・・プレゼント、全部幽霊?」

 

「は?」

 

「なになに?鮫島から何を貰ってたのよ?」

 

「・・・・・段ボール一杯、女の裸のDVD」

 

次の瞬間。夏梅が鮫島の耳を強く引っ張り出した。

 

「あんたっ! Dになんてモンをプレゼントしたわけ!? しかも段ボールってどれだけ集めてたのよこの変態ヤンキー!」

 

「いててっ!? 耳引っ張るな皆川! というか幽霊が出るようなもんを送った覚えはないって!」

 

「・・・・・? 実際に出てきた」

 

「テレビから幽霊が?」

 

Dは頷き三人のその証拠を見せる為に寮長室へ招いた。ここで暮らしているDの部屋の中を興味深そうに見回す友人達の前に大量のDVDがある段ボールを出し、夏梅の顔を真っ赤にさせた。

 

「鮫島、あんたね・・・・・っ!」

 

「別にいいだろこれぐらい。Dだって男なんだからよ」

 

「限度ってもんを覚えなさい! こんな大量のエッチなDVDを見せてDを変態にしたいのか!」

 

「男はある程度スケベが丁度いいんだよ」

 

「裸の女の人の絵がたくさんあるのね。面白いD?」

 

「・・・・・まだ一度も見てない」

 

幽霊が出るという一枚のDVD『呪いのビデオ』を鮫島に渡すと怪訝に首を傾げられた。

 

「なんだこれ。こんなもんを送った覚えはないぞ」

 

「他は?」

 

「俺が直々に送った」

 

綺麗な夏梅の回し蹴りが鮫島の腹部に直撃する他所にテレビの電源を入れてDVDをセットすると、薄暗いどこかの場所に井戸があった。ジッと見ていた四人の目の前に井戸から白い手が出てきて、長い黒髪で見れない白衣を着た顔の女性が姿を現すとゆっくり画面に近づいてきて・・・・・ぬぅっと巨大なテレビからホラー映画のごとく相手に恐怖を抱かせながら出てきたのだった。

 

「・・・・・これ」

 

「これって、本当に幽霊じゃん!? え、大丈夫呪われない!?」

 

「・・・・・スゲー胸がデカい女の幽霊だな。触れるか?」

 

「お話しできるかしら?」

 

ホラーが苦手なようの夏梅がDの背後に隠れて涙目で怯える。たわわな胸の女幽霊に恐怖よりも興味津々な鮫島とヴァレリー達の前で女幽霊が顔を上げた。

 

「エット・・・・・知リ合イノ人デスカ?」

 

「・・・・・そう」

 

「ア、ソウナンデスカ? エト、始メマシテ。貞塚玲子ト言イマス」

 

「うぇ? えっと皆川夏梅、です」

 

「近頃の幽霊はこんな律儀なのか? あー鮫島綱生だ」

 

「ヴァレリー・ツェペシュです」

 

奇妙な出会いを経て、話せば怖くない幽霊だと認識した夏梅は程なくしてフレンドリーに会話が出来るようになった。

 

「もしかしてD。あの可愛い幽霊が見る度に出るかもしれないと思ってまだ他のDVDを見ていないってわけか?」

 

「・・・・・(コクリ)」

 

「それはないと断言させてくれ。お前が見せてくれたあのDVDだけだと思うから」

 

「・・・・・出てこない?」

 

「出てきたら出てきたで、お前にとっちゃあ悪くない話だと思うけどな」

 

何が悪くない話なのか理解できず首を傾げる思いで悩んで考え込むD。

 

「ねぇ、この子も連れて回っちゃダメ?」

 

「・・・・・身だしなみ」

 

「私が整えるわ!」

 

何故かやる気になってる夏梅を中心に玲子のビフォーアフターが始まった。

 

 

十数分後―――。

 

 

顔を隠していた前髪を分けて素顔を晒し、動きやすい黒いワンピースに赤い紐で長い髪を一本に結ったことで、誰もが魅了するスタイル抜群の女性が学園内の中を歩き回れるように変わった。

 

「今更だけど、貞塚さんってすっごい大きい胸だよね。顔も可愛いし」

 

「ソ、ソンナコトナイ。コノ胸ノセイデ撮影中ニ死ンデシマッタカラ」

 

「へっ!?」

 

「どうやって死んでしまったのです?」

 

「胸ノ重ミデ井戸ニ転落ヲ・・・・・」

 

うわぁ・・・・・と、何と声を掛ければいいか分からない死に方をした玲子に夏梅とヴァレリーは押し黙ってしまった。

 

「胸で死ぬこともあるのか・・・・・俺も胸で死んでみたいもんだぜ」

 

「・・・・・」

 

遠い目で何か悟りを開いた鮫島に無言で、Dはビシッと手でツッコミを入れた。

 

「ところでDとはどういう関係?」

 

「一緒ニ、学園ノ夜ノ見回リヲシテル。ア、アト添イ寝モ毎日・・・・・」

 

「そうなんだ。仲がいいのねー」

 

「コンナ私デモ、幽霊トナッタ私ガコンナ幸セナノハ、アノ人トノオカゲダカラ」

 

「もしかしてあなたもDのこと好き?」

 

「あ、顔が赤くなった。そうなのね? どこが好きになったのか教えてくれる?」

 

恋バナの花を咲かすようになった夏梅達を鮫島と共に学園内を案内する。寮にいる間、生徒達の家族は子供の教室の中に入っているようで、廊下を通ればがらんと誰もおらず無人の通路の中を歩けた。

 

「なぁ、兵藤家の連中も学園に通っているんだよな? 問題は起きてないのか?」

 

「・・・・・問題だらけ」

 

「そうよね。そうじゃなかったら信じられないわ。因みにどんな問題? やっぱり女絡み?」

 

「・・・・・暴力、脅迫、恐喝、強姦」

 

「えっ!?」

 

「おいおい。なんで世間に公表されって、ああ・・・・・兵藤家だからか」

 

「最初から問題は起きていない風にできるものね。本当、兵藤家って全員が全員そうじゃなくても最悪だわ。でも、Dが見逃すはずがないから女の子たちを守っているんでしょ? 九桜ちゃん」

 

「愉快なことに今ではDのこと『兵藤家の天敵』とまで学園に二つ名をつけられておるぞ」

 

ははは、納得できる。と夏梅と鮫島は笑って察した。学園で悪さした兵藤家はもれなくDに蹂躙される様子が目に浮かぶのだ。

 

「Dが警備員として働くようになったのって確かアザゼル総督だよね」

 

「俺達の目の前で『D、お前さん駒王学園の警備員になれ』って言い出したもんな。あれからもう三年か」

 

「過ぎた時間が早いですね」

 

もう四年前にもなる鳶雄達の怒涛な戦い日々。ただの一般人だった自分達が今では昔の自分と比べ物にならないぐらい裏の世界の住人となり摩訶不思議な力を得て強くなった。

 

「これからも平和な時間が過ぎればいいのにね」

 

「・・・・・儚い」

 

「兵藤家がいる限り平和じゃないだろって言いたいのか?」

 

それもあると思いながら頷くD。だが、他にも理由がある事をDだけは知っている。

 

「・・・・・そっち」

 

「私達は問題ないわ。通っている大学に兵藤家の人がいないし」

 

「毎日充実しているぜ。D、久々に一緒にツーリングでもしねぇか?」

 

「私もDのバイクに乗ってみたいわ」

 

「ア、アノ・・・・・私モイイデスカ? 興味アリマス」

 

「お、だったら俺の後ろに―――あだっ!?」

 

駄目に決まってるでしょうが! と夏梅に頭を叩かれる鮫島。

 

「貞塚さんもDのバイクに乗りなさい」

 

「いや、夏梅。お前だってバイク持ってるんだから乗せてやればいいじゃねぇか」

 

「・・・・・彼女を後ろに乗せたら気が気で無くなるのよ」

 

鮫島とDはそうなった二人の光景を思い浮かべ・・・・・納得した風に頷いた。

 

「やっぱり俺の後ろに乗せちゃダメかD?」

 

「・・・・・」

 

「選ぶのは本人次第じゃろうて」

 

下心が丸出しな鮫島はまた夏梅に叩かれた。

 

 

 

Dの働きぶりを見ながら学園の中を歩き回っているとあっという間に昼食の時間となった。子供と一緒に食べるか、別れて食べるかの二択を選ぶ一家は廊下に溢れかえって特大広間の食堂へ足を運んでいく。

 

―――食堂の壁際に分身体のDが間隔を空けて銅像のように佇んでいるのも含め、兵藤家の生徒を注視、監視をしている。というより兵藤家と式森家の二大皇族が授業参観に来ているので、学園中至る所にDの分身体が配備されている。騒ぎが起きたら騒ぎを起こした者への対処も直ぐに出来るようにだ。

 

他、男子寮や女子寮で食べる選択肢もあるので昼休みの間どこで食べようと自由だ。

 

寮で食べ終えた一行は軽く食後の運動をすることにバスケットをしようと、体育館に赴いたらそこでは撮影会が行われていた。

 

 

カシャカシャ!

 

 

フラッシュがたかれ、カメラを持った男達が、ステージの上でコスプレの格好をしている美少女を撮影していた。D達はコスプレの元ネタがわからず、目の前で繰り広げていた場違いな撮影に立ち尽くす他なかった。

 

「魔法少女のコスプレ?」

 

「・・・・ラヴィニア?」

 

「・・・・・着せたら凄いことになりそうだな」

 

「どうしてここで撮影をしているのかしら?」

 

「可愛イイ、トテモ人気ガアルコスプレナノネ」

 

程なくしてリアスとグレモリー眷属が体育館に現れた。

 

「あら、D」

 

「・・・・・」

 

リアスと目を合わせ、撮影会となってる野次馬に向かって指差す。

 

「・・・・・止める?」

 

「そうね。話がしたいからお願いできる?」

 

と言うことになって、鮫島の力も借りて野次馬達を散らし、コスプレした美少女だけ残ってもらったら、第三者達が現れた。複数人の女子と赤髪の青年、中年の男性を引き連れて。先頭に立っている男子生徒がDを見るや話し掛けてくる。

 

「Dさん、すみません。お手を煩わせてしまって」

 

「お? Dが敬われてるぞ。珍しいなどうしてだ?」

 

「そらアンタ。一人で兵藤家を鎮圧してる凄い人なんだぞ。誰もが出来ないことをしてのけるDさんは兵藤家の犠牲者達から絶賛の人気を誇ってる。教師も手を焼いていたり悩みの種であるから、尚更この人が学園に来てもらえなかったら被害者は更に増えていただろうさ」

 

男子生徒もDを人気の背中を押してる一人なのだろう。最悪の想定も織り交ぜて尊敬の念が言葉に籠ってる。

 

「うわぁ。そこまで? 兵藤家ってどんな教育をしてるのかしら。犯罪しかしていないんじゃない?」

 

「全員が全員じゃないだろうけれどよ。良い噂はほんと聞かねぇな」

 

辟易な思いが顔にも浮かび上がらせる二人。頷くDも同感だと・・・・・拳に炎を激しく燃え上がらせながら言った。

 

「・・・・・兵藤家、潰す。平和」

 

「「気持ちはわかるけどそれは駄目だ」」

 

そして、実現できうる力を秘めているから笑えない。目が据わって納得していないDに赤髪の青年が声を掛けて来た。

 

「初めまして赤龍帝、D」

 

「・・・・・サーゼクス・グレモリー」

 

「私のことは知っていたんだね」

 

「・・・・・シスコンのサーゼクス・グレモリー」

 

「ふふ、褒め言葉として受け取らせてもらうよ。ライザー・フェニックスとの『レーティングゲーム』は中々興味深く見させてもらった。『白龍皇』の力を振るえることも含めてね」

 

それがなんだと風に炎を消してサーゼクスに視線を向ける。

 

「こうして間近で立つと分かる。君自身もドラゴンだね?」

 

「「「・・・・・」」」

 

超常の存在に仲間を看破されようと平然として見守る姿勢を崩さない夏梅達。興味深そうな眼差しでサーゼクスは顎に手を添えた。

 

「アザゼルのもとに白龍皇のみならず赤龍帝、二天龍を抱えたと知った時は冥界全体が震撼したものだが、こうして新たに興味深いことが増えた。―――どうしてドラゴンが赤い龍の帝王を宿せるのか、をね」

 

「・・・・・」

 

「ドラゴンが人間との間にハーフを作ったのならば説明がつくが、人間界にドラゴンはいないしそもそもドラゴンは人間と子を設けない。ましてや人間がドラゴンに転生する術はないし、そんな技術はどこの勢力にも開発されていない。いや、していないのが正しいね」

 

それに―――と言い続ける。

 

「君ほど力のあるドラゴンが無名なのが不思議でたまらない。Dはドラゴンのイニシャルなのだろう? 可能ならば本名を―――」

 

「D、アップルパイよー」

 

不意にそんなこと言いだす夏梅へ機敏な反応で、サーゼクスから意識諸共アップルパイに振り返った。見せつけられる好物に足を動かして夏梅から受け取りに動き出す間、Dを隠すように前に出た鮫島が口出しする。

 

「Dに興味持つのはいいけどよ。あんま詮索してやんないでくれるか? 訊いたところであいつは自分のことなんざ一切言わないから何を言おうが答えちゃくれねぇぜ」

 

「君達もそうなのかい?」

 

「ああ、そうさ」

 

身体を小さく、狐の耳と九つの尾を生やすDが夏梅の手を掴んでアップルパイを食べていた。幸せそうに目を細め食べさせている夏梅や傍で見ているヴァレリー、玲子がほっこりと胸が温かくなっているに対して。

 

「「「―――――!!!」」」

 

サーゼクス、リアス、朱乃がDの姿を見て愕然と目を丸くし、誰かが「まさか」と呟く。

 

「そんな、あり得ない・・・・・」

 

「でも、あの顔は・・・・・」

 

「・・・・・」

 

三者三様の反応にこの場に居る殆どの者が不思議そうな顔で見つめる中。サーゼクスがDに近づき問うた。

 

 

                兵藤―――君かい

 

 

ピタリ、とDが動きを止めた。それは相手に是として認知させるような挙動で、逆にますます疑問が湧いた。どうして子供ではなく大人で人間じゃなくドラゴンになっているのかを。しかしそれを問うことが叶わなかった。

 

「・・・・・」

 

Dが敵意と殺気、殺意を決河の如くサーゼクスに向け、全身から迸る禍々しい闇のオーラで空気が重くなったからだ。数年前から交流してきた夏梅と鮫島、ヴァレリーでも、こんなDを久しぶりに見て言葉を失った。次いでDの魔力の領域がリアスを包み込み、魔力が針のように何百何千と具現化してそれらすべてリアスに突き付けられた。それらすべて攻撃すれば、少女の身体などあっという間に風穴が開くどころか肉片と化してしまうだろう。

 

「・・・・・二度とその名を口にするな。目の前で大切なものを無くしたくないなら」

 

「・・・・・」

 

冗談ではない。Dの脅し、脅迫は本気だと感じるに十分な意思表示を窺わせられサーゼクスは頷く他なかった。

 

「申し訳ない。君の前では二度と口にしないよ」

 

「・・・・・」

 

ジッとしばらく念を、釘を刺すようにサーゼクスを睨み続けるDだったが。やがて魔力領域と敵意と殺意も止めて一人体育館を後にした。

 

「待ってD!」

 

「ったく・・・・・冷や冷やさせやがるぜ」

 

「「・・・・・」」

 

追いかける夏梅達を見送るリアス達が残された後、息を吹き返すようにリアスが口を開いた。

 

「お兄様。本当に彼は、あの子なの・・・・・?」

 

「あの反応を鑑みても間違いないかもしれないね」

 

「でも、だって、あの子は・・・・・っ!」

 

「経緯はどうであれ、死んでいると思っていた者が生きていたということになる。そしてそれを堕天使側―――アザゼルが私達に秘匿していた」

 

「アザゼル・・・・・じゃあ、あの人も・・・・・? 何故・・・・・」

 

信じられないと吐露する朱乃も胸の奥から形容し難い感情が湧いてきた。リアスも衝撃の真実に感情が追い付けず動揺、混乱してしまいしばらく沈黙してしまう。サーゼクスはアザゼルに対し疑心暗鬼を生ずる。

 

「・・・・・是が非でも、アザゼルに問い質さなければいけなくなった案件が出来てしまったな」

 

 

 

 

「D」

 

「・・・・・」

 

我先のごとく先に進むDの手を掴んで引き留める夏梅。鮫島達も直ぐに追いついて立ち止まる。

 

「あなたの素性は大体知ってるから今更驚きはしないけれど、正体がバレてもDはDのままで突き通すのでしょう? なら、もっと堂々としていなさい」

 

「どうせいつかバレることだったんだ。皆川の言う通りあんま気にするなよ」

 

「私はあなたの過去を知らないけれど、DはDだと思うの」

 

「彼女ト同ジ。アナタガ誰ダロウト私ハアナタト一緒ニイタイ」

 

そう言ってくれる仲間達にDはただそれだけを言った。

 

「・・・・・ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

 

「お父様?」

 

「あ、朱乃? どうした怖い笑みを浮かべて・・・・・。仕事の都合で学園に行けなかったことがやはり怒って・・・・・?」

 

「いえ、違いますわ。ただ私に隠し事がありますよね?」

 

「隠し事だと? 大事な家族にそんなことは・・・・・」

 

「あらあら・・・・・嘘を吐くのですのね? 例えば十年前に謎の爆発で死んでしまった可愛い男の子のことを」

 

「・・・・・」

 

「だんまりをするなんて、朱乃は悲しいですわ。素直に謝ってくれたりお話をしてくれたら、この手でお父様に対して酷いことをしなくて済むというのに」

 

「待て、私に何をするつもりだ朱乃」

 

「簡単ですわ。協力してくれるお母様と一緒にお父様が隠していることを包み隠さず話すまで虐めるだけですもの。さぁ―――あちらの部屋で家族会議をしましょう?」

 

 

 

 

 

 

『す、すまないっアザゼルゥ・・・・・ッ! Dのことを娘達には、話してしま(バシーンッ!)ウウゥゥゥゥンッ!』

 

「あ、ああ・・・・・わかったバラキエル。バレてしまったらしょうがない」

 

『(バシーンッ!)アフンッ! ほ、本当に申し訳ないっ。―――ま、待て朱璃!? 娘の前でそれはっ、ア、ア―――――――――――ッ!!?』

 

「(・・・・・俺は何を聞かされているんだかな)」

 

「どうしたアザゼル。変な顔を浮かべて」

 

「あー、何でもないヴァーリ。ただ、Dのことがバレた程度だ」

 

「そうか。なら問題ないな。むしろ早くDと勝負をしてみたいよ」

 

「それは必ず現実となる。それまで大人しくしとけよ」

 

「ふふ、わかってるよアザゼル。しかしDがいた異世界で起きた事がこの世界でも起きるのだな」

 

「半信半疑だったもんがな。現実味が帯びたからには前以て行動して対処する。苦労を掛けるが頼んだぜ」

 

「わかってるよ。クロウ・クルワッハも乗り気でいるしオーフィスも協力的でいてくれる。私もしばらくは好き勝手にさせてもらうさ」

 

「まったく。何時の時代も二天龍ってのは相手のことを考えず好き勝手にしてくれるぜ」

 

「ふっ、それが―――ドラゴンらしいだろう?」

 

 

・・・・・。・・・・・。・・・・・。

 

・・・・・。・・・・・。

 

・・・・・。

 

 

三大勢力会談―――。

 

 

魔王、神、堕天使の陣営のトップが集い文字通り会談をする。それぞれの陣営の悪魔と天使、堕天使の軍勢が学園全体に張られた強力な結界の外で囲んでいるが、分裂したDの分身体達も警備に当たっている。会場となるのは、駒王学園の新校舎にある職員の会議室。時間帯は深夜。Dは職員会議室にいる各代表とその付き添いの者達を興味なさげに見回した。

 

「よーまー坊、アザ坊。酒を持って来たんだ。飲もうぜ!」

 

「そう言うと思って私も秘蔵の酒を持ってこさせたよ!」

 

「お前等二人は本当に仲がいいよな」

 

「「何せ親友だから!」」

 

・・・・・本当に会談を臨む者達の言動なのかと訝しむほど、和気藹々と酒盛りを始め出したのだ。三大勢力のトップ達がだ。

 

悪魔の陣営のトップ―――魔王フォーベシィ。かつて魔王ルシファー、ベルゼブブ、アスモデウス、レヴィアタンと肩を並んで五大魔王として冥界に君臨、悪魔を束ねていた。が、その昔、三大勢力で世界の覇権を懸けた戦争でフォーベシィを除いて全員共倒れ。以降は冥界で唯一の魔王として冥界を統治している。

 

天使の陣営のトップ―――神王ユーストマ。天界を統治する役職を与えられた熾天使(セラフ)と同等の権力を持つ天使。戦争中にフォーベシィと戦った末に何故か意気投合して親友にまでなってからも、敵対していても相変わらず仲が良い。

 

堕天使の陣営のトップ―――アザゼル。天使から堕天し、戦争が停戦になった機会で神器(セイクリッド・ギア)の研究や開発に専念するようになってその手の知識や他の勢力よりも造詣が深い存在となった。

 

「・・・・・会談」

 

「私達からすれば、飲み会を見せつけられているとしか思えないね」

 

「他の勢力のお偉いさんと会うのは初めてだが、軽いな、酷いくらいに」

 

「一応大事な会談なのよね?」

 

「そう聞いているわ」

 

特別に参加を許された夏梅、鮫島、ヴァレリーや久しく会ったダークカラーが強い銀髪に澄んだ青い瞳の少女、ヴァーリと目の前で繰り広げる飲み会を見せられていた。魔王の付き添いとして参加しているサーゼクス、授業参観で魔法少女のコスプレをしていた少女―――女性悪魔セラフォルー・シトリーまでもが交ざって宴会みたくなってきた。その現状にリアスとセラフォルーの妹、ソーナ・シトリーが何とも言えない顔つきで見ていたのは当然だろう。

 

「・・・・・護衛」

 

「意味はないわねこれは」

 

むしろ交ざって楽しんだ方が有意義ではないかと思ってしまいそうになる。給仕係をしている女性悪魔達も溜息を零しそうな呆れ顔だ。リアス達も各陣営トップ達の酒盛りを見せられる羽目になろうとは思いもせずD達と大人の娯楽を見つめた。天使側の付き添い―――豪華な白ローブに身に包み―――金髪の頭部の上に金色の輪っかを漂わせる端正な顔立ちの青年。聖剣の奪還目的で知り合ったイリナ、ゼノヴィア、ルーラーも同様だ。

 

「おっと、楽しい飲み会だがそろそろ会談を始めなきゃね」

 

フォーベシィが区切りをつけて飲むのを一旦止めた。既にほろ酔いしてるがそれでも意識はしっかりと保っている辺りは限度を覚えているのだろう。

 

「アザゼルちゃんのところの堕天使が教会から聖剣を奪い、戦争を発展させようとしたことについてだけど、キミはどう思っているんだね?」

 

「あー、それはあいつの独断で我が堕天使中枢組織『神の子を見張る者(グリゴリ)』の他の幹部及び総督の俺に黙って起こしたものだ。奴の処理は『赤龍帝』がおこなった。というか、頭が痛いことに独断で逃がしたというべきか」

 

「こっちからすれば聖剣を取り戻せればよかったんだが、事を起こしたアザ坊んとこの幹部がお咎めなしってのは体裁的に気にしちまうがな」

 

微妙な顔で腕を組むユーストマ。何の罰も受けず国外逃亡の形で何もかも捨てて世界の強者と戦う道を選んだコカビエルに幾人の教会の者達が殺害されている。天界はそれを良しとしていないことをアザゼルは判ってる風に述べた。

 

「もう奴は『神の子を見張る者(グリゴリ)』を脱した。報復でも何でもしたいなら自由にしてくれや。奴は喜んで迎え撃つだろうがな」

 

「かつては長く共にいた仲だ。アザゼルちゃんはそれでいいのかい?」

 

仲間を、戦友を見放すと道理な言葉を受け取ったフォーベシィはアザゼルにそう訊ねた。

 

神器(セイクリッド・ギア)研究に専念していた俺達に、戦争をしないことに不満を持っていた武闘派のコカビエルは戦いを好んでいたんだ。戦いの果てで死ぬことが本望なら好きにさせるだけさ。俺達も好き勝手に満足するまで研究し続けるだけだからな」

 

だからこそ、と思わずDが呟いてしまった。

 

「・・・・・結婚」

 

「外野は黙ってろ!」

 

短くない付き合いの末に何が言いたいのか、アザゼルはDの言葉に瞬時で反応した。周りはそんな態度のアザゼルに苦笑を浮かべる。

 

「おうそうだ。そろそろアザ坊も身を固めたらどうだ。妻を持つってのはいいぜ?」

 

「うんうん。可愛い女の子を侍らせる楽しみをアザゼルちゃんにも知って欲しいぐらいだよ」

 

「お前等も黙れ!? 女なんて幾らでもいるんだ。結婚なんて・・・・・何時でもできるからいいんだよ!」

 

最低な発言を叫んで言うアザゼルにDはまた呟いた。

 

「・・・・・自意識過剰」

 

「Dぃっ!!!」

 

ぶはっ! と夏梅と鮫島が絶え切れず吹いて、声を出して笑ってしまう。

 

「あはははっ! で、Dっ・・・・・! それは少し総督が可哀そうよ? 趣味に没頭しすぎても流石に総督でも気にしているんだろうしさ」

 

「くくくっ、容赦ねぇなD。総督も好きな女の一人や二人ぐらいはいるだろうよ」

 

「いや、お前達より長くアザゼルと一緒にいる私だから断言するよ。アザゼルにそんな相手は皆無だよ」

 

「そうなの? 頼りになる素敵な人なのに」

 

アザゼルはD達の話を完全に無視するように前を見つめるが、愉快そうに笑みを浮かべる神王と魔王が見てくるので苦い顔を浮かべる。

 

「随分と慕われている様だねアザゼルちゃん」

 

「ああ。ここ数十年神器(セイクリッド・ギア)の所有者をかき集めている割にはな。戦力増強を図っていつのかと思っていたが、坊主たちを見る限りはどうやらそんな感じじゃなさそうだな。『白い龍(バニシング・ドラゴン)』を手に入れたと聞いたときには、強い警戒心を抱いたもんだ。しまいには『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』まで抱え込んだと知ったときは気が気でなかったぜ」

 

ユーストマの意見を聞いて、アザゼルは苦笑する。

 

「俺も当初は信じられないことだらけで驚いたもんだよ。今回の二天龍の宿主は戦いを嗜む程度で全面的な戦いをしないときたんだからな。ってことで二天龍よ。今は肩を並べているが今後もどうしたい? お前達は世界をどうしたい? まずはヴァーリ、お前からだ」

 

アザゼルの問いかけにヴァーリは笑む。

 

「私は強いやつと戦えればいい。目下の目標は赤龍帝である彼を倒してみたいかな」

 

「Dは?」

 

「・・・・・異世界にいく」

 

アザゼルも含め、この場にいる全員がきょとんとした。

 

「異世界だと? ってことは・・・・・『真龍』を倒すつもりかお前?」

 

「・・・・・まだ、できない」

 

まだと言うことはいずれそうするか、そうするつもりでいると言うDに各陣営のトップ達に警戒の念が芽生えた。頭を抱える思いで、出来れば止めて欲しいと願うアザゼル。

 

「そいつは世界にどんな影響が出るのか分からないぞ」

 

「・・・・・平和的」

 

「できるのか?」

 

「・・・・・」

 

沈黙で返す。まだ行動していないからわからないと言いたげな顔を窺わせるDは次いで、ヴァーリに顔を向けた。

 

「・・・・・行く?」

 

「『真龍』も戦ってみたいから是が非でも」

 

「お、お前等なぁ・・・・・」

 

笑んで同意するヴァーリに、自由過ぎる二天龍に肩を落として脱力するアザゼルの気苦労に同情を禁じ得ない。

 

「抱え込もうがドラゴン、二天龍の手綱を引くことなど敵わないか」

 

「けっ! だったらこの二人をフォーベシィ、お前の陣営に加えてやろうか? 自分ならできるって言うならやってみろよ」

 

「ふふ、遠慮するよ。『白龍皇』はともかく『赤龍帝』の力の一端は見させてもらったけど―――だからこそ聞きたいことがあるよアザゼルちゃん」

 

朗らかに笑んでいたフォーベシィが真剣な眼差しでアザゼルを見抜くように送る視線は厳しかった。

睥睨していると言ってもいいぐらいの鋭い視線だった。

 

「サーゼクスちゃんから信じられない報告を聞かされたよ。正直、今でも私は半信半疑だから教えて欲しい」

 

「なんだ? 言ってみろよ」

 

何を聞きたいのか分かっている。だが、敢えて何も知らない振りを装うアザゼルの態度にフォーベシィが単刀直入で訊いた。

 

「『赤龍帝』の彼は・・・・・十年前に五大宗家の襲撃の際に死んだと思われていたあの時の子供なのかい。誠ちゃんと一香ちゃんの、もう一人の子供・・・・・」

 

「は?」

 

何も知らされていないらしいユーストマは間抜けな声を漏らした。アザゼルは問うた。

 

「Dを知ってどうする?」

 

「知ってどうするかは、私の判断で考えて決めるよ。だけど、もし本当にあの二人の子供だったらすぐに会うべき家族のところへ―――」

 

そう言いかけたフォーベシィがDの殺気を感じた。会議室の空気が重くなり危険なオーラを滲みだすDが魔王を睨んだ。相手を黙らすためだけに、相手が誰であろうと自分に関する軽はずみな発言をする者を許さないつもりで威嚇する。それでもフォーベシィは涼しい顔で言い続けた。

 

「君のことを知ったら、誠ちゃんと一香ちゃんは泣いて喜んで受け入れるよ。兄のあの子も驚くだろうけれど弟の君を―――」

 

ミシッ バキャッ!

 

テーブルが一人で勝手に割れた。その原因がDであることを各陣営のトップ達は悟った。

―――感情が疎くいつも無表情のDの顏が怒り狂った表情を浮かべ、眦を裂いていた。

こんなDを見たことが無いアザゼルや夏梅達は兵藤家以上に心底から怒っているのだと察するに難しくなかった。故に本能が警告する。今のDは危険すぎると。

 

「待て、D!」

 

「無駄だ総督よ」

 

これから事を起こすだろうDを止めようとしたアザゼルに、Dの足元の影から九桜が現れDの肩に乗った。

 

「無知とは罪であるな。何も知らずDの心が壊れた原因の者を口にするとは」

 

「どういうことだそいつは」

 

「今更知ってどうするという話じゃ神王。知らずに龍の逆鱗に触れてしまった者の末路は至ってシンプル。―――死じゃ」

 

 

次の瞬間。この場に居る全員の身体の機能が一瞬停止する。

 

 

「・・・・・あら?」

 

「なんだ、今のは?」

 

「・・・・・?」

 

不思議そうな顔で身に起きた異変に感じた夏梅達は特に体の異常がないことを悟りアザゼルに訊こうとしたら、動いている者と停止しているかのように動いていない者が二手に分かれていた。Dとヴァーリも当然として動ける者―――三大勢力のトップのフォーベシィ、ユーストマ、アザゼル。悪魔側はサーゼクスとセラフォルー、給仕係の悪魔、リアスに木場祐斗。天使側は青い聖剣から聖なるオーラを放ち続けているゼノヴィアのみ。

 

禁手(バランス・ブレイカー)に至ってる二人はともかく、ヴァレリーが停止されていないのは不思議だな」

 

「総督、今のって?」

 

「お兄様、今のは一体・・・・・」

 

「どうやら、招かざる客が来たようだね」

 

サーゼクスの発する言葉に呼応して学園の外では至る所から数えきれない数の魔方陣が浮かび上がり、黒いローブを着込んだ魔術師みたいな者達が現れた。そして―――新校舎に魔力の塊を放って攻撃をし始めた。

 

「え? え? なんなの? どう見ても魔法使いであって私達に敵意を向けてるわよね」

 

「だな。久々に暴れ回るか」

 

肩に白い猫を乗せ、二股の尻尾を腕に纏わせて槍の形状と化する鮫島と鷹を腕に乗せて臨戦態勢の構えを取る夏梅。

 

「いや、お前さん等はヴァレリーの護衛としてリアスと一緒にハーフヴァンパイアのもとへ行け」

 

「どうしてですか?」

 

「この校舎を外で取り囲んでいた堕天使、天使、悪魔の軍勢も全部停止させられているからして、原因はリアスの眷属のハーフヴァンパイアの神器(セイクリッド・ギア)の能力だからだ。故にお前達にはハーフヴァンパイアの奪還を任せたい。あとは―――」

 

莫大な赤い魔力が奔流と化しながら赤い龍を模った全身鎧を身で纏うDにアザゼルは目を向けた。

 

「D、お前さんもリアス達と一緒に行け」

 

「・・・・・」

 

「今は怒るよりも目の前の問題に解決してくれ。お前さんが守ってる女子寮も被害に遭っていないとは限らないぜ?」

 

「・・・・・。・・・・・。・・・・・」

 

長い沈黙を経て渋々ながらも首肯して了承した。

 

 

リアスの眷属の奪還に何故ヴァレリーが必要なのかと不思議に思ったものの、アザゼルの言う通りに従い彼女の眷属がいる旧校舎へと移動する。無論だが、敵も味方の救出の為に動く相手を待ち構えていたのは当たり前だったがDの分身体達が外の敵を駆逐しつつ、アザゼルからの命令の直後にリアス達が旧校舎へ辿り着く頃には。数人の女魔法使い達を無力化、救出対象のハーフヴァンパイアの他、会議室に居なかった小猫を開放していた。

 

「い、いつの間に?」

 

「・・・・・」

 

「あら」

 

ヴァレリーが目の前のハーフヴァンパイア、女子生徒の制服を着ている小柄で金髪に赤い瞳の特徴を一目見て嬉しそうな笑みを浮かべだした。

 

「まぁ、ギャスパーじゃない。久しぶりね」

 

「え・・・・・ヴァ、ヴァレリー? ど、どうしてここにいるの!?」

 

「ふふっ、四年前から私もこの国に住んでいるのよ。まさか、ハーフヴァンパイアってギャスパーのことだなんて驚いたけれど凄く嬉しいわ。昔と違って自分から可愛い服を着てるのね」

 

「・・・・・男?」

 

「いやいや、こんな美少女が男の子なわけないじゃないD」

 

「外見で判断すりゃあ百人中百人が美少女だと言いそうなほどにな」

 

ギャスパーという吸血鬼のことを知らないヴァレリーが親切心で告げた。

 

「この子は男の子よ?」

 

「「「・・・・・」」」

 

こんな可愛い子が女の子なはずがないじゃないか! おかしな幻聴が三人の頭の中で過り珍しくDも目を疑うようにギャスパーを凝視、手を動かす。

 

「・・・・・確認」

 

「「待て、するなっ!」」

 

素早くDの肩を掴み止める夏梅と鮫島だった。

 

「ヴァレリー、その子とはどういう関係なの?」

 

「友達ですわ。ふふ、まさかあの子がこの国にいたなんて夢みたい。可愛い女の子の服が似合うからよく着させていたの」

 

「ああ、そうなの・・・・・。何時だったかヴァレリーは遊びでDも女の子の服を着させてたけど、あれが初めてじゃなかったんだ」

 

「そういやそうだな。あん時は笑ったなー」

 

「で、笑いに笑ったあんた達もDに女の子にされたのよねー?」

 

「い、言うな!? あれは俺の最大の黒歴史なんだぞ!」

 

からかいを含んだ笑みでそう言う夏梅に焦る鮫島。何やら愉快な話を始めたがそれどころではない。

そんな三人を構わずリアスはギャスパーと小猫を労い、Dにも声を掛けた。

 

「D、ありがとうね」

 

「・・・・・ドラゴンアップル」

 

未だ貰っていない品を追求するDに少し呆れるリアス。

 

「もう少し時間を頂戴」

 

「・・・・・反故、破壊」

 

約束を破ったら何かは分からないが破壊するぞ、と告げるDの深意を読めないリアスは怪訝な表情を浮かべたので夏梅が翻訳してやった。

 

「あなたがDの望む物を反故したら大切な物を破壊するって」

 

「例えば何かしら?」

 

「・・・・・熊の置物。ボブ、大吉丸、レオン」

 

「待ちなさい! どうしてあなたが名前まで知ってるのよ!?」

 

―――トドメにDが手品のようにDVDを扇子のように広げて見せびらかした。

 

「・・・・・幼少の頃のリアス・グレモリーを撮影したサーゼクス・グレモリーの記録映像、公開する」

 

「―――ッ!?」

 

「・・・・・約束」

 

「わ、わかったわっ。守るからそれだけは、それだけは絶対に公開しないで。―――お願いします!」

 

耳まで真っ赤にし羞恥心で身体を震わして土下座する勢いで頭を下げるリアス。一体彼女をそこまでさせるDVDとは何か、逆に興味が沸くも今はそれどころではなくギャスパーの救出を達成したのでアザゼル達の元へと戻るために行動をする。

 

部室を出て、旧校舎の玄関口まで移動する。その間、懐かしむようにヴァレリーとギャスパーが会話の花を咲かせていて、その様子を思案顔で見つめるリアス。

 

「ヴァレリーを見てどうしたのかしらね?」

 

「さぁな。しっかし、あの容姿で男だなんて驚かされたもんだぜ。Dも信じられないほどだからな」

 

「・・・・・疑えない」

 

「「わかる」」

 

あそこまで少女のような顔をされては男だとは信じられず、疑いもしない三人。世の中は本当に広いと思いながら玄関を出たときだった。

 

 

ドッガァァァァァァアアアアアアアアンッ!

 

 

D達の目の前に何かが落ちて来た。立ちこめる土煙が消えたあと、そこにいたのは・・・・・。

 

「・・・・・チッ。この状況下で反旗か、ヴァーリ」

 

ダメージを負った堕天使の総督だった。

 

「そうだよ、アザゼル」

 

まばゆい輝きを放ちながら、D達の前に白龍皇が舞い降りる。その傍らには知らない美女もいた。これには夏梅と鮫島が騒ぎ立てる。

 

「ちょっ、ヴァーリッ! どうして総督に攻撃しているのよ!?」

 

「反旗ってなんなんだよ。どういうことなのか説明しろや」

 

「簡単な事だよ。私はクロウ・クルワッハと魅力的なオファーをされた。『アースガルズと戦って見ないか?』―――こんなことを言われたら、もっとさらに強くなりたい私では断れない。だからアザゼルのもとから離れる」

 

驚愕の事実に夏梅と鮫島はあらん限りに目を丸くして絶句していた。逆にアザゼルは・・・・・ただ苦笑を浮かべるだけだった。

 

「Dと戦わず神々と戦うのか?」

 

「問題ないよアザゼル。これからするからね。故にDには改めて名乗らせてもらうよ」

 

ヴァーリは自身の胸に手を当て、Dに向かって言う。

 

「私の本名はヴァーリ。ヴァーリ・ルシファーだ。死んだ先代の魔王ルシファーの血を引く者。旧魔王の孫である父と人間の母との間に生まれた混血児。―――『白い龍(バニシング・ドラゴン)』の神器(セイクリッド・ギア)を保有する者。それが私だよD」

 

「・・・・・」

 

「だからこそ、『白い龍(バニシング・ドラゴン)』と対なる『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』を宿す者がキミであって心の底から嬉しく感激してるよD。私という存在に負けないぐらいキミも凄まじい出生のもとで生まれたんだからね」

 

 

―――兵藤家と式森家の人間との間に生まれた天皇家にとって禁忌な混血児。

 

 

「嘘よ・・・・・。そんな・・・・・」

 

そう静かに吐露したヴァーリに今まで知らなかった夏梅や鮫島も含め、リアス達も愕然した。しかし、アザゼルは肯定した。

 

「事実だ。もし、冗談のような存在がいるとしたら、こいつらのことさ。俺が知っているなかでも過去現在、おそらく未来永劫においても最強の白龍皇、赤龍帝になる」

 

「ふふ、まだ足りないよアザゼル。私なんかよりDの方がよっぽど凄いからね。何せ・・・・・彼自身は『真龍』のグレートレッド、『龍神』のオーフィスの肉体と力を得た第二の『真なる赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン)』だ。更にそれ以前に彼は兵藤家の元当主、兵藤誠と式森家の元当主、式森一香の実の子供だ」

 

「「なっっっ!?」」

 

流石の夏梅と鮫島もDがそこまでの存在だとは思ってなかったので、信じられないものを見る目でDに振り返った。

 

「・・・・・ヴァーリ」

 

真紅の魔力を滲みだし、一気に奔流と化するDの身体に変化が生じた。人間の体型を崩し、異形の体躯―――赤い鎧を纏うドラゴンと化したDを二人の目に飛び込んだ。

 

「・・・・・黙れ」

 

そう言うや否や、ヴァーリに向かって跳び出した。

 

「ふふ、あそこまで怒り狂うDは珍しいな。だがD、ようやくお前と闘えるっ! 待ちに待った宿敵同士の戦いを今ここでしようD!」

 

赤と白の光の軌跡が空中で縦横無尽に駆け回りながら凄まじい衝突音が鳴り響く。時には魔力を放って応戦し合い、その余波で新校舎に張っていた結界が割れて破壊してしまっても二人は気にも留めず宿命の戦いを繰り広げた。

 

「ははは! 凄い、楽しいよD! 私の身体がここまで成長するのにどれだけ待ち焦がれていたことか!」

 

二人の戦いに巻き沿いを食らう魔法使い達が悉く消滅していき、学園の地形を変えようとも戦い続ける。

 

『Divide!』『Boost!』

 

相手の力を半減すれば半減した力を倍加で元に戻す。歴代の白龍皇と赤龍帝の戦いはこうして今日まで戦い続けて来たが今世代の二天龍はアザゼルの言う通り一線を画す。

 

「だが―――残念なことにキミからは戦いを楽しむ気配、戦いに対する熱が一切感じられないな」

 

学園の結界を張っているフォーベシィ達の目の前で降り立つ二人。

 

「だから少し物足りない・・・・・アルビオン。Dを怒らせたらどうなるかな?」

 

『何を考えているヴァーリ』

 

ヴァーリの青い光翼が点滅しながら話に応じる者、『白い龍』アルビオン。

 

神器(セイクリッド・ギア)は単純な強い想いほど力の糧となる。ならその純粋な怒りだったら彼に何らかの刺激になるんじゃないかな」

 

『自重しろ、ヴァーリ。それはあまりにも無謀なものだ。相手は私が知る限り今までの赤龍帝とは次元が違い過ぎる者だ。オーフィスの力を解放されたらお前は死ぬぞ』

 

「戦って死ねるなら本望だよ。そして彼も―――生をこだわっていない」

 

ヴァーリはフォーベシィ達に聞こえる声量でDに語り掛けた。

 

「D、その力を使って兵藤家に復讐をしないのはどうしてだ」

 

「・・・・・」

 

「今のキミなら兵藤家を滅ぼすことだって可能だろう。かつて、兵藤家に心を壊されるほどの理不尽な暴力と罵声、虐待を受けて来た兵藤誠と式森一香のもう一人の子供だったキミにならその権利はある。そうだろうD―――いや、兵藤一誠」

 

 

刹那。

 

 

ヴァーリの目の前がドス黒く禍々しい嵐が発生した。嵐の中心にいるDは鎧を解除した代わりに背中から黒い文様状の二対四枚の翼のようなものを生やし、顔に黒い刺青のような者が浮かび上がる以外、首から下はドラゴンではない別の異形の姿となっていく。

 

その姿を見てあヴァーリは鎧の中で冷や汗を流しつつも喜々として笑んだ。

 

「凄まじい殺気だ。さっきとは比べ物にならないDから強い感情が伝わってくる」

 

『本気で殺しにかかるに来るぞヴァーリ。逃げ切れるとは思えないが今のDと戦うべきではない』

 

「それじゃ怒らした意味がないじゃないか。私は戦いを、Dとの戦いを楽しみに待っていたんだ」

 

臨戦態勢の構えを取ったヴァーリ。Dの拳を構える次の動きを注意深く見て―――。

 

 

黒い閃光がヴァーリの全身を襲った。

 

 

「―――ッ!?」

 

白龍皇の鎧が全て粉砕し、ヴァーリの身体にも深いダメージを与えたその一撃は黒い流星の如くだった。何が起きたのか全く理解も把握も出来ず目を見開いて口から大量の血を吐くヴァーリ。

 

「なんだ、Dは一体・・・・・!」

 

「・・・・・」

 

「くっ!」

 

鎧を装着し直し、空飛んで距離を置こうとするヴァーリと追いかける黒い流星と化するDが縦横無尽に駆け、白と黒の光の軌跡が空を描く。が、白より何倍の速さで動く黒によって何度も弾かれ、最後は黒い閃光が煌めいたのと同時に激しく地上に落ちた。立ちこめる土煙からヴァーリの頭を掴んで引きずるDが出てきて、ゴミのように投げ捨てた。これで一つの戦いの幕が終わったかのように思えたが、倒れてるヴァーリの傍らに空から第三者が現れた。

 

「やはりまだヴァーリは勝てなかったか」

 

「・・・・・」

 

「D。次は私だぞ? お前の全力を私にぶつけて欲しい」

 

「・・・・・わかった」

 

「ふふ、その時が楽しみだ。ではな」

 

ヴァーリを肩に担いで回収した者―――クロウ・クルワッハが黒いドラゴンの翼を生やして空の彼方へと飛んで行ったのを見送るD。

 

 

 

 

アザゼル達が校庭に足を踏み入れた時、三大勢力の軍勢が入ってきていて、戦闘後の処理を行っていた。校舎に攻撃していた魔法使い達はDの分身体達に倒された遺体を運んでいたり、戦闘の後始末をしている様子が視界に入る。校庭の中央に進んだ時、サーゼクスとセラフォルー、六対十二枚の翼を背中から出してる天使側の青年が部下らしき者に指示を出している。そしてフォーベシィ、ユーストマの二人は黒い異形と化したDと対峙して一触即発の状態でいる姿があった。サーゼクスがアザゼル達を捉えると、手をあげる。

 

「無事だったか。よかった。―――アザゼル、その腕はどうした?」

 

片腕(・・)のアザゼルを見てサーゼクスが問う。

 

「カテレアに捕まって自爆されそうになってな。仕方なく切り落とした」

 

「そうか。彼女の件は悪魔側に問題があった。その傷に関しては―――」

 

サーゼクスが何か別の形で償う言葉を言おうとしたがアザゼルは手で制止て「いらない」という意思を見せた。

 

「俺もヴァーリが迷惑かけた」

 

「・・・・・彼女は裏切ったか」

 

「いや、これでよかった。予定通り事を進んでいるからな」

 

なに? と意味深の発言に怪訝な面持ちを浮かべたサーゼクスから視線を反らし、フォーベシィとユーストマ、Dの方へ変えた。

 

「で、あいつらは何してんだ?」

 

「・・・・・アザゼル。キミにはあの子のことについて尋問させてもらう。拒否権は無いと思ってくれ

 

「おいおい、そんな怖い顔をするなよサーゼクス。どうせ、ヴァーリがDを本気にさせる為に禁句なことでも言ったんだろう? 奴の出生や真名とかな」

 

「やはり知っていたのか。私達どころかあの二人に黙ってタダで済むと思っていないだろう」

 

「あいつがそれを望んでいたんだよ。奴は自分の家族と二度と会うつもりはないでいるのさ。初めて出会い、正体を知って再会した当時は奴の力も必要だったからな」

 

アザゼルのもとへ足を運ぶDは元の姿に戻りつつ、手の中に杯を出現させるとアザゼルへ突き出した。

杯の中に入っている液体を一目見てDの行動を悟り、受け取って飲み干すと切り落とした腕の断面から新しい腕が生えた。

 

「すごっ!?」

 

「D、お前その手の仕事だったら絶対に儲かるぜ?」

 

「・・・・・?」

 

驚嘆してアザゼルの腕を振れる夏梅、確信以ていう鮫島と合流したところでフォーベシィとユーストマが近寄ってきた。とても厳しい顔を浮かべて。

 

「おう、アザ坊。ちーっと俺達と話し合いをしようぜ」

 

「勿論、拒否権行使は無効だからね?」

 

「へっ、やなこった。大方Dのことだろうが、Dの約束を守る間は協力してくれるんだ。ということでD、俺を守ってくれるならドラゴンアップルで作ったアップルパイを山ほど作ってやるぜ!」

 

「・・・・・」

 

瞬時で六対十二枚の金色の翼、頭上に金色の輪っかを漂わせ、真紅から金色の髪に片目の金色の瞳が蒼に変わるDがアザゼルの前に立って翼を刃状にして守らんとする姿に魔王と神王はぎょっと目を丸くした。

 

熾天使(セラフ)の姿だとっ!?」

 

「待ってくれ! アザゼルちゃんからキミのことを教えてもらうだけだから!」

 

「おいおい、Dを怒らしたことをもう忘れたか? そういう話はDにとって許されない禁句そのものだぜ」

 

ニヤニヤと優位な立場で高みの見物を決め込んだアザゼルが愉快そうに笑う。フォーベシィは訊かずにはいられなかった。

 

「アザゼルちゃん。君は何を知っているんだい」

 

「知ってるも何も忘れたのかよ。あいつがどうして別人のように暗くなっているのか、川神鉄心から聞いただろう」

 

当時、その時はリアス達もいたが長い時を経て風化してしまったので記憶が曖昧になってしまっていた。

 

「奴はその昔、まだ幼い頃に大人から子供まで弱いからという理由で酷い虐待、虐めに遭ったそうだ」

 

覚えていないリアス達の為にアザゼルは教えたら、リアス達は酷く動揺して目を丸くした。

 

「その経過でDの心が壊れて、今じゃああんな風に無口で無表情な上にパン類しか食べれなくなってしまった」

 

「・・・・・そんな」

 

「だが、虐待以上の酷い仕打ちをされ続けたに違いないと俺は思う。その時にはあいつの兄が一緒にいたはずなんだからな」

 

「彼に兄が・・・・・?」

 

そんな事実は知らないとリアスはアザゼルの言葉に耳を疑った。

 

「なら、彼は助けを求めなかったの?」

 

「いや、予測だが実の兄にも見捨てられただろうよ。兵藤家は良くも悪くも実力主義の一族だ。弱者は許さず淘汰されるのは珍しくはないからな。フォーベシィがあいつの兄のことを言ったら怒り狂った。あいつがあんな風に怒ったのは俺でさえ初めて見たほど十分すぎる理由だとは思わないか」

 

「心に深い傷を負い、壊れてしまった一因は唯一の兄弟にも見捨てられた・・・・・」

 

実際生きていた弟のDを兄が歓迎してくれるだろう。そんな気持ちで兄のことを口にしようとしたフォーベシィは己の迂闊な発言で触れてはならないものを触れてしまった事実を今更気づき、後悔した。

 

「ふむ。大方は当たっておるな」

 

ちょこんと、いつの間にか九桜がDとヴァーリの戦いを見上げながらいた。

 

「だが、所詮はその程度。Dが味わった孤独と苦痛はお主等の想像を遥かに超えておるわ。Dがまだ齢5、6歳という幼い時に受けた暴力の嵐は普通の童なら死んでも当たり前じゃったからな」

 

「その頃からずっと見ていたのか。九桜」

 

「妾はあの者の魂に憑依しておったからの。全て知っておるわ。他にも知っておることがあるのじゃが。まぁ、そこまで教える義理は妾にはないから教えん」

 

「ちょっとっ!」

 

そこまで話してくれたのなら最後まで教えてくれても! という気持ちのリアスを無視してフォーベシィとユーストマに振り返った。

 

「今更Dに家族愛など求めさせようと無駄であるぞ」

 

九桜が否定的な事を物申した。当然疑問に抱く面々。

 

「どうしてだ?」

 

「心が壊れておるDに肉親の再会は望んでおらん。目の前にいようと空気の扱いをするだけじゃろう」

 

「どうしてわかる」

 

「妾とDは一心同体。Dの気持ちが手に取るようにわかるからじゃよ。故に、余計なことを仕出かすではない」

 

「余計なことだと。家族との再会の何が悪いってんだ」

 

「唯一の兄に見捨てられた者がどんな気持ちを抱いたのか、お主らはわかるのかの?」

 

誰もが口を閉ざして是と答えられなかった。

 

「救いを求めた弟が兄に拒絶された手前、今更憎悪を抱いておる相手と再会したいと思うのかの?」

 

「・・・・・それは」

 

「しかもまだ幼い頃のことじゃ。成長していた時であれば拒絶された理由を知ることが出来たであろうが、幼いDは殆ど味方がいない悪辣な環境の中で理不尽な目に遇ってきたのじゃ。理由を考える暇もなく、先に心が壊れ固く閉ざしてしまうのは必然的じゃ」

 

九桜を拾い頭の上に乗せるDは踵を返して、この場を後にした。

 

「総督よ。ドラゴンアップルの件は忘れるではないぞ? さもなくばお主の黒歴史を暴露するつもりでおるぞDは」

 

「守るから安心しろ! だからそれだけは絶対にするんじゃないぞDッ! いやほんとマジで!」

 

「グレモリーの娘の方もな」

 

「分かってるわよ!」

 

弱みも問い過去の恥ずかしい秘密を握られている共通点を持つ二人が後日、何とかドラゴンアップルを確保できてDに献上できたので暴露されずに済んだのは別の話であった。

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