ハイスクールD×D忌避されし存在   作:ダーク・シリウス

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七泊八日の宿泊(6)

 

 

女子寮の寮長をすることになった以外にもトレーナーになった経緯も知った一同は、Dの記憶からいつの間にか大広間に様変わりしていたことよりも、言いたいことができた。

 

「おいルドルフ。私がトレーナーのチームに入る前ではあんなことをしていたのか。三ヶ月もトレーナーにストーカー行為をするウマ娘がどこにいる」

 

「お、お兄様が日に日に疲れた顔をしてて、可愛そうだったよ?」

 

「説得と言うか、完全に好きな子をしつこく追いかけ回していた風にしか見えなかったですけど?」

 

「ルドルフさん・・・諦めが悪すぎると言うか、さすがのトレーナーも我慢の限界で最後、泣きそうだったよ?」

 

「あのトレーナーさんを・・・・・恐るべしストーカー皇帝」

 

回りから非難の視線とトレーナーへの同情的な意見の声が挙がる。

シンボリルドルフは、困った顔を浮かべてた。

 

「返す言葉も言い訳もしない。私としてもあの時は必死だったからな。前トレーナーの気持ちも、これからのウマ娘のためにどうしても当時の警備員さんを、今のトレーナーさんになってもらいたかった。現に彼がトレーナーになってくれたおかげで、私達は今 ここにいる。違わないかい?」

 

「否定はしません。しかし、マスターは当時の彼女に対してどう思っていましたか?」

 

「・・・・・ひみつ」

 

ミホノブルボンからの質問に具体的な答えを言わなかったので、シンボリルドルフに不安を抱かせた。

 

「トレーナーさん? 私に対して秘密って、口では言えない事を思っていたのか? トレーナーさん、私の目を見て、逸らさないでください」

 

無理矢理にでも ガシッ! と反らした視線ごとDの顔を掴んで合わせようとする強引なシンボリルドルフに、負けじと抵抗するDが横に向いたまま言った。

 

「・・・・・今は、違う」

 

「今は違くても、前はそうだった、と? 一体何を思っていたのか、一言一行、はっきりと口に出して―――!」

 

Dの両腕がシンボリルドルフの背中に自然体で回され、胸の中に抱きしめた。男の胸板に顔を押し付ける形で鼻孔に男の体臭が入り、一瞬だけシンボリルドルフの思考が停止した。

 

「・・・・・今、大切、守る、一人の可愛い、女の子、シンボリルドルフ」

 

「~~~~~っ」

 

ウマ耳のもとで囁かれた言葉は、もう全部どうでもよく思ってしまう、単純にしてしまう不思議な魔法の言葉だった。Dが彼女に何て言ったのか、声を殺して言われたので他の少女達の耳には届かなかったが、絶対に何か言ったに違いないと顔を赤くなった皇帝を見て確信した。

 

「そ、それにしてもDさんがまだ子供だったのに警備員として働いていたなんてねっ」

 

「年齢を聞かないと判らない人って確かにいるものね」

 

「私とDさんが出会ってもう四年かぁ~・・・・・」

 

居た堪れなくなり、話を盛り上げたい愛花を皮切りに感想を口にしていく少女達。それだったら、と他の少女達も思うことを言い始めた。

 

「トレーナーってまだ未成年なのに中央のトレーナーになったんだよね? よく試験に合格できたね」

 

「・・・・・新事実、飛び級、推薦」

 

「ああ、それなら不思議じゃないわね。それで試験を受けたんだ」

 

「・・・・・そう、猛勉強、一発合格、沖野トレーナー、東条ハナトレーナー、指導、学んだ」

 

「私達のトレーナーさんに教わったんですか?」

 

まさかの事実と大広間に入ってきた話題の二人が来たタイミングに、それぞれのチームのトレーナーに質問をし始める。

 

「トレーナーさん。Dトレーナーがトレーナーさんのもとでサブトレーナーをしていた話は本当ですか?」

 

「何よ、ここでそんな話をしていたの? まぁ理事長に頼まれたから引き受けただけよ。教えたことを覚えて飲み込みも早かったし、担当していたウマ娘達と直接走って驚かされたこともあるけど」

 

「俺は基本的にウマ娘には自由に走らせることを教えたな」

 

チームシリウスのウマ娘は、このトレーナーがそれを教えたからDも自由に自分達を走らせているのかと、心の中で思いが揃った。

 

「で、あなた達はまたここで寝るつもり?」

 

「四年前のトレーナーの記憶を見ていたデース!」

 

「四年の記憶? 確か、あなたが警備員として来たばかりの頃ね」

 

「・・・・・女子寮の寮長、経緯」

 

「それをあなたの記憶で見せて・・・・・待ちなさい。私達の記憶も見せていないよね」

 

何故か東条ハナが警戒しだした。

 

「・・・・・否、なぜ?」

 

「恥ずかしいからに決まっているじゃない。それに、あの頃って色々と若かったから・・・」

 

「「「・・・・・」」」

 

当時のことを思い出してバツ悪そうに言う東条ハナ。グラスワンダー、エルコンドルパサー、タイキシャトルが四年前の東条ハナの姿を興味持ちDに頼み込んだ。

 

「Dトレーナーさん! トレーナーと過ごした記憶も見せてくだサーイ!」

 

「とても気になりますので。是非ともお願いします」

 

「イエス、見てみたいデース!」

 

「ちょっ! あなた達なにを言い出すのよ!?」

 

「俺も四年前のおハナさんがどう指導していたのか見てみたいな」

 

「あなたまで!!」

 

多数決で決まった様なもの故にDはその時の記憶を本人の許可なく見せるのだった。

 

 

―――――・・・・・―――――・・・・・―――――・・・・・―――――

 

 

「理事長に頼まれたけど、どうして警備員がトレーナーになる

のよ。必要性が感じないと私は思うわよ」

 

「・・・・・三ヵ月、ウマ娘、説得という名のストーカー、体験」

 

「・・・シンボリルドルフに、付きまとわれているって本当だったの。どうしてそんな目に遭っていたのかともかく、ライセンス試験に受かって間もないあなたに私から教えてもらうなんて期待はしないでちょうだい。こっちも忙しいのにサブトレーナーとして面倒見て欲しいというわけでもないのに、イロハを教えろって理事長も何を考えているんだか」

 

「・・・・・同感」

 

「そう思うならトレーナーじゃなくて警備員の仕事に専念しなさいよ。そっちの方が私も大助かりなんだから」

 

「・・・・・現在進行中」

 

「あ、そう。じゃあ、勝手に私から学べそうなことを盗んでちょうだい。本当に誰かに教授する暇なんてないんだから。まったく・・・どうして私が・・・・・」

 

 

―――――・・・・・―――――・・・・・―――――・・・・・―――――

 

 

「・・・・・(メモメモ)」

 

「ペースが乱れてるわよ、気を緩めるな!」

 

「・・・・・ジー」

 

「あなた、前のデータと比べると落ち気味よ。このまま変わらないならリギルから離れてもらうことになるわよ。しっかり励みなさい」

 

「・・・・・(メモメモ)」

 

「今日はまぁまぁね。でも、前よりはマシになっている。頑張っているじゃない」

 

「・・・・・ジー」

 

「・・・ふぅ、あの娘達はもっと伸びる。私がきちんとしなきゃ、本番のレースは私のトレーニングに頑張ったあの娘達が走るんだから。レースに勝って喜んでもらいたいわ」

 

「・・・・・優しい」

 

「うきゃぁあああああっ!?」

 

 

 

―――――・・・・・―――――・・・・・―――――・・・・・―――――

 

 

「うわぁあああああ!!!」

 

自分の恥ずかしいところの記憶を公開されて羞恥で爆発してしまいそうな顔が真っ赤の東条ハナの叫びと共にハリセンがDの頭に、スパーンッ!! と炸裂した。

 

「・・・・・叩いた」

 

「当たり前でしょうが!! 途中で来なくなったと思ったらずっと側にいたなんて!? あの時は声を掛けられるまで気付かなかったわよ、今もそうけど幽霊か!」

 

「・・・・・忙しい、邪魔、否、沈静、見学」

 

「もっと気配を出しなさいっての! 今だって直接見ないといつの間にかいなくなったと思ったら目の前にいた時なんては本当に心に悪いんだから!」

 

あー・・・・・という声がウマ娘達から挙がった。殆どが経験したことがある様子で、わからなくはないと、頷いた。

 

「一緒にいる分はそこまで気にしていなかったけどね」

 

「トレーナーは影が薄いわけでもないからな」

 

「マスターは有名です」

 

「あ、あの・・・続いてるよ?」

 

 

―――――・・・・・―――――・・・・・―――――・・・・・―――――

 

 

「ねぇ、自分のチームのこと考えなくていいの?」

 

「・・・・・?」

 

「何にも考えていない顔ね。ウマ娘をスカウトしなくていいのかって聞いてるのよ」

 

「・・・・・確定」

 

「あら、手が早いのね。どんなウマ娘があなたのチームに入ったのかしらね」

 

「・・・・・否、候補」

 

「ああ、そういうこと。でもまさかシンボリルドルフじゃないわね。彼女はトレーナーになれって説得してるのは学園中知れ渡ってるし。王嶽トレーナーも車椅子の生活を強いられてもトレーナーとしてまだ健在だし」

 

「・・・・・まだ」

 

「その通りよ。あの人にお世話になったトレーナーはこの学園にいないから、あなたも失礼のないようにしなさいよ」

 

「・・・・・わかった」

 

「じゃあ、今日であなたと付き合うのは最後だけど次はお互いのウマ娘がレースで競うのを楽しみにしてるわ」

 

 

―――――・・・・・―――――・・・・・―――――・・・・・―――――

 

「どいうことなの!? どうして王嶽トレーナーが中央から離れてあなたがシンボリルドルフのトレーナーになるの!!」

 

「・・・・・不本意」

 

「説明しなさい!」

 

「待ってほしい東条トレーナー。これは彼とトレーナーの間で話し合って正式に決めたことなのだ」

 

「だからそれを説明してほしいのよシンボリルドルフ!」

 

「単刀直入に言えば、私が次のトレーナーを彼に指名した。理由も単純だ。私より速くウマ娘を絶対に守れる警備員さんがトレーナーになってほしかったんだ」

 

「まさか、トレーナーになることを説得していたのは、この子をあなたのトレーナーにするためだったの?」

 

「私のトレーナーに相応しいトレーナーだろう? 皇帝の私と『兵藤家の天敵』のコンビとしても、他のウマ娘達にとって縁起がいいものと成ると私は信じている」

 

「・・・・・説得に三ヶ月も費やしてまで、本気だったのね」

 

「・・・・・一年、続く、可能性、有り」

 

「・・・同情するわ。三ヶ月でも長い方だけど根負けしたのね」

 

「・・・・・疲れた」

 

「お疲れ様、と言いたいけど他のトレーナーが黙っちゃいないわ。王嶽トレーナーから何の説明もなく彼を慕うトレーナーが、シンボリルドルフを簒奪したと思われても疑わないわよ」

 

「・・・・・えええ」

 

「というか、現在進行形で説明を求めに来てるわよ」

 

バンッ!!

 

「警備員! 学園内の秩序と平和を取り戻しているお前に感謝するが、新米トレーナーが王嶽トレーナーのウマ娘を引き継ぐことだけは納得できない! 何故ぽっと出のお前が彼のウマ娘のトレーナーになるんだ、説明しろ!」

 

「その通りです! 我々に納得させる理由でないならトレーナーの肩書きを捨ててもらいます!」

 

「まさか、シンボリルドルフを手に入れるために兵藤家の彼等と自作自演したんじゃないでしょうね」

 

「・・・・・は?」

 

「可能性は否定できないな。元より天皇家の一族である彼等に対して暴力的粛清をしてたかが警備員1人がお咎め無しなのがずっと疑問だった」

 

「もしや、お前も兵藤家の人間じゃあるまいな!」

 

「なるほど、同じ一族なら身内同士のいざこざということで収まるし、学園を守り生徒も守り続けることで何も知らない生徒達の信用を得て懐柔できる。そうして密かに彼等と同じことをするハラなんだな」

 

「シンボリルドルフもそうするつもりなのか、この卑しいガキめ!」

 

「最低だな! そもそもまだ子供のお前がなんで警備員やトレーナーなど務まるのだ! 大人の仕事は遊びではないんだぞ!」

 

「この学園から出ていけ!! 王嶽トレーナーに土下座をして詫びれ!」

 

「・・・・・」

 

 

―――――・・・・・―――――・・・・・―――――・・・・・―――――

 

 

「・・・・・黙れ」

 

「黙れだと、大人に向かってその口の態度は―――」

 

「―――うるせぇええええええええええ!!!」

 

『っ!!?』

 

パリーンッ!! ガッシャーンッ!!

 

「さっきから好き勝手に言いやがって!! 俺がよりにもよって嫌悪と憎悪している兵藤家の奴らと結託してこのウマ娘を奪っただと!? それ以前に俺はこいつに三ヵ月間もトレーナーになれと説得を受けても拒み続けていたこと、それを知らないとは言わせないぞ!! 俺は鬱陶しく思いながら断固拒否していたんだよ!! 何が悲しくてこいつのトレーナーなんかにまでならなくちゃならないんだ!! 面倒事を勝手に増やしてくれるんじゃねぇよあのクソガキ理事長がっ!!!」

 

「なっ・・・なぁっ・・・!?」

 

「大体だ!! 俺がシンボリルドルフのトレーナーなのが納得も受け入れも許せないってんなら、王嶽トレーナーが兵藤家のゴミ共に怪我を負わされ、奪われたシンボリルドルフが身体を好き勝手に弄ばれてもお前らは何も出来ねぇだろうが!! 何かすれば次はてめぇらが蹂躙されるのが当然だから自分の身が可愛さで見て見ぬ振り聞かぬ振りをするしかねぇ臆病者で弱者共が!!」

 

『・・・・・っ』

 

「反論しないってことはその程度の奴らだってことだよなぁっ!? どんなに慕っていようと結局はどうしようもできない理由で簡単に諦められる楽を選ぶお前らだから、王嶽トレーナーはシンボリルドルフを絶対に守れる俺をお前らなんかじゃなくて俺をしつこく説得したんだよ!! 何で信頼されているお前らに託されなかったのか俺に責める前に、ちったぁその脳みそがねぇ空っぽな頭で考えてから行動しろよ単細胞共が!!」

 

「あ、あなた・・・・・」

 

「お前もだ東条トレーナー!! 理解に苦しむからと説明を求める相手が違うだろうが!! なんで直接本人に聞かねぇんだ!! こっちはあのトレーナーとこのウマ娘にいい迷惑だったんだよ!! 王嶽トレーナーも何の説明も無しに中央から離れやがって!! あの頑固さは脳まで筋肉で固まってるせいでこうなることを予想していなかったのかよ!!」

 

「お、王嶽トレーナーを悪く言うな!」

 

「あ゛あ゛あ゛っ!?」

 

「ひっ!? は、放せっ・・!」

 

「実際に兵藤家のゴミクズ共に手を出されたら無抵抗を貫くしかないてめぇがどの口で言っている? この口か? 口だけ威勢が良くても行動を取らず、有言実行も出来ねぇんなら俺にとやかく言う資格も権利もねぇんだよてめぇらトレーナーごときが!! 本当に大事なら王嶽トレーナーのように抵抗の一つでもしやがれ!! 何のためのトレーナーなんだてめぇらは!! 」

 

『っ・・・!!』

 

「俺を認めない、受け入れたくないなら勝手にそうしていろ!! 雑音の耳を傾ける気もないし余裕もねぇんだよ!! 実際に今、兵藤家のゴミ共を警戒してるし襲われているこの学園の生徒を助けているんだ!! 誰のおかげで学園の平和が取り戻している、なんて言わないがこっちも大変と苦労をしているんだよ!! 俺がいなくなった途端にまた無法地帯の学園に成り下がるぞ、いいのか!?」

 

『・・・・・』

 

「そう言えばどこかの誰かさんが勇ましく学園から出て行けと言ったが、ああ、いいぞ今すぐ出て行ってやる。だが、その後のことは一切俺には関係のないことだ。てめぇの大事なウマ娘がレイプされる様を見せつけられろ。じゃあな、こんな学園近い内に兵藤家の連中に崩壊する日も近いだろうよ」

 

「―――ま、待ってくれ! あなたがいないとまた以前の学園に逆戻りしてしま―――きゃっ!?」

 

「知るか!! 今日限りで警備員は止める! 勝手にしやがれ! 後はお前らトレーナーが自分のウマ娘だけを精々守っていろ! どうせ無理だろうし女トレーナーは性欲の刷毛にされても俺は知らねぇよ!」

 

 

―――――・・・・・―――――・・・・・―――――・・・・・―――――

 

 

「ト、トレーナーがブチキレた・・・・・」

 

「こ、怖っ・・・・・」

 

「Dが口を出すほど怒るのってあの大会だけじゃなかったんだ・・・・・」

 

顔を青褪めた者は少なくない。怒りの感情がほとんど無縁だと思っていた人物の怒りを直接間近で見たことあるシンボリルドルフと東条ハナは恐怖で身体を震わせている。

 

「でも・・・本当に辞めたんじゃないわよね?」

 

夏梅の質問に対して首を横に振って真実を口にしたD。

 

「・・・・・辞めた」

 

「え、けど・・・今も警備員とトレーナーと寮長をしているよね?」

 

「・・・・・、在学中、兵藤家、全員、燃やした、条件」

 

ざわっ、と学園側の生徒達が信じられない物を見る目でDを見た。

 

「も、燃やしたって・・・・・しばらく兵藤家の生徒が学校に来なくなったのはDさんの仕業だったんだ」

 

「待って、全員って小学生と中学生も・・・・・?」

 

「・・・・・全員、平等、燃やす、消毒」

 

さすがにそれはやり過ぎる!! と思っても口に出せなかった。だって兵藤家だもの、で一言に尽きる故に。

 

「理事長に止められなかった?」

 

「・・・・・られた。でも、貫く、辞める、つもりだった、けど・・・・・」

 

 

―――――・・・・・―――――・・・・・―――――・・・・・―――――

 

 

「辞めないでぇえええええええええええ!!!」

 

「・・・・・嫌、あんなこと言われる、辟易、辞書、受け入れ」

 

「拒絶ッ!! キミがいないとこの学園は確実にまた崩壊する!!」

 

「Dよ。考え直してくれんかのぉ。今やお主がいなければ学園はまた無法地帯の逆戻りじゃ」

 

「・・・・・兵藤家、存在、皆無、平和」

 

「それができとれば苦労せんわぃ。じゃから辞めんでくれぬか。この通りじゃ・・・・・」

 

「・・・・・土下座、そこまで」

 

「辞めないでくれるなら、何度も何日もお主に土下座をするのは酷ではない」

 

「・・・・・」

 

「今回の一件でお主に気を悪くした者は全員3年間のレースの出場の厳禁を申しつける。トレーナーよりもお主の方が学園にとって必要不可欠、唯一無二の存在なんじゃ」

 

「同意ッ!! キミの要求をなんでも満たす!! だから学園から離れることだけしないでほしい!!」

 

「・・・・・理事長、土下座・・・・・、・・・・・、・・・・・条件3」

 

「おお、辞めないでくれるのか。申してみよ」

 

「・・・・・警備員、辞める、寮長、部屋、継続、住む」

 

「他は?」

 

「・・・・・条件2、これから、消毒、条件3、他言無用、沈黙」

 

「・・・・・あいわかった。お主の責任は全て儂らが請け負うと言ったんじゃ。好きにするがよい、学園から離れないでくれるならば何をしても構わん」

 

「・・・・・言質、また明日」

 

 

―――――・・・・・―――――・・・・・―――――・・・・・―――――

 

 

「・・・・・大量」

 

「ち、ちくしょう・・・なんで、勝てないんだ・・・・・!」

 

「警備員1人相手に俺達が負けるなんてあっちゃならないってのに・・・・!」

 

「絶対に、絶対に社会的抹消をしてやる・・・・・!」

 

「おい、重てぇよ・・・・・」

 

「・・・・・薪、よく燃えそう」

 

「は・・・誰が薪だぁあああああああああああああっ!?」

 

「いぎゃあああああああ!! 熱いィィィイイイイイイイイイ!!?」

 

「うあああああああああああああっ!!!」

 

「・・・・・次、中学、兵藤家」

 

「なっ!? いつの間に校庭にいると思ってたら、お、俺達まで燃やす気か!? なんでだよ!!」

 

「・・・・・兵藤家、一蓮托生、連帯責任、犯罪者、制裁、他人事、許されない、燃やす」

 

「お、俺は悪いこと何もしていないのにかよ!? なぁ!?」

 

「・・・・・燃やす、恨むなら、犯罪集団、高校生、兵藤家、恨め」

 

「い、嫌だ・・・・・止めろ、止めろぉおおおおお!!」

 

「ぎゃあああああああああああああ!!!」

 

「何で、何でだよぉおおおおおおおおおおおおお!!」

 

「・・・・・次、小学生、兵藤家、例外、無し、平等、燃えろ」

 

「や、やだよ・・・・・熱い、熱いのはいやだー!!!」

 

 

―――――・・・・・―――――・・・・・―――――・・・・・―――――

 

 

「ほ、本当に燃やしてる・・・・・のに、火傷をしていない?」

 

「・・・・・幻」

 

あれが? と目を疑い少女達は信じられなかった。演技ではなく本当に痛みを覚えている表情と声を上げている兵藤家の男子達を見せつけられているのだ。記憶の映像自体が幻なんじゃないかと思ってしまうほどに。

 

「あの炎も幻なんですか?」

 

「・・・・・幻、蜃気楼、脳、痛み、錯覚」

 

「実質、誰一人怪我以上の負傷はしていない。そう言うことですか」

 

「ヒトが燃えているところ見ていられないけどね・・・・・」

 

「あの、Dさん。それからどうしたんですか?」

 

「・・・・・全員、精神病院、送った」

 

「なるほど・・・脳が痛みを錯覚している以上は精神的な病と思われて当然か」

 

精神安定剤で処方して気持ちを落ち着かせるしかない。それか魔法だ。どちらにしろDの記憶の映像では錯覚した痛みで全員が失神し、Dが魔法で精神科病院へ転送したところでラヴィニアが問う。

 

「D、あれだけのことをして兵藤家の両親とか何も言われなかったのです?」

 

「・・・・・辞めた警備員、不在、責任、要求、不可、履歴書、偽装」

 

「警備員を辞めた当時の警備員さんは私のトレーナーとして指導してくれた。その後、トレーナーに興味を持ったナリタブライアンというウマ娘がチームシリウスに加わった」

 

「そうだったんだー」

 

「・・・ですが、警備員を辞めているのに警備員の格好をしているのは?」

 

マンハッタンカフェの質問に、他のウマ娘も同感であってDを見た。

 

「・・・・・効果、覿面、奴等、萎縮」

 

記憶の映像はDによって消され大広間の光景に戻った。

 

「あっ、あともう少しのところで私とトレーナーさんの出会いが見れると思いましたのに・・・・・」

 

「それを言ったらボクもだよー」

 

「・・・・・今度、就寝」

 

「そうね。元々私達はDに話があって来たんだし、あなた達は明日もトレーニングするのだからもう寝なさい」

 

「と言うことで今日はお開きだ。解散解散」

 

二人のトレーナーの催促にウマ娘はもちろん一般学生と一般人は自室へ戻りトレーナー達は他のトレーナー達と合流して明日のトレーニングについて話し合った。

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