ハイスクールD×D忌避されし存在   作:ダーク・シリウス

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早期解決後

 

 

 

戦いは終わってからというもの。Dが粗方食べ終えるその前にアーシアが天に向かって何かを祈った。それを終わらせリアス達のもとへ走り寄る。

 

カッ。

 

突如、リアス達を眩い何かが襲う。視線を送るとアーシアが―――光の柱に包まれていた。その柱が消えるとアーシアの姿も消えて、リアス達は目の前にいても何が起きてアーシアがいなくなったのか理解に苦しみ、豆鉄砲を食らった鳩のように唖然とした。

 

神滅具(ロンギヌス)で創りしものを破壊したその未知の神器(セイクリッド・ギア)。興味深いな。しかし霧使いめ、手を抜いたな。計画の再構築が必要だ」

 

聞き覚えの無い声。声のした方へ視線を送ると、そこには見知らぬ男が宙に浮いていた。軽鎧を身につけ、マントも羽織っていた。リアスが訊く。

 

「・・・・・誰?」

 

「お初にお目にかかる。私の名前はシャルバ・ベルゼブブ。偉大なる五大魔王の一人ベルゼブブの血を引く、正統なる後継者だ」

 

―――五大魔王。

 

先の世界の覇権を懸けた三大勢力戦争時まで存在していた五人の魔王。ルシファー、レヴィアタン、アスモデウス、ベルゼブブ、そしてフォーベシィ。フォーベシィを残し初代の四人の魔王は戦争で死亡し現在魔王はフォーベシィのみとなっている。しかしながら、四人の魔王の血を引く悪魔は確かに存在していたが全員戦争の続きを望む過激派であったために、これ以上の戦争は種の存続が危ぶんだ魔王フォーベシィが率いる穏健派と対立して戦争・・・過激派が負けて冥界のさらに奥の辺境の地にまで追いやられた過去がある。

 

「さて、サーゼクスの妹君。いきなりだが、貴公には死んでいただく。理由は当然、我々の障害になり得るからだ」

 

冷淡な声を発するシャルバはDも目を向ける。

 

「汚物同然のドラゴンの貴様もだ赤い汚物。聞いたぞ? 昔は大層脆弱で貧弱、羽虫のごとく弱かったらしいではないか。それを拍車に掛けて汚物に成り下がって強者気取りになった気分でいるようだが、偉大なる真の魔王の私の前では全て無価値だ。それも貴様が大切に守っている学園も人も家畜すらない半端な存在もな」

 

「・・・・・」

 

「貴様等を全員、死んでもらった後はあの学園と兵藤家と式森家の人間も全て殺そう。偉大なるベルゼブブの後継者の名を深く心に―――」

 

フッ―――!

 

Dの姿が掻き消えた。シャルバはすぐに周囲を警戒して攻撃してくるDに対する迎撃態勢の構えに入ったが。そんなシャルバを止まって見えるDにとって児戯に等しく、シャルバの目の前に姿を見せ・・・。

 

「・・・・・借りた」

 

誰かに向かっての呟きを残し、展開した光り輝く防御障壁を紙のように抵抗なくシャルバごと木場の剣を上段から打ち落とした。

 

「ぐっ! ・・・・・?」

 

障壁を斬られたわけも自身も斬られた感覚や痛覚も感じないシャルバは疑問を抱いた。空振り、外した? 地上に落ちてシャルバを背にして気付かない内に取った剣を木場に返すDの後ろ姿を見るリアス達。

 

「・・・・・帰る」

 

「帰るって、イッセー! まだ敵は目の前にいるのに、アーシアをどうしたのかもまだ―――!」

 

「・・・・・多分、大丈夫」

 

「その根拠は何よ!?」

 

リアス達を置いてけぼりにして神殿から去ろうとする足を止めないまま告げる。

 

「・・・・・直感」

 

「逃げる気か、赤い龍の汚物め」

 

足を止めて話しかけたシャルバに振り返るD。そのシャルバを見る目は“シャルバ・ベルゼブブ”を見ていない。

 

「・・・・・死人、興味ない」

 

「死人・・・とうに次元の彼方に消えていったあの転生悪魔のことか」

 

シャルバから聞かされたアーシアの状態に目を丸くするリアス達と違い、Dは変わらない目と眼差しをシャルバに向ける。

 

「・・・・・否、お前のこと」

 

は―――? とDの言葉にシャルバを含めリアス達も何を言っているんだと思ったが。シャルバの脳天から股下まで遅れて光る軌跡が生じ―――一拍遅れて切れ目から鮮血が迸った。

 

「―――バ、バカな・・・・・! このわ、私が・・・・・!?」

 

身体が二つに割かれたことに、何も気づかなかったことに、自身の死に現実を受け入れられないままシャルバが地に落ちた。

 

「Dさんはあの時の一撃でもうシャルバを・・・・・」

 

「斬られた本人すらも気付かないほどの斬撃を放ったということなのですね」

 

「でも、アーシアが・・・・・」

 

戦いに勝てても失ったものの方が大きいリアスにとって、喜びよりも悲しみが強く、しばらく立ち直れそうにない。

 

「ふっ、やはりシャルバ程度ではDを本気にさせることはなかったか」

 

第三者の声。声のした方へ振り向くと空間に人が潜れる裂け目ができていて、一人の女性と二人の男性が現れた。

 

「あなた達は・・・・・!」

 

 

 

 

 

 

神殿から遠く離れた場所まで歩いていたDの前にも訪問者が。

 

「久し振りだな」

 

「D、久しい」

 

「・・・・・ん」

 

一人は四肢を覗かせる黒いワンピースと頭に黒いカチューシャを着けた幼女。もう一人は黒いコートと服で身に着た、黒色と金色が入り乱れた長髪と同じ色のオッドアイの女性。

 

「D、魔力、ない」

 

「覇龍を長時間も解除しなかった弊害だな。ああまで怒り狂うとは、よほど大事なものを手出しされたからか」

 

「・・・・・報復、二人」

 

「ただの見学」

 

「オーフィスの付き添いだ」

 

そう、と吐露する。久し振りの二人の理由を知ったところでDには関係なくあるが。

 

「よぉー、ご苦労さんD」

 

「オーフィス、そしてクロウ・クルワッハ。お前達、何をしに現れた。若手悪魔の未来に茶々をいれに来たというなら許さんぞ!」

 

アザゼルと一体のドラゴンが現れ、そのあとにサーゼクスも同じ場に輪の中に入った。

 

「ディオドラとシャルバを倒したか」

 

「・・・・・ん」

 

「珍しく魔力がないなー。覇龍の状態で大暴れしたから当然っちゃ当然か。今なら悪戯し放題だよなー?」

 

手をワキワキといやらしく動かすアザゼルに対し、Dは殺意を込めて睨んだ。

 

「・・・・・仕返し」

 

「わかった、ジョークだジョーク。だから視線で殺せるような怖い顔をするなって」

 

「ふざけるからですよアザゼル総督。D君。キミとリアス達のことは観戦ルームやこのフィールドで戦っている皆にも把握している。キミが協力してくれたおかげでリアス達も助かった。ありがとう」

 

サーゼクスからの礼に首を横に振って、Dはそんなつもりはなかったと否定した。

 

「・・・・・学園、被害、甚大、報復、関係ない」

 

「あー。梃子でも動かないお前がここに来たのはそういう事だったか。後で修繕部隊を派遣してやるからお前は休んでくれていいぞ」

 

「・・・・・感謝、仕事、消化」

 

「直すつもりだったのかよ」

 

呆れつつ仕事のしすぎだろとツッコミを入れるアザゼルから、次にオーフィスとクロウ・クルワッハに語り掛ける。

 

「・・・・・また、近い内に」

 

「ああ、神と戦うようなことがあるならば必ずな」

 

「D、我、遊びに行く。これ、約束」

 

「・・・・・ん、待ってる」

 

徐に握った拳で大気を殴るDの挙動で空間に罅が入っては砕け散り、人が通れるぐらいの穴が出来るとDはその中に潜りゲームフィールドからいなくなった。

 

「ったく、難なくこのフィールドに張られていて強力だった結界を素で突破する苦労を感じさせない奴だ」

 

「あいつならできて当然だ堕天使の総督。数年前から見て判らぬはずがないだろう」

 

「Dはさらに強くなる」

 

最強のドラゴン達も認めるDの強さ。が、ドラゴンの方は疑心暗鬼を抱いていた。

 

「アザゼル、あのDという者とオーフィスとどういう関係だ。よもや『禍の団』と関わりある者ではあるまいな」

 

「関わってりゃ反魔王派のまとめ役の一人を倒さねぇさ」

 

「オーフィスの力を濃く感じさせているのにもか」

 

「その辺は事情があるんだよ。誰にも教えられねぇがな」

 

それで周囲が納得するはずがない

 

「何も知らない私達にも詳しく説明してほしいのだがね。オーフィス。あなたの力を得たD君の経緯を知っているだろう。貴殿の口から聞かせてもらいたい」

 

「違う。我は与えていない」

 

サーゼクスの問いにオーフィスはすぐに否定した。

 

「なんだと? あのDとやらから感じるオーラは間違いなくお前と同じだ。何らかの方法でお前の力が与えたのだろう」

 

「私もタンニーンと同じ考えだオーフィス。あなた以外D君に無限の力を与えられるというのだ」

 

「それは我しかいない。しかし、Dに我の力を与えたことは一度もない。我がDと出会った時から、Dは我の力を持っていた。それが真実」

 

タンニーンと呼ばれたドラゴンとサーゼクスは理解に苦しむ。オーフィスの言葉通りならば、ますますDという存在があやふやになるのだ。幼い頃のDを見たことも交流したこともあるサーゼクスは、あの頃のDがオーフィスの力を絶対に得ていなかったと断言する。

 

「我は行く」

 

「帰るのか?」

 

「違う。見に行く」

 

一体何をだと思うアザゼル達が、このあと巨大な真紅の龍を見ることになった。

 

そして、翌朝には破壊された学園が完璧に修繕されており学園で起きた騒動は一般生徒やウマ娘、教員達が知らないまま体育祭が開催された。

 

外部からやって来る人々がごった返す勢いでそれぞれ駒王学園、トレセン学園に足を踏み入れる。体育祭だけでなく文化祭も兼ねて開催されるため、多くのヒトがやってくる中。

 

「いらっしゃーい!」

 

「出来立ての熱々で美味しいですよー!」

 

出店を構える大人から子供まで来訪者に声をかけ、引き込み料理を提供する。嬉しい悲鳴があちこち・・・・・主にアンツィオ高校から聞こえてくる。日本食ではなくイタリア料理を出す珍しい出店が数多く並んでいるため、好奇心や新鮮を抱かせ買われていくのであった。

 

「総帥! 売れてます、いつも以上に売れています!」

 

「あの白いウマ娘の健啖家ぶりに圧倒され負けて以来特訓した成果が発揮してるっす!」

 

「どんどん作れお前達! 今日で食材が足りなくなるまで売り込んでいくんだ!」

 

「「「はい総帥っ!!」」」

 

その時、皆に根深く記憶させた白い悪夢の再来がやって来た。

 

「・・・・・前に食べたことがある美味しそうな匂いだと思ったら、アンツィオ高校の皆だったか」

 

「「「ギャー!? 白いウマ娘ー!!」」」

 

「き、来たなぁー!? だが、あの時の私達ではないことを証明するチャンスだ!」

 

「・・・? 何のことだかわからないが、この後出番だから今食べられない。終わったら食べに行く」

 

「え・・・そ、そうなのか。頑張れよ?」

 

「ああ。だからその腹ごしらえしたいから大盛りでくれ。10人前」

 

一部、悲鳴の色が変わったことを近くで警備中の機械式バイザーを装備してるDの分身体が聞こえたが、学園中に目を放っているため問題ないと判断、放置する。

 

 

「いやー、場所を変えるだけで好きな戦車を3両交換してくれる条件は嬉しい誤算だねアキ」

 

「そうだねミッコ。プラウダ高校は相変わらず太っ腹で優しくていいね。これからもお世話になろうよ」

 

「アキ、ミッコ。お客さんが来てるよ」

 

「「ミカも手伝ってよ!」」

 

 

「へぇー、今の時期にあんこうを食べられるのかい。お嬢ちゃん一つちょうだいよ」

 

「はい、ありがとうございまーす!」

 

「ほう、その若さでつるし切りをできるとは中々だね」

 

「やり方が判れば簡単だ」

 

「お待たせしましたー! 熱いのでお気をつけてください!」

 

 

「(※ロシア語)ノンナ様。カチューシャ様の素晴らしさを理解する者達がカチューシャ様の絵本を予想の倍以上に購入されています」

 

「(※ロシア語)やはり私達の判断は正しいということでしょうクラーラ。目標は100部でしたが、この調子の売れ行きであれば1000部でも・・・・・」

 

「(※ロシア語)唯一、それが惜しい事をしたと残念で極まりありません」

 

「(※ロシア語)次回もあれば1000部も発行してカチューシャ様の愛好会の部員数を増やしましょう」

 

「ねぇ、何であの二人だけ私達の店からあんなに離れて売っているわけ?」

 

「な、何でもねぇべ!」

 

「んだんだ、カチューシャ様はこっちで頑張ってくんろ!」

 

「頑張ったらまたおっきくなるかもだ!」

 

「お、大きく・・・しょ、しょうがないわね!」

 

 

「ここ、休憩所の筈なんだけどイギリスとドイツの可愛い服を着て二ヵ国の料理を提供しているんだ」

 

「ねー。お店じゃないけど同じ場所で二ヵ国の料理を提供するなんて初めてだよね」

 

「ヴァイスブルストって初めて食べたけど、結構イケるな。ビールと相性がよさそう」

 

「ノンアルコールビールを提供しておりますが如何ですか?」

 

「そうなのか。じゃあ、いただくよ」

 

 

「この紅茶、フルーティーで美味しいわね」

 

「ありがとうございますわ」

 

「・・・・・これ、もしかしてアフタヌーンじゃない?」

 

「なにそれ?」

 

「本場イギリスでは高級品の紅茶よ。前飲んだことがあるから味わかる」

 

「その通りですわお客様。こちらの紅茶は元々ご用意できなかった一品ですが、とある方から無償で提供してくれた物です。アフタヌーンにはこちらの品と食べるとさらに美味しくなりますわ」

 

「う、興味ある・・・お腹周りが気になるけどお、お願いするわ」

 

以下トレセン学園で出店を構えている戦車道の少女達は上々の結果を叩き出している頃。駒王学園で出店を構えたサンダース大学付属高校と知波単学園は。

 

「・・・・・美味い。この出汁を完成するまでの時間と労力を感じさせてくれる」

 

「はっ! ご称讃ありがとうございます!」

 

「ふむ、ここでそばやうどんも食べられるとは。・・・うむ、どちらも本当に店を構えても恥じない出来栄えだ」

 

「これは手作りかね?」

 

「その通りであります! 我が知波単学園の戦車道一同が今日の為にご用意したものであります!」

 

「はきはきと答えるお嬢さんだ。昔を思い出すな」

 

「ああ・・・こういう若者が未だにいるという分かって嬉しい限りだ」

 

「知波単学園、か。覚えておこうではないか」

 

「もしものことが遭ったらここに連絡するといい。可能な限り手助けしよう」

 

「感謝いたします!」

 

 

「ハーイ! お待たせ! ステーキよ!」

 

「お、おお・・・どっちもビック・・・・・」

 

「こっちは本当に食べきれるか怪しいが・・・・・あの、お持ち帰りできますかね?」

 

「できるわよー! でも、出来立てで熱々の今の方が美味しいから食べちゃってね!」

 

「隊長ー! 喋ってないで早く来てくださいー!」

 

「どんどん客が押し寄せてくるな」

 

トレセン学園側に負けない売れ行きを叩き出していた。特に知波単学園は気付きもしなかったが、超有名な一族の心を掴んでいた。

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